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第1章魔族と勇者編

12吸血鬼の誘惑 ※

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 ジゼの授業によると、魔法は誰でも使えるわけではないらしい。魔力がある魔族や、神族と精霊など元々素質のある者が使えるようだ。
 属性は8つ、火水土風雷聖闇時。

「なるほど。アディの属性は火か」
「魔王陛下は8属性のうち、聖と時以外全て使えます」
「え、なにそのチート情報」
「私も闇属性の魔法が使えます」
「さすが吸血鬼。リドレイは?」
「アレは脳筋なので、魔法は使えません」
「納得」
「冗談ですよ。元々、竜神族は魔法が使えません。その分肉体の強靭さが発達しました」

 セナは自分も魔法使いたかったなと思う。

「魔族のことはなんとなくわかったけど、人間の国ってないの?」
「御座いますよ。人間の国は7大陸にほぼ存在していますが、中でも中央大陸の人間族最大国家《クラリシス王国》です。聖剣に守られ我々魔族でも下手に手を出せません」
「へぇ!聖剣!魔王を倒すレア武器だよな」
「その通りです」
「あ、やっぱり」

 どこの世界でも、魔王に対抗できる武器はやっぱり聖剣であるようだ。

「ですが、今聖剣は王国にはないようです。150年前、聖剣を魔王が吹き飛ばしましたから」
「え、そうなの!」
「私もあまり詳しくはないのですが、聖剣降臨の儀式を行った神族と人間に対してまだ魔王ではなかったアーディフィエル様が戦いを挑んだのです」
「リドレイにちょっと聞いてたけど、アディって意外と過激なんだな」
「そんな事はありません、魔王陛下は大変素晴らしいお方ですよ。ところで・・・」
「ん?」

 セナは、さっきからガン見してくるジゼの目線に気付いた。首筋を見ながら授業をしていた、わかりやすい吸血鬼だ。

「セナは、魔王陛下と・・リドレイともしましたよね?」
「・・・」

 はっきり言われなくても、ジゼが何が言いたいのかわかった。

「ま、まぁ、若気の至り・・・かな」
「魔王陛下とリドレイのを匂わせて、どんどん美味しそうになるセナに私はもう限界です」
「な、なにが!?」
「少しで良いのですが、授業料ということで味見を・・」
「え、ちょっと、それは・・・うわっ」

 椅子に座っていたセナは逃げようと立ち上がるが、ジゼの動きの方が早く机に押し倒されてしまう。
 ジゼは脚の間に身体を滑り込ませ、セナの首筋に口を寄せ舌で舐めた。

「うあっ、ジゼ、ちょっと待って」
「はぁ・・セナ、甘いですね」
「んッ、ぅ・・・うぅ」

 セナの首筋を舐めたり、まだ伸ばしていない吸血鬼の牙で甘噛みする。セナは歯が当たるたびにビクビクと身体を跳ねさせてるようだ。
 ジゼは顔を上げて見下ろすと、口を抑えて声が出ないように耐えているセナにゾクゾクした。セナの抑えた手を掴んで引き寄せる。

「あっ、な、・・なんだよ」
「私にも、セナの初めてを下さい。首が怖いなら、せめて手からでお願いします」
「首でも手でも怖いから!ぜったい噛まれたら痛いし」
「針で刺されたくらいの痛さにしておきますから、ね」
「や、やだよ」
「では無理矢理噛み付いて穴が空いてもよいのですか?」
「ヒィッ!?・・・うーん、優しくでお願いします」

 どうせ抵抗してもジゼの方が力が強いので、セナはせめてもと優しい方を選ぶ。

「ご安心下さい、めいいっぱい気持ちよくして差し上げますから」
「?・・・あッ!」

 セナの左手の小指下、柔らかい小指球の辺りにジゼは伸ばした牙で噛み付く。チリっとした痛みが一瞬あり、ちゅくちゅくと吸われる感触がした。
 口を離したジゼは、牙で少し穴が空いた傷口から出るわずかな血を舌で舐めとる。

「ん・・・セナは美味しいですね」
「・・うぅ、終わった?」
「・・・そうですね、もう少しだけ」

 ジゼは手の甲にチュッとキスすると、セナの下肢に身体を移動させた。ズボンの布越しにチュッチュッと触れるキスをする。

「えっ!あっ、ぁ、んっ、なにして」
「下も甘いのかと思いまして」
「し、下、・・・まさか俺のちんこを噛む気かなのか!?」

 そんな所を噛まれては男として一生再起不能だ。セナは身体をよじって逃げようとした。だがすでに遅く、取り出されたセナのモノは握られてしまう。

「ヒィッ!」
「どこ行くのですが、セナ。まだ授業中ですよ」
「あっ、だってジゼがそんなとこ握るから・・・」
「噛んだりしません。セナは大人しく喘いでなさい」
「う、・・ぁっ、あ、んっ・・・んぅ」

 まだ萎えているセナの起立の先端を一舐めすると、大きく身体が跳ねる。ジゼは先端を円を描くようにゆっくり舌を這わせた。ジゼの唾液が亀頭を濡らしていく。そのまま裏筋から根元まで舌を上下に往復すると、セナの起立はゆっくり硬くなっていく。

「んっ、んぅ・・ぁ、はぁ、くすぐったい」
「セナは感じやすいんですね」
「ジゼ・・ぁ、も、離れて・・くれ、ああッ」

 セナは裏筋を軽く噛まれ、脚がガクガクと震える。

「セナは裏筋が感じるのですね。あぁ・・可愛いらしい、噛んでしまいたい」
「うぅ、や、いやだ・・ぁあ!んんっ、あ、あ、ああッ、くっ」

 ジゼは完全に勃起したセナの起立を口に咥えて、上下に扱き始める。唾液でたっぷり絡められた起立からじゅぶじゅぶと音がして、セナは顔を手で覆い身悶える。
 目を瞑ると余計に起立への感触が強くなり、セナは身体をずっとビクビクと震わせた。太腿を擦られる手にさえ感じてしまう。

「あっ、あ、んぁっ、も、イク・・イクから、んぅッ、口離し、噛まれる!噛まれちゃーーーーッ!」

 さらに根本まで深く咥えられキツく吸い上げられると、セナはガクガクと腰を跳ねさせながらジゼの口の中で達した。
 ジゼはセナの達した精液を喉を鳴らして飲み込むと、口から起立を離した。名残惜しそうに鈴口を割って舐めると、セナはまたビクビクと跳ねている。

「はぁ・・美味でした。・・・セナ?」
「ぁ・・・ひ・・はぁ・・ぁ」

 セナは目から涙が溢れ、口の端からは涎が伝っている。ジゼに噛まれるかもという恐怖と、初めての口淫の快感が混ざり合って淫靡に染まっていた。
 ジゼはその姿に、自分の口元を抑えて耐える。このままセナの首筋を噛んだまま思うさま貪りたいと思ったが、まだ授業中だと思考を切り替える。

「くっ・・はぁ・・・。セナ、ほらいつまで伸びているのですか。まだ授業中ですよ」
「んぅ・・はぁはぁ・・」

 セナのズボンを履かせ直し、机から起こして椅子に座らせる。セナはまだ少し呆然としているが、ジゼは構わずに授業の続きを始めた。そうでもしないと、このまま襲ってしまいそうだったからだ。
 楽しみはまだ取っておこうと、ジゼは心に閉まっておくのだった。
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