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ーーーーヴァスサイドーーーーー

街についたら、親たちが大騒ぎだった。だが、子供の無事を確認できた者は、安堵し帰っていった。

ヒカリも慌てて駆けつけるが、アロイスに抱きかかえられてる、カインを見つけ胸をなで下ろしている。

領主の義父が駆けつけ、此度の不手際を領民に謝罪した。その後は、後日襲われた子供達に、此度のことを聞きに招集を掛ける。

領主の後目の義兄も後始末をしに、私兵と共に森に駈けていく。

ヴァスがその場を後にし、屋敷に足を向け始めた アルに声を掛ける「アル?大丈夫か。」と聞く。

アルが「子供は、あんなに軽いのだな?良い子になっている。感謝しないといけない・・・」と先ほどまでの、ぬくもりを思い出す。

ヴァスがアルの肩を叩く。「だが、顔を見られた。」と腕を組む。
アルが「一瞬だがな」と目をつむる。

ヴァスが「カインは聡い子だ。お前のことを聞いてくるかもしれん。」と話すと。

アルが「カインの周りに居た。あのアホどもは、何だ?」と聞いてくる。気になるのはそれか?。

ヴァスが呆れて話す「お前そこか?気になるのは・・・これから、もしかして ばれたかもとか、どうしようでは無いのか?てか、おまえ、あのいじめっ子を、最後まで助けようとしなかっただろう?」と話す。

アルが「ツチグモだぞ。巣に持ち帰り、強い者から食う。あのアホどもは、どうせ最後だ。」と肩を大げさにすくめ話す。

ヴァスが考える。確かにいじめっ子は弱い。ツチグモの習性では、先に強い者を食べるから、あのアホどもは最後に食うのだろう。

ツチグモは最初に強い者を食う、その食事中に弱い者が刃向かってきてもすぐに殺せるからだ。

だがあからさまに、最後に助けるのは・・・・騎士としても良いのか。目線をアルに向ける。

アルは、ため息を吐き「大丈夫だろう。アホも、後ろ暗い。助けたんだ、文句を言われる筋合いは無い。それに、ツチグモの巣を壊したのは、アホだ。少し恐怖を味わった方が、今後の自分の行動を 試みる為に必要だ」と塩対応だ。

ああ。アルは、こんなところがあったな。生意気な、騎士生にわざと恐怖を植え付け、叩きつぶす。

生意気な行動や言動をしたりする者は、死なない程度に、魔物の群れに置いて行かれたり。ギリギリまで、手出しせずに相手の行動を見守る。

それで大体は、その後は本当に静かになるし、命令に従う。まっ。死ぬ思いさせられたら、もう、文句は言えないだろう。

アルの所には、馬鹿な騎士生が来るが、最後には静かにならざる終えない。

アルにとって出来ないなら、出来ないで良いんだが。それを素直に認めたら、実力に見合った指導をしてくれる。

だが、実力を詐称するなら、そのままの言葉の通りの指導をされる。

仕事も出来ないのに偉ぶってる奴は、本当に出来るようになるまで、しつこいくらいさせるからな。

最後には、出来ませんでした。と謝罪が来るまでさせる。そいつは他の部隊に行くが・・・・後は、もう・・・・・無理だな。

最後まで食いついた者は、精鋭や隊の中堅 部隊長まで上り詰める。だから、アルの部隊は、出来る奴らが揃う。

面倒見も良いんだが、なんか違うんだよ。それで奴らは、今や精鋭部隊様だ。そんな馬鹿どもは、アルにしごかれ性格さえも矯正され礼儀も凄い。

だがアル?お前・・絶対、礼儀忘れただろう・・・お前に呆れるぞ。

「アル?お前・・・アホどもに、手を出すなよ」とヴァスが釘を刺す。

アルが「・・・・・手はださん。」とササッと歩き出す。ヴァスが「お前、その間は何だ?」と慌てて追いかける。

後日、アホどもを呼び出さないと駄目だ。その時は、矯正部隊にでも送っとこうか?アルを見ると、方眉が上がっている。ああ。アホども、目をつけられたな。




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