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第一章 アカデミー入学編

16 新しい生活!

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 小鳥のさえずりで目を覚ました。起きてカーテンを開けると、部屋の中に心地よい朝日が差し込んできた。
 セレスとの模擬戦から数日がたち、俺は今アカデミーの寮で生活していた。編入の手続きや騎士団への入隊式などで忙しかった為、まだクラスには挨拶に行った時の一度しか顔を出していない。セレスと同じクラスで、席も隣だった。
「よっ。会長さん。これからよろしく」
そう声をかけると、凄く素っ気ない感じで、
「私のことはセレスと呼んで下さい。会長では凄く余所余所しい感じがします」
と言ってそっぽを向いてしまった。態度と言葉の内容が一致してないから、仲良くしたいのかしたくないのか分からなかったが、そっぽを向いた頬が赤くなっているのを見て、照れ隠しなんだろうなと思った。
 そんなことがあったのが昨日の事で忙しくしていた分、今日一日だけ休みが貰えたのだ。
 明日からアカデミーの授業も始まるから、お礼をするためにも、今日はサテラに会いに行くことにしていた。
「アリス、行くぞ~」
アリスに声をかけ、一緒に外出する。
「あれ?ハルトさんサテラさんに会いに行くんじゃないんですか?」
「そうだけど?」
「道が違うんじゃないですか…」
「ああ、アリスに言ってなかったね。昨日セレスに女の子が喜びそうなお土産の買える店を聞いといたんだ。サテラにお礼がしたかったからね。今はその店に向かってる」
「そうだったんですか。納得です!」
なぜかお店を紹介してほしい経緯を話した時にセレスが不機嫌になってしまったのだが、まあ、その事は今気にしなくていいか…
 セレスに紹介して貰った店でお礼の品を買い、リオール魔装整備店に到着する。
「すいませーん」
「は~い…って、ハルト!?」
サテラが作業服で奥から出てきて、驚きの声を上げる。
「久しぶりだな、サテラ」
「う、うん。えっと、お、お茶持って来るから食卓にすわってて!」
そう言うと奥に駆け込んでいった。なぜか恥ずかしそうにしてたな…
 戻ってきたサテラは、お盆に紅茶の入ったカップを2つ乗せて来た。服も可愛らしい格好に変わっている。
「今からどこかに出かけるのか?」
「え!いや…そういうわけじゃ…ないんだけど」
「そう?まあいいか」
そう言って紅茶を一口飲む。
「お、美味いな」
「ふふっ。ありがとう。今日は何か用事でもあったの?ルシファーの整備?」
サテラは、俺が許可してるのでルシファーにも触ることが出来る。
「いや、整備じゃないよ。無事に編入試験をクリア出来たのはサテラのおかげだから、お礼を持ってきたんだ」
お礼に買ってきたものを渡すと、
「わぁ、可愛い髪飾りだね。着けてもいい?」
「もちろん」
喜んでくれたみたいで、俺も嬉しかった。それに、嬉しそうに笑うサテラを見ると、疲れてた心が少し楽になった気がした。
「今日はそれ渡しに来ただけだから、もう行くよ」
「うん、また来てね!」
そこからは日用品を買い揃え、真っ直ぐ寮に戻った。
「明日に備えて早めに寝るか…」
ベッドに横になると、直ぐに眠くなってきた。
なんでか分からないが、この日はいつもよりぐっすりと眠ることが出来た。
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