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運命のブーケトス
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ユッコの結婚披露宴は滞りなく進行し、やがて中盤に差し掛かった。
「次は皆様お待ちかね、ブーケトスに移りたいと思います」
司会者がにこやかに言ったけど、あたしは別に待ちに待ってないし、参加したくもない。
すると二回目のお色直しでドピンクのカラードレスに着替えたユッコが、司会者からマイクを受け取った。
「ブーケトスは、アタシの親友たち4人に参加してもらいたいと思ってます‼︎」
え……嫌な予感がする……。
「リョウコ、ヨシエ、カナ、サナエ! こちらへどうぞ‼︎」
まさかの強制参加だった。場を白けさせる訳にもいかず、あたし達はしぶしぶ前に出た。
ユッコは何故か目を潤ませて、叫んだ。
「アタシの幸せをォ、可哀想な独身女達にィ、分けてあげたいとォ、思いますゥゥゥ!!!」
てめぇぶん殴るぞこの花畑女が……主役だからって何言ってもいい訳じゃねぇぞ……‼︎
「参列してくれたささやかなお礼として、ブーケの中に、5,000円分の図書カードを忍ばせています♪」
でもユッコがそう言った瞬間、皆んなの目つきが変わった。5,000円分、だ、と⁈ そんなら話は別だわ……。
決めた! ブーケ、あたしが絶対手に入れる! そしてユッコの旦那よりいい男を捕まえて、そのお金で絶対にゼクシィを買ってやる‼︎
思ってることは皆んな一緒らしく、カナは屈伸運動を開始した。ヨシエは座禅を組み精神統一を行っている。サナエはヒールと、ストッキングまで脱いでいる。
あたしは下半身に力を込め筋肉を肥大させ、ヒール及びストッキングを弾け飛ばした。ブチリブチリ。
「皆んな、いっくよ~~☆ ウェエェェイッ‼︎」
ユッコの手からブーケが放られた。
「「「「ウオォアォオオォァオア‼︎」」」」
ブーケはあたしから一番遠い、サナエの頭上へ……! まずいわ! あ、カナがブーケを弾き飛ばした! ファインプレイ! でもでも、それをヨシエが掴もうとして……あと一歩届かず‼︎ サナエがスライディングでブーケを奪おうと床を滑る! あたしも負けじと手を伸ばす、カナがあたしの脚を引っ張る! ちょっと、やめなさいよ‼︎ ヨシエもサナエに覆い被さって、サナエを阻止‼︎ すかさずヨシエがブーケを掴みかけ……、
させるかぁぁああぁぁあ!!!
あたしはヨシエのドレスのウエスト部分のリボンをムンズと掴み彼女を引き戻す、ブーケはヨシエの手に当たって上空へ舞った‼︎ あたしはカナをふりほどき……、
肥大せし脚の筋肉はあたしを素早く上へと跳躍させた。ブーケ、ゲットォ‼︎ ヤッタネ、図書カード‼︎
そのままあたしは式場の屋根を突き破り、その勢いで大気圏に突入した。せっかくゲットした図書カードが燃え尽きてしまう。
チッ……これじゃゼクシィ買えねぇ……。
突然衝撃があたしの頭部を襲った。視線を上げると、銀色に輝く巨大な塊が頭上を覆っている。どうやら、ふわふわ浮いていた飛行物体に激突したみたい。
何だ、UFOかよ。よりによってあたしの描くべき放物線の先に浮いているとは……
飛行物体の扉らしき部分がウィィ~~ンと開いた。謎の素材に頭頂部がめり込んだあたしはUFOキャッチャーの腕のような物で挟まれ、内部に引き込まれた。あぁ、服がズタズタだ……。
「£#♭Å∵∞‼︎ £#♭Å∵∞‼︎」
地球外生命体があたしを指差して何か怒鳴ってる。何言ってんのか全然わかんないし、何なのよコイツは‼︎
あたしは地球外生命体に詰め寄った。
「ちょっとぉ! この服高かったのに! 弁償しなさいよね‼︎」
地球外生命体はしばらく首を360度グルングルン回転させたり触角みたいなのをピンピン振り回したりしてたけど、急に動きを止めた。そしてコンニャクの様な物を3本の指で宙から取り出し飲み込んだ。
「ナンテ コト シテクレタンダ フネ ニ キズ ガ ツイタ」
地球外生命体は平坦なイントネーションで、なんと日本語を話し出した。コンニャクは意思疎通を可能にするアイテムみたいな物なのかしら?
