上 下
45 / 96

44

しおりを挟む
全てが異例の事柄になってしまい、屋敷中が大騒ぎになってしまった。

でもさすが精鋭部隊状況を把握した瞬間に、メイド達が城に行き。精鋭部隊は剣を持って駆けつけた。

一般的には、番儀式がなされた後、蜜月に入る。が、その番がいない。
番儀式も本来教会で、絆 合わせを行う。
その為教会の儀式の間に番同士が行き、円の中心で絆あわせが行われる。お互いの絆が円の中心に行き合わさり、光になって自分の体に新たに刻まれ 番の成立になる
だがスズネとリーンハルト様の場合、円の中心に行かず、ごく自然に絆が合わさり体に光とともに刻まれた。
そして、テオバルト様の絆は、空に描き消えた。合わさるはずの番が消えた為に・・・・テオバルト様自身 体の絆はまだ合わさる前の物だ。 その後は、二匹の竜の咆吼が国中に響き渡った。


ニャは、その場にへたり込んだ。竜化した リーンハルト様が、地上に降り立ち 人に戻っても、その怒りは静まらなかった。こちらを向いた時の目が、殺気を帯びている。最後にスズネと一緒にいた、ニャがその標的になったのは、言うまでも無い。死を覚悟したが、一向に剣先が、来ない。おそるおそる目を開けると、その剣を受け止めていたのは、ネイドだった。

ダド兄も駆けつけてきて、ニャの前にいた。うなずくダド兄に、邪魔にならない場所まで連れて行かれた。リーンハルト様を、ネイドと精鋭部隊のジジイ5人で押さえようとしている。リーンハルト様の、魔法 剣をネイドが受け流している。手負いの竜の力は想像と違う・・・屋敷も半壊になっているが、もうそんな事を、気にしてられない。何時間かかったのだろう、魔力を封じる鎖を、つけたところで、ネイドがリーンハルト様を気絶させていた。

別の場所では屋敷の者 城の者達でスズネを探したが、スズネの行方は分からないままだ・・・・・もしかして、国を出たのかと言われ。門まで走ったが、門にスズネは来ていなかった。今は国に出るための、検問が厳しくなった。

その後ニャは、牢屋に入れられたニャ。
「クラフト?大丈夫か?」ネイドに聞かれたが、うなずくしかニャイニャ。ニャが悪い。スズネに自白剤を盛ったニャ。それで スズネが取り乱し、いなくなった。番における。法律なら。殺されてもおかしくニャイニャ。

「今。出してもらうよう話してるニャ。だから大丈夫ニャ。」と兄さんが優しく話してきた。首を横に振る「ニャが悪いニャ。だから 罪は受け入れるニャ。」上手く笑えてるニャか?

牢番が来て、鍵を開けていく。騎士が「陛下がお呼びです」とニャも連れて行かれる。重い足枷が、外される。
謁見の間に行くと、陛下 王妃 テオバルト様 宰相夫婦 先王夫婦 前宰相がいた。9人に聞かれる、当時何があったか?正直に全てを話す。皆 頭を抱えてしまった。

ネイドが聞いてきた「ちょっとまて。可愛い番って何だ?」「しらニャイニャ。スズネがそう言っていたニャ。」
「それって、リーンハルトは本当の番がいるのに、テオバルトの為に、嘘の番儀式を申し込んだって事かしら?」全員の頭が、フル回転した。「第三者がスズネに嘘を教えて、スズネが消えたのか?」宰相が誕生日に来ていた、人物全てを洗い出す。
「これで少しは、何か分かるかも知れません。だが、意図的に番を陥れたのは、まずい。リーンハルトの耳に入れたら。殺しに行く。まずは理由を聞いてからです。」
「悪いが、負に落ちん。スズネは弱者種族だ。これだけの、包囲網をくぐり抜けられるのか?」また、頭をなやませる。

