2 / 50
第一章 攫われハッピーウェディング
第2話 手のひら返しのSay Yes
しおりを挟む
アリスは眉を寄せファハドとローブ男ことウィリアムを睨みつけた。
ここが遠く離れた国外であることにも驚きだが「攫い婚」などという風習には、言葉も出ない。
「もう少し詳しく話した方が良さそうだな。三ヶ月前、俺たちは偶然君の実家が経営する宿屋に泊まる機会があってね。そこで誰よりも一生懸命、積極的に働く君を見て弟が一目惚れした。だが君は結婚を控えていたし弟も諦めようとしていたんだ。けれど、諦めきれずに今回攫ってしまった……というわけだ」
「嘘でしょ……」
アリスは呟いてからウィリアムに視線を移した。彼の表情は全くわからないが、ローブの袖から出ている両手の指先をくねくねと絡めたり離したりしていた。
緊張しているのか照れているのか。どちらにせよ不気味で、アリスは隠すこともせず目元と口元を歪めた。
「もう一度言う。アリス・ヴェンダー、我が弟ウィリアムと結婚してくれ」
「無理です」
アリスは彼らを見据え、強い口調で断りの言葉を口にした。さらに右手を広げて彼らに手のひらを見せ押し出し、拒絶の意思を伝える。思った通りに体の動きが戻ってきた。薬の効果が切れてきたようだ。
こんなにはっきり断られると思っていなかったのか、ファハドは面食らっており、ウィリアムは「な、なんで?」と声を震わせた。
「なんでって、わかるでしょう? どこの世界に自分を攫った犯罪者と結婚する人間がいるの?」
アリスは捲し立てるように言い放つと、最後に鼻からフンと大きく息を吐いた。ファハドとウィリアムが圧倒され、体をやや後ろに反らせる。
「我が弟と結婚したくない女がいるとは思わなかった」
ファハドが信じられないと言わんばかりに呟いた。それを見たアリスはギリギリ常識人かと思っていた彼もまた、人攫いなどという非人道的なことをする犯罪者の仲間に間違いないと悟った。
こうなったら彼に懇願し家に帰してもらうのは難しいだろうとも思った。
このまま断って殺されたり売り飛ばされてしまうくらいならと覚悟を決め、息を吸う。
「いるわよ、少なくともここにひとりはね! あなたどれだけ弟が可愛いのか知らないけど、私と結婚したいのは彼でしょう? なぜ彼は自分で何も言わないの? さっきから指先をもじもじ捏ねているだけで気持ち悪いのよ。それにローブのフードまで被って顔も何もわからない相手と結婚なんてしたいわけないでしょう。万が一別人にすり替わってても気づかないじゃない。こんなんじゃ結婚したって子供も作れないわよ!」
アリスは息継ぎを忘れ語勢を強めながら言い切ると、残っていた水を飲んで呼吸を整えた。その間沈黙を守っていた兄弟。兄のファハドが両眉を上げ額に皺を寄せた。
「驚いた。子供のことまで考えてくれているとは……」
「そこじゃない!」
間髪入れずにアリスは反論した。同時に、なぜ余計なことまで口走ってしまったのだろうと自分のことを恥じた。
ファハドは苦笑しながら拳を作って顎の下につけた。小さく息を吐き、拳を崩しその手で弟を指差す。
「アリスの言うことはもっともだ。ウィリアム、結婚したいならローブを脱ぎ正装しておいで。彼女に素顔をさらけ出すべきだ。そして跪いて求婚しろ」
「でも、もし素顔を見せて嫌われてしまったら……?」
ウィリアムがローブをギュッと握りしめた。彼の不安と緊張がアリスにまで伝わってくる。
するとファハドは彼の背中を平手で叩き激励した。
「何言っているんだ。さっき気づいたが俺たちはすでに彼女に相当嫌われている。なんたって人攫いだからな。だがウィリアム。お前がローブを脱げばきっといい返事をもらえるだろう」
「本当?」
「ああ、もちろんだ。さあ隣の部屋で支度しなさい」
