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デルトナ村
解釈
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ビビアンと一緒にいた安藤は、いきなり光に包まれたと思えば、気付くと屋敷の中にいた。
凄い、金一色…豪邸だ。
それも高そうな物ばかり。
「貴方!こっちよ。着いて来て。」
「あっ……はい!」
ビビアン案内された部屋に入るとそこには長いテーブルとイス、それに豪華なお菓子が用意されていた。
「さてと、私の名前はビビアン・グレモアナ。
世間では混沌魔術師と呼ばれているわ。
趣味は金集め、特技は粋がっている奴をぶちのめす事、このくらいかしらね。貴方は?」
「えっ…え~と…」
「自己紹介よ、自己紹介。
知らない人同士が顔を合わせてまずやる事といたったそれくらいでしょ。
ほら、貴方の番」
「…はい。えっと…私は安藤桜と言います。
趣味は読書で特技は…特にないです。
出来る事とかもあんまりなくて…別の世界から来たばかりでこの世界に事は知らない事だらけです。」
「へえ~ずいぶん消極的な子ねえ。
どうやって生き残って来たの?
とても貴方が兵士から逃れる様には見えないんだけど…」
「ここに来るまではずっと音宮くんって人に護って貰ってて、兵士達も音宮くんが倒したんです。凄いんですよ!音宮くん!」
安藤はここに来るまでの経緯を話した。
異世界から来たこと、兵士から逃ている道中で起きた出来事の全てを。
「成程ねぇ、よくわかったわ。それにしても桜ちゃん、音宮くんって人がよっぽど好きなのね。だって桜ちゃん、彼に随分と酷いことされてるじゃない。彼の言い分はわからなくもないけど、私聞いてて少し引いちゃったわよ。女の子には優しくしろっつーのってね。」
「好きって…そんなんじゃなくて…憧れみたいな感じです。音宮くんはなんでも一人で出来て、沢山の人と仲良くしてたから…私がなりたいのは音宮くんみたいになんでも出来る人なんです。それに、音宮くんの言う通りにしてたら、あんな目に遭わなかったし…やっぱり音宮くんが正しかったので、変な事言った私が悪いんです。」
「桜ちゃん…貴方のそれはよく言えば謙遜だけどそれじゃあ一生自分を傷つけ続ける事になるわ。自分を卑下し過ぎてはダメよ。
もっと自信を持ちなさい!」
「でも…私、特に出来る事なんてないし…
スキルだって、ただ視点を変えて見えるだけの能力なんです。物を見つけるくらいにしか役に立たなくて…」
「そうねえ…桜ちゃんは私のこと強そうって思った?」
「凄かったです!あんな数の兵士たちがみんな揃って逃ちゃって」
「ありがとう。じゃあ、私のスキルはなんだと思う?」
「えっと…無限に魔力が湧いてくるとか全部の魔法を使える様になるとかそんな感じのスキルですか?」
「ううん。私のスキルはね、『感知《サーチ》』って言って能力は近くに人がいるかどうかが分かるだけの能力だったのよ。最初はね。」
「最初は?」
「そうよ。スキルは自分の解釈次第で幾らでも強く出来るの。名前だけで弱いスキルだと思い込まないで。私の場合、感知できる物は人だけではないと定義する事で、大地に流れる地脈や大気中に溢れる魔力の存在を感知し、その力を借りて魔法を使っているわ。
私一人の魔力ではないから属性にも限度がないし魔力も大気中にある限りは使い続ける事が出来る。これが私の力の秘密。
桜ちゃんのスキルにだって別の使い方が必ずある筈。」
「…あの!私に戦い方を教えてくれませんか?出来る事ならなんでもやるんで!」
「あ、そうよね。今の話の流れだとそうなっちゃうわよね~。でもゴメンね。
今ちょっと探さないきゃいけない人がいて…そうだ!桜ちゃん音宮くんが何処に行ったか知らない?私、彼に用事があるのよ。それの対価になら修業付き合ってあげてもいいわよ。」
どうしよう?
