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3章 新たな器編

30甘く摘む※

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  散々ネーナのお着替え人形にされたイオは、ぐったりして部屋で休んでいるとドアをノックする音がして起き上がる。扉を開けると、ヴェルジークだった。

「イオ、大丈夫か?」
「うん、まぁ・・・でも、いいお母さんだよね」
「別宅に住んでいるので、久しく会っていなかったがお転婆は相変わらずのようだ。疲れただろう?一緒に風呂に入らないか?いい薬湯があるんだ」
「風呂かぁ、いいよ」
「今夜は母上がこちらに泊まるし、明日から出立でしばらく二人きりとはいかないからな。それに風呂ならば、誰も邪魔しには来ないだろう」
「ぅ、うん・・・そうだね」

 二人きりの風呂の意味をあきらかに理解したイオは、一つ返事した事に羞恥する。
 
 浴室まで着いていくと、脱衣所で脱ぎ始めるが手早く脱ぐヴェルジークとは反対にイオはゆっくり脱いでいた。この後のことを意識すると、なかなか手が進まないのである。チラリと横を見ると、すでに全裸になっていたヴェルジークの騎士として鍛え上げられた肉体美が晒されていた。

「・・・」
「どうした?」
「や、な、なんでもないよ!」

 思わず見惚れてしまったイオは、慌てて目を逸らす。

 イオがモタモタしている合間に、先に湯を沸かしていてくれていたヴェルジークが二人でも充分な大きさの石造りの浴槽に先に浸かっていた。
 この国では一般庶民は木材か陶器の単体に置かれたバスタブが主流だが、王族や貴族など上層階級は特殊な石材で作られた石造りの浴槽が主流であるようだ。普段は使用人用の浴室だが、主人用の浴室は初めて入る。イオは、元の世界の温泉とかに似ているなと思っていた。蛇口を捻れば温水が出るのも似たような構造なので、この世界の風呂には慣れるのに苦労はなかった。

 今日は薬湯が入れられていて、底が見えないほど白く濁っている。

「牛乳風呂みたいだ。ちょっととろとろする・・・匂いもなんか甘いかな」
「牛ではないが、果実の汁を使った薬湯だ」
「へぇ~果実かぁ。どんなんだろ」
「西大陸にあるから、行った時に食べさせてあげよう」
「食べられるんだ、楽しみだな。あ、いや・・・仕事で行くんだよね。うん気を付けないと」
「心配するな、イオ。俺が守るよ」
「・・・・ヴェルジーク」

 ヴェルジークの1人称が、「私」から「俺」になるといつもより男前でイオは胸の鼓動がいつになく早くなるのを感じた。
 すると太腿の外側に何かが触れる。ヴェルジークの悪戯な脚が、イオに擦り寄っていた。

「二人きりの時はなんて言うんだったかな?」
「あ、・・・ヴェル」
「イオ、おいで」

 ヴェルジークは両手を差し出して、イオを迎えようとしている。イオは吸い込まれるように目の前に近付いて行くと、優しく抱き留められた。
 そして髪や耳に優しいキスをしながら、首筋と背中にかけてヴェルジークの手がイオの背中をなぞるように触れていく。腰まで触られていくと、背中がゾクゾクと甘く痺れイオは身体をビクビクと跳ねさせた。

「んっ・・・」
「可愛い」
「・・・かわ、可愛いくはないだろう。オレ、男だし」
「イオは、性別にこだわるのか?俺にとってはイオが、誰よりも1番可愛いよ」
「・・・ぅ」

 イオはいつもストレートな愛情表現をするヴェルジークに、嬉しいと思いつつまだまだ照れてしまう。照れ隠しに、肩口に顎を乗せて抱き着いた。
 そんな気恥ずかしいイオを、やはり可愛いと思いヴェルジークは抱きしめた。そして指で愛撫しながら滑らせていき、まだ実を咲かせない蕾へと触れる。

「ぁ・・・」
「挿れていいか?身体に負担をかけないように、今日は中で出さない」
「ん、うん」
「ありがとう」
「ぁっ、ぁ・・・んッ」

 撫でるように解しながら、薬湯のとろみで少しだけ滑りがよくなり指が1本挿入される。身体が温まっていたせいか、後孔は蕩けるように柔らかく中で動かされても痛みはなかった。
 イオがちゃんと感じていると思い、ヴェルジークは指を増やして敏感に反応するところを押してこね回したりして昂ぶらせていく。

「んッ、あ、ぁ・・・・ッ、んぅ」
「イオ、嬉しいよ。俺の指をこんなにも締め付けて感じているんだね」
「はぁはぁ・・・ああっ、ひ、そんな・・んぁ!突き上げたりしたらッ、いっちゃ・・・ッ」
「いいよ、イッて」
「あ、あ・・・お湯が・・・汚れるから!」
「気にしなくていいのに。イオ、少し身体の体制を変えるからね」
「ん、・・んぅ?」

 自分の出すモノでせっかくの薬湯を汚したくないイオの申し出にヴェルジークは、浴槽の縁に手を付かせて腰を突き出すように立たせた。そしてイオに覆いかぶさると、後ろにしゃがみ込んだ。

