例えβに生まれても

5 迷走の王子様

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｢.....って言う感じだったんだけど、清人様も絶対楽しくなかったと思うんだよ｣

｢まぁ、あの遊園地はβ向けの、しかも家族連れがターゲットになってるからなぁ｣

｢βのデートを知りたかっただけなら、楽しまなくても満足されてるんじゃないか？
みどりちゃんと朝からずっと話してたもんな｣


夕飯のカレーライスを食べている父さんと兄ちゃんに今日の報告。
兄ちゃんは、朝から予習していた俺達も見ている。
そうか、清人様は確かに俺に合わせたデートをしようって言ってたし、途中で終わっちゃったけどあれで良かったのかな？


｢清人様もお忙しいんだから、あまり迷惑をかけないように気を付けるんだぞ｣


日に焼けた父さんの大きな掌で、頭をグリグリ撫でられる。
俺が遊び相手に選ばれた時は、今よりもっと心配して胃を痛めていたらしい。


｢はぁい｣


心配をかけないよう元気よく返事をして、俺は残りのカレーライスを頬張った。