51 / 88
7章 スウォーティーの村
126話 体の柔らかさ
しおりを挟む
「外は久しぶりですね~!」
「そうなのかい?」
「はい! ずっと王都の城壁に囲まれていましたから!」
わたし達はいつものメンバー……わたしと従魔達、それに先生で王都の外に来ていた。
院長やボルツさん達との別れは先生が済ませてくれたので、10人の道案内をつける必要はなくなった。
デル君達には、院長が後で説明するからすぐに行っていいと言ってくれた。
もしもあいさつをしていたら、半日は潰れるだろうから……と。
後は宿の人にクロノさん達への伝言も残してあるので完璧だ。
わたしは城壁に囲まれていない、遠くまで見ることができる景色を久しぶりに楽しんで進む。
そして、わたしは今ウィンの背から降りていた。
「ウィン様の背には乗らなくてもいいのかい?」
「はい。王都にいる時本当にずっと乗っていて、ちょっと階段を試しに登ったら息が上がってしまったので、少しは運動をしないとな……と」
ウィンは少し残念そうだったけれど、わたしが寝たきりになってもいいのかと聞いたら納得してくれた。
それに、これ自体には他に意味もないこともない。
これから甘い物をいっぱい食べるのだ、動いておいた方が絶対にいいからだ。
「そうだね。確かに自分の足で歩くことも重要だと思う」
「はい!」
「だけど、危ないと思ったらウィン様を頼るっていうことは忘れないでね? サクヤ君に何かあったらみんな悲しむから」
「分かりました!」
わたしはそう彼に返事をしてトテトテと歩く。
ウィンと先生はわたしの歩く歩幅に合わせてゆっくりと歩いてくれる。
ヴァイスとルビーはわたし達の周りで追いかけっこをしていて、楽しそうにはしゃいでいた。
「サクヤ君達は王都でどんなことをしていたんだい?」
先生がそう聞いてくれたので、わたしは王都であったことを先生に話す。
「すごいね! 問題を解決したのはサクヤ君か」
「いえ、わたしは特に……クロノさん達が今も頑張ってくれていますから!」
「それもだけどね。君の働きが無かったら、本当に大変なことになっていただろうねぇ」
「そ、そんな……というか、先生の方はどうだったんですか!?」
なんかわたしの手柄とかの話になりそうだったので、ちょっと強引に変える。
「ああ、こちらは特に問題はなかったけど……」
「けど……?」
「みんなサクヤ君に会いたがっていたよ。また遊びに来てほしいとね」
「みんな……」
「うん。クー・シーやアベルとか……皆だよ」
「そうですね……どこかのタイミングでまた遊びにいきたいです!」
今は王都を出るので面倒だけれど、転移魔法を覚えられれば……と思わないでもない。
魔法都市とか……そこに行ったら覚えられるのかな。
正直そのためだけにも行ってみたいと思う。
「うん。いつでも待っているからね」
そんな事を話していると、あっという間に夜になる。
途中からは足が疲れてしまったので、ウィンが強引にわたしを背に乗せて進むことになった。
野営の準備は先生がやってくれて、長年フィールドワークをやっているからか、その手つきは手馴れていた。
「さ、ご飯もできたよ」
「ありがとうございます……」
わたしはなんとか鍛えようと思って歩き詰め過ぎて、軽く筋肉痛である。
ヴァイスやルビーはずっと走り回っていたのに……羨ましい。
「ヴァイス……おいで」
「ウビャゥ? ウビャ!」
わたしは座ったままヴァイスを呼んで抱っこしようとする。
すると、ヴァイスが伸びた。
「ん!?」
「ウビャ?」
「ねぇ……ヴァイス……成長した?」
「ウビャゥ?」
何……? と首をかしげるヴァイス。
わたしは彼を持ち上げようとしたんだけれど、後ろ脚はわたしのひざの上に乗っていて、上半身はいつものままだ。
これはまごうことなき猫科のあれ! 抱っこしたら伸びると思うあれだ!
