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黒牙の盗賊団
黒猫
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「なるほどなあ、いきなり動きが良くなったと思ったら、クロエ、お前の仕業か。」
「あ~、私、野蛮人は嫌いなのよね。
ここから早く出してくれたら、見逃してあげてもいいわよ。」
「どの口がほざいてやがる。
お前はこの俺に負けたからそこにいるんだろうが。その事をもう忘れたのか?」
「まあ、私も酔ってたとはいえ不覚だと思ってるのよね。スキルを盗られた事には文句はないわ。不意打ちも立派な戦術、対処出来ない方が悪いわ。だけどね、あれは戦いではないわよ。寝ている女性に乱暴するなんて男としては最悪。」
「なにが乱暴だ。お前のせいでどれだけの数メンバーがいなくなったと思ってるんだ。
幹部全員がやられたんだぞ。
そこまでの犠牲を払って漸く手に入れたスキルがあんなものだったとは…」
「要らなかった?私のスキル『収集《コレクション』。便利よ~。好きなもの集められるし、保存も完璧な状態でしてくれて、いつでも取り出せる。最高よね。」
「ふざけるなよ。
こんなもん、全く使い道がねえ。
黒猫と呼ばれ、他国にまで名が知れ渡っているお前がまさかこんな外れスキルだったとはな。期待外れもいいとこだ。」
「だったら返せばいいじゃん。
それに戦い方はなにもスキルだけじゃないよ。何事も広い視野で見ないと。」
「一度奪ったものを返すのは盗賊としてのポリシーに欠けるからな。取り戻したければ奪ってい返してみな。」
こっちは気にも留めてない…行けるか
不意に音宮がファングの死角へと転移する。
「ーーっと、危ねえなあ。
お前の事はずっと警戒してるぜ。」
「くそっ!避けてんじゃねえよ。」
「意外だな。お前が奴隷に興味がないのは本当の様だったし、助ける気なんてないと思っていたが。」
「私の魅力に溺れたのよね~」
「違う、少し黙ってろ猫女。」
後ろで酷いとか言っている騒がしい女がいるが今は無視だ。
目の前に相手に集中しろ。
「一体あの女のなにがお前をこの場に留まらせてるんだ?」
「そんな事を気にしてどうする?
俺が勝とうが負けようが、俺たちが会うのはこの一度きり。相手の事を知る必要なんてないだろう。」
「寂しい事言うねえ。ますます気に入った。
お前、盗賊に向いてるよ。
そのスキルに思いやりのない心。
人を殺したってなにも感じてないだろう。
でなきゃ、俺の部下達をあんな風には殺せない。」
「このスキルが盗賊に向いてるのはその通りだと思うよ。現に俺も色んな村から奪って来てる。だが、それはこの世界が弱肉強食を体現しているからだ。俺は周りの環境に合わせているだけに過ぎない。その方が楽で良いからな。」
「なるほどねえ。だが、その生き方じゃつまらねえだろ。好きな事して生きてく人生は良いぜ。自由で楽しい。」
「価値観の違いだな。
俺は狭い世界で楽して生きていきたい。
波を立てることのない平穏な生活を送りたいのさ。」
「なにを言っても無駄か…振られちまったら仕方ねえ。無理矢理仲間にするか、殺すしかねえな。死にたくなければ早く言えよ。
俺もできればお前は殺したくねえからな。」
刹那、ファングのスピードが今まで以上に増した。
早すぎて、目で追う事が出来ない。
「またクロエの奴にアドバイスでもされたら面倒なんでな。お前の捉えられない速さで行かせて貰うぜ。」
勘で転移するしかないか。
いや、それで3秒のインターバルまで奴にバレてしまっては戦況がより一層不利になる。
なんとかして凌ぎ切る。
ファングの剣を振り翳し、襲いかかる。
