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遊戯其の一:王様野球拳ゲームその一★
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「夏輝~っ、遊ぼ!」
いきなり自室に押し掛けてきた涼を呆れた目で見つめ、僕は溜息をついた。
「…涼、もうあなたは高校生だよね?」
「そうだけど…もしかしてその年にして、もうボケたの?」
「違うわっ!…何で高校生にもなって小学生みたいな発言をするのかって聞いてるの…」
僕がそう言って机に力なく突っ伏すと、彼女はえへへとはにかんだ。
「じゃあ、遊ぼうか?」
「じゃあってなんだ、じゃあって…そもそも僕は遊ぶなんて言ってないぞ」
「えー、いいじゃん」
「嫌だ」
僕が遊ぶのを断ると、涼はいつも膨れてしまう。
少し位なら良いじゃないかと思う人がいるかもしれないが、彼女のこの『遊ぼう』発言は、小学生の頃から毎日続いているものなのだ。
小学生の頃ならまだ僕にもその気があった。
そして、中学生の頃は流石に高校生になれば止めてしまうだろうと思いながらも付き合っていた。
…だが、高校生になっても彼女の『遊ぼう』コールがやむことは無かった。
…結局、高校入学から3ヶ月間毎日欠かさず彼女は俺を遊びに誘ってきている。
僕は、そんな毎日にはいい加減うんざりなのだ。
そうして僕は彼女を懲らしめたい一心で行動を開始した。
…と言っても、ただ彼女を懲らしめられるゲームを考えることを日課にしているだけだが。
そして、今日も今日とて僕の肩をさっきからずっと揺さぶって駄々をこねている涼を無視しながら僕は涼が反省するようなゲームを考えていた。
そして、考えること数分。
「…あっ!」
遂に僕は涼を懲らしめられるゲームを考えついたのだ。
「夏輝、どうしたの?」
「いい遊びを思いついたからさ、遊んであげるよ」
…僕の発言にやったーと飛び跳ねて喜ぶ涼を横目に、僕は内心ほくそ笑んでいた。
~ ~ ~ ~
遊戯名:王様野球拳ゲーム
①まず、相手プレイヤーがジャンケンに負けたときに自分が出す命令を提示し、ジャンケンを一回する。
②負けた方は、身につけた衣類(六つまで)を一枚脱き、相手が予め決めていた命令に従う。
③①、②の動作を四回行い、これを一セットとする。
④①~③を相手プレイヤーが降参するまで続ける。(一セットの途中では降参できない)
命令について…命令には数字を含まなければならない。そして、命令に含んだ数字は相手プレイヤーが1、2、3の内の好きな数字に一セットに一度ずつだけ変えられる。(一度相手が変えた数字を自分の使える数字で変えることは出来ない)
~ ~ ~ ~
「…とまあ、こんなゲームなんだけど…涼はこのゲーム、やる?」
僕は適当な紙にその遊びのルールを書いて、涼に見せた。
「うーん、このゲームって王様ゲームと野球拳をくっつけたゲームだよね…?服を脱ぐってのがちょっと恥ずかしいかなぁ…」
そう言って、彼女がやんわりと断ろうとする。
涼は恥ずかしい遊びはやりたがらない傾向がある。
そのくせ、涼自身では遊びを考えてこない。
だから、いつも僕が遊びを考えているのだ。
まあ、それが今回涼の首を自ら締めることになるんだけど。
…涼は普通ならば絶対、こういうゲームには乗ってこない。
現に今もあまり乗り気ではない。
しかし、彼女はあることをするだけでビックリするほど食いついてくるのだ。
「もしかして、涼は僕に負けるのが怖いの?…別に遊ばないならいいけどさぁ?怖いならしょうがないよ」
「なにをぅ?…ふっ、いいでしょう!夏輝なんか怖くも何ともないことを証明してあげるよ!」
…そう、このように簡単な煽りを入れるだけでビックリするほど食いついてくる。
彼女はいわば、アホの子なのだ。
…涼、勉強は出来るんだけどなぁ。
「よし、分かった!じゃあ始めようか!」