「リーンハルト様は・・・」・・・・・陛下が「リーンハルトは番がいなくなった後、狂ってしまった。だが、死に別れでは無いから、狂乱は避けられたのだろう。今は牢に繋いでおる」陛下も、幼き頃からのつきあいのリーンハルト様がこんな事になるとは思わなかったのだろう。リーンハルト様の家族もつらそうな、顔をされている

テオバルト様は、冷静に見えたが、握り締めた拳から血がでてる。後々、テオバルト様も駆けつけたが、スズネの芳香で番とわかった。後は、絆が会わされば、完璧だ。絆が合わさる前だったから、テオバルト様はまだ冷静でいられるのか?

むろん。大会も中止になった。各国の国賓 選手に謝罪をして回る。各国も番の損失を知っているから、皆納得していた。むしろ、スズネを探すのに、協力をしてくれていた。そしてこれから、どうするかの話し合いが行われた。


あの時、私は願ったんだ。ここからいなくなり、遠くに行きたいって・・・・
クラフトにリーンハルト様のことを聞かれた時、感情が抑えられなくなった。その時私の中の何かが、はじけた。
すると私の周りに風の壁が出来。その後は風が止まらない。部屋中の家具を巻き込み始めた時、驚き部屋を慌てて出た。
外に出ても風は収まらず、さらに勢いを増した。自分でもどうしようも無くなったとき、リーンハルト様が見えた。
何処にいても、何をしても迷惑をかけるなら、私は消えた方が良い。そう思ったときには、この洞窟に来ていた。振り出しに戻ったのか?

今は、体が軋み 体温が上がってる。悪いことをしたからかな?他人の者を取りたくは、無いんだよ。知らなかったでは、すまないよね。ごめんなさい。身勝手で・・・でも今はこのまま何事もなく、ゆっくり休んでいたい。眠りについたころ、夢を見た。
ボタンを購入した場所にいる夢を・・・ボタンを買った時の、店主がいた。「後悔してるかな?この世界に来たことを」

首を横に振る。「まだ後悔する程、この世界を見てません。それに、短い間でしたが、大切な人に出会い。周りに助けてもらいました。恋もしました。まだ、見てない物もあります。あれだけでは、後悔しようが、ありません。だから、この世界を見てまわりたい。それに、第2の夢は残ってます。家を買い 畑も耕す夢が、この世界の料理も材料も、集めてません。だから。死ぬまでここの世界を、見て回ります。ありがとうございます。おじいちゃん?神さまかな?」フフと笑う。

おじいちゃんが、頭を撫でてくれたら、体が夢なのに軽くなった。
「貴方の気がすんだら、馬鹿者達の事も考えてやっておくれ。鞄は、机に置いておる。さっ。もう起きるといい。体も治療しておる。」(また。教会でな。)エッ最後は、聞こえてなかったわ。

う~ん。と背伸びをした。よく寝た。体が嘘みたいに軽い。ありゃ?体が軽いのと同時に、手が小さい????ベッドから起き上がり、立ち上がる。いつもより、目線が低い気がする。体全体をよく見ると、えええーーー。体が小さくなっている。慌てて姿が映る道具を探すが、水面に自分を映すしか無かった。水鏡には、ぼんやりだが小さい私が映っていた。夢だな、頬っぺたをつねるが、痛い現実でした。

お風呂に入り、これからの事を考える。まずは、どこに行こうかな?少しだけ、この洞窟で、ゆっくりさせていただこう。それから、少しずつ考えよう。今は暇だから、この洞窟を探索する。洞窟は作りが2LDKになっていた。明るいところで見ると、本当に住み心地良さそうだ。でも、いつまでもここの洞窟には、住めない。机にある、鞄を眺めていると、鞄が少し動いた?蜘蛛が現れた。「もしかして?豆なの?」蜘蛛は手を上げ返事してくれた。

鞄の中から、糸を取りだし。豆が入る小さい鞄を編む。「豆。ここに入れる?」鞄は気に入ってくれたみたいだ。本当に、お豆くらいなので、編む鞄もすぐ出来た。テイマー用の 指輪を出すと。豆がはめてくれた。伸縮性で、小さい豆でもはめられた。良かった。あの風に巻き込まれなくって、リンとクラフトは無事なんだろうか?

