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第四章 大精霊を求めて
4-36 御土産は海の幸
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そしてアイテムボックスの中で大きさを選別して、スキルで増やしたイワシ製品やその他の本日の魚を揃えてから王宮へと飛んだ。
もちろん万倍化して数は増やしてある。
イワシもあまり幼魚を獲り過ぎてもなんだ、水産物保護も必要だし。
こういう料理というか料理素材なら師匠や姐御に任せておけば間違いない。
俺も今はもう堂々と王城へ出入りしているのだが、城の中を通ると入り組んでいて狭いし面倒なので、先に宝珠で連絡して直接泉の部屋へ窓から入っていった。
窓を開けて、手をヒラヒラさせて少し顔が緩み加減の泉が手招いてくれている。
こっちは魔王軍なんか出ていなかったようで何よりだ。
「ヤッホー、イワシは~」
「自分の彼女と会って早々にイワシを催促される生活というのもなんのだが、まさに今日の要件はこいつなのだしね」
その小さな愛い奴の姿を見て彼女も目を細めた。
「これで煮干しを作ったら、また味噌汁が美味しくなりそうね~」
「ああ、出汁が効いているのとないのでは味が断然違うからな。
それよりも、まずは正月用の田作りだよな。
黒豆が手に入っていて何よりだった。
後は昆布巻用の昆布だなあ。
次の港で手に入るといいんだが。
保存の利く乾物だけど、ショウもまだ見た事がないらしい。
この世界、なぜかカンピョウはあったのだが」
カンピョウは浜に生えている、ナントカという植物の実から作っていたはずだ。
まあ現物があるんだからいいか。
どうせ昔の勇者が作ったのだろう。
どうせなら昆布も探しておいてくれよな。
あれは海の中だからというのもあるが、三河湾なんかだと浜辺に昆布が押し寄せていて、海水浴場で頭からかぶって親子で怪人昆布男ごっこができるくらいだからな。
特に品質は保証しないけど。
この世界にも、どこかにそういう浜とかないものだろうか。
できれば利尻昆布みたいな高品質の奴が押し寄せる浜を希望する。
「田作りか、そいつは任せておいてもらっていいわ。
もうタレは出来ているしね。
あと海苔があるとカンピョウ巻が食べられそうね」
またそいつも日本じゃ普段はそう見向きもしない食い物なのだが、ここでは絶対に無視できない食い物なのさ。
これがないと昆布があっても昆布巻きにならないのだし。
「イワシも、まず干さないとなあ。
小さいのは獲らないらしいから、現地で作った煮干しや縮緬雑魚は手に入らなかったんだ」
「水産資源を大事にしてくれているみたいで何よりよ~。
ああ、縮緬雑魚も作っておくわね」
「次はもっと大きい港に行くよ。
近場じゃ魚を獲っているのはそこしかないらしい。
そこで手に入らない物は、いよいよ自力で漁をしないといけないがな。
逆に向こうの大きな漁港だとイワシのような雑魚は手に入らないのかもしれないけど」
俺は続けてどんどん本日の戦利品を並べていった。
「あと、アジだな」
「お、やったね。
これはいいアジだわ。
刺身にタタキにアジフライと」
そして、それを次々と収納に仕舞い込んでいく泉。
日本じゃこうはいかない。
サバみたいに大量に釣れてしまったら近所や友人・実家などに御裾分けでもするしかない。
「それと、このイイダコ。
三河湾でも獲れるらしいが俺は食った事ない。
やっぱりここでも春先が美味しいんだってさ。
まあ正月用品にどうかなと思って。
マダコも獲れるみたいだけど、今日はなかったな。
イイダコも日本じゃ猟師さんは蛸壺で獲っているらしいけど、堤防でも釣れたりするらしいよ。
イイダコの場合、餌は何がいいのかな」
「あれは卵を持った雌が美味しいらしいよね。
あたしも日本じゃ食べた事ないよ。
ああ、ソースがあればタコヤキが美味しいかな」
「飯粒みたいな卵を持っていて、漢字で飯蛸と書くくらいだからなあ。
ソースも試食品の調合なら済んでいるのだが」
「ええい、調合言うな。
美味しく感じられないからさ。
ソースなら姐御も作っていたけど、どうなってるかな。
蛸が来たから張り切ってくれるかも」
そういや、タコ焼き用にも海苔とソースがいるのだ。
あの海苔はまた普通の海苔とは種類が違ったような気がするのだが。
お好み焼きも作らないとな。
別に作らなくても死にはしないが、俺達が食いたいだけなのだ。
この二つはお祭り屋台の鉄板なのだしな。
他に焼きそばも出来そうな按排であるが、やはり紅ショウガが欲しいところだ。
あとガリもそのうちに作りたいな。
酢は用意してあるので、ガリの製作はフォミオに頼んでおくか。
とりあえず、何かある度に祝いの席に使えそうなチラシ寿司くらいは頑張ってみたいものだ。
そういや泉の誕生日とかまだ聞いていないな、俺ともあろう者がなんたる失態か。
「いろんなソースがあってもいいじゃないか。
とんかつソースも作らせないとなあ」
「姐御は少しショビっとしたウスターソースらしいわよ」
「うちのは中農ソースだから、結構とんかつソースに近いかな。
ウスターソースもフライなんかには最高だよなあ。
レモンが欲しいところなんだが」
「王都の市場にレモンに似たような果物があったような気がするけど。
何故かあれは城の食事には出てこないのよね。
今度探しておこうか」
「パセリは?」
「あるよ。
あ、もう貰ってあるから、はい」
「サンキュー」
これがあると、パーティとかが華やかになるし、最近作らせてみたスパゲティに添えればまた華やかだ。
