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22.楽園は地下に
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シノムと名乗る男とはじめて出会ったのはいまから500年ほど昔になる。
彼は今のシノムよりずっと私に似ていた。
私たちの一族は東から来た。
長いあいだ地底を落日のほうへ、地上に文明を見つけてからはその痕跡をたどり北上するに至った。
そしてあるときこの巨大な金脈を見つけたのだ。
ここはまるでなつかしい日の出の国のようだった。
金は我々にとって貴重な餌食のひとつなのだ。我々は黄金の国からきたのだから。
……——しかし不思議なことがあり、ときどき金脈のむこうから見慣れない人間が迷いこんでくる。
不思議に思い、好奇心に駆られた我々は金のむこうがわへ境界をこえた。
それが500年前のことだ。
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