「ヴェル・・・なにして・・・ああぅッ!?や、ああっ、あ、んぁっ」

 ヴェルジークの舌が後孔に挿し込まれ、内の壁に沿って舐めまされる。手はイオの緩やかに勃ちあがっていた性器を握り、前後にこすりあげられる。

「あっ、あ、・・そんなにしたら、んぅ!ヴェル、も、ぃ・・い、ああぅっ」

 2つの刺激にイオは耐えきれず、脚をガクガクと震わせながら達してしまっていた。射精の余韻でぐったりし崩れ落ちそうになるイオを、ヴェルジークが支えてまた湯船の中に向かい合わせで座らせる。

「浴槽の外なら汚さなくて心配なかっただろう?」
「ふ、ぅ・・はぁはぁ・・そういう事じゃないんだけど・・・舌とか・・・うぅ」
「俺の身体全てでイオを愛してやりたいからな」
「っ!ん、・・・ああっ」

 いつものように愛を囁くと、ヴェルジークの性器がイオの後孔へ沈み込んでいく。全ては収めずに途中まで挿れると、そこで動きが止まった。

「んん、・・ふ、・・・ぁ、お湯・・・中にお湯が入る」
「辛いか?全部挿れると負担になるから途中までにしたんだが」
「なんか・・・半端に隙間があるともっと入る気が・・・」
「わかった。息を吐いててくれ、挿れるぞ」
「ふ、ぁ・・・んんッ!」

 ヴェルジークの性器がほぼ全て収まり、イオはその大き過ぎる圧迫感に呼吸が荒くなる。ヴェルジークはイオが落ち着くのを待ち、大丈夫と言われるとゆっくりと前後や回す動きをしていく。
 だんだんイオも感じて来たのか、時々ヴェルジークの性器を締め付けて無意識に中の感覚を味わっているかのようだった。そんな可愛い事をしてくるイオに、限界が来たのか今度は上下に揺すり始めた。

「ふあっ、あっ、ああっ!んぅっ、ぁ・・・いい、きもちいい、ヴェル・・・」
「俺もだよ、イオ。そろそろ俺もイきそうだ・・・んっ」

 ヴェルジークは突然立ち上がると、イオの尻をしっかり掴みパンパンと激しく打ち込む。浴槽に淫靡に響く肌と肌のぶつかる音に、耳まで愛撫されている感覚になったイオはさらにヴェルジークの男根を締め付けて身悶える。

「ん、ああッ、・・・ッ、あ、この格好、や、ああ、深いぃッ!」
「イオ・・・イオッ、出すぞ」
「ああっ、あっ、あ、外に、・・・外に出しちゃうの」
「すまないが、外に・・・」
「ふあっ、ぁ、あ・・・中に、中に出して!ヴェル、んぅっ、中に・・・ッ」
「くっ、イオ!そんなに締め付けたら・・・クソっ!中に出すぞ、イオ」
「うあっ、ああッ、あ、ゃあ、イっ────んくぅッ!!!!」

 息をつく間もなく激しく突き上げられたかと思うと、質量を増したヴェルジークの雄が達しイオの中に欲望を注ぎ込んだ。1度目を放ち出し切ったかと思う頃に、またパンパンと肌を打ち付けれさらに射精が続く。そうやって数回同じ刺激を与えられ、ようやく終わった頃にはイオの後孔からは溢れ出たヴェルジークの白濁がボタボタと湯の中へと混ざっていく。  

「・・・・はぁ・・はぁ、ぁ・・・ぅ」
「イオ」

 ぐったりしたイオを横抱きにして湯船に浸からせてやると、労るように髪や瞼にキスを落としていく。

「中に出してしまった、すまない」
「ん、・・・大丈夫、あの・・きもちよかった」
「フフ、イオ。帰って来たら、もっと抱いてやる」
「んっ」

 優しく口付けられ、その後は身体の隅々まで丁寧に洗われたり着替えさせられ抱っこされて部屋まで連れて行かれた。
 ベッドに寝かせてもらい、おやすみのキスをする二人を月明かりが優しく包み込む。

「おやすみ、イオ。明日からは少し長旅になる、今夜はゆっくり休むんだぞ」
「おやすみ、ヴェル。・・・オレ、がんばるから」
「そう気負うな、いつものお前でいてくれ」
「うん」

 そしてヴェルジークは名残惜しそうにイオの手を握り、部屋から出て行った。

『ずいぶんと長風呂であったな』
「う、うん・・・ケンさんも明日から、がんばろうね」
『うむ、我に任せておくのだ』

 魔剣を聖剣に戻す旅が始まる不安と、使命感にイオはゆっくり目を閉じて眠りについた。



✼•┈┈┈┈•✼•┈┈┈┈•✼•┈┈┈┈•✼



 翌朝、騎士団の迎えが来るとイオとヴェルジークは屋敷の者達に見送られる。

「ヴェルジーク、いーい?ちゃんとイオちゃんを守るのよ」
「はい、母上。当然です、お任せ下さい」
「旦那様、お気を付けて。そしてイオさんとエオル、旦那様をしっかりお守りするのですよ。メリュジーナ侯爵家の使用人たるもの、どんな時も冷静にスマートに」
「はい、ティオドールさん」
「僕もがんばります」
「皆様行ってらっしゃいませ。留守はお任せ下さい」
「ロゼットもよろしく頼む」

 各々が挨拶を済ませると、ヴェルジークと他の騎士は馬に乗りイオとエオルにフリエスは荷馬車に搭乗した。
 そして、聖剣を元に戻すために西大陸へと出発するのであった。
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