この世界には火薬や麺類を発明した古代中国地域も、それをヨーロッパ地域に伝えたシルクロードも存在しないので、当然のようにスパゲティも存在していなかった。
もちろん万倍化して数は増やしてある。
イワシもあまり幼魚を獲り過ぎてもなんだ、水産物保護も必要だし。
こういう料理というか料理素材なら師匠や姐御に任せておけば間違いない。
俺も今はもう堂々と王城へ出入りしているのだが、城の中を通ると入り組んでいて狭いし面倒なので、先に宝珠で連絡して直接泉の部屋へ窓から入っていった。
窓を開けて、手をヒラヒラさせて少し顔が緩み加減の泉が手招いてくれている。
こっちは魔王軍なんか出ていなかったようで何よりだ。
「ヤッホー、イワシは~」
「自分の彼女と会って早々にイワシを催促される生活というのもなんのだが、まさに今日の要件はこいつなのだしね」
その小さな愛い奴の姿を見て彼女も目を細めた。
「これで煮干しを作ったら、また味噌汁が美味しくなりそうね~」
「ああ、出汁が効いているのとないのでは味が断然違うからな。
それよりも、まずは正月用の田作りだよな。
黒豆が手に入っていて何よりだった。
後は昆布巻用の昆布だなあ。
次の港で手に入るといいんだが。
保存の利く乾物だけど、ショウもまだ見た事がないらしい。
この世界、なぜかカンピョウはあったのだが」
カンピョウは浜に生えている、ナントカという植物の実から作っていたはずだ。
まあ現物があるんだからいいか。
どうせ昔の勇者が作ったのだろう。
どうせなら昆布も探しておいてくれよな。
あれは海の中だからというのもあるが、三河湾なんかだと浜辺に昆布が押し寄せていて、海水浴場で頭からかぶって親子で怪人昆布男ごっこができるくらいだからな。
特に品質は保証しないけど。
この世界にも、どこかにそういう浜とかないものだろうか。
できれば利尻昆布みたいな高品質の奴が押し寄せる浜を希望する。
「田作りか、そいつは任せておいてもらっていいわ。
もうタレは出来ているしね。
あと海苔があるとカンピョウ巻が食べられそうね」
またそいつも日本じゃ普段はそう見向きもしない食い物なのだが、ここでは絶対に無視できない食い物なのさ。
これがないと昆布があっても昆布巻きにならないのだし。
「イワシも、まず干さないとなあ。
小さいのは獲らないらしいから、現地で作った煮干しや縮緬雑魚は手に入らなかったんだ」
「水産資源を大事にしてくれているみたいで何よりよ~。
ああ、縮緬雑魚も作っておくわね」
「次はもっと大きい港に行くよ。
近場じゃ魚を獲っているのはそこしかないらしい。
そこで手に入らない物は、いよいよ自力で漁をしないといけないがな。
逆に向こうの大きな漁港だとイワシのような雑魚は手に入らないのかもしれないけど」
俺は続けてどんどん本日の戦利品を並べていった。
「あと、アジだな」
「お、やったね。
これはいいアジだわ。
刺身にタタキにアジフライと」
そして、それを次々と収納に仕舞い込んでいく泉。
日本じゃこうはいかない。
サバみたいに大量に釣れてしまったら近所や友人・実家などに御裾分けでもするしかない。
「それと、このイイダコ。
三河湾でも獲れるらしいが俺は食った事ない。
やっぱりここでも春先が美味しいんだってさ。
まあ正月用品にどうかなと思って。
マダコも獲れるみたいだけど、今日はなかったな。
イイダコも日本じゃ猟師さんは蛸壺で獲っているらしいけど、堤防でも釣れたりするらしいよ。
イイダコの場合、餌は何がいいのかな」
「あれは卵を持った雌が美味しいらしいよね。
あたしも日本じゃ食べた事ないよ。
ああ、ソースがあればタコヤキが美味しいかな」
「飯粒みたいな卵を持っていて、漢字で飯蛸と書くくらいだからなあ。
ソースも試食品の調合なら済んでいるのだが」
「ええい、調合言うな。
美味しく感じられないからさ。
ソースなら姐御も作っていたけど、どうなってるかな。
蛸が来たから張り切ってくれるかも」
そういや、タコ焼き用にも海苔とソースがいるのだ。
あの海苔はまた普通の海苔とは種類が違ったような気がするのだが。
お好み焼きも作らないとな。
別に作らなくても死にはしないが、俺達が食いたいだけなのだ。
この二つはお祭り屋台の鉄板なのだしな。
他に焼きそばも出来そうな按排であるが、やはり紅ショウガが欲しいところだ。
あとガリもそのうちに作りたいな。
酢は用意してあるので、ガリの製作はフォミオに頼んでおくか。
とりあえず、何かある度に祝いの席に使えそうなチラシ寿司くらいは頑張ってみたいものだ。
そういや泉の誕生日とかまだ聞いていないな、俺ともあろう者がなんたる失態か。
「いろんなソースがあってもいいじゃないか。
とんかつソースも作らせないとなあ」
「姐御は少しショビっとしたウスターソースらしいわよ」
「うちのは中農ソースだから、結構とんかつソースに近いかな。
ウスターソースもフライなんかには最高だよなあ。
レモンが欲しいところなんだが」
「王都の市場にレモンに似たような果物があったような気がするけど。
何故かあれは城の食事には出てこないのよね。
今度探しておこうか」
「パセリは?」
「あるよ。
あ、もう貰ってあるから、はい」
「サンキュー」
これがあると、パーティとかが華やかになるし、最近作らせてみたスパゲティに添えればまた華やかだ。
この世界には火薬や麺類を発明した古代中国地域も、それをヨーロッパ地域に伝えたシルクロードも存在しないので、当然のようにスパゲティも存在していなかった。
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