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第6章「西山皐月」
第6章「西山皐月」その10
しおりを挟むだからといって彼らのようになりたいとは思わないし、
別に友だちがいないってわけじゃない。
用事があれば話しかけるし、体育の時間は一緒に行動することも多々ある。
僕だってクラスで孤立しないように友だちくらい作っている。
まあ、全員野郎ばかりだが、、、。
それに何度も何度も友だちと呼んでいるが本当に友だちなのかはわからない。
「羽塚くん、聞いてるの?」
いつの間にか質問していたことを忘れていた。
あぁ、また思考に酔っていた。
「ああ、ごめん。それで平木は種目競技に出るんだったっけ?」
平木は呆れたように視線を僕から読んでいた本に戻して
「出るわけないじゃない。
あんなものは運動部やスクールカーストでも上位の連中のために開催される
教師や教育委員会の自己満足イベントよ」
右手でほおづえをつきながら、
そう言った彼女は何かを悟ったかのような言い草に聞こえた。
言い方にはかなり問題があるが意見には同感だ。
こういうのは一軍がたいてい出場するものだ。
帰宅部は体育祭で活躍することはない。
もし帰宅部が出場しようものなら、運動部の奴らの面子はまるつぶれである。
中学高校で部活をしていない奴はこういう場面で出しゃばるとろくなことにならない。
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