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食べるだけじゃないとっても便利な物
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「あーどうしよう。全然寝れてない」
次の日、俺は寝不足のまま重たい体を起こす。
最近は多少寝不足だったりしても何とかなっていたのだが、今日だけはなぜか格別に重い。
その理由は明らかで昨日の彼女との事が原因だろう。そしてその日から俺は悶々とした日を過ごす。
一応彼女からは映画に行こうと言われているが、俺は何をしたらいいのかと思って今日の仕事が全然手につかなかった。
いつもの鬼神の一撃もプロ級のハンドル捌きも今日にいたっては一般人所か土竜並みの速度だったと思う。だから休憩に呼びに来てくれたおばちゃんにも今日は忙しいからと断って働き続け、少しでも進めておいた。
今週末に行くためというのもあるが、何かについて考えてないと走り出してしまいそうだったからだ。
何とか気合を入れて家に帰ってくる。すると、家の中からはアニメの音がした。まさか……。
居間に行くと彼女がいつもの姿勢でアニメを見ている。ただ少し違うのは夏なのに上下ともに学校のジャージを着ており、昨日のことを気にしているのが分かった。
「お帰り。今日は遅かったね?」
「ああ、ちょっと色々やっておこうと思ってな」
何とか取り繕うことはできた。ここで黙ってしまったら、それは感じが悪くなってしまう。
「そうなんだ。約束は守ってよね」
「ああ、大丈夫だ」
「そ、お風呂入ってきたら? 入れておいたよ」
「マジか。助かる」
「いいって事よ」
「じゃあちょっくら入ってくるわ」
「行ってらっしゃい」
俺は風呂に入るが物凄く彼女の事を意識してしまう。彼女は振り返らずに話していたが、俺の視線は彼女のジャージに夢中だった。いつものラフな感じもいいが、あのジャージの感じもなかなかに捨てがたい。
前のような直接的な見えないような感じではなく……そう、想像を膨らませるような感じとでも言えばいいのだろうか。短パンから見えるその素肌は若く張りがあって、触ったらいい感触がするだろうことは容易に想像出来る。しかも農業である程度運動をしていることもあって少し引き締まっていた。
だが、だがである。諸兄はシュレディンガーの猫をご存じだろうか? かなりの畜生な実験なのだが、分かりやすく言うと見えない箱の中に生きた猫と密封されたビニールに入っている毒ガスを一緒に入れる。そしてそのビニールが少しでも緩んでいたり、猫がビニールを破いてしまえば中にいる猫は死んでしまう。しかし、外からは猫が生きているか死んでいるかは箱を開けてみるまで分からない。その確率は50%ずつという物になる。
そして彼女の肌もたった一日しか経っていないがそれが焼けていたり、より引き締まっていたり、脱がせてみるまで分からないという、無限の想像を出来るようになる物なのだ。そう、あらゆる可能性は実際に観測するまで50%であるから。
何が言いたいかというと、どちらもいい。履いていても履いていなくても、彼女の足がそこにあればいい。ただそれだけだ。
「何を考えているんだ俺は……」
そんなことを悶々と考えて過ごす。しかし、このまま風呂に引きこもっている訳には行かなないのだ。彼女が来てくれているのにそんなことをしている訳には。
ぱぁん!