「すごい……やっぱりヴァイスは聖獣でも猫科なんだね……」
「ウビャゥ……? ウビャ!」
「キュキュイ!」
わたしがヴァイスを伸ばして遊んでいると、自分もとルビーが出てくる。
なので、わたしはヴァイスをそっとひざの上に戻し、今度はルビーを抱っこする。
「キュキュイ!」
「うそ、ルビーもこんなに伸びるの!? 知らなかった……」
擬音にするとニョーンという感じでルビーが伸びた。
今までは全身で抱っこしていたため、半身だけでやるとこんなことになるとは……。
ちょっと楽しい。
「……」
わたしはヴァイスとルビーを伸ばしたり、彼らに舐められたりしながら遊んだ。
そして、後は眠りにつくだけ……という時に、ウィンがいつもの違った行動を取る。
「ウィン? いつもの……丸くなってうずくまる感じじゃないの?」
「今回はこれだ。いいから乗ってみろ」
「う、うん」
いつものわたしがもたれかかる感じではない。
ウィンは猫がニャンモナイトする時のように柔らかく丸まっている。
犬なのにニャンモナイト……ならワンモナイト? をしているウィンの上にわたしは登り寝転がる。
「おお! すごい! すごいよウィン!」
「ふふん。だろう? 俺だって伸びることはできる」
そう言って自慢そうに口元を歪ませる。
ワンモナイトの姿で笑うのはちょっとおかしかったけれど、わたしにとってこの柔らかさは違っていた。
今まではもたれかかって包まれていたけれど、今度の包まれ方はまるで違う。
例えると、今までは高反発マットの上で寝て、ウィンの毛に包まれているような感じだった。
でも今のは、低反発マット……いやウォーターベットに包まれて、更にその上から毛で包まれている。
そんな状態なのだ。
「すごい! こんなこと出来たんだね!?」
「当然だ。俺は聖獣、できないことはない」
「それを今使うのはどうなんだっていう気持ちもするけれど……」
もっとかっこいい時の使い道はなかったのだろうか。
「サクヤを驚かせる以上の使い道などない」
「さいですか……でもすごい!」
ということで、わたしはウィンの体に潜り込み、素晴らしい寝心地を体験する。
翌朝、わたしが目を覚ましたのは、日が高くなってからだった。
「ウィン……これは……本当にじっくり寝てもいい時だけにしよう。じゃないとずっと寝ていちゃう……」
「そうかもしれないな」
「先生。すいませんでした……」
「良い子は寝るものだ。寝なくては育たないからね。気にしなくてもいいよ」
先生はこう言ってくれているけれど、わたしはこれを頼むのは時間が余っていて、翌日に用事がない時だけにしようと誓う。
そして、それから半日ほどして、夕方になったくらいでわたし達はスウォーティーの村に到着した。
「そうなのかい?」
「はい! ずっと王都の城壁に囲まれていましたから!」
わたし達はいつものメンバー……わたしと従魔達、それに先生で王都の外に来ていた。
院長やボルツさん達との別れは先生が済ませてくれたので、10人の道案内をつける必要はなくなった。
デル君達には、院長が後で説明するからすぐに行っていいと言ってくれた。
もしもあいさつをしていたら、半日は潰れるだろうから……と。
後は宿の人にクロノさん達への伝言も残してあるので完璧だ。
わたしは城壁に囲まれていない、遠くまで見ることができる景色を久しぶりに楽しんで進む。
そして、わたしは今ウィンの背から降りていた。
「ウィン様の背には乗らなくてもいいのかい?」
「はい。王都にいる時本当にずっと乗っていて、ちょっと階段を試しに登ったら息が上がってしまったので、少しは運動をしないとな……と」
ウィンは少し残念そうだったけれど、わたしが寝たきりになってもいいのかと聞いたら納得してくれた。
それに、これ自体には他に意味もないこともない。
これから甘い物をいっぱい食べるのだ、動いておいた方が絶対にいいからだ。
「そうだね。確かに自分の足で歩くことも重要だと思う」
「はい!」
「だけど、危ないと思ったらウィン様を頼るっていうことは忘れないでね? サクヤ君に何かあったらみんな悲しむから」
「分かりました!」
わたしはそう彼に返事をしてトテトテと歩く。
ウィンと先生はわたしの歩く歩幅に合わせてゆっくりと歩いてくれる。
ヴァイスとルビーはわたし達の周りで追いかけっこをしていて、楽しそうにはしゃいでいた。
「サクヤ君達は王都でどんなことをしていたんだい?」
先生がそう聞いてくれたので、わたしは王都であったことを先生に話す。
「すごいね! 問題を解決したのはサクヤ君か」
「いえ、わたしは特に……クロノさん達が今も頑張ってくれていますから!」
「それもだけどね。君の働きが無かったら、本当に大変なことになっていただろうねぇ」
「そ、そんな……というか、先生の方はどうだったんですか!?」
なんかわたしの手柄とかの話になりそうだったので、ちょっと強引に変える。
「ああ、こちらは特に問題はなかったけど……」
「けど……?」
「みんなサクヤ君に会いたがっていたよ。また遊びに来てほしいとね」
「みんな……」
「うん。クー・シーやアベルとか……皆だよ」
「そうですね……どこかのタイミングでまた遊びにいきたいです!」
今は王都を出るので面倒だけれど、転移魔法を覚えられれば……と思わないでもない。
魔法都市とか……そこに行ったら覚えられるのかな。
正直そのためだけにも行ってみたいと思う。
「うん。いつでも待っているからね」
そんな事を話していると、あっという間に夜になる。
途中からは足が疲れてしまったので、ウィンが強引にわたしを背に乗せて進むことになった。
野営の準備は先生がやってくれて、長年フィールドワークをやっているからか、その手つきは手馴れていた。
「さ、ご飯もできたよ」
「ありがとうございます……」
わたしはなんとか鍛えようと思って歩き詰め過ぎて、軽く筋肉痛である。
ヴァイスやルビーはずっと走り回っていたのに……羨ましい。
「ヴァイス……おいで」
「ウビャゥ? ウビャ!」
わたしは座ったままヴァイスを呼んで抱っこしようとする。
すると、ヴァイスが伸びた。
「ん!?」
「ウビャ?」
「ねぇ……ヴァイス……成長した?」
「ウビャゥ?」
何……? と首をかしげるヴァイス。
わたしは彼を持ち上げようとしたんだけれど、後ろ脚はわたしのひざの上に乗っていて、上半身はいつものままだ。
これはまごうことなき猫科のあれ! 抱っこしたら伸びると思うあれだ!
「すごい……やっぱりヴァイスは聖獣でも猫科なんだね……」
「ウビャゥ……? ウビャ!」
「キュキュイ!」
わたしがヴァイスを伸ばして遊んでいると、自分もとルビーが出てくる。
なので、わたしはヴァイスをそっとひざの上に戻し、今度はルビーを抱っこする。
「キュキュイ!」
「うそ、ルビーもこんなに伸びるの!? 知らなかった……」
擬音にするとニョーンという感じでルビーが伸びた。
今までは全身で抱っこしていたため、半身だけでやるとこんなことになるとは……。
ちょっと楽しい。
「……」
わたしはヴァイスとルビーを伸ばしたり、彼らに舐められたりしながら遊んだ。
そして、後は眠りにつくだけ……という時に、ウィンがいつもの違った行動を取る。
「ウィン? いつもの……丸くなってうずくまる感じじゃないの?」
「今回はこれだ。いいから乗ってみろ」
「う、うん」
いつものわたしがもたれかかる感じではない。
ウィンは猫がニャンモナイトする時のように柔らかく丸まっている。
犬なのにニャンモナイト……ならワンモナイト? をしているウィンの上にわたしは登り寝転がる。
「おお! すごい! すごいよウィン!」
「ふふん。だろう? 俺だって伸びることはできる」
そう言って自慢そうに口元を歪ませる。
ワンモナイトの姿で笑うのはちょっとおかしかったけれど、わたしにとってこの柔らかさは違っていた。
今まではもたれかかって包まれていたけれど、今度の包まれ方はまるで違う。
