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「おい。竜、なんか俺に怨みでもあんのか?間違えましたと。土下座しても許さねえぞ。」剣を受け流す。
剣と槍がぶつかる音がする「熊。死んでわびろ」と剣に炎の魔法をまとわせ、相手に斬りかかる。「てめ。しゃれにならねえぞ。ッチ」と舌打ちで、炎の剣を雷魔法ではじき飛ばす。「ッチ。雷帝か」片眉をひそめる。「今さら 後悔かあああああん?」と槍で剣をつく。目の前の熊の懐に入り込み、顔に手を当て、炎を放つが・・・・熊が咄嗟にその場を離れる。「てめ・・殺す。」激高し、熊が怒りにまかせ、半獣化し出す。半獣化して熊からは、先ほどの力ではない、数倍の力で剣を突く。リーンハルト様の頬に、槍先が辺り血が流れる。


「ありゃ。勝負つくかの?」やれやれと肩をすくめる。先程から観客席にも、魔法が降り注ぐ。皆、魔法で交わしておる。すると、闘技場の観客席 辺りにマル坊が見えた。なんでこんな所に、「マル坊。ここは、危ないから」と話すが、「ギリウスじいちゃんに、至急の用事が合ったから」と眉を下げて謝ってくる。

するとスズネに、雷魔法が当たりそうになる。リニ爺が、魔法で壁を作る。リーンハルト様が、スズを背中にすぐにかばった。スズネの元に向かうときに、少しだけ雷がリーンハルト様の右肩に当たる。
スズネは驚いていたが、リーンハルト様の顔と肩に触れる。「あっ、りがとう。ルト?大丈夫。」震える手で ハンカチを出して手当てをする。すると遠くに、闘技場が目に入る。・・・・・すると、闘技場に、槍を構えた人がいる?
「あれ?熊吉?何でケガしてるんだろう?あれ?槍?あれ?熊吉じゃない?」と二人とも、見つめ会う。

あれれ?と思ってたら、肩を叩かれる。ギリウスじいちゃんが、「マル坊。至急の用事があったんだろう?」後ろを振り向き。
「あっ。うん。皆が忙しくなって、お使いを頼まれたの。だけれど・・・リーンハルト様もケガしてる。何があったの?」と聞くが、「何でも無い。スズネ。行こう。」と少し右肩をかばうリーンハルト様が居た。
「リーンハルト様?・・・・・・・・ごめんなさい。」と側による。

ギルドにつくと、高ランクの魔物がいくつか運び込まれていた。「こりゃ。どうした?」と驚くが、討伐してきた物を見ると、眉をひそめる。「「「俺様達がやったのさ。」」」ランク的に倒すのが無理な者達が、高ランクの物を持ち込んでいる。ため息をつきたくなる。

それを横目に、リーンハルト様が、震えてるスズネをかばい。ギルドを後にしようとすると、馬鹿ランクがスズネに絡み出した。

「よう。マル坊。まだチマチマ稼いでるのか。稼がしてやるか?」とスズネを殴る振りをした。それを周りの、同パーティーがゲラゲラ笑っている。このパーティーは、良く私に構ってくる。それも何度もあり、私は居ない日を見計らって町に降りてきていた。それでも町の人に手を出し、一時期この町を追い出されてる奴らだ。町の者達は、被害には余り遭わなかった。昔スズネは誰の庇護を受けて無かったのが災いして、一度殴られている。怖がっていると、リーンハルト様が「俺の番に用事なら、俺に用事だな。」とそいつの頭を がっしりつかんだ。スズネに絡んでいた、冒険者達は驚く。「なんだ、やるのか、お前 」と震えながら言う。

受付嬢が「あ。一度ならず 何度もスズネに、恐喝 一度暴力をしています。今ので冒険者ランク剥奪します。この町に、もう近づかないように警告します。一度、痛い目を見た方が良いので、番法に従って、やっちゃって良いですよ。」と皆が言う。ええーー。と思っていると、リーンハルト様が、その冒険者を引きずっていく。

後ろを振り向くと「ありゃ。自業自得だ。ほっとけ。この高ランクの魔物も、何処からか盗んだ物かもしれん。手続きに入るぞ。」するとギルドの人達が「おおおおーーー」と言いそのまま建物に消えていった。「盗んだ物かも知れませんので、あのままには出来ません。一度解体し、部位ごとに保管。持ち主が見付かれば、返します。まっ。あんな大きいのいつまでもここに置いとくと、倉庫が一杯になりますので・・・保管期間が終われば、我がギルドの物になります」としれっと話された。リニ爺とギリウスじいちゃんは、「潤うな。しかも、ゴミも掃除してくれるなんて。ありがたいわ。」ガハハハハと笑っていた。

大丈夫なんだろうか?「あの、大丈夫なのでしょうか?」と聞くと、騒ぎに気がつき見に来ていたサラさんが「誰がだい。リーンハルト様なら、大丈夫さ。最も あの冒険者達のことなら、大丈夫じゃないさ。ほっときな。馬鹿なんだよ。一度痛い目を見るのも、馬鹿のためさ。ああ。素材は商業も欲しいさね。頼むよ」と話していた。受付嬢達も嬉しそうだ。

高ランクの物は持ち込まれた、ギルドが専売で売れる。ま、嬉しいよね。もう見付かる心配も無いし 迷惑料ついでに、「これも売れるかな?」と、ドクド ドグデ茸を一個づつ出す。後は、同じ森で拾った。牙 皮 木の実 虹色の羽 昆虫の脱皮したからなどを、出す。すると、鑑定を持ったサラさんが呆れていた。「マル坊。こんなのを隠していたんだね。サッサと売れば、一財産作れただろうに、」一つ一つ手に取り、鑑定をしている。後ろの ギリウスじいちゃん リニ爺も呆れていた。「戦えないのに、どうやったんだ。」あっ。ネイドさんと採取に行った 話しをすると、ため息をはかれた。「氷河のネイドか。そりゃ。一級の護衛だな。」とこちらも、鑑定をし始めた。

「全部欲しいのう。こりゃ、商業との話し合いか。」副マス二人は、そのまま商談に入る。「マル坊。後日 鑑定し正規の値段をつける。少し待ってくれないか。」と話されたので、お辞儀をする。その間、リーンハルト様を待つ。今回は、ここに迎えが来るまで居なさいと言われたので、ギルド内で待つことにする。




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