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episode 10
サバイバル Survival
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この国の夏は湿度が低く比較的カラッとしていて過ごしやすいはずであるが流石に走り回ると汗だくになるほど暑い。
マイケルは執事として常に様々な訓練を受けてきているから運動神経がとてもよくこの程度の運動量では疲れるはずもないが一方で私はというと皇室の自部屋に入り浸り紅茶を飲むか寝るかでまるで女王らしい公務なんて何一つせずダラダラしていたがために体力がこれっぽっちしか無いためもう既に限界である。 あれからどれだけの距離走ったのだろうか。
「お嬢様。あちらに湖が見えますのでひとまず水分補給とせめてお顔を洗い気持ちを整えましょう。」
こんなところに湖があっただなんて知らなかった。水面に輝く太陽の光がキラキラしていてとても綺麗であった。見惚れているだけでなんだか気持ちが安らいでいく気がした。しかしこんな目立つ場所でじっとしていたらすぐに追ってに見つかってしまうに違いない。
マイケルの指示通りまずは水分補給を行い、次に顔を洗った。気持ちよかった。生き返る感覚が分かる。さながら水を得た魚のように。 こんな非常事態でもひと時の安寧ってあるんだなと少落ち着きを取り戻しつつも急いで次の場所へ行こうとしたその時だった。
背後の茂みから1組のカップルらしき人たちが飛び出してきた。私は驚きすぎて声が出なかったが隣にいたマイケルは驚くよりも早く拳銃を構えていた。「動かないでください!あなた方は追っての者達ではなさそうですね。と言いたいところですが先ほど遠くの方で国民に告げる逮捕命令が微かに聞こえてきました。となるとあなた方は必然的に奴らの手先となりますね。しかし、妙ですねチャールズは男女を分断することを目論んでおりましたがあなた方は一緒におられるこれは一体どういう状況なのでしょうか?」
マイケルは構えた拳銃を下ろして2人に歩み寄ろうとした。
「僕たちは、新婚夫婦なんです。そして妻は妊娠をしております。こんな状態で分断なんてされたら妻も子どももどうなってしまうかと思ったらたまらなく不安になってしまいましてそれでこの国から亡命しようと思い逃げていた途中なんです。」
私とマイケルが男性の隣にいた女性のお腹に目をやると確かに膨らんでいた。
この状況で嘘をつく理由など考えづらいため2人のことはとりあえず信じることにした。 とはいえサバイバルする上では非常に逃げづらいパーティ編成となってしまった。まともに戦えるのはマイケルしかいない。(男性は話している間足がガクガクしていてとても戦えるとは思えない。)
すると女性が、「この湖の周辺に古びたコテージがあります。もう日が暮れそうなので今晩は泊まっていきませんか?」と聞いてきた。 確かにその通りだ。私とマイケルだけだったら寧ろ夜に行動した方が逃げやすいかもしれないが妊娠している女性がいるとなるとそんな無謀なことはできない。そうなると必然的に泊まることしか他ない。急いでコテージを探しなんとか日が暮れる直前に見つけることができた。
そして恐る恐る扉を開けてみると中は少し埃っぽいが誰もいなかった。衛生的には少しあれだが一晩凌げれば正直これくらいなら我慢するしか無い。
こうして4人でコテージへ入り作戦会議をしながら一晩を明かし次なる脱出劇へと備えることにした。 状況と環境が相まって全然眠れなかったが気がつけば陽が昇っており、 「さぁ皆様おはようございます
昨日確認させていただいた通りに行動していきましょう。何かございましたら速やかにお伝えください。 それでは早速向かいましょう!」
5時30分頃 コテージ及び湖を出発した。 目的地を話し合いその結果マイケルの出身国であるストリン王国へ向かうことに決まった。
少し歩き出した頃、背後から警察部隊が3人現れ、「いたぞ!捕まえろ!!」と追ってきた。朝一最悪のくじを引いてしまった。4人の運命はいかに?
マイケルは執事として常に様々な訓練を受けてきているから運動神経がとてもよくこの程度の運動量では疲れるはずもないが一方で私はというと皇室の自部屋に入り浸り紅茶を飲むか寝るかでまるで女王らしい公務なんて何一つせずダラダラしていたがために体力がこれっぽっちしか無いためもう既に限界である。 あれからどれだけの距離走ったのだろうか。
「お嬢様。あちらに湖が見えますのでひとまず水分補給とせめてお顔を洗い気持ちを整えましょう。」
こんなところに湖があっただなんて知らなかった。水面に輝く太陽の光がキラキラしていてとても綺麗であった。見惚れているだけでなんだか気持ちが安らいでいく気がした。しかしこんな目立つ場所でじっとしていたらすぐに追ってに見つかってしまうに違いない。
マイケルの指示通りまずは水分補給を行い、次に顔を洗った。気持ちよかった。生き返る感覚が分かる。さながら水を得た魚のように。 こんな非常事態でもひと時の安寧ってあるんだなと少落ち着きを取り戻しつつも急いで次の場所へ行こうとしたその時だった。
背後の茂みから1組のカップルらしき人たちが飛び出してきた。私は驚きすぎて声が出なかったが隣にいたマイケルは驚くよりも早く拳銃を構えていた。「動かないでください!あなた方は追っての者達ではなさそうですね。と言いたいところですが先ほど遠くの方で国民に告げる逮捕命令が微かに聞こえてきました。となるとあなた方は必然的に奴らの手先となりますね。しかし、妙ですねチャールズは男女を分断することを目論んでおりましたがあなた方は一緒におられるこれは一体どういう状況なのでしょうか?」
マイケルは構えた拳銃を下ろして2人に歩み寄ろうとした。
「僕たちは、新婚夫婦なんです。そして妻は妊娠をしております。こんな状態で分断なんてされたら妻も子どももどうなってしまうかと思ったらたまらなく不安になってしまいましてそれでこの国から亡命しようと思い逃げていた途中なんです。」
私とマイケルが男性の隣にいた女性のお腹に目をやると確かに膨らんでいた。
この状況で嘘をつく理由など考えづらいため2人のことはとりあえず信じることにした。 とはいえサバイバルする上では非常に逃げづらいパーティ編成となってしまった。まともに戦えるのはマイケルしかいない。(男性は話している間足がガクガクしていてとても戦えるとは思えない。)
すると女性が、「この湖の周辺に古びたコテージがあります。もう日が暮れそうなので今晩は泊まっていきませんか?」と聞いてきた。 確かにその通りだ。私とマイケルだけだったら寧ろ夜に行動した方が逃げやすいかもしれないが妊娠している女性がいるとなるとそんな無謀なことはできない。そうなると必然的に泊まることしか他ない。急いでコテージを探しなんとか日が暮れる直前に見つけることができた。
そして恐る恐る扉を開けてみると中は少し埃っぽいが誰もいなかった。衛生的には少しあれだが一晩凌げれば正直これくらいなら我慢するしか無い。
こうして4人でコテージへ入り作戦会議をしながら一晩を明かし次なる脱出劇へと備えることにした。 状況と環境が相まって全然眠れなかったが気がつけば陽が昇っており、 「さぁ皆様おはようございます
昨日確認させていただいた通りに行動していきましょう。何かございましたら速やかにお伝えください。 それでは早速向かいましょう!」
5時30分頃 コテージ及び湖を出発した。 目的地を話し合いその結果マイケルの出身国であるストリン王国へ向かうことに決まった。
少し歩き出した頃、背後から警察部隊が3人現れ、「いたぞ!捕まえろ!!」と追ってきた。朝一最悪のくじを引いてしまった。4人の運命はいかに?
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