私、音宮くんの行き先知らない…
素直に知らないって言ったら修業つけて貰えないし
こんな時、音宮くんだったら……
「…教えてもいいですけど、私の修業の方が先です。それが終わったら音宮くんの居場所を教えます。」
「…へぇ」
手を強く握り締めている。
言葉の節目で詰まっている。思い浮かんだ言葉を適当に話しているから会話が文章として成り立っていない。
それに完全に目も泳いでいる。
元来、嘘をつけるタイプの子ではないのだろう。バレバレだ。
数時間話しただけだが、安藤の性格は理解したつもりだった。だから意外だった。
彼女が嘘をついてまで自分の修業に拘るとは。
だが、私はこう言う子が嫌いじゃない。
この子に賭けてみるか。
「良いわよ、それで。修業つけてあげる。
厳しいとか泣き言いっても辞めないわよ。」
「はい!」
本当は音宮奏に協力して貰うつもりだったが…まあ、いいだろう。
安藤桜の成長次第では彼女でも…
それに、この子と一緒に居ると、いずれ音宮奏に会うような予感がする。
凄い、金一色…豪邸だ。
それも高そうな物ばかり。
「貴方!こっちよ。着いて来て。」
「あっ……はい!」
ビビアン案内された部屋に入るとそこには長いテーブルとイス、それに豪華なお菓子が用意されていた。
「さてと、私の名前はビビアン・グレモアナ。
世間では混沌魔術師と呼ばれているわ。
趣味は金集め、特技は粋がっている奴をぶちのめす事、このくらいかしらね。貴方は?」
「えっ…え~と…」
「自己紹介よ、自己紹介。
知らない人同士が顔を合わせてまずやる事といたったそれくらいでしょ。
ほら、貴方の番」
「…はい。えっと…私は安藤桜と言います。
趣味は読書で特技は…特にないです。
出来る事とかもあんまりなくて…別の世界から来たばかりでこの世界に事は知らない事だらけです。」
「へえ~ずいぶん消極的な子ねえ。
どうやって生き残って来たの?
とても貴方が兵士から逃れる様には見えないんだけど…」
「ここに来るまではずっと音宮くんって人に護って貰ってて、兵士達も音宮くんが倒したんです。凄いんですよ!音宮くん!」
安藤はここに来るまでの経緯を話した。
異世界から来たこと、兵士から逃ている道中で起きた出来事の全てを。
「成程ねぇ、よくわかったわ。それにしても桜ちゃん、音宮くんって人がよっぽど好きなのね。だって桜ちゃん、彼に随分と酷いことされてるじゃない。彼の言い分はわからなくもないけど、私聞いてて少し引いちゃったわよ。女の子には優しくしろっつーのってね。」
「好きって…そんなんじゃなくて…憧れみたいな感じです。音宮くんはなんでも一人で出来て、沢山の人と仲良くしてたから…私がなりたいのは音宮くんみたいになんでも出来る人なんです。それに、音宮くんの言う通りにしてたら、あんな目に遭わなかったし…やっぱり音宮くんが正しかったので、変な事言った私が悪いんです。」
「桜ちゃん…貴方のそれはよく言えば謙遜だけどそれじゃあ一生自分を傷つけ続ける事になるわ。自分を卑下し過ぎてはダメよ。
もっと自信を持ちなさい!」
「でも…私、特に出来る事なんてないし…
スキルだって、ただ視点を変えて見えるだけの能力なんです。物を見つけるくらいにしか役に立たなくて…」
「そうねえ…桜ちゃんは私のこと強そうって思った?」
「凄かったです!あんな数の兵士たちがみんな揃って逃ちゃって」
「ありがとう。じゃあ、私のスキルはなんだと思う?」
「えっと…無限に魔力が湧いてくるとか全部の魔法を使える様になるとかそんな感じのスキルですか?」
「ううん。私のスキルはね、『感知《サーチ》』って言って能力は近くに人がいるかどうかが分かるだけの能力だったのよ。最初はね。」
「最初は?」
「そうよ。スキルは自分の解釈次第で幾らでも強く出来るの。名前だけで弱いスキルだと思い込まないで。私の場合、感知できる物は人だけではないと定義する事で、大地に流れる地脈や大気中に溢れる魔力の存在を感知し、その力を借りて魔法を使っているわ。
私一人の魔力ではないから属性にも限度がないし魔力も大気中にある限りは使い続ける事が出来る。これが私の力の秘密。
桜ちゃんのスキルにだって別の使い方が必ずある筈。」
「…あの!私に戦い方を教えてくれませんか?出来る事ならなんでもやるんで!」
「あ、そうよね。今の話の流れだとそうなっちゃうわよね~。でもゴメンね。
今ちょっと探さないきゃいけない人がいて…そうだ!桜ちゃん音宮くんが何処に行ったか知らない?私、彼に用事があるのよ。それの対価になら修業付き合ってあげてもいいわよ。」
どうしよう?
私、音宮くんの行き先知らない…
素直に知らないって言ったら修業つけて貰えないし
こんな時、音宮くんだったら……
「…教えてもいいですけど、私の修業の方が先です。それが終わったら音宮くんの居場所を教えます。」
「…へぇ」
手を強く握り締めている。
言葉の節目で詰まっている。思い浮かんだ言葉を適当に話しているから会話が文章として成り立っていない。
それに完全に目も泳いでいる。
元来、嘘をつけるタイプの子ではないのだろう。バレバレだ。
数時間話しただけだが、安藤の性格は理解したつもりだった。だから意外だった。
彼女が嘘をついてまで自分の修業に拘るとは。
だが、私はこう言う子が嫌いじゃない。
この子に賭けてみるか。
「良いわよ、それで。修業つけてあげる。
厳しいとか泣き言いっても辞めないわよ。」
「はい!」
本当は音宮奏に協力して貰うつもりだったが…まあ、いいだろう。
安藤桜の成長次第では彼女でも…
それに、この子と一緒に居ると、いずれ音宮奏に会うような予感がする。
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