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教室に無事に到着し、空いている1番後ろの席に腰を下ろす。
いた。主人公ちゃんだ。前から2列目の窓際の席に座っている。何人か特待生の持ち上がり組じゃない人達もいるようだ。が、主人公ちゃんにはまだ友達は出来ていないようである。
そして、主人公ちゃんの観察を続ける。やっぱり主人公なだけありとっても可愛く、絵本の中から出てきたようだ。まるでお姫様である。
特に隼人や海里が主人公ちゃんに話しかけに行く様子も見られないまま、担任からの話しが終わり解散となった。
帰りは、両親は式だけ参加したら仕事に行くと言っていたし、兄も生徒会執行部役員の為、入学式の後片付けがあるため、先に帰るように言われていた。
なので、ゲームの設定通り帰りは1人なのである。だからといって主人公ちゃんをいじめる気はないので、今日は早く帰って昨日の分まで寝ようと思います。
そうと決まれば即行動だ!
隼人と海里の2人を引き連れ校門まで向かった。早く出てきたおかげか校門は混んでいなかった。2人は家族と合流してから帰るらしく、私を見送ったら一度ホールまで戻るらしい。
最後まで隼人と海里は私の体調の心配をしてくれた。「良い子に育ってお姉ちゃんは嬉しいよ。」と感激しながら、車が来たため2人に別れを告げ車に乗り込んだ。
今日はゲームの展開と違う事が多々あった。いや、むしろ違う所の方が多かった。何せ私、隼人、海里は、主人公ちゃんと同じクラスな為接触はあるが、一言も会話しておらず私以外の3人が認識しているかも怪しい程である。
お兄様が2時間程してから帰って来たので主人公ちゃんの事について尋ねることにした。
「お兄様お帰りなさい。今日の入学式の挨拶本当に素敵でした。短すぎず、長すぎず、程よい長さの原稿は勿論。なんといっても、お兄様の素敵な声で、あの会場にいた人達は皆メロメロになっていました。素敵すぎて、瞬きするのも勿体無い程でした。
ところで、今日とっても可愛い新入生に出会ったりしましたか?」
「ふふ。ありがとう。そんなに褒めてもらえたら、頑張ったかいがあったよ。有紗も緊張しているようだったけど頑張っていたね。お疲れ様。
新入生は皆可愛いよ。言うのは兄バカみたいで少し恥ずかしいけど、やっぱり有紗が1番可愛かったよ。」
「お兄様に褒めていただけるなんて、頑張ったかいがありました。
新入生全体の話ではなく、気にかかった新入生はいなかったのかなーと。」
「気になった新入生か…。あっ!気になるというより、変わった新入生はいたよ。」
「それはどんな人でしたか?」
「話すと長くなってしまうかもしれないよ?」
「問題ないです。お話しください。」
「うん。じゃあなるべく纏めて話すね。
片付けの後、俺と連夜だけ少し用事があったから用事をして、それを終えて帰る事にしたんだ。そして、校門に向かっている時に桜の木の下で眠る新入生を見つけたんだ。ね?変わった子だよね?」
「それで、それで?」
「それで終わりだけど…?」
「話したりしませんでしたの??」
「ここで寝ていては風邪を引いてしまうから、そろそろ帰った方が良いよ。と声がけしたくらいだな。いくら暖かくなって来たといっても、まだ外で眠るには寒いからね。」
「なるほど。それから、それから?」
「?そこで別れたし、それだけだけど。」
「!!そうなんですね!!では、その変わった新入生はどんな特徴がありましたか?」
「うーん。はっきりとは覚えていないけど、女の子だったよ?」
「髪の色がピンクみの入った茶髪で、長さは腰の長さ辺りで、身長は私より小さく、スタイルがよく天使のような子でしたか?」
「うーん。随分と具体的だね(笑)髪の毛の特徴は一致してるし、とても可愛らしい子だったよ。でも座っていたから身長まではわからないな。」
「それだけで十分です。お兄様!ありがとうございます。」
「有紗はその子の事を知っているのかい?」
「はい。同じクラスの方で友達になりたいと思って気になっていましたの!」
お兄様との話しを終え、部屋へと戻る。
油断は出来ないが、接触しただけで今の所特に問題はなさそうである。それは恋仲になりそうとかではなく、ゲームのシナリオ通りに進んでないかどうかって事だけですよ?
そして今日は忘れてしまっていたのだが、攻略対象をもう1人見つけなくてはいけない。
また明日からも頑張らなくては!
明日の準備を終え、まだまだ色々したいのだが、昨日は7時間しか眠れなかったし、結局帰って来てからお昼寝も出来なかった。ので、今日は早いですが寝ようと思います。
皆さんお休みなさい。良い夢を!