ファハドが叩いた手をウィリアムの肩に乗せぽんぽんと優しく弾ませる。ウィリアムは「行ってきます」と言って部屋をあとにした。
アリスは部屋のドアが閉まったのを確認し、ため息をつく。
「あなた、どこからそんな自信が? 私、領内一の美丈夫と呼ばれる男性と婚約していたのよ。しかも領主の息子で伯爵。彼がそれ以上の人とは到底思えないわ」
そう、きっと領内一の幸せな花嫁になるはずだったのに。
アリスは攫われる直前のことを思い出し下唇を噛んだ。
「なるほど。ちなみにアリス。俺の顔のことはどう思う?」
ファハドが自信たっぷりに口の端を上げ、アリスに問いかけた。
アリスは不本意ながらということをたっぷりと表情に滲ませ、眉根を寄せる。
「ま、まあ……美形なんじゃないでしょうか?」
まあ、どころではない。ファハドは正直アリスが今まで生きてきた中で三本の指に入る美形に違いなかった。その答えを聞いて彼は満足げに目を細めている。
「ウィリアムは、俺以上に美しい」
「まさか!」
あのもじもじローブ男が? という言葉を飲み込み、アリスはファハドを睨んだ。ウィリアムの立ち振る舞いは、自分に自信がなさそうだった。兄以上の美形であれば人々に賞賛されもっと堂々としているはずだ。
「本当さ。だが彼は自分の容姿を気に入っていないし、人見知りが激しいからローブを手放せないんだ。それでも君の婚約者だった浮気男よりずっと好条件だぞ?」
「なぜ知っているのですか?」
アリスが凄むと、ファハドは両手をあげて降参のポーズをとった。
「君を攫うときに見た。こればっかりは不可抗力だ。うちの弟は一途だぞ。それに貴族階級だし領地もある。さらに結婚するなら君の実家に支度金や示談金も支払うよ」
「え? 支度金?」
アリスはきっと自分の目の色が変わっただろうと自覚した。その証拠にファハドは再び余裕の笑みを浮かべている。
「嫁入りの支度金と君を攫ってしまったことへの示談金として、ヴェンダー家には一千万ラウ支払うつもりだ」
「い、一千万ラウ?」
アリスはパチパチと瞬きを繰り返した。
一千万ラウは実家の宿屋一年以上分の売り上げに匹敵する。もちろん通常はそこから人件費や施設の維持費などが差し引かれるので純利益ならさらに数年分だ。
「それも踏まえてウィリアムは君にとっていい男だと思う。ぜひ考えてくれ」
「…………」
一千万ラウあれば。きっと病気の弟もより良い治療が受けられるだろう。アリスが黙って考え込んでいると、部屋のドアが開いた。
「おう、支度は終わったか?」
「うん……」
アリスが顔を上げドアに注目すると、そこにはウィリアムが立っていた。
出ていく前と変わらぬローブ姿で。
散々待たせてこれかと、アリスは怒りの感情が再燃する。
断ろう——そう思い口を開きかけたそのときだった。
「誰にも見られたくなかったから、支度をしてまたローブを着たんだ」
ウィリアムはローブを脱ぎ、ソファの背もたれに掛けた。そして一歩ずつアリスの元へと近づいてくる。白い絹に金の刺繍を施した衣装に包まれた彼は、ベッドの前で片膝をついてアリスを見上げた。
その間、アリスは彼から目を離すことができなかった。彼の兄が言っていたことは本当だったのだ。
「アリス、突然、こんなに遠い異国に君を連れ去ってごめんなさい。けど……初めて見たときから、君が好きだ……」
アリスは息を飲んだ。
ウィリアムはファハドに若干似てはいたが、兄よりさらに端正で少し優しげな顔立ちをしていた。艶やかな黒い髪、白い肌、そして印象的なのは瞳だった。
この手の瞳の色は美しさを形容する言葉として琥珀色と呼ばれる。しかしアリスには硬質な琥珀というよりは、もっと柔らかく甘く艶やかな色に見えた。
(蜂蜜酒みたい……)
「アリス。どうか、僕と結婚してください」