ギリギリに所で反応し、ナイフで受け止めるが、粉々に砕け散り体を切られてしまう。
なんだ、この力は…さっきまでとは別人の様だ。
このままでは、まずい。
早く動かなければ、追撃がくる。
「遅えよ」
剣で斬られ、その場に倒れ込んだ音宮を、ファングは迷わず追撃し、その体に回し蹴りを炸裂させる。
音宮の体は、クロエが捕らえられている檻の壁へと衝突した。
「ちょっと、大丈夫⁉︎」
檻から出られない為、大まかにしか分からないが、深刻な状態だ。
剣で切られた傷が深く、かなり血を流している。
早めに止血する必要がある。
だけど、私はここから出られない。
どうしたら…
クロエの側でカランっと何かが落ちる音がした。
「冥土の土産に教えてやるよ。
俺のスキルは『粉砕』だと言ったが、あれは嘘だ。本当の能力は『剥奪《デプリベイション》』。対象者の体に10分間触れ続ける事でスキルを奪う事が出来る。
あの女の時は苦労したんだぜ。
兎に角、強いのなんの。
幹部以上の14人で挑んだが全く勝てる気がしなかったんだ。ところが、俺は閃いた。
触れるのはなにも手とか足とかそう言うんじゃなくてもいいんじゃないないかってな。
するとどうだ。まさかの髪の毛でも大丈夫だったんだよ。まあ、その代わり奪える時間は1時間程度だが、戦闘中ならそれで十分だ。
捕まえた後、正式に奪って捕まえてるって訳よ。ちなみにさっきは身体能力強化系のスキルを使っていたんだ。って、聞こえちゃいねえか。」
壁に項垂れている音宮の姿をファングは見つめる。
「本当に仲間に欲しかったんだがな…残念だ。」
トドメを刺そう剣を振り下ろす瞬間、殺気を感じ、その場を離れる。
すると先程までいた場所に光線が通っていった。
「久しぶりに解放された~。
やっぱり自由っていいね。
なんだか運動したい気分になったよ。
当然、付き合ってくれるよね。」
クロエ・ルメイラが解放された。
「あ~、私、野蛮人は嫌いなのよね。
ここから早く出してくれたら、見逃してあげてもいいわよ。」
「どの口がほざいてやがる。
お前はこの俺に負けたからそこにいるんだろうが。その事をもう忘れたのか?」
「まあ、私も酔ってたとはいえ不覚だと思ってるのよね。スキルを盗られた事には文句はないわ。不意打ちも立派な戦術、対処出来ない方が悪いわ。だけどね、あれは戦いではないわよ。寝ている女性に乱暴するなんて男としては最悪。」
「なにが乱暴だ。お前のせいでどれだけの数メンバーがいなくなったと思ってるんだ。
幹部全員がやられたんだぞ。
そこまでの犠牲を払って漸く手に入れたスキルがあんなものだったとは…」
「要らなかった?私のスキル『収集《コレクション』。便利よ~。好きなもの集められるし、保存も完璧な状態でしてくれて、いつでも取り出せる。最高よね。」
「ふざけるなよ。
こんなもん、全く使い道がねえ。
黒猫と呼ばれ、他国にまで名が知れ渡っているお前がまさかこんな外れスキルだったとはな。期待外れもいいとこだ。」
「だったら返せばいいじゃん。
それに戦い方はなにもスキルだけじゃないよ。何事も広い視野で見ないと。」
「一度奪ったものを返すのは盗賊としてのポリシーに欠けるからな。取り戻したければ奪ってい返してみな。」
こっちは気にも留めてない…行けるか
不意に音宮がファングの死角へと転移する。
「ーーっと、危ねえなあ。
お前の事はずっと警戒してるぜ。」
「くそっ!避けてんじゃねえよ。」
「意外だな。お前が奴隷に興味がないのは本当の様だったし、助ける気なんてないと思っていたが。」
「私の魅力に溺れたのよね~」
「違う、少し黙ってろ猫女。」
後ろで酷いとか言っている騒がしい女がいるが今は無視だ。
目の前に相手に集中しろ。
「一体あの女のなにがお前をこの場に留まらせてるんだ?」
「そんな事を気にしてどうする?