僕はにこやかに彼女へ言い放った。
それに対して彼女が頷く。
これからどうなるかも知らずに。
いきなり自室に押し掛けてきた涼を呆れた目で見つめ、僕は溜息をついた。
「…涼、もうあなたは高校生だよね?」
「そうだけど…もしかしてその年にして、もうボケたの?」
「違うわっ!…何で高校生にもなって小学生みたいな発言をするのかって聞いてるの…」
僕がそう言って机に力なく突っ伏すと、彼女はえへへとはにかんだ。
「じゃあ、遊ぼうか?」
「じゃあってなんだ、じゃあって…そもそも僕は遊ぶなんて言ってないぞ」
「えー、いいじゃん」
「嫌だ」
僕が遊ぶのを断ると、涼はいつも膨れてしまう。
少し位なら良いじゃないかと思う人がいるかもしれないが、彼女のこの『遊ぼう』発言は、小学生の頃から毎日続いているものなのだ。
小学生の頃ならまだ僕にもその気があった。
そして、中学生の頃は流石に高校生になれば止めてしまうだろうと思いながらも付き合っていた。
…だが、高校生になっても彼女の『遊ぼう』コールがやむことは無かった。
…結局、高校入学から3ヶ月間毎日欠かさず彼女は俺を遊びに誘ってきている。
僕は、そんな毎日にはいい加減うんざりなのだ。
そうして僕は彼女を懲らしめたい一心で行動を開始した。
…と言っても、ただ彼女を懲らしめられるゲームを考えることを日課にしているだけだが。
そして、今日も今日とて僕の肩をさっきからずっと揺さぶって駄々をこねている涼を無視しながら僕は涼が反省するようなゲームを考えていた。
そして、考えること数分。
「…あっ!」
遂に僕は涼を懲らしめられるゲームを考えついたのだ。
「夏輝、どうしたの?」
「いい遊びを思いついたからさ、遊んであげるよ」
…僕の発言にやったーと飛び跳ねて喜ぶ涼を横目に、僕は内心ほくそ笑んでいた。
~ ~ ~ ~
遊戯名:王様野球拳ゲーム
①まず、相手プレイヤーがジャンケンに負けたときに自分が出す命令を提示し、ジャンケンを一回する。
②負けた方は、身につけた衣類(六つまで)を一枚脱き、相手が予め決めていた命令に従う。
③①、②の動作を四回行い、これを一セットとする。
④①~③を相手プレイヤーが降参するまで続ける。(一セットの途中では降参できない)
命令について…命令には数字を含まなければならない。そして、命令に含んだ数字は相手プレイヤーが1、2、3の内の好きな数字に一セットに一度ずつだけ変えられる。(一度相手が変えた数字を自分の使える数字で変えることは出来ない)
~ ~ ~ ~
「…とまあ、こんなゲームなんだけど…涼はこのゲーム、やる?」
僕は適当な紙にその遊びのルールを書いて、涼に見せた。
「うーん、このゲームって王様ゲームと野球拳をくっつけたゲームだよね…?服を脱ぐってのがちょっと恥ずかしいかなぁ…」
そう言って、彼女がやんわりと断ろうとする。
涼は恥ずかしい遊びはやりたがらない傾向がある。
そのくせ、涼自身では遊びを考えてこない。
だから、いつも僕が遊びを考えているのだ。
まあ、それが今回涼の首を自ら締めることになるんだけど。
…涼は普通ならば絶対、こういうゲームには乗ってこない。
現に今もあまり乗り気ではない。
しかし、彼女はあることをするだけでビックリするほど食いついてくるのだ。
「もしかして、涼は僕に負けるのが怖いの?…別に遊ばないならいいけどさぁ?怖いならしょうがないよ」
「なにをぅ?…ふっ、いいでしょう!夏輝なんか怖くも何ともないことを証明してあげるよ!」
…そう、このように簡単な煽りを入れるだけでビックリするほど食いついてくる。
彼女はいわば、アホの子なのだ。
…涼、勉強は出来るんだけどなぁ。
「よし、分かった!じゃあ始めようか!」
僕はにこやかに彼女へ言い放った。
それに対して彼女が頷く。
これからどうなるかも知らずに。
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