「はい……結婚します」
濃厚で甘い、愛し合うものたちが飲み交わす蜜月の象徴。アリスはウィリアムのとろけるような美しい瞳に、一瞬で心を奪われてしまった。
ここが遠く離れた国外であることにも驚きだが「攫い婚」などという風習には、言葉も出ない。
「もう少し詳しく話した方が良さそうだな。三ヶ月前、俺たちは偶然君の実家が経営する宿屋に泊まる機会があってね。そこで誰よりも一生懸命、積極的に働く君を見て弟が一目惚れした。だが君は結婚を控えていたし弟も諦めようとしていたんだ。けれど、諦めきれずに今回攫ってしまった……というわけだ」
「嘘でしょ……」
アリスは呟いてからウィリアムに視線を移した。彼の表情は全くわからないが、ローブの袖から出ている両手の指先をくねくねと絡めたり離したりしていた。
緊張しているのか照れているのか。どちらにせよ不気味で、アリスは隠すこともせず目元と口元を歪めた。
「もう一度言う。アリス・ヴェンダー、我が弟ウィリアムと結婚してくれ」
「無理です」
アリスは彼らを見据え、強い口調で断りの言葉を口にした。さらに右手を広げて彼らに手のひらを見せ押し出し、拒絶の意思を伝える。思った通りに体の動きが戻ってきた。薬の効果が切れてきたようだ。
こんなにはっきり断られると思っていなかったのか、ファハドは面食らっており、ウィリアムは「な、なんで?」と声を震わせた。
「なんでって、わかるでしょう? どこの世界に自分を攫った犯罪者と結婚する人間がいるの?」
アリスは捲し立てるように言い放つと、最後に鼻からフンと大きく息を吐いた。ファハドとウィリアムが圧倒され、体をやや後ろに反らせる。
「我が弟と結婚したくない女がいるとは思わなかった」
ファハドが信じられないと言わんばかりに呟いた。それを見たアリスはギリギリ常識人かと思っていた彼もまた、人攫いなどという非人道的なことをする犯罪者の仲間に間違いないと悟った。
こうなったら彼に懇願し家に帰してもらうのは難しいだろうとも思った。
このまま断って殺されたり売り飛ばされてしまうくらいならと覚悟を決め、息を吸う。
「いるわよ、少なくともここにひとりはね! あなたどれだけ弟が可愛いのか知らないけど、私と結婚したいのは彼でしょう? なぜ彼は自分で何も言わないの? さっきから指先をもじもじ捏ねているだけで気持ち悪いのよ。それにローブのフードまで被って顔も何もわからない相手と結婚なんてしたいわけないでしょう。万が一別人にすり替わってても気づかないじゃない。こんなんじゃ結婚したって子供も作れないわよ!」
アリスは息継ぎを忘れ語勢を強めながら言い切ると、残っていた水を飲んで呼吸を整えた。その間沈黙を守っていた兄弟。兄のファハドが両眉を上げ額に皺を寄せた。
「驚いた。子供のことまで考えてくれているとは……」
「そこじゃない!」
間髪入れずにアリスは反論した。同時に、なぜ余計なことまで口走ってしまったのだろうと自分のことを恥じた。
ファハドは苦笑しながら拳を作って顎の下につけた。小さく息を吐き、拳を崩しその手で弟を指差す。
「アリスの言うことはもっともだ。ウィリアム、結婚したいならローブを脱ぎ正装しておいで。彼女に素顔をさらけ出すべきだ。そして跪いて求婚しろ」
「でも、もし素顔を見せて嫌われてしまったら……?」
ウィリアムがローブをギュッと握りしめた。彼の不安と緊張がアリスにまで伝わってくる。
するとファハドは彼の背中を平手で叩き激励した。
「何言っているんだ。さっき気づいたが俺たちはすでに彼女に相当嫌われている。なんたって人攫いだからな。だがウィリアム。お前がローブを脱げばきっといい返事をもらえるだろう」
「本当?」
「ああ、もちろんだ。さあ隣の部屋で支度しなさい」
