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デルトナ村
通貨
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「ここまで来たら大丈夫かな。
安藤さん、さっきの方角見てくれる?」
「うん……誰も来てないみたいだよ。」
「よし。じゃあ、暫くは歩こうか。」
「うん。そうだね。」
「ところでさっきはあの人に何をしたの?
私にもなにが起きたかあんまりわからなくて…」
「ああ…あの時、俺が吹き飛ばされる前に安藤さんに石渡してたでしょ。」
「うん。音宮くんに何かあったら騎士の人目掛けて投げてって言われてたから投げたけど、それだけであんなに飛ばされるものなのかなって?あの石ってなんか特別なものだったの?」
「別に、ただの道端に落ちてた小石だよ。
別になんでも良かったんだ。体に当たりさえすれば反射的に石が当たった方向とは逆の方に重心を寄せてしまうからね。
強ければそれだけ体は勝手に条件反射をしてしまう。その瞬間に奴自身を崖の上に転移させたまでだよ。あとは勝手に落ちていってくれるから這い上がってこれないよう足止めをしただけ。流石にあの人には勝てないから逃げるつもりでいて良かった。それに、魔法とか言ってたしこの世界ならではの便利なものもありそうだ。覚えれたら損しないし、安藤さんも魔法覚えて見たら。」
「私は無理だよ。そんなの出来る気しないし…魔力だってFなんだよ。絶対無理だよ。」
「まあまあ、やってみるだけならタダなんだから。それに魔法を使った道具なんかもあるかもしれない。どこに行くにしても便利なものだと思うから見てみようよ。」
2人はその後も雑談をしながら、デルトナ村へと向かい歩み始める。
◇◇◇◇◇◇
「今回は特に問題もなく来れたね。」
「うん。道中何も起きなくてよかったよ。
村人もいるみたいだし、今日こそは宿に泊まろう。」
村の中に入った2人は早速、重大な壁にぶつかっていた。
それは…
「お金…全く足りないね。」
「通貨がわからないから適当に持ってきたけど、まさかこんなに足りないものだとは思わなかったな。換金目当てで持ってきてたオオカミ肉も腐って使い物にならないし…困ったな。」
2人は通貨を全く知らないまま適当にお金を持ってきた為、圧倒的にお金が足りなかった。
音宮の所持金が金貨0枚、銀貨1枚、銅貨7枚
安藤の所持金が金貨1枚、銀貨0枚、銅貨2枚だった。
銅貨10枚=銀貨1枚 銀貨10枚=金貨1枚になるそうだ。
それに対して食料は一番安いものでも銅貨3枚でパン、肉に関しては銅貨7枚だ。
備蓄の食料を買おうと考えると干し肉やパンなどが最低でも3日分は欲しい為、合計で銀貨4枚ほどが必要となる。
その上、調理用のナイフは銀貨3枚、剣や鎧などの装備品は最低金貨2枚からのスタート。
宿代に関しては1人銀貨8枚という値段だ。
この国の平均給料が知りたい。一体いくら貰えば賄えると思ってるんだ。なんてどんなに愚痴を言おうともお金が集まる訳でもない。
武器と防具で金貨8枚、食料に銀貨4枚、宿代と備品込みで金貨2枚、合計で金貨10枚以上あれば最低限の備品は揃えられるという事か…仕方ない、やるか。
「ちょっと席外してくるね。安藤さんはここで待ってて。直ぐに帰って来るから心配しないで。」
音宮がその場を去ろうとすると安藤に腕をつかまれる。
「私の勘違いだったら悪いんだけど、もしかして音宮くん。他人《ひと》の財布からお金盗もうとしてない?そのお金だって王宮から勝手に貰ってきたものだよね。私だって似たようなものだけど…やっぱり駄目だよ。
お金盗んじゃうなんて。」
なんでこういう時に限って鋭いんだこいつは!普段は何も言えないく癖に正当性のある時だけ主張してくるか。案外、政治家に向いてるんじゃないか。まあ、そんな事はどうでもいい。今回に関しては彼女が100%正しい事を言っているし反論の余地がない。悪い事をしている自覚はあるが、見えてなければやってないのと一緒だと思っている俺と彼女は違うのだろう。それに僅かにだが、金を盗むのにはリスクが存在する。こんな小さい村でいきなり数人の財布から金が消えたら真っ先に疑われるのは当然旅人である俺たちだ。
そしたら、また王国兵と戦わなければいけなくなる。それはそれで面倒だ。
仕方ない…まっとうに稼ぐか。
「肉屋の人にこの辺で換金できるモンスターとかいないか聞きに行くだけだよ。
今日、泊まる分くらいは稼げると思うし。稼ぎが良ければこの村に何拍かして、しっかり準備を整えてから出発してもいいしね。」
「あ…そうなんだ。ごめんね、疑うようなこと言っちゃって…」
「大丈夫だよ、気にしてないから」
嘘だ。音宮は根に持っている。隙があれば一人くらいからなら盗むつもりだ。
「ありがとう。私も手伝うね。
山菜くらいなら採れると思うし。」
当たり前だ。見つけることだけがお前に出来る仕事だろうか。
少しは働け、泣き虫女が。
「ありがとう。安藤さんのスキルがあったらすぐ見つかるから助かるよ。じゃあ、聞いて来るからちょっと待っててね。」
「うん!」
さてと、今の内に金盗んでおくか。
結局、音宮は肉屋に買い物をしに来ていた客の会計時にお金を出した一瞬の隙をついて盗んだ。金貨1枚と音宮が持っていた銅貨を入れ替える事で取られた方も自分が勘違いしていたものだと思い込んでしまっていた。
「すみません。この辺りで討伐したら換金可能なモンスターっていませんか?旅人なんですけど、ちょっとお金に困ってて…」
平然とした顔で話していた音宮を疑うものは誰も居なかった。
安藤さん、さっきの方角見てくれる?」
「うん……誰も来てないみたいだよ。」
「よし。じゃあ、暫くは歩こうか。」
「うん。そうだね。」
「ところでさっきはあの人に何をしたの?