いた。主人公ちゃんだ。前から2列目の窓際の席に座っている。何人か特待生の持ち上がり組じゃない人達もいるようだ。が、主人公ちゃんにはまだ友達は出来ていないようである。
そして、主人公ちゃんの観察を続ける。やっぱり主人公なだけありとっても可愛く、絵本の中から出てきたようだ。まるでお姫様である。
特に隼人や海里が主人公ちゃんに話しかけに行く様子も見られないまま、担任からの話しが終わり解散となった。
帰りは、両親は式だけ参加したら仕事に行くと言っていたし、兄も生徒会執行部役員の為、入学式の後片付けがあるため、先に帰るように言われていた。
なので、ゲームの設定通り帰りは1人なのである。だからといって主人公ちゃんをいじめる気はないので、今日は早く帰って昨日の分まで寝ようと思います。
そうと決まれば即行動だ!
隼人と海里の2人を引き連れ校門まで向かった。早く出てきたおかげか校門は混んでいなかった。2人は家族と合流してから帰るらしく、私を見送ったら一度ホールまで戻るらしい。
最後まで隼人と海里は私の体調の心配をしてくれた。「良い子に育ってお姉ちゃんは嬉しいよ。」と感激しながら、車が来たため2人に別れを告げ車に乗り込んだ。
今日はゲームの展開と違う事が多々あった。いや、むしろ違う所の方が多かった。何せ私、隼人、海里は、主人公ちゃんと同じクラスな為接触はあるが、一言も会話しておらず私以外の3人が認識しているかも怪しい程である。
お兄様が2時間程してから帰って来たので主人公ちゃんの事について尋ねることにした。
「お兄様お帰りなさい。今日の入学式の挨拶本当に素敵でした。短すぎず、長すぎず、程よい長さの原稿は勿論。なんといっても、お兄様の素敵な声で、あの会場にいた人達は皆メロメロになっていました。素敵すぎて、瞬きするのも勿体無い程でした。
ところで、今日とっても可愛い新入生に出会ったりしましたか?」
「ふふ。ありがとう。そんなに褒めてもらえたら、頑張ったかいがあったよ。有紗も緊張しているようだったけど頑張っていたね。お疲れ様。
新入生は皆可愛いよ。言うのは兄バカみたいで少し恥ずかしいけど、やっぱり有紗が1番可愛かったよ。」
「お兄様に褒めていただけるなんて、頑張ったかいがありました。
新入生全体の話ではなく、気にかかった新入生はいなかったのかなーと。」
「気になった新入生か…。あっ!気になるというより、変わった新入生はいたよ。」
「それはどんな人でしたか?」
「話すと長くなってしまうかもしれないよ?」
「問題ないです。お話しください。」
「うん。じゃあなるべく纏めて話すね。
片付けの後、俺と連夜だけ少し用事があったから用事をして、それを終えて帰る事にしたんだ。そして、校門に向かっている時に桜の木の下で眠る新入生を見つけたんだ。ね?変わった子だよね?」
「それで、それで?」
「それで終わりだけど…?」
「話したりしませんでしたの??」
「ここで寝ていては風邪を引いてしまうから、そろそろ帰った方が良いよ。と声がけしたくらいだな。いくら暖かくなって来たといっても、まだ外で眠るには寒いからね。」
「なるほど。それから、それから?」
「?そこで別れたし、それだけだけど。」
「!!そうなんですね!!では、その変わった新入生はどんな特徴がありましたか?」
「うーん。はっきりとは覚えていないけど、女の子だったよ?」
「髪の色がピンクみの入った茶髪で、長さは腰の長さ辺りで、身長は私より小さく、スタイルがよく天使のような子でしたか?」
「うーん。随分と具体的だね(笑)髪の毛の特徴は一致してるし、とても可愛らしい子だったよ。でも座っていたから身長まではわからないな。」
「それだけで十分です。お兄様!ありがとうございます。」
「有紗はその子の事を知っているのかい?」
「はい。同じクラスの方で友達になりたいと思って気になっていましたの!」
お兄様との話しを終え、部屋へと戻る。
油断は出来ないが、接触しただけで今の所特に問題はなさそうである。それは恋仲になりそうとかではなく、ゲームのシナリオ通りに進んでないかどうかって事だけですよ?
そして今日は忘れてしまっていたのだが、攻略対象をもう1人見つけなくてはいけない。
また明日からも頑張らなくては!
明日の準備を終え、まだまだ色々したいのだが、昨日は7時間しか眠れなかったし、結局帰って来てからお昼寝も出来なかった。ので、今日は早いですが寝ようと思います。
皆さんお休みなさい。良い夢を!
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