ファハドが叩いた手をウィリアムの肩に乗せぽんぽんと優しく弾ませる。ウィリアムは「行ってきます」と言って部屋をあとにした。
アリスは部屋のドアが閉まったのを確認し、ため息をつく。
「あなた、どこからそんな自信が? 私、領内一の美丈夫と呼ばれる男性と婚約していたのよ。しかも領主の息子で伯爵。彼がそれ以上の人とは到底思えないわ」
そう、きっと領内一の幸せな花嫁になるはずだったのに。
アリスは攫われる直前のことを思い出し下唇を噛んだ。
「なるほど。ちなみにアリス。俺の顔のことはどう思う?」
ファハドが自信たっぷりに口の端を上げ、アリスに問いかけた。
アリスは不本意ながらということをたっぷりと表情に滲ませ、眉根を寄せる。
「ま、まあ……美形なんじゃないでしょうか?」
まあ、どころではない。ファハドは正直アリスが今まで生きてきた中で三本の指に入る美形に違いなかった。その答えを聞いて彼は満足げに目を細めている。
「ウィリアムは、俺以上に美しい」
「まさか!」
あのもじもじローブ男が? という言葉を飲み込み、アリスはファハドを睨んだ。ウィリアムの立ち振る舞いは、自分に自信がなさそうだった。兄以上の美形であれば人々に賞賛されもっと堂々としているはずだ。
「本当さ。だが彼は自分の容姿を気に入っていないし、人見知りが激しいからローブを手放せないんだ。それでも君の婚約者だった浮気男よりずっと好条件だぞ?」
「なぜ知っているのですか?」
アリスが凄むと、ファハドは両手をあげて降参のポーズをとった。
「君を攫うときに見た。こればっかりは不可抗力だ。うちの弟は一途だぞ。それに貴族階級だし領地もある。さらに結婚するなら君の実家に支度金や示談金も支払うよ」
「え? 支度金?」
アリスはきっと自分の目の色が変わっただろうと自覚した。その証拠にファハドは再び余裕の笑みを浮かべている。
「嫁入りの支度金と君を攫ってしまったことへの示談金として、ヴェンダー家には一千万ラウ支払うつもりだ」
「い、一千万ラウ?」
アリスはパチパチと瞬きを繰り返した。
一千万ラウは実家の宿屋一年以上分の売り上げに匹敵する。もちろん通常はそこから人件費や施設の維持費などが差し引かれるので純利益ならさらに数年分だ。
「それも踏まえてウィリアムは君にとっていい男だと思う。ぜひ考えてくれ」
「…………」
一千万ラウあれば。きっと病気の弟もより良い治療が受けられるだろう。アリスが黙って考え込んでいると、部屋のドアが開いた。
「おう、支度は終わったか?」
「うん……」
アリスが顔を上げドアに注目すると、そこにはウィリアムが立っていた。
出ていく前と変わらぬローブ姿で。
散々待たせてこれかと、アリスは怒りの感情が再燃する。
断ろう——そう思い口を開きかけたそのときだった。
「誰にも見られたくなかったから、支度をしてまたローブを着たんだ」
ウィリアムはローブを脱ぎ、ソファの背もたれに掛けた。そして一歩ずつアリスの元へと近づいてくる。白い絹に金の刺繍を施した衣装に包まれた彼は、ベッドの前で片膝をついてアリスを見上げた。
その間、アリスは彼から目を離すことができなかった。彼の兄が言っていたことは本当だったのだ。
「アリス、突然、こんなに遠い異国に君を連れ去ってごめんなさい。けど……初めて見たときから、君が好きだ……」
アリスは息を飲んだ。
ウィリアムはファハドに若干似てはいたが、兄よりさらに端正で少し優しげな顔立ちをしていた。艶やかな黒い髪、白い肌、そして印象的なのは瞳だった。
この手の瞳の色は美しさを形容する言葉として琥珀色と呼ばれる。しかしアリスには硬質な琥珀というよりは、もっと柔らかく甘く艶やかな色に見えた。
(蜂蜜酒みたい……)
「アリス。どうか、僕と結婚してください」
