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第三章 時を埋める季節
3-30 ずっと順調な訳がありません
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そこからは比較的サクサクと進んでいった。
ここは魔物なども出ないゾーンらしく、たまに先頭を行くザムザ1が落とし穴に落ちたりするのが御愛嬌といったところか。
やはり特に奴自身に飛行制限はないため、飛び上がって平気で戻ってくる。
「ねえ、そいつに掴まって全員で飛んでいくのはどう? あれから洞窟は狭くなっちゃったから、もうあの空飛ぶ馬車は使えないけどさ」
俺は呆れたように彼女を見返すと嘆息しつつ説明してやった。
「ナナ、お前は本当にわかってねえなあ。そんな事ができるくらいならとうにやっている。
そんな事をしたら、またダンジョンの外におっぽり出されるのがオチだぜ。
多分、次にやり直しが効いたとしても、ペナルティは人が一人通れるくらいの細くて天井も低い通路を行かされるのがオチなんじゃないのか。
いい加減、ここでのルールを学べよ」
「むう」
王女様が拗ねたって、ここではどうにもならないのだから。
ここで偉いのはノーム様ただお一人で、奴がルールブックなのである。
ナナは甘やかされて育ったようだし、まだまだ子供なのだろう。
同じ歳でも、親が冒険者だったシャーリーなどは、飄々としてここでの体験を楽しむ余裕すらある。
彼女の唯一の気がかりはバーゲン開始に間に合うかどうかだけなのだろうから。
やがて、道は徐々に下降して行っているようだった。
下に降りられる下り坂や階段などがあり、順調に道は下っている事を示していた。
「ザムザ1、今は何か胡麻化されているような感じはないか」
「主よ、大丈夫のようだ。無事に下降して、おそらくはこの先、地上と同じ高さくらいまで下がれるはずである」
「そいつはよかった。こうも順調だとなあ、妙に心配になる」
「はっはっは。確かに今までのパターンを考えるとな。まだ、この山から出てもいないのだから」
「あと、そこからまた登りにならなければいいがな」
そして、妙な違和感のある道へ出た。先が霞んで見えないほどに長い一本道の下り坂なのだ、特に何がというわけではない。
道自体もゲンダスがちゃんと抜けられる大きさはある。
だが俺は油断していない。心に何かが警鐘を鳴らすというか、サイレンを伴って回転するパトライトが赤く点るというか、要は妙な胸騒ぎがするという奴だ。
「なあ、パウロ」
「なんだ?」
「何かヤバイとか感じはしないかい」
「そうか? 今のところは何も感じないが」
「奇遇だな、俺は感じているよ」
「あ、あたしもなんとなく」
魔道士二人は、こういう時に非常に敏感なようだった。俺はもう我慢ができなくって訊いてしまった。
「パウロ、フランコ。全力疾走用の足にゲンダスは要るか?」
「何故、そのような事を訊く」
「お前らの足は速いのかと訊いているんだ。タフなのは見せてもらったが、そっちはどうかと思って」
「俺は普通だな」
「俺は少し遅いかもしれん」
やはりフランコの場合は、筋肉量というか筋肉の質が速く走るための物とは質が異なるようだった。
俺は迷わずゲンダスを二体追加で出して、二人を抱き上げさせた。
「うお、どうしたカズホ」
「何かがおかしい」
そして足早に移動を開始させたが、間に合わなかったようだ。後ろから凄い音が聞こえてくる。
『まるで重い何かが転がってくるような』激しい衝突音や重苦しい擦過音が俺の耳朶を打った。
「全員、全力疾走で!」
怒涛のように走るうちの一党、そして俺達の後方で転がっている大岩らしき物の気配。
「ねえ、あの岩かなり速いわよ。油断すると追いつかれそう!」
ちょっと焦り気味のシャーリーの声が飛んできた。
皆も振り向くが、そいつはすぐ後ろ二十メートルほどを前後左右に軽く飛び跳ね、壁や天井などとぶつかりあいながら飛んでくる巨岩があった。
このおそらくは簡単には破壊できないだろう、ゲームでいうところの『破壊不能オブジェクトである背景』であるはずのダンジョンの壁すら砕いていたし。
まったく映画なんかでもよくあるが、なんでこんなに都合のいい丸い岩が出てくるんだよ。
まあここはノームがわざわざ作ってくれたんだろうが。しかも、転がる音が一つじゃねえ。
「くそう、ザムザ・ゲンダスの各空きナンバー二十体出て食い止めろ! 岩も壊せないか試せ」
そして向かっていった眷属の奴らは、なんと必殺の攻撃も弾かれ岩の下敷きになって、あの頑丈な奴らが綺麗にぺちゃんこに潰されていく。イカサマだ!
これ絶対に普通の岩じゃないだろう。こんな小さな岩くらいで魔人を潰せるくらいなら王国達だって苦労はしていないわ。
眷属どもの体がつっかえ棒にならないかと思ったのだが、生憎な事に何故か一瞬ダンジョンの固い岩肌の壁がゴムかスポンジのように広がって見事に乗り超えてきやがった。
一回そこで止まりかかったので、瞬間的にスピードをロスしたようだが。
俺は斃された彼らに帰還を命じ、新しい奴らを出したが、今度は小馬鹿にするかのように、岩は軽々とその頭を楽々飛び越えた。
まるで大玉サーカスじゃないか、いっそ火の輪潜りでもやらせてみようか。
「あー、ズルイー、今絶対に大精霊がズルした~」
シャーリーが叫んだが、当然相手は何を恥じる事もない、むしろ!
「あれっ、今凄い音がしなかった!?」
「ああ、ヤバイぜ、こいつは」
そして俺は見てしまったのだ。おそらくは後ろの岩をぶつけて、前の岩を加速するための加速用のブースターに使用したのだろう。ビリヤードかよ。
物凄い音響を放って後ろの岩が前の岩に激突して、岩は明らかに以前のスピードを取り戻した。
「このお!」
俺は次々と眷属達を出して、さっきの再現をしようとしたが、今回はノームもこれ見よがしに、まるでコンニャクのように通路をひん曲げてボールは跳ねてゲンダス達を飛び越した。
「ふざけやがって、どうあっても殺す気かよ!」
「いや、逆かもしれないよ」
俺のヤケっぱちな独り言にエレが落ち着いた声で応えてくれた。
「なんだと?」
「だって、あれだけ露骨にズルができるんだからさ。ノームに殺る気があるんだったら、もうとっくに殺られているって」
「うー、確かにその可能性はあるけれど、今回俺達が殺られてしまわないという保証はどこにもないっ!」
そして、更なる加速の一撃が俺達の直後にいた岩に目掛けてぶつかった時、ようやく出口にきた。
それは真右に向けて開いており何と矢印で存在が示されていたのだが、しかし狭いっ。
「ゲンダス、ザムザ、全員下がれっ」
そしてギリギリのタイミングで、なんとか横穴に潜り込んで事なきを得た。魔人眷属を消したのがファインプレーで、俺達だけは全員無事に潜り抜けた。
「大玉転がしