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交わる~性の衝動
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白銀直樹は最近機嫌の良い日が少ない。
「あの目障りな女がいる限り俺に平穏な日は来ない」
林と一緒にタクシーに乗っている間、白銀は愚痴ばかり吐いていた。まだ39歳なのに老人の埒もない繰り言のようだった。
ふたりで夕食をとって、帰りのタクシーに相乗りしている。
「金子未知さん宝くじ当たったらしいですよ」
適当なことを言いながら白銀のふところに入り込んでいく。この男の動向を監視して報告するのが仕事.。それなら愛人関係になるのが、相手にもよるが手っ取り早い。
「そんなもの買うんだな。意外だ」
「買わないと当たりませんから」
「それでいくら当たったんだ?」
「億の単位だそうです」
「…!」
冷静な判断が出来ないように精神的に揺さぶりをかける。
林の指が、隣に座る白銀の太ももを這う。
「今夜は飲みすぎましたね」
「運転手も連絡が取れないし、ツイてない時はそんなものだ」
「ツキは呼び寄せるか、運のいい人間のそばにいればいい」
「お前はどうなんだ」
「どうだと思います?」
意味深な流し目を送ってから林は正面を向いた。
ふらつく白銀を支えながら部屋まで送って、当然のように林も中に入る。
「顔もカラダも真っ赤ですね」
ジャケットを脱がせてシャツのボタンを外して胸をあらわにすると、お互い酒のせいで肌が赤い。
ふたり倒れ込むようにベッドに沈む。重みでスプリングがぎし、と音をたてた。
「最近飲んでばかりで心配です」
「ストレス発散だ」
白銀の眉間がぴくっと動いた。
「僕と…あ…、こんなことするのと、どっちがいい?」
林が自ら上げた太ももに指を這わしながら白銀は一瞬無言になった。
「こっちがいいかな」
そういって濡れた舌を林の体にすべらせる。
「ぼくも…あん…、同じ……」
だんだん大きくなる嬌声だが、その目は冷めていた。
「どうした?」
「え?」
「心ここにあらずだな。乗り気じゃないならやめようか」
「そんな優しさいらない。激しく犯してよ」
酒でほんのり赤くなっている頬が不満そうにふくらむ。
「ではお望み通り」
本人が望むのなら、手加減はなしだ。
「や…っ、あぁ…あ!…いぃ…気持ちい…!」
足を高く持ち上げて白銀は林の感度の良い体を貫く。
「あん…っ、も…っと…もっと……欲しい…っ」
髪が乱れるのも気にせず林は頭を左右にふる。
「ずいぶんさかるな」
「…僕も…、ストレス発散」
「何がストレスなんだ?俺か?」
するすると太ももをさすりながら白銀が聞く。
「僕は…いつまであなたに愛されるかなって…、たまに不安になる」
「え…?」
「思い出しか残らないもの。形に残るものがない」
顔をそむけてこぼれる涙を見られないように林は横を向いた。
「何か形に残るものが欲しいのか?」
「いらない。それをもらうと別れたときの形見になっちゃう」
「すごいマイナス思考だな」
「うっ…」
緩めていた律動を再び強くして、林を鳴かせる。
「や…はげし…ああっ…あ…ぁ…ん……」
「お前に全てやる。俺の全財産を。それで少しは安心できるか?」
「嘘つき…どうせ……」
白銀は体を離してベッドから降り、土地の権利書や株券が保管されている小さな金庫を開けた。
「あの目障りな女がいる限り俺に平穏な日は来ない」
林と一緒にタクシーに乗っている間、白銀は愚痴ばかり吐いていた。まだ39歳なのに老人の埒もない繰り言のようだった。
ふたりで夕食をとって、帰りのタクシーに相乗りしている。
「金子未知さん宝くじ当たったらしいですよ」
適当なことを言いながら白銀のふところに入り込んでいく。この男の動向を監視して報告するのが仕事.。それなら愛人関係になるのが、相手にもよるが手っ取り早い。
「そんなもの買うんだな。意外だ」
「買わないと当たりませんから」
「それでいくら当たったんだ?」
「億の単位だそうです」
「…!」
冷静な判断が出来ないように精神的に揺さぶりをかける。
林の指が、隣に座る白銀の太ももを這う。
「今夜は飲みすぎましたね」
「運転手も連絡が取れないし、ツイてない時はそんなものだ」
「ツキは呼び寄せるか、運のいい人間のそばにいればいい」
「お前はどうなんだ」
「どうだと思います?」
意味深な流し目を送ってから林は正面を向いた。
ふらつく白銀を支えながら部屋まで送って、当然のように林も中に入る。
「顔もカラダも真っ赤ですね」
ジャケットを脱がせてシャツのボタンを外して胸をあらわにすると、お互い酒のせいで肌が赤い。
ふたり倒れ込むようにベッドに沈む。重みでスプリングがぎし、と音をたてた。
「最近飲んでばかりで心配です」
「ストレス発散だ」
白銀の眉間がぴくっと動いた。
「僕と…あ…、こんなことするのと、どっちがいい?」
林が自ら上げた太ももに指を這わしながら白銀は一瞬無言になった。
「こっちがいいかな」
そういって濡れた舌を林の体にすべらせる。
「ぼくも…あん…、同じ……」
だんだん大きくなる嬌声だが、その目は冷めていた。
「どうした?」
「え?」
「心ここにあらずだな。乗り気じゃないならやめようか」
「そんな優しさいらない。激しく犯してよ」
酒でほんのり赤くなっている頬が不満そうにふくらむ。
「ではお望み通り」
本人が望むのなら、手加減はなしだ。
「や…っ、あぁ…あ!…いぃ…気持ちい…!」
足を高く持ち上げて白銀は林の感度の良い体を貫く。
「あん…っ、も…っと…もっと……欲しい…っ」
髪が乱れるのも気にせず林は頭を左右にふる。
「ずいぶんさかるな」
「…僕も…、ストレス発散」
「何がストレスなんだ?俺か?」
するすると太ももをさすりながら白銀が聞く。
「僕は…いつまであなたに愛されるかなって…、たまに不安になる」
「え…?」
「思い出しか残らないもの。形に残るものがない」
顔をそむけてこぼれる涙を見られないように林は横を向いた。
「何か形に残るものが欲しいのか?」
「いらない。それをもらうと別れたときの形見になっちゃう」
「すごいマイナス思考だな」
「うっ…」
緩めていた律動を再び強くして、林を鳴かせる。
「や…はげし…ああっ…あ…ぁ…ん……」
「お前に全てやる。俺の全財産を。それで少しは安心できるか?」
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白銀は体を離してベッドから降り、土地の権利書や株券が保管されている小さな金庫を開けた。
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