身勝手だけど、今はあそこから離れられて、ホッとしている。手紙が書けたら良いな?リンとクラフト
達に、謝罪の手紙を書きたいな。届かないと分かっていても、鞄からレターセットを出し手紙を書く。書き終わったら、それを、机に置いておく、いつか出せると良いな?今は、ここに洞窟に置いて行く。





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

死のうと思っていたら悪役令嬢になったのでバッドエンドを目指します

やなぎ納屋
恋愛
ゲームの悪役令嬢に転生してしまった前田喜美子はバッドエンドを目指す決意をする。なにせ彼女は身投げをする寸前だったのだ。せっかく悪役令嬢に転生したのなら、いっそ華々しく散ろう。バッドエンドを目指して奮闘し続けるも、物語はシナリオ通りに進まず思わぬ展開に。

男主人公たちの様子がおかしいのですが、前世を思い出した悪役令嬢は命の危機にさらされているのでそれどころではありません

あいえい
恋愛
転落事故で前世を取り戻したジェネヴィエーヴは、この世界に「原作」があることを思い出す。 このままでは数年後には愛する婚約者から婚約破棄を言い渡され、その上、悪霊の呪いによって身を亡ぼすことが決まっていた。何とか命の危機を回避するため、呪いを解こうと奔走するが、破滅的な体力のなさを誇る彼女にとって一筋縄にはいかなかった。呪いを抑え込むために、ヒロインである光の乙女を懐柔し、ジェネヴィエーヴを嫌悪する婚約者のクラレンス殿下には早々に婚約解消を提案したところまでは良かったものの、中々思うように進展せず・・・。 他の投稿サイトにも掲載しています。

契約婚ですが可愛い継子を溺愛します

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
恋愛
 前世の記憶がうっすら残る私が転生したのは、貧乏伯爵家の長女。父親に頼まれ、公爵家の圧力と財力に負けた我が家は私を売った。  悲壮感漂う状況のようだが、契約婚は悪くない。実家の借金を返し、可愛い継子を愛でながら、旦那様は元気で留守が最高! と日常を謳歌する。旦那様に放置された妻ですが、息子や使用人と快適ライフを追求する。  逞しく生きる私に、旦那様が距離を詰めてきて? 本気の恋愛や溺愛はお断りです!!  ハッピーエンド確定 【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/09/07……カクヨム、恋愛週間 4位 2024/09/02……小説家になろう、総合連載 2位 2024/09/02……小説家になろう、週間恋愛 2位 2024/08/28……小説家になろう、日間恋愛連載 1位 2024/08/24……アルファポリス 女性向けHOT 8位 2024/08/16……エブリスタ 恋愛ファンタジー 1位 2024/08/14……連載開始

竜王陛下の番……の妹様は、隣国で溺愛される

夕立悠理
恋愛
誰か。誰でもいいの。──わたしを、愛して。 物心着いた時から、アオリに与えられるもの全てが姉のお下がりだった。それでも良かった。家族はアオリを愛していると信じていたから。 けれど姉のスカーレットがこの国の竜王陛下である、レナルドに見初められて全てが変わる。誰も、アオリの名前を呼ぶものがいなくなったのだ。みんな、妹様、とアオリを呼ぶ。孤独に耐えかねたアオリは、隣国へと旅にでることにした。──そこで、自分の本当の運命が待っているとも、知らずに。 ※小説家になろう様にも投稿しています

