例えβに生まれても

14 反省の王子様

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清人様の正座から始まった陽太様のお話は。
なかなか、なかなか、終わらなかった。

Ωに産まれた陽太様が、世間からどんな扱いをされてきたのかを、俺にも清人様にも言い聞かせて。
俺の人生がどう変わってしまうのか、もっと相手に対して頭を働かせろと清人様に迫り。
具体的な差別の内容を知ることで、Ωに成ってしまった後について考えろと俺に迫る。

Ωに生まれていない人間に、Ω堕ち、なんて。
もっての他だと、陽太様は清人様にも俺にも怒っていた。


｢清人の支配下にあったせいだし、ハルちゃんは仕方ないことなんだけど.....ハルちゃんは昔から清人の傍に居すぎて、感覚が麻痺してるとしか思えねぇ。
今だって、Ω堕ちを迫る清人と二度と会えないのは嫌なんだろ？｣


陽太様に尋ねられ、辛くて酷い話を聞いた後で。
そんな扱いをされるΩになれと、言ってきた清人様なのに。
やっぱり、待ち続けた寂しくて会いたくて堪らなくなった気持ちは強いまま。

清人様が、酷い人なんて思えない。
二度と会えないのは、嫌だと思ってしまう。