「だから! あんたのせいでドレスが台無しなのよ‼︎」
あたしはたかが地球外生命体に負けじと声を張り上げる。
地球外生命体はあたしをジッと見つめてる……何、この感じ……身体の中がほんわりあったかくなるような感覚……もしや、これは……
「ダンゴッパナ ニ シモブクレ ノ リンカク イナカッペ ミタイ ナ アカスギル チーク……
オヌシ、ゲキカワワワワワ‼︎」
「エメラルドグリーンに輝くツヤッツヤのボディに、顔の4分の3を占めるお目々……あたしのストライクゾーンど真ん中‼︎」
地球外生命体のボディが虹色に輝き、あたし達は手を固く握り合った。
「「ディスティニーーーーー!!!!」」
あたし達の愛は、永遠の物ね……。図書カードなんて、もはやどうでもいいわ‼︎ 地球外生命体との出会い、オー、プライスレス‼︎
♡
これが、あたしとダァとの出会いでっす☆
サナエもカナもヨシエも、あたしみたいに早く幸せになって欲しいなぁ~~☆
「次は皆様お待ちかね、ブーケトスに移りたいと思います」
司会者がにこやかに言ったけど、あたしは別に待ちに待ってないし、参加したくもない。
すると二回目のお色直しでドピンクのカラードレスに着替えたユッコが、司会者からマイクを受け取った。
「ブーケトスは、アタシの親友たち4人に参加してもらいたいと思ってます‼︎」
え……嫌な予感がする……。
「リョウコ、ヨシエ、カナ、サナエ! こちらへどうぞ‼︎」
まさかの強制参加だった。場を白けさせる訳にもいかず、あたし達はしぶしぶ前に出た。
ユッコは何故か目を潤ませて、叫んだ。
「アタシの幸せをォ、可哀想な独身女達にィ、分けてあげたいとォ、思いますゥゥゥ!!!」
てめぇぶん殴るぞこの花畑女が……主役だからって何言ってもいい訳じゃねぇぞ……‼︎
「参列してくれたささやかなお礼として、ブーケの中に、5,000円分の図書カードを忍ばせています♪」
でもユッコがそう言った瞬間、皆んなの目つきが変わった。5,000円分、だ、と⁈ そんなら話は別だわ……。
決めた! ブーケ、あたしが絶対手に入れる! そしてユッコの旦那よりいい男を捕まえて、そのお金で絶対にゼクシィを買ってやる‼︎
思ってることは皆んな一緒らしく、カナは屈伸運動を開始した。ヨシエは座禅を組み精神統一を行っている。サナエはヒールと、ストッキングまで脱いでいる。
あたしは下半身に力を込め筋肉を肥大させ、ヒール及びストッキングを弾け飛ばした。ブチリブチリ。
「皆んな、いっくよ~~☆ ウェエェェイッ‼︎」
ユッコの手からブーケが放られた。
「「「「ウオォアォオオォァオア‼︎」」」」
ブーケはあたしから一番遠い、サナエの頭上へ……! まずいわ! あ、カナがブーケを弾き飛ばした! ファインプレイ! でもでも、それをヨシエが掴もうとして……あと一歩届かず‼︎ サナエがスライディングでブーケを奪おうと床を滑る! あたしも負けじと手を伸ばす、カナがあたしの脚を引っ張る! ちょっと、やめなさいよ‼︎ ヨシエもサナエに覆い被さって、サナエを阻止‼︎ すかさずヨシエがブーケを掴みかけ……、
させるかぁぁああぁぁあ!!!
あたしはヨシエのドレスのウエスト部分のリボンをムンズと掴み彼女を引き戻す、ブーケはヨシエの手に当たって上空へ舞った‼︎ あたしはカナをふりほどき……、
肥大せし脚の筋肉はあたしを素早く上へと跳躍させた。ブーケ、ゲットォ‼︎ ヤッタネ、図書カード‼︎
そのままあたしは式場の屋根を突き破り、その勢いで大気圏に突入した。せっかくゲットした図書カードが燃え尽きてしまう。
チッ……これじゃゼクシィ買えねぇ……。
突然衝撃があたしの頭部を襲った。視線を上げると、銀色に輝く巨大な塊が頭上を覆っている。どうやら、ふわふわ浮いていた飛行物体に激突したみたい。
何だ、UFOかよ。よりによってあたしの描くべき放物線の先に浮いているとは……
飛行物体の扉らしき部分がウィィ~~ンと開いた。謎の素材に頭頂部がめり込んだあたしはUFOキャッチャーの腕のような物で挟まれ、内部に引き込まれた。あぁ、服がズタズタだ……。
「£#♭Å∵∞‼︎ £#♭Å∵∞‼︎」
地球外生命体があたしを指差して何か怒鳴ってる。何言ってんのか全然わかんないし、何なのよコイツは‼︎
あたしは地球外生命体に詰め寄った。
「ちょっとぉ! この服高かったのに! 弁償しなさいよね‼︎」
地球外生命体はしばらく首を360度グルングルン回転させたり触角みたいなのをピンピン振り回したりしてたけど、急に動きを止めた。そしてコンニャクの様な物を3本の指で宙から取り出し飲み込んだ。
「ナンテ コト シテクレタンダ フネ ニ キズ ガ ツイタ」
地球外生命体は平坦なイントネーションで、なんと日本語を話し出した。コンニャクは意思疎通を可能にするアイテムみたいな物なのかしら?
「だから! あんたのせいでドレスが台無しなのよ‼︎」
あたしはたかが地球外生命体に負けじと声を張り上げる。
地球外生命体はあたしをジッと見つめてる……何、この感じ……身体の中がほんわりあったかくなるような感覚……もしや、これは……
「ダンゴッパナ ニ シモブクレ ノ リンカク イナカッペ ミタイ ナ アカスギル チーク……
オヌシ、ゲキカワワワワワ‼︎」
「エメラルドグリーンに輝くツヤッツヤのボディに、顔の4分の3を占めるお目々……あたしのストライクゾーンど真ん中‼︎」
地球外生命体のボディが虹色に輝き、あたし達は手を固く握り合った。
「「ディスティニーーーーー!!!!」」
あたし達の愛は、永遠の物ね……。図書カードなんて、もはやどうでもいいわ‼︎ 地球外生命体との出会い、オー、プライスレス‼︎
♡
これが、あたしとダァとの出会いでっす☆
サナエもカナもヨシエも、あたしみたいに早く幸せになって欲しいなぁ~~☆
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