俺は両手で頬を叩き気合を入れる。そしてシャワーを冷水にして、一気に蛇口を捻る。
「さむぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅい!」
俺の息子が小さくなり、これ以上は隠れられないという所まで来てしまう。しかし、それでも俺は気合を入れるために浴び続ける。心頭滅却すれば火もまた涼し。その気概でやっていると冷水が徐々に温かく感じるようになってきた。
それと同時に少し冷静な自分が帰ってきた気がする。
「よし……」
一人満足してそのまま外に出る。そして着替えて居間に行くと料理が並べてあった。それはいつも食っているような冷凍の食品ではなく、家で作られたとわかるような物が2人前以上並べてある。
「やっと出てきた。それじゃあご飯食べよ?」
彼女が起き上がって俺の反対側に座る。
「え? どういうこと?」
「えっとね。映画のことは母さん達に話したら何かお返ししないとって言って、今日体調が悪かったから、ご飯持って見に行って来てって言われたんよ」
「そうだったのか。心配かけてすまん」
「いいよ。体調が悪いことは幾らでもあるからね。前に手伝ってもらった時もとっても助かったし、こういう時はお互い様だって」
「それでもありがとう。こうやって助けられると、本当にそのありがたみが分かるな」
「ふふ、そう言うならご飯の準備して。流石に冷めちゃうから持ってこなかったんだ」
「分かった。おひつに炊いてあるからそれを好きなだけよそってくれ。俺は何をすればいい?」
「じゃあ主食とかを温めて」
「分かった」
俺はさっきの冷水シャワーの効果もあり、普通に接するようになれていた。一度戻ってしまえば何てことはない。彼女も普通にいつものように接してくれていたのだ。それを一人過敏に反応していた事が少し恥ずかしい。
俺は取りあえずフォークを取りに行って、それをポケットに忍び込ます。そして彼女の指示通りにやり始めた。
「こんなもんでいいか?」
「うん。大丈夫。それじゃあ食べよう」
「ああ」
俺はその言葉と共にポケットの中にあるフォークで己の体を貫く。これをすることによって、痛みで彼女へ邪な視線を向けるのを避けるのが目的だ。
「顔が引き攣ってるけど大丈夫?」
「大丈夫だ。問題ない」
太ももに穴が開くだけだから。一番いいフォークを期待したら貫通してしまうから、このままにしておいて欲しい。
それから俺達は一緒にご飯を食べる。但しアニメはつけない。適当なバラエティー番組をつけている。
「そう言えば行きたい店とかはないのか?」
「え?」
「映画を見に行った時に折角だから他の場所にも行くだろ? 映画館以外にも一杯店とかあるんだからさ」
「あーそうだねぇ。季節の物の服とかあるからそれが見たいかな?」
なるほど、やはり女の子か服が好きとはやはりな。こういうことも想定通りだ。俺は密かに口を歪めフォークを深く突き刺す。
「何でそんな顔をしてるの?」
「大した事じゃない。ただ映画が楽しみなだけだよ」
「そうだね。私映画を見る前に、一回そっちのアニメも見ようかと思ってるんだけど」
「いいなそれ、俺も見返した方がいいのかって悩んでたんだよ。丁度いい。今のアニメを止めてそっち先に見るか?」
「むむむ、悩ましいんだよね。私はまだ見てないから続きも気になるし……」
「それじゃあ交互に見てみるか?」
「それだとこんがらがっちゃうんじゃない?」
「うーんじゃあどうしようか」
「今のペースで見てったら、今見てるのはどれくらいで終わる?」
「そうだな……。映画見る前日位には終わると思うかな」
「じゃあさ!」
彼女が上半身をちゃぶ台の上につき、身を乗り出す。
俺のフォークに込める力が強まる。
「映画に行く前日は徹夜でアニメ見て復習していこうよ!」
「マジで言ってる?」
「言ってる!」
彼女はいい笑顔でとっても素敵だ。
俺は考えた結果を彼女に話す。
「流石にそれは出来ないかな。映画を見に行くのは昼からだし、それまでは畑のことをやらないといけないからさ。映画に行くのも大事だけど、野菜たちも大事なのは変わらないから」
