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元カレを思い出せません
このままずっと
しおりを挟む家に帰ってすぐ、恭弥は指定席だったソファの上に座った。
「なんか、懐かしい感じ」
あぁもう、可愛すぎてヤバイ。
てか俺もう限界なんだけど。
「…あの」
「あ、ごめん。なに?」
「俺と悠さん、その……付き合ってるんですよね…?」
「…おう」
「あの、…俺、できるだけ早く、思い出せるようにします、から」
「…恭弥」
伸ばした手で顔に触れると、びくりと恭弥の肩が揺れた。
「無理強いはしない。…だから、お前がいいって思ったら、教えて」
なにも覚えてないのなら、嫌われたくもない。思い出したときでも、俺が今の恭弥に好かれていたら、きっと。
「愛してる」
離れたくない。離れてほしくない。もしも記憶が戻って、俺以外を好きになっていたとしても、離す気なんてない。
こんなにも大切なのだ。手放せる訳がない。
「は、い…」
もういっそのこと、このまま何も思い出してくれない方がいい気がする。
「…ごめんな…」
恭弥の寝顔に手を触れる。すり、となつくように寄ってくる。このままずっと、二人だけの時間が永遠に続けばいいのに。
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