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雫の横顔

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 雫とはバイト先でシフトは一緒だった、も
しこれがチャンスだとしたら、デートに誘い
たい・・・、でも、雫が休みの日はヘルパー
サービスでバイト・・・、というか、あの時、
目撃した行動をする・・・、だから誘いづら
い、邪魔をしたくない、そう思っていた時、
雫から誘いがあった、まだ先の予定だが感激
に包まれた、夜が昼間になった気がした。

『やったー、ついてるぞ俺!!映画か?、ど
れくらい観に行ってないのか分からないくら
い行ってないな!!、楽しみだ!!』

 それから更に浮かれる毎日だった、次の日、
バイトが休みだから俺はまた東口に向かって
いた、そしていつもの場所で老人と会う雫、
いつものルート十字路を左、そしてまた左の
突き当たり、きっと棒状の物はストロー的な
感じに見えた、全て吸い切った雫の横顔、そ
して口元を手の甲で優しく拭き取る姿は、と
ても美しく観えた、見届けてから俺は後ろに
振り向き去ろうとした、時だ!!

『聖夜さん、ここで何をしていましたか?』

『あー、いやー、ちょっと道に迷っちゃって
さぁー、アハハッ!!』

『私がした事を観ましたか?』
『私が人間を襲うのを観ましたか?』
『私が人間の脳みそを吸う所を観ましたか?』

 雫の声は少し震えている様な感じで、俺に
質問攻めをしていた、それに少し涙を溜めて
いる様にも観えた。

『そうだよ!!、俺は今日始めて観た訳じゃ
ない、これで二回目だよ!』

『そっそんな、二回目って、それなのに何故
私の誘いを受けてくれたのですか?、私が怖
くないのですか?、どうして?、どうして?』

『最初目撃した時は正直びっくりしたけど、
でも訳があるんだろ?、やらなきゃならない
訳が?、俺は雫を攻めることは出来ない、俺
もストーカーしていたんだから、それに、む
しろ協力したい気持ちもある、可笑しいと思
うけど、俺の心がそう言っている気がする』

『ウーッウウ、ウウウッなん・・で・・・、
始めて私が聖夜さんと出逢った時から、ずっ
と気になっていました、不思議なくらいに心
の騒めきを感じていました、まるで何処かで
出逢っていたかの様に・・・』

 雫は泣いていた・・・、子供の様に・・、
俺は、ありったけの雫を想う気持ちを伝え、
雫は徐々に泣き止んだ・・・、俺は雫の頭を
撫でてこう言った、大丈夫だよ、と。
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