私にもなにが起きたかあんまりわからなくて…」
「ああ…あの時、俺が吹き飛ばされる前に安藤さんに石渡してたでしょ。」
「うん。音宮くんに何かあったら騎士の人目掛けて投げてって言われてたから投げたけど、それだけであんなに飛ばされるものなのかなって?あの石ってなんか特別なものだったの?」
「別に、ただの道端に落ちてた小石だよ。
別になんでも良かったんだ。体に当たりさえすれば反射的に石が当たった方向とは逆の方に重心を寄せてしまうからね。
強ければそれだけ体は勝手に条件反射をしてしまう。その瞬間に奴自身を崖の上に転移させたまでだよ。あとは勝手に落ちていってくれるから這い上がってこれないよう足止めをしただけ。流石にあの人には勝てないから逃げるつもりでいて良かった。それに、魔法とか言ってたしこの世界ならではの便利なものもありそうだ。覚えれたら損しないし、安藤さんも魔法覚えて見たら。」
「私は無理だよ。そんなの出来る気しないし…魔力だってFなんだよ。絶対無理だよ。」
「まあまあ、やってみるだけならタダなんだから。それに魔法を使った道具なんかもあるかもしれない。どこに行くにしても便利なものだと思うから見てみようよ。」
2人はその後も雑談をしながら、デルトナ村へと向かい歩み始める。
◇◇◇◇◇◇
「今回は特に問題もなく来れたね。」
「うん。道中何も起きなくてよかったよ。
村人もいるみたいだし、今日こそは宿に泊まろう。」
村の中に入った2人は早速、重大な壁にぶつかっていた。
それは…
「お金…全く足りないね。」
「通貨がわからないから適当に持ってきたけど、まさかこんなに足りないものだとは思わなかったな。換金目当てで持ってきてたオオカミ肉も腐って使い物にならないし…困ったな。」
2人は通貨を全く知らないまま適当にお金を持ってきた為、圧倒的にお金が足りなかった。
音宮の所持金が金貨0枚、銀貨1枚、銅貨7枚
安藤の所持金が金貨1枚、銀貨0枚、銅貨2枚だった。
銅貨10枚=銀貨1枚 銀貨10枚=金貨1枚になるそうだ。
それに対して食料は一番安いものでも銅貨3枚でパン、肉に関しては銅貨7枚だ。
備蓄の食料を買おうと考えると干し肉やパンなどが最低でも3日分は欲しい為、合計で銀貨4枚ほどが必要となる。
その上、調理用のナイフは銀貨3枚、剣や鎧などの装備品は最低金貨2枚からのスタート。
宿代に関しては1人銀貨8枚という値段だ。
この国の平均給料が知りたい。一体いくら貰えば賄えると思ってるんだ。なんてどんなに愚痴を言おうともお金が集まる訳でもない。
武器と防具で金貨8枚、食料に銀貨4枚、宿代と備品込みで金貨2枚、合計で金貨10枚以上あれば最低限の備品は揃えられるという事か…仕方ない、やるか。
「ちょっと席外してくるね。安藤さんはここで待ってて。直ぐに帰って来るから心配しないで。」
音宮がその場を去ろうとすると安藤に腕をつかまれる。
「私の勘違いだったら悪いんだけど、もしかして音宮くん。他人《ひと》の財布からお金盗もうとしてない?そのお金だって王宮から勝手に貰ってきたものだよね。私だって似たようなものだけど…やっぱり駄目だよ。
お金盗んじゃうなんて。」
なんでこういう時に限って鋭いんだこいつは!普段は何も言えないく癖に正当性のある時だけ主張してくるか。案外、政治家に向いてるんじゃないか。まあ、そんな事はどうでもいい。今回に関しては彼女が100%正しい事を言っているし反論の余地がない。悪い事をしている自覚はあるが、見えてなければやってないのと一緒だと思っている俺と彼女は違うのだろう。それに僅かにだが、金を盗むのにはリスクが存在する。こんな小さい村でいきなり数人の財布から金が消えたら真っ先に疑われるのは当然旅人である俺たちだ。
そしたら、また王国兵と戦わなければいけなくなる。それはそれで面倒だ。
仕方ない…まっとうに稼ぐか。
「肉屋の人にこの辺で換金できるモンスターとかいないか聞きに行くだけだよ。
今日、泊まる分くらいは稼げると思うし。稼ぎが良ければこの村に何拍かして、しっかり準備を整えてから出発してもいいしね。」
「あ…そうなんだ。ごめんね、疑うようなこと言っちゃって…」
「大丈夫だよ、気にしてないから」
嘘だ。音宮は根に持っている。隙があれば一人くらいからなら盗むつもりだ。
「ありがとう。私も手伝うね。
山菜くらいなら採れると思うし。」
当たり前だ。見つけることだけがお前に出来る仕事だろうか。
少しは働け、泣き虫女が。
「ありがとう。安藤さんのスキルがあったらすぐ見つかるから助かるよ。じゃあ、聞いて来るからちょっと待っててね。」
「うん!」
さてと、今の内に金盗んでおくか。
結局、音宮は肉屋に買い物をしに来ていた客の会計時にお金を出した一瞬の隙をついて盗んだ。金貨1枚と音宮が持っていた銅貨を入れ替える事で取られた方も自分が勘違いしていたものだと思い込んでしまっていた。
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