【R18】溺愛される公爵令嬢は鈍すぎて王子の腹黒に気づかない

かぐや
恋愛
公爵令嬢シャルロットは、まだデビューしていないにも関わらず社交界で噂になる程美しいと評判の娘であった。それは子供の頃からで、本人にはその自覚は全く無いうえ、純真過ぎて幾度も簡単に拐われかけていた。幼少期からの婚約者である幼なじみのマリウス王子を始め、周りの者が シャルロットを護る為いろいろと奮闘する。そんなお話になる予定です。溺愛系えろラブコメです。 女性が少なく子を増やす為、性に寛容で一妻多夫など婚姻の形は多様。女性大事の世界で、体も中身もかなり早熟の為13歳でも16.7歳くらいの感じで、主人公以外の女子がイケイケです。全くもってえっちでけしからん世界です。 設定ゆるいです。 出来るだけ深く考えず気軽〜に読んで頂けたら助かります。コメディなんです。 ちょいR18には※を付けます。 本番R18には☆つけます。 ※直接的な表現や、ちょこっとお下品な時もあります。あとガッツリ近親相姦や、複数プレイがあります。この世界では家族でも親以外は結婚も何でもありなのです。ツッコミ禁止でお願いします。 苦手な方はお戻りください。 基本、溺愛えろコメディなので主人公が辛い事はしません。

番が見つかったら即離婚! 王女は自由な平民に憧れる

灰銀猫
恋愛
王女でありながら貧しい生活を強いられていたエリサ。 突然父王に同盟の証として獣人の国へ嫁げと命じられた。 婚姻相手の王は竜人で番しか愛せない。初対面で開口一番「愛する事はない」と断言。 しかも番が見つかるか、三年経ったら離婚だそう。 しかしエリサは、是非白い結婚&別居婚で!とむしろ大歓迎。 番至上主義の竜人の王と、平民になることを夢見る王女の、無関心から始まる物語。 ご都合主義設定でゆるゆる・展開遅いです。 獣人の設定も自己流です。予めご了承ください。 R15は保険です。 22/3/5 HOTランキング(女性向け)で1位になれました。ありがとうございます。 22/5/20 本編完結、今後は番外編となります。 22/5/28 完結しました。 23/6/11 書籍化の記念に番外編をアップしました。

無能だとクビになったメイドですが、今は王宮で筆頭メイドをしています

如月ぐるぐる
恋愛
「お前の様な役立たずは首だ! さっさと出て行け!」 何年も仕えていた男爵家を追い出され、途方に暮れるシルヴィア。 しかし街の人々はシルビアを優しく受け入れ、宿屋で住み込みで働く事になる。 様々な理由により職を転々とするが、ある日、男爵家は爵位剥奪となり、近隣の子爵家の代理人が統治する事になる。 この地域に詳しく、元男爵家に仕えていた事もあり、代理人がシルヴィアに協力を求めて来たのだが…… 男爵メイドから王宮筆頭メイドになるシルビアの物語が、今始まった。

異世界で狼に捕まりました。〜シングルマザーになったけど、子供たちが可愛いので幸せです〜

雪成
恋愛
そういえば、昔から男運が悪かった。 モラハラ彼氏から精神的に痛めつけられて、ちょっとだけ現実逃避したかっただけなんだ。現実逃避……のはずなのに、気付けばそこは獣人ありのファンタジーな異世界。 よくわからないけどモラハラ男からの解放万歳!むしろ戻るもんかと新たな世界で生き直すことを決めた私は、美形の狼獣人と恋に落ちた。 ーーなのに、信じていた相手の男が消えた‼︎ 身元も仕事も全部嘘⁉︎ しかもちょっと待って、私、彼の子を妊娠したかもしれない……。 まさか異世界転移した先で、また男で痛い目を見るとは思わなかった。 ※不快に思う描写があるかもしれませんので、閲覧は自己責任でお願いします。 ※『小説家になろう』にも掲載しています。

処理中です...