「はい……結婚します」
濃厚で甘い、愛し合うものたちが飲み交わす蜜月の象徴。アリスはウィリアムのとろけるような美しい瞳に、一瞬で心を奪われてしまった。
0
お気に入りに追加
56
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢はお断りです
あみにあ
恋愛
あの日、初めて王子を見た瞬間、私は全てを思い出した。
この世界が前世で大好きだった小説と類似している事実を————。
その小説は王子と侍女との切ない恋物語。
そして私はというと……小説に登場する悪役令嬢だった。
侍女に執拗な虐めを繰り返し、最後は断罪されてしまう哀れな令嬢。
このまま進めば断罪コースは確定。
寒い牢屋で孤独に過ごすなんて、そんなの嫌だ。
何とかしないと。
でもせっかく大好きだった小説のストーリー……王子から離れ見られないのは悲しい。
そう思い飛び出した言葉が、王子の護衛騎士へ志願することだった。
剣も持ったことのない温室育ちの令嬢が
女の騎士がいないこの世界で、初の女騎士になるべく奮闘していきます。
そんな小説の世界に転生した令嬢の恋物語。
●表紙イラスト:San+様(Twitterアカウント@San_plus_)
●毎日21時更新(サクサク進みます)
●全四部構成:133話完結+おまけ(2021年4月2日 21時完結)
(第一章16話完結/第二章44話完結/第三章78話完結/第四章133話で完結)。
国王陛下、私のことは忘れて幸せになって下さい。
ひかり芽衣
恋愛
同じ年で幼馴染のシュイルツとアンウェイは、小さい頃から将来は国王・王妃となり国を治め、国民の幸せを守り続ける誓いを立て教育を受けて来た。
即位後、穏やかな生活を送っていた2人だったが、婚姻5年が経っても子宝に恵まれなかった。
そこで、跡継ぎを作る為に側室を迎え入れることとなるが、この側室ができた人間だったのだ。
国の未来と皆の幸せを願い、王妃は身を引くことを決意する。
⭐︎2人の恋の行く末をどうぞ一緒に見守って下さいませ⭐︎
※初執筆&投稿で拙い点があるとは思いますが頑張ります!
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
お飾りの側妃ですね?わかりました。どうぞ私のことは放っといてください!
水川サキ
恋愛
クオーツ伯爵家の長女アクアは17歳のとき、王宮に側妃として迎えられる。
シルバークリス王国の新しい王シエルは戦闘能力がずば抜けており、戦の神(野蛮な王)と呼ばれている男。
緊張しながら迎えた謁見の日。
シエルから言われた。
「俺がお前を愛することはない」
ああ、そうですか。
結構です。
白い結婚大歓迎!
私もあなたを愛するつもりなど毛頭ありません。
私はただ王宮でひっそり楽しく過ごしたいだけなのです。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
お兄様の指輪が壊れたら、溺愛が始まりまして
みこと。
恋愛
お兄様は女王陛下からいただいた指輪を、ずっと大切にしている。
きっと苦しい片恋をなさっているお兄様。
私はただ、お兄様の家に引き取られただけの存在。血の繋がってない妹。
だから、早々に屋敷を出なくては。私がお兄様の恋路を邪魔するわけにはいかないの。私の想いは、ずっと秘めて生きていく──。
なのに、ある日、お兄様の指輪が壊れて?
全7話、ご都合主義のハピエンです! 楽しんでいただけると嬉しいです!
※「小説家になろう」様にも掲載しています。
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる