上 下
70 / 96

69

しおりを挟む
目の前の崖に、穴が開いている。穴もいくつかあるが、逃げ場が後ろの森だけだ。馬鹿達が盗み出してから、蜘蛛も学習したのだろう。呆れる。行きは良いが、帰りの道が無くなってる。よく見ると逃げ道も慎重に選ばないと、全てが蜘蛛の餌食になる。こんな馬鹿達のために・・・・ため息が出る。

「おい。」と呼ばれた「こんな場所から盗み出してたのか?もう、この 場所自体巣だろ。馬鹿は 脳みそが無いのか?」と話す。ギリウスも呆れてる「確かに。崖の穴に、蜘蛛の巣が張り巡らされてる。だが、こいつら差し出しても・・・・」頭をかかえたくなる。

「話は後だ。くるぞ」すると、上からスルスルと蜘蛛が降りてくる。大きい蜘蛛が二匹だ。その姿を見た瞬間、馬鹿達が、逃げだした。

今さら森に逃げた所で、他の魔物達の餌になる。蜘蛛だけではなく、他の魔物からも盗んだのだ。そのつけを、払わされるだけだ。


蜘蛛に1級の魔法をぶつけるが、炎の魔法を魔法回避の糸で無効化してきた。予想外の糸だ。ギリウスも リニも唖然としている。だがそんな事は、関係ない。「雑魚は任せる。」と後ろにいる 蜘蛛の子をギリウス達に任せる。

蜘蛛の糸をよけながら、蜘蛛の口に炎をぶち込む。口の中までは、鍛えられないだろう。「ギシャアアアアアアアア」と絶叫して。蜘蛛の糸に上っていく。その間も、一匹が糸を絡ませる。上に上った蜘蛛を、すぐにでも仕留めないと、魔法回避の糸を編み込まれたら長引く。一気に けりをつけようとするが、もう一匹の蜘蛛も上に上がった。

後ろの奴らは、雑魚の蜘蛛を相手にしているが、何処から現れるのか数が多い。こちらにも寄ってくるので、炎で一部焼き払う。その様子を見てる他の蜘蛛が「ギッシャシャ。」と闇に消えていく。

親蜘蛛だけが、魔法回避の糸を編めるのか?上を見ると 綿密に糸を編んでいる。その糸を編ませないように、上に飛ぶ。蜘蛛の背中に降り立つが、もう一匹が邪魔をしに来る。その間合いを見極め、腹に剣を突き刺す。それでも、まだ致命傷にはならない。剣を抜き 足を風魔法で、切り裂く。すると、「ギャシャアアア」とこちらに向かってくる。「ッチ」頭と胴を別れさせる。それでも糸を紡ぐのを止めないので、氷魔法で固めておく。一匹は 熊が頭に槍を刺し そこから雷を流し込んでいた。回避でもあれだけの、魔力を流されたら、生きていけないだろう。蜘蛛の黒焦げが出来ていた。
 

下の連中も、一段落ついたのだろう。蜘蛛を蹴り出し、下に降りていく。土魔法で穴を開け、そこに全ての蜘蛛を入れていく。

黒焦げにしたのだ、親蜘蛛はもう糸も紡げないのだろう。穴にいる子蜘蛛にも、一気に炎の魔法で焼き尽くす。灰にした後は、この灰さえも盗まれては困るので、崖全てを壊していく。

「これだけしたら、大丈夫だろう。」糸を少し回収してるのでそれをギルドに渡す。「こんな糸を紡ぐとは、研究に渡しておく。」ギリウスも疲れたのだろう。黙っていた。

「あのアホどもを探しに行きますか?」と問われたが首を振っておく。「あの馬鹿達ならもう生きてないだろう。蜘蛛からだけじゃ無く。他の魔物からも 盗んでいた。あの馬鹿達を狙っていた、魔物もいる。無理だな。」と息を吐く。ここからも早々に立ち去らないと、これ以上ここにいて、仲間だと思われてこちらに来られても迷惑だ。

「帰るぞ」ギリウスの声で皆町に帰る。ここの森では、当分狩りを控えさせた方が良いだろう。そのまま、町に戻る。

町に着いたのは、昼過ぎだ。自分の体に クリーンをかけ。魔物の卵もついてないことを確認し、町に入る。

避難所に行くと、炊き出しが行われていたが・・・・「スズネ?」と呼ぶとすぐに抱きついてきた。炊き出しの料理を見ると、祭り状態になっていた。商業のパメラがスズネにくっついてきた。「ぜひ この調味料の数々を、お願いします。」と頭を下げてきた。炊き出しなのか? カレー お好み焼き 焼きそば おにぎり パンケーキ フレンチトースト ジャガバター ブタ味噌スープなど看板を出している。その中の物を、子供達も大人も好きな物を食べていた。

すると サラと冒険者ギルドの、受付嬢達が、「「「材料はこちらが出していますので、今回はただです。」」」と話しているが、手に食べ物は持っているのだな。

子供達や町の大人も「「「「上手い。」」」と絶賛している。スズネが俺たちが腹が減ってるだろうと良い、食べ物を取りに行った。
「凄いだろう。子供達も不安に思っていたんだがね。スズネが料理を作り出してから、笑顔になってね。まっ。お酒は、あんた達が帰ってきてからだけどね。」と酒を運び込んできた。

町の者達が やってきた。子供達は「こんな上手い料理を毎日食べられるのか。いいなー」と話す。大人達には、肩を叩かれ労いの言葉をかけられ。

スズネが戻ってきてので、料理を口にする。少しすると 手を握ってくるスズネがいた。不安だったのだろう。いつもは恥ずかしがる スキンシップも、何も言わずに受け入れてくれる。「スズネ。明日には ドラッヘンに帰ろう。」と話す。頷いてくれたので、俺たちに用事があるのだろう。ギリウス リニに明日帰ることを伝える。「ああ。そうか。寂しくなるな。今回は助かった。報酬だが」と話されたが「騎士なので受け取れん。その分他に回してくれ。」と話す。

ギリウスが、町の人達にスズネが明日町を旅立つことを話す。すると町の者達が、お礼を言いに来たり。別れを惜しみ 宴会になる。

ギルドの面々がスズネに、商品の権利を頼みに来る。特に酒はギリウスが、すごい口説きようだ。「あの酒の造り方は、売ってくれんか?」とか「調味料を卸して欲しい」「料理の作り方を」色々言われていた。「全て。蜜月が終わったらな。」とぶった切る。


「「「「「ああああああ」」」」」と頭を抱えられたが、知らん。受付嬢達は、もうお菓子が食べられなくなるの?とか野菜は?とか、ブツブツ話していた。全て 食い物の話だ。何処まで食い意地が張ってるのだ。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

死のうと思っていたら悪役令嬢になったのでバッドエンドを目指します

やなぎ納屋
恋愛
ゲームの悪役令嬢に転生してしまった前田喜美子はバッドエンドを目指す決意をする。なにせ彼女は身投げをする寸前だったのだ。せっかく悪役令嬢に転生したのなら、いっそ華々しく散ろう。バッドエンドを目指して奮闘し続けるも、物語はシナリオ通りに進まず思わぬ展開に。

契約婚ですが可愛い継子を溺愛します

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
恋愛
 前世の記憶がうっすら残る私が転生したのは、貧乏伯爵家の長女。父親に頼まれ、公爵家の圧力と財力に負けた我が家は私を売った。  悲壮感漂う状況のようだが、契約婚は悪くない。実家の借金を返し、可愛い継子を愛でながら、旦那様は元気で留守が最高! と日常を謳歌する。旦那様に放置された妻ですが、息子や使用人と快適ライフを追求する。  逞しく生きる私に、旦那様が距離を詰めてきて? 本気の恋愛や溺愛はお断りです!!  ハッピーエンド確定 【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/09/07……カクヨム、恋愛週間 4位 2024/09/02……小説家になろう、総合連載 2位 2024/09/02……小説家になろう、週間恋愛 2位 2024/08/28……小説家になろう、日間恋愛連載 1位 2024/08/24……アルファポリス 女性向けHOT 8位 2024/08/16……エブリスタ 恋愛ファンタジー 1位 2024/08/14……連載開始

竜王陛下の番……の妹様は、隣国で溺愛される

夕立悠理
恋愛
誰か。誰でもいいの。──わたしを、愛して。 物心着いた時から、アオリに与えられるもの全てが姉のお下がりだった。それでも良かった。家族はアオリを愛していると信じていたから。 けれど姉のスカーレットがこの国の竜王陛下である、レナルドに見初められて全てが変わる。誰も、アオリの名前を呼ぶものがいなくなったのだ。みんな、妹様、とアオリを呼ぶ。孤独に耐えかねたアオリは、隣国へと旅にでることにした。──そこで、自分の本当の運命が待っているとも、知らずに。 ※小説家になろう様にも投稿しています

【R18】溺愛される公爵令嬢は鈍すぎて王子の腹黒に気づかない

かぐや
恋愛
公爵令嬢シャルロットは、まだデビューしていないにも関わらず社交界で噂になる程美しいと評判の娘であった。それは子供の頃からで、本人にはその自覚は全く無いうえ、純真過ぎて幾度も簡単に拐われかけていた。幼少期からの婚約者である幼なじみのマリウス王子を始め、周りの者が シャルロットを護る為いろいろと奮闘する。そんなお話になる予定です。溺愛系えろラブコメです。 女性が少なく子を増やす為、性に寛容で一妻多夫など婚姻の形は多様。女性大事の世界で、体も中身もかなり早熟の為13歳でも16.7歳くらいの感じで、主人公以外の女子がイケイケです。全くもってえっちでけしからん世界です。 設定ゆるいです。 出来るだけ深く考えず気軽〜に読んで頂けたら助かります。コメディなんです。 ちょいR18には※を付けます。 本番R18には☆つけます。 ※直接的な表現や、ちょこっとお下品な時もあります。あとガッツリ近親相姦や、複数プレイがあります。この世界では家族でも親以外は結婚も何でもありなのです。ツッコミ禁止でお願いします。 苦手な方はお戻りください。 基本、溺愛えろコメディなので主人公が辛い事はしません。

番が見つかったら即離婚! 王女は自由な平民に憧れる

灰銀猫
恋愛
王女でありながら貧しい生活を強いられていたエリサ。 突然父王に同盟の証として獣人の国へ嫁げと命じられた。 婚姻相手の王は竜人で番しか愛せない。初対面で開口一番「愛する事はない」と断言。 しかも番が見つかるか、三年経ったら離婚だそう。 しかしエリサは、是非白い結婚&別居婚で!とむしろ大歓迎。 番至上主義の竜人の王と、平民になることを夢見る王女の、無関心から始まる物語。 ご都合主義設定でゆるゆる・展開遅いです。 獣人の設定も自己流です。予めご了承ください。 R15は保険です。 22/3/5 HOTランキング(女性向け)で1位になれました。ありがとうございます。 22/5/20 本編完結、今後は番外編となります。 22/5/28 完結しました。 23/6/11 書籍化の記念に番外編をアップしました。

無能だとクビになったメイドですが、今は王宮で筆頭メイドをしています

如月ぐるぐる
恋愛
「お前の様な役立たずは首だ! さっさと出て行け!」 何年も仕えていた男爵家を追い出され、途方に暮れるシルヴィア。 しかし街の人々はシルビアを優しく受け入れ、宿屋で住み込みで働く事になる。 様々な理由により職を転々とするが、ある日、男爵家は爵位剥奪となり、近隣の子爵家の代理人が統治する事になる。 この地域に詳しく、元男爵家に仕えていた事もあり、代理人がシルヴィアに協力を求めて来たのだが…… 男爵メイドから王宮筆頭メイドになるシルビアの物語が、今始まった。

異世界で狼に捕まりました。〜シングルマザーになったけど、子供たちが可愛いので幸せです〜

雪成
恋愛
そういえば、昔から男運が悪かった。 モラハラ彼氏から精神的に痛めつけられて、ちょっとだけ現実逃避したかっただけなんだ。現実逃避……のはずなのに、気付けばそこは獣人ありのファンタジーな異世界。 よくわからないけどモラハラ男からの解放万歳!むしろ戻るもんかと新たな世界で生き直すことを決めた私は、美形の狼獣人と恋に落ちた。 ーーなのに、信じていた相手の男が消えた‼︎ 身元も仕事も全部嘘⁉︎ しかもちょっと待って、私、彼の子を妊娠したかもしれない……。 まさか異世界転移した先で、また男で痛い目を見るとは思わなかった。 ※不快に思う描写があるかもしれませんので、閲覧は自己責任でお願いします。 ※『小説家になろう』にも掲載しています。

拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな
恋愛
 子爵令嬢のクロエ・ルーベンスは今日も《おひとり様》で夜会に参加する。 公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。  クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。  クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。 「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」 「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」 「ファンティーヌが」 「ファンティーヌが」  だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。 「私のことはお気になさらず」

処理中です...