「あ、そっか。ごめん」
「謝ることはないよ。それがいい案に聞こえたのも事実だからな。でも、流石にそれは譲れないことは分かって欲しい」
「うん。分かってる。私も農家の娘だもの」
「それじゃあどうすっかな」
「じゃあじゃあ、ここでアニメ見るペース早めていい?」
「というと?」
「もうちょっと遅い時間まで見てたいの!」
「あーそういうことか」
彼女は今まで10時まで見ていて、それ以降は家に帰っていた。その時間を伸ばしたいという事だろう。それならば1時間位ならばいいのではないだろうか。
「いいけど、おじさん達に叱られないようにな」
「うん。分かってる!」
「それじゃあ食うか」
「分かった!」
俺達は美味しい食事を凄し、いつもより遅い時間までアニメを見た。
「それじゃあまた明日ねー」
「ああ、気をつけて帰れよ」
「はーい」
彼女は帰って行った。そして、俺の太ももは持たなくてもフォークが動かないくらいには入り込んでいた。
次の日、俺は寝不足のまま重たい体を起こす。
最近は多少寝不足だったりしても何とかなっていたのだが、今日だけはなぜか格別に重い。
その理由は明らかで昨日の彼女との事が原因だろう。そしてその日から俺は悶々とした日を過ごす。
一応彼女からは映画に行こうと言われているが、俺は何をしたらいいのかと思って今日の仕事が全然手につかなかった。
いつもの鬼神の一撃もプロ級のハンドル捌きも今日にいたっては一般人所か土竜並みの速度だったと思う。だから休憩に呼びに来てくれたおばちゃんにも今日は忙しいからと断って働き続け、少しでも進めておいた。
今週末に行くためというのもあるが、何かについて考えてないと走り出してしまいそうだったからだ。
何とか気合を入れて家に帰ってくる。すると、家の中からはアニメの音がした。まさか……。
居間に行くと彼女がいつもの姿勢でアニメを見ている。ただ少し違うのは夏なのに上下ともに学校のジャージを着ており、昨日のことを気にしているのが分かった。
「お帰り。今日は遅かったね?」
「ああ、ちょっと色々やっておこうと思ってな」
何とか取り繕うことはできた。ここで黙ってしまったら、それは感じが悪くなってしまう。
「そうなんだ。約束は守ってよね」
「ああ、大丈夫だ」
「そ、お風呂入ってきたら? 入れておいたよ」
「マジか。助かる」
「いいって事よ」
「じゃあちょっくら入ってくるわ」
「行ってらっしゃい」
俺は風呂に入るが物凄く彼女の事を意識してしまう。彼女は振り返らずに話していたが、俺の視線は彼女のジャージに夢中だった。いつものラフな感じもいいが、あのジャージの感じもなかなかに捨てがたい。
前のような直接的な見えないような感じではなく……そう、想像を膨らませるような感じとでも言えばいいのだろうか。短パンから見えるその素肌は若く張りがあって、触ったらいい感触がするだろうことは容易に想像出来る。しかも農業である程度運動をしていることもあって少し引き締まっていた。
だが、だがである。諸兄はシュレディンガーの猫をご存じだろうか? かなりの畜生な実験なのだが、分かりやすく言うと見えない箱の中に生きた猫と密封されたビニールに入っている毒ガスを一緒に入れる。そしてそのビニールが少しでも緩んでいたり、猫がビニールを破いてしまえば中にいる猫は死んでしまう。しかし、外からは猫が生きているか死んでいるかは箱を開けてみるまで分からない。その確率は50%ずつという物になる。
そして彼女の肌もたった一日しか経っていないがそれが焼けていたり、より引き締まっていたり、脱がせてみるまで分からないという、無限の想像を出来るようになる物なのだ。そう、あらゆる可能性は実際に観測するまで50%であるから。
何が言いたいかというと、どちらもいい。履いていても履いていなくても、彼女の足がそこにあればいい。ただそれだけだ。
「何を考えているんだ俺は……」
そんなことを悶々と考えて過ごす。しかし、このまま風呂に引きこもっている訳には行かなないのだ。彼女が来てくれているのにそんなことをしている訳には。
ぱぁん!
