元カレに脅されてます

榎本 ぬこ

文字の大きさ
上 下
40 / 43
元カレを思い出せません

このままずっと

しおりを挟む



 家に帰ってすぐ、恭弥は指定席だったソファの上に座った。
「なんか、懐かしい感じ」
 あぁもう、可愛すぎてヤバイ。
 てか俺もう限界なんだけど。
「…あの」
「あ、ごめん。なに?」
「俺と悠さん、その……付き合ってるんですよね…?」
「…おう」
「あの、…俺、できるだけ早く、思い出せるようにします、から」
「…恭弥」
 伸ばした手で顔に触れると、びくりと恭弥の肩が揺れた。
「無理強いはしない。…だから、お前がいいって思ったら、教えて」
 なにも覚えてないのなら、嫌われたくもない。思い出したときでも、俺が今の恭弥に好かれていたら、きっと。
「愛してる」
 離れたくない。離れてほしくない。もしも記憶が戻って、俺以外を好きになっていたとしても、離す気なんてない。
 こんなにも大切なのだ。手放せる訳がない。
「は、い…」

 もういっそのこと、このまま何も思い出してくれない方がいい気がする。

「…ごめんな…」

 恭弥の寝顔に手を触れる。すり、となつくように寄ってくる。このままずっと、二人だけの時間が永遠に続けばいいのに。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

執着攻めと平凡受けの短編集

松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。 疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。 基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。 ※どんどん年齢は上がっていきます。 ※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

処理中です...