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7. 千年伯爵
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フィオナはここの所、身体の具合が優れなかった。丁度あの部屋を開いた頃からだ。
シノムは心配して伏せっている彼女のそばを離れたがらないから、仕事が溜まっているようだった。仕事と言ってもほとんど何かの付き合いのようなものだったけれど。
「ごめんなさいシノム。私は貴方を困らせているわ」
「そんな事は構わないんだよ。僕は君さえ元気になってくれれば、他のものはなにもいらないんだから」
本当の事だからねと、病床のフィオナの枕元でシノムは念を押す。
フィオナはまるでいい夢でも見ているような気分だった。
彼との結婚は継母に売られた末の婚姻だと、無邪気なふりをしながらフィオナにも分かっていた。だから、それがこんなに幸せで構わないのだろうかと。
これがもし夢なら、いっそ覚めないままでいてほしいとフィオナは願った。
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