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じゅーきゅう
しおりを挟む連れて行かれたのは昔執務室として使われていた部屋で、今は仮眠室となっている所だ。
「ユリス?」
「…お前、王妃様のこと抱いたんだろ」
「え?」
「マリアが言っていた」
ーーそんな感じの嘘をついた気もするけど。まさかそれ、ユリスに話してたのか…?
「…抱けない。俺、抱かれるしか出来ないし」
「王妃様と恋愛結婚しただろ」
「それは、表だけ。幼馴染だから、キャロルは、俺がユリスを好きっていうの、知ってる」
「……まさか……だからか!?俺がお前を連れて行く時、簡単に了承出されたのは!!」
「…そう、なのかな?」
「……んだよ、それー……」
「…ユリス?」
「……からかわれてるのかと思った、お前が告白してきたとき」
「え?」
「お前が即位して、結婚して、すぐに言ってきたから、からかわれてるのかと思って」
「そんな、からかったりしない!」
「…意地張ってマリアと結婚するって言ったときお前、おめでとうって言ったし」
「結婚するななんて言えないだろ!」
「……お前、うちの料理人とヤってるし」
「それはっ!」
「んだよ」
「…ユリスが、虐めるから」
「は?お前がドMなんだろ!」
「でも偶には優しくされたいし」
「……言えよ!!!」
「えっ」
「他の奴にヤられるくらいならいくらでも俺が優しく抱いてやるに決まってるだろ!!」
「…うそ、だって、そんなの」
「好きな奴が他の男に抱かれてるの見て、どんな気分になったと思ってんだよ!!」
「す、好きな奴?」
誰のこと?なんて、そこまで鈍感にはなれない。
「…もう分かってんだろ。お前が好きなこと」
そう言ってキスされる。優しくて温かくて、涙が溢れそうな甘い、口付け。
「…言えよ、お前も」
「……でも」
俺にはキャロルがいて、ユリスにはマリアがいて。
「まだ言うか、この!」
「わっ!?」
ベッドの上にゆっくりと倒される。
「ん、っ…」
「…愛してる、リゼ。…愛してる」
「あ、愛してるって!!」
「なに、お前は愛してないの?俺のこと」
「…そこまでは考えたことなかった…」
「なら考えられるようにしてやるよ」
そう言ってユリスは、リゼの服のボタンを外していった。
「なんだ、準備して来たのかよ」
「ひぅ…っ」
丸裸にされた上に、それを見て楽しむユリス。
「…可愛いな。凄い、ふくらんでる」
そう言ってユリスは胸の突起を指の上で転がし、ペロリと舐める。
「あ、だめっ、それ…!」
「…胸、すごい感じてる。凄いよここも」
股の間のモノを掴まれ、また甘い嬌声を上げる。
「こんなに感じやすくなってたなんて知らなかった。…かわいい、リゼ…」
「それ、やだってぇ…」
目に涙を浮かべても、ユリスは相変わらず言葉にすることをやめない。早く疼いている後ろを触ってほしい。
「ね、もう、いいから」
「…駄目。俺じゃないとイケない身体にする」
「怖いこと言うなっ…!」
「後継人なんて知らない、国の行く末なんて、どうでもいい。お前に女なんて抱かせない。他の男のところにも、行かせない」
「お前…。俺をどうしたいんだよ…」
「…決まってる。俺だけでしか勃たない身体にしたい」
ドロドロの熱が篭った瞳にキュンとしてしまう。我ながら本当、この男に溺れ過ぎた。
「…もうとっくに、そうなってる」
「……まだ足りない」
「早く、ユリスの、欲しい。いつもみたいにグチャグチャにして?」
この時の俺は忘れていた。
ユリスは一度言い出したことは最後までやり切る男だということ。
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