俺が勝とうが負けようが、俺たちが会うのはこの一度きり。相手の事を知る必要なんてないだろう。」
「寂しい事言うねえ。ますます気に入った。
お前、盗賊に向いてるよ。
そのスキルに思いやりのない心。
人を殺したってなにも感じてないだろう。
でなきゃ、俺の部下達をあんな風には殺せない。」
「このスキルが盗賊に向いてるのはその通りだと思うよ。現に俺も色んな村から奪って来てる。だが、それはこの世界が弱肉強食を体現しているからだ。俺は周りの環境に合わせているだけに過ぎない。その方が楽で良いからな。」
「なるほどねえ。だが、その生き方じゃつまらねえだろ。好きな事して生きてく人生は良いぜ。自由で楽しい。」
「価値観の違いだな。
俺は狭い世界で楽して生きていきたい。
波を立てることのない平穏な生活を送りたいのさ。」
「なにを言っても無駄か…振られちまったら仕方ねえ。無理矢理仲間にするか、殺すしかねえな。死にたくなければ早く言えよ。
俺もできればお前は殺したくねえからな。」
刹那、ファングのスピードが今まで以上に増した。
早すぎて、目で追う事が出来ない。
「またクロエの奴にアドバイスでもされたら面倒なんでな。お前の捉えられない速さで行かせて貰うぜ。」
勘で転移するしかないか。
いや、それで3秒のインターバルまで奴にバレてしまっては戦況がより一層不利になる。
なんとかして凌ぎ切る。
ファングの剣を振り翳し、襲いかかる。
ギリギリに所で反応し、ナイフで受け止めるが、粉々に砕け散り体を切られてしまう。
なんだ、この力は…さっきまでとは別人の様だ。
このままでは、まずい。
早く動かなければ、追撃がくる。
「遅えよ」
剣で斬られ、その場に倒れ込んだ音宮を、ファングは迷わず追撃し、その体に回し蹴りを炸裂させる。
音宮の体は、クロエが捕らえられている檻の壁へと衝突した。
「ちょっと、大丈夫⁉︎」
檻から出られない為、大まかにしか分からないが、深刻な状態だ。
剣で切られた傷が深く、かなり血を流している。
早めに止血する必要がある。
だけど、私はここから出られない。
どうしたら…
クロエの側でカランっと何かが落ちる音がした。
「冥土の土産に教えてやるよ。
俺のスキルは『粉砕』だと言ったが、あれは嘘だ。本当の能力は『剥奪《デプリベイション》』。対象者の体に10分間触れ続ける事でスキルを奪う事が出来る。
あの女の時は苦労したんだぜ。
兎に角、強いのなんの。
幹部以上の14人で挑んだが全く勝てる気がしなかったんだ。ところが、俺は閃いた。
触れるのはなにも手とか足とかそう言うんじゃなくてもいいんじゃないないかってな。
するとどうだ。まさかの髪の毛でも大丈夫だったんだよ。まあ、その代わり奪える時間は1時間程度だが、戦闘中ならそれで十分だ。
捕まえた後、正式に奪って捕まえてるって訳よ。ちなみにさっきは身体能力強化系のスキルを使っていたんだ。って、聞こえちゃいねえか。」
壁に項垂れている音宮の姿をファングは見つめる。
「本当に仲間に欲しかったんだがな…残念だ。」
トドメを刺そう剣を振り下ろす瞬間、殺気を感じ、その場を離れる。
すると先程までいた場所に光線が通っていった。
「久しぶりに解放された~。
やっぱり自由っていいね。
なんだか運動したい気分になったよ。
当然、付き合ってくれるよね。」
クロエ・ルメイラが解放された。
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