例えβに生まれても

14 反省の王子様

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清人様は、俺をベットの脇に座らせて。
陽太様に向かって鋭い舌打ちをしてから、扉の向こうに姿を消された。
パタン、と閉まる扉にホッと胸を撫で下ろしかけたんだけど。

あ、あの、清人様とこれ以上一緒にいたら、どうなっちゃうのか怖くはあったんですが。
今の陽太様と二人きりも、困りますっっ

陽太様まで、清人様に向かって舌打ちしていたし。
もぅ、お互いに睨み合ったのなんて一瞬だったんだけど、身体震えちゃうくらいに怖すぎましたっ
陽太様は、わざわざ歩いて扉が完全に閉まるのを確認してから、｢あぁ、ったく！｣イライラ落ちていた靴を拾って履き直して。

俺を見て。

目を閉じて。

もう一度瞼を開けたときには、スッキリした顔。
苛立ちは消えて、むしろ、穏やかに見えた。


｢何が二人の間に起こってるか、教えてくれ｣


その瞳は、真っ直ぐに俺を見下ろしているんだけど、優しさも含まれていたから。
ぽろぽろと、誰にも言えずにいたことを、思い付くまま、時系列なんて無視して一生懸命話してしまっていた。