例えると、今までは高反発マットの上で寝て、ウィンの毛に包まれているような感じだった。
でも今のは、低反発マット……いやウォーターベットに包まれて、更にその上から毛で包まれている。
そんな状態なのだ。
「すごい! こんなこと出来たんだね!?」
「当然だ。俺は聖獣、できないことはない」
「それを今使うのはどうなんだっていう気持ちもするけれど……」
もっとかっこいい時の使い道はなかったのだろうか。
「サクヤを驚かせる以上の使い道などない」
「さいですか……でもすごい!」
ということで、わたしはウィンの体に潜り込み、素晴らしい寝心地を体験する。
翌朝、わたしが目を覚ましたのは、日が高くなってからだった。
「ウィン……これは……本当にじっくり寝てもいい時だけにしよう。じゃないとずっと寝ていちゃう……」
「そうかもしれないな」
「先生。すいませんでした……」
「良い子は寝るものだ。寝なくては育たないからね。気にしなくてもいいよ」
先生はこう言ってくれているけれど、わたしはこれを頼むのは時間が余っていて、翌日に用事がない時だけにしようと誓う。
そして、それから半日ほどして、夕方になったくらいでわたし達はスウォーティーの村に到着した。
905
お気に入りに追加
5,052
あなたにおすすめの小説
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。
野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。
世界最強の公爵様は娘が可愛くて仕方ない
猫乃真鶴
ファンタジー
トゥイリアース王国の筆頭公爵家、ヴァーミリオン。その現当主アルベルト・ヴァーミリオンは、王宮のみならず王都ミリールにおいても名の通った人物であった。
まずその美貌。女性のみならず男性であっても、一目見ただけで誰もが目を奪われる。あと、公爵家だけあってお金持ちだ。王家始まって以来の最高の魔法使いなんて呼び名もある。実際、王国中の魔導士を集めても彼に敵う者は存在しなかった。
ただし、彼は持った全ての力を愛娘リリアンの為にしか使わない。
財力も、魔力も、顔の良さも、権力も。
なぜなら彼は、娘命の、究極の娘馬鹿だからだ。
※このお話は、日常系のギャグです。
※小説家になろう様にも掲載しています。
※2024年5月 タイトルとあらすじを変更しました。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
出来損ない王女(5歳)が、問題児部隊の隊長に就任しました
瑠美るみ子
ファンタジー
魔法至上主義のグラスター王国にて。
レクティタは王族にも関わらず魔力が無かったため、実の父である国王から虐げられていた。
そんな中、彼女は国境の王国魔法軍第七特殊部隊の隊長に任命される。
そこは、実力はあるものの、異教徒や平民の魔法使いばかり集まった部隊で、最近巷で有名になっている集団であった。
王国魔法のみが正当な魔法と信じる国王は、国民から英雄視される第七部隊が目障りだった。そのため、褒美としてレクティタを隊長に就任させ、彼女を生贄に部隊を潰そうとした……のだが。
「隊長~勉強頑張っているか~?」
「ひひひ……差し入れのお菓子です」
「あ、クッキー!!」
「この時間にお菓子をあげると夕飯が入らなくなるからやめなさいといつも言っているでしょう! 隊長もこっそり食べない! せめて一枚だけにしないさい!」
第七部隊の面々は、国王の思惑とは反対に、レクティタと交流していきどんどん仲良くなっていく。
そして、レクティタ自身もまた、変人だが魔法使いのエリートである彼らに囲まれて、英才教育を受けていくうちに己の才能を開花していく。
ほのぼのとコメディ七割、戦闘とシリアス三割ぐらいの、第七部隊の日常物語。
*小説家になろう・カクヨム様にても掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。