思い出の宝物を、一つだけください。

22 家に到着・・

ドラニュアス。竜の国に、着いた。

目の前の家は、今まで見たこと内ほどの豪邸だった。魔国の領主様の家より、大きかった。

カインもヴィアも、あまりの大きさに、声が出ないようだった。

すると、周囲が慌て出した。馬車から降り立つと、アルフォンス様に「屋敷に」と言われそのまま、屋敷に入ります。

すると、メイドさん達が並んでいた。その中に、見た顔の人がいた。あの街で、屋敷の管理をしてくださっていた、夫婦だ。彼らも気がついたのか、お辞儀をしてくださった。

そしてその方に「お持ちしておりました。長旅でお疲れでございましょう。」と言われ部屋に通される。

周りを見るが、ギリムさんティアさんもリアも居なくなっていた。

カインがそのまま疑問を口にする。「皆は何処に行ったのですか？」と聞く。

するとアルフォンス様が「それぞれの、場所に案内している。ここには、私達で住むことになる。」と話す。

カイン　ヴィアを、それぞれの部屋に案内される。それは凄い豪華な部屋だった。カインの部屋は、シンプルに整えられていた。ヴィアの部屋は、ソファに人形やフリル　リボンなどあしらわれてる。女の子が好きそうな物で、整えられていたが、さすがと言うか・・・・ドアを開けたら、すぐにベットでは無いんだね。平屋のお家が、一部屋って・・・・

そして私は、アルフォンス様と部屋が続きの間になっている。

ヴィアが「かあしゃま。ここで3人寝れるね。」と嬉しそうだ。3人の中にはアルフォンス様は、入っていないのだろうね。

カインが「ヴィア。ここでは、僕達は寝ないんだよ。先ほど、部屋に案内されただろう。あそこの部屋で、一人で寝るんだよ。」とヴィアに話している。

ヴィアが「かあしゃまとニイと、寝るのよ。いつも一緒。寒いときはギュッとして寝てたでしょ？」と不思議そうだ。

私が「そうだね。寒い日は、一緒に寝てたね。3人で、抱き合えば寒くなかったね。」そう話し、ヴィアを抱きしめる。

するとアルフォンス様が「慣れるまで、一緒に寝ると良い。」と話してくださった。

カインが、ため息を吐いている。ヴィアが嬉しそうに「かあしゃま。一緒ね。」と手をギュッと握ってきた。

ああ、不安なんだな。いきなり大きなお屋敷　知らない国　知らない人達だものね。

すると少ししてから、部屋に入ってきた執事さんが、「アルフォンス様。ヴァス様が、お見えになられています。」と礼をされた。

アルフォンス様が「少し、話しに行く。家を好きに見て回ると良い。」と私達に話してその場を後にした。

ヴィアが窓の外を見ているので、カインが「お庭に行く？」とヴィアを誘って外に行こうとすると。

メイドさんがお庭に案内してくれた。そのまま三人で外のお庭の東屋に案内される。

そこにはメイドさんが、庭にお茶やお菓子を運んできてくれた。

すると「ヤーーーーーーーーーー」と叫び声がした。慌ててその声の方に駆け出す。メイドさんと騎士さん達が居た。すると、一人の騎士の腕には、小さい羊がぐったりとしていた。

そして、カインに手を引かれやってくる、ヴィアが「かあしゃま？羊さん、触ったら泡吹いちゃったの・・」と泣き出しそうだ。


どうしてそうなった？よくよくお話を聞くと、垣根から白いモフモフが見えたので。それを触ろうとゆっくり後ろから近づき、捕まえて触ったら、急に悲鳴を上げて泡を吹き倒れてしまったらしい。


カインが「ヴィア。それ、触って良いって聞かなかっただろう？」と呆れている。

騎士の腕の羊さんは、まだぐったりして、動く様子が無い。

ヴィアが「聞いたもん。触って良いって」と話しているが、ヴィアのことだ聞きながら触ったんだろう。

カインが「触って良いか聞いて､相手が良いと返事してからならね。」と話す。

ヴィアは幼い・・ヴィアは人と同じ位の成長だが、カインの成長はこの世界の種族の早さなのか、3歳にしては、聞き分けも、理解力なども早く、そして体の成長も早い。まるで　小学生と、幼稚園児みたいだ。


そういえば、アルフォンス様の種族は、何だろう？ヴィアもカインも､人のままで、種の変化はした事が無い・・不思議に思う。

先ほどの悲鳴を聞きつけ駆けつけたヴァス様が「何があった？悲鳴がしたが・・・」と走ってきてくれた。

アルフォンス様も駆けつけて、周りが騒がしくなったのか、その騒がしさに目覚めた羊さんは、周りを見てまた気を失ってしまった。

メイドさんが、羊さんを親御さんの元に連れて行ってくれた。その間ヴィアはカインに、注意をされ涙目で「後で、謝りに行く。」と話していた。

それを見たアルフォンス様が「何事も無いなら、それでいい。」とヴィアの頭をなでていた。


その後は、部屋に戻り、ヴィアもカインもご飯前のお着替えに入るらしい。私はアルフォンス様に、明日ご両親に会う時間を聞いていた。

その時に全てが分かりそうだ・・・・全ては明日に・・・・