御曹司とカレシ

希京

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相性

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ベッドの上でゆうの体がのけぞる。
冗談で『絶倫』といったが、今夜はなかなか開放してくれない。
「もっと…」
「え?」
「この調子であと何人か子ども作って…、立場を安定すれば…」
「それは俺が考えることだ」
「あぁ…!」

背後から強く突かれてゆうの背がしなる。クッションを強く掴んで衝撃に耐えているが、だんだん力が入らなくなっていく。

「お前は何も考えず俺に抱かれてろ」
開いた口に指を入れて口内を弄びながらまことが耳元で囁く。
「俺…だって…いつ結婚するかわからないよ…?」
「……」

ゆうが知らない女と結婚して家庭を作る。

そんな想像、したこともなかった。公私にわたって常に自分のそばにいるものだと。

「俺のほかにつきあっている誰かがいるのか?」
「…さあね」
「答えろよ!」
「…うっ」
綺麗に曲線を描いているゆうの背が乱暴に揺れる。

「言えないような奴とつきあっているのか?」
「つきあってないよ…、好きな人もいない」
結婚したら俺の気持ちが理解できるだろうか。好きな人が自分ではない誰かと抱き合っているのを黙って見ているしか出来ないことのつらさを。
「あ…う……、ん…ふっ……」
後ろからの快感に支配されて口から出るのは喘ぎ声しかない。
「あ…」
背後から熱が近づいてきて、まことの指が胸の突起を挟む。

「あ…ん……」
「俺から離れるな、ゆう。俺の所にいて良いことはある。悪いことはない。出世も出来るし一族にも顔がきくようになる」
指が膨らんだ乳首をゆるゆると挟んだり押しつぶしたりして理性を無くすように誘導していく。
「…うん」

ぼんやりした思考のままそう返事をするしかなかった。

『多分聞いてないな』

潤んだ瞳が開いてはいるが、ゆうの意識は朦朧としていて、正確な判断力があるとは思えない。

まあいい。俺に抱かれていればいいんだ。

乳首を攻めていた手を腰のラインで滑らせてくびれを掴む。
「…あ…ぁ…ま…こと……」
「ホントお前色っぽいな」
「何言って…」
「俺は心配で仕方ない。ほかの誰かがゆうを好きになってしまったらと思うと」

ゆうの脳裏に琴美ことみの顔が浮かぶ。

「考え…すぎ……だろ…」

このルックスのせいでたくさんの人間に勝手に懸想されて憎まれて。

「俺を守ってよ……。俺けっこうモテるんだよ?」
冗談っぽく言ってみたがまことは真剣に受け止めたようだった。
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