俺は両手で頬を叩き気合を入れる。そしてシャワーを冷水にして、一気に蛇口を捻る。
「さむぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅい!」
俺の息子が小さくなり、これ以上は隠れられないという所まで来てしまう。しかし、それでも俺は気合を入れるために浴び続ける。心頭滅却すれば火もまた涼し。その気概でやっていると冷水が徐々に温かく感じるようになってきた。
それと同時に少し冷静な自分が帰ってきた気がする。
「よし……」
一人満足してそのまま外に出る。そして着替えて居間に行くと料理が並べてあった。それはいつも食っているような冷凍の食品ではなく、家で作られたとわかるような物が2人前以上並べてある。
「やっと出てきた。それじゃあご飯食べよ?」
彼女が起き上がって俺の反対側に座る。
「え? どういうこと?」
「えっとね。映画のことは母さん達に話したら何かお返ししないとって言って、今日体調が悪かったから、ご飯持って見に行って来てって言われたんよ」
「そうだったのか。心配かけてすまん」
「いいよ。体調が悪いことは幾らでもあるからね。前に手伝ってもらった時もとっても助かったし、こういう時はお互い様だって」
「それでもありがとう。こうやって助けられると、本当にそのありがたみが分かるな」
「ふふ、そう言うならご飯の準備して。流石に冷めちゃうから持ってこなかったんだ」
「分かった。おひつに炊いてあるからそれを好きなだけよそってくれ。俺は何をすればいい?」
「じゃあ主食とかを温めて」
「分かった」
俺はさっきの冷水シャワーの効果もあり、普通に接するようになれていた。一度戻ってしまえば何てことはない。彼女も普通にいつものように接してくれていたのだ。それを一人過敏に反応していた事が少し恥ずかしい。
俺は取りあえずフォークを取りに行って、それをポケットに忍び込ます。そして彼女の指示通りにやり始めた。
「こんなもんでいいか?」
「うん。大丈夫。それじゃあ食べよう」
「ああ」
俺はその言葉と共にポケットの中にあるフォークで己の体を貫く。これをすることによって、痛みで彼女へ邪な視線を向けるのを避けるのが目的だ。
「顔が引き攣ってるけど大丈夫?」
「大丈夫だ。問題ない」
太ももに穴が開くだけだから。一番いいフォークを期待したら貫通してしまうから、このままにしておいて欲しい。
それから俺達は一緒にご飯を食べる。但しアニメはつけない。適当なバラエティー番組をつけている。
「そう言えば行きたい店とかはないのか?」
「え?」
「映画を見に行った時に折角だから他の場所にも行くだろ? 映画館以外にも一杯店とかあるんだからさ」
「あーそうだねぇ。季節の物の服とかあるからそれが見たいかな?」
なるほど、やはり女の子か服が好きとはやはりな。こういうことも想定通りだ。俺は密かに口を歪めフォークを深く突き刺す。
「何でそんな顔をしてるの?」
「大した事じゃない。ただ映画が楽しみなだけだよ」
「そうだね。私映画を見る前に、一回そっちのアニメも見ようかと思ってるんだけど」
「いいなそれ、俺も見返した方がいいのかって悩んでたんだよ。丁度いい。今のアニメを止めてそっち先に見るか?」
「むむむ、悩ましいんだよね。私はまだ見てないから続きも気になるし……」
「それじゃあ交互に見てみるか?」
「それだとこんがらがっちゃうんじゃない?」
「うーんじゃあどうしようか」
「今のペースで見てったら、今見てるのはどれくらいで終わる?」
「そうだな……。映画見る前日位には終わると思うかな」
「じゃあさ!」
彼女が上半身をちゃぶ台の上につき、身を乗り出す。
俺のフォークに込める力が強まる。
「映画に行く前日は徹夜でアニメ見て復習していこうよ!」
「マジで言ってる?」
「言ってる!」
彼女はいい笑顔でとっても素敵だ。
俺は考えた結果を彼女に話す。
「流石にそれは出来ないかな。映画を見に行くのは昼からだし、それまでは畑のことをやらないといけないからさ。映画に行くのも大事だけど、野菜たちも大事なのは変わらないから」
「あ、そっか。ごめん」
「謝ることはないよ。それがいい案に聞こえたのも事実だからな。でも、流石にそれは譲れないことは分かって欲しい」
「うん。分かってる。私も農家の娘だもの」
「それじゃあどうすっかな」
「じゃあじゃあ、ここでアニメ見るペース早めていい?」
「というと?」
「もうちょっと遅い時間まで見てたいの!」
「あーそういうことか」
彼女は今まで10時まで見ていて、それ以降は家に帰っていた。その時間を伸ばしたいという事だろう。それならば1時間位ならばいいのではないだろうか。
「いいけど、おじさん達に叱られないようにな」
「うん。分かってる!」
「それじゃあ食うか」
「分かった!」
俺達は美味しい食事を凄し、いつもより遅い時間までアニメを見た。
「それじゃあまた明日ねー」
「ああ、気をつけて帰れよ」
「はーい」
彼女は帰って行った。そして、俺の太ももは持たなくてもフォークが動かないくらいには入り込んでいた。
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