落ち込み少女

淡女

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第8章「私のレール」

第8章「私のレール」その13

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日曜日だ。

目覚めると、それは日曜日だった。

僕の日曜日は、その名前とは程遠い、最も日に当たらない曜日だ。

なぜなら、家に出ていく理由がないからだ。

友だちと遊びに行くとか、買い物や趣味のために出かけることもない。

寂しい奴だな、と思う気持ちはわかる、

でもそれは僕の考えをすべて明らかにしてからでないと、

果たして言えないことだろう。

まぁ、最後まで考えてほしい。

なら、家で何をしているんだ?、と思うだろう。


何も無いのが答えだ、つまり、何もしていないんだ。

ここで言う何もしていないっていうのは、ぼーっとしている時間が多いということで、

隙間の時間には、テレビを見たり、ネットサーフィンをしている。

だから、まったく何もしていないわけじゃない。


でも、他人に「休日は何してる?」と聞かれても、

何かしていると答えることは違う気はするし、

何もしないと答えるには何だか恥ずかしい。


僕の器は小さじ一杯をすくうスプーンと同じくらい、小さいことに気づく。

悪いことのように感じる、しかし、それくらい小さいと、

食べるには使いやすいし、いろんな用途がある。

逆に大きい器はラーメンを食べるときくらいしか使わない。

要するに便利なのだ、何もないっていうのは。


これは休日の過ごし方でも同じことが言えると思う。

「何もしない」とは、予定を入れることが容易であるし、いろんな使い道ができる。

「常に趣味や友だちに費やしている」とは、新しいことや予定外の出来事に対処できない、

つまり、余裕がないんだ。

まぁ、屁理屈と言われれば、言い返すことはできないだろうな。

でも、それくらいの考えが僕にとっては気楽であり、

何か背負う忍耐よりも、捨てる勇気が欲しい、このごろそう思うんだ。

立派に生きるには、汚いこともしなくちゃいけなかった。


それから、朝食を食べるために、洗面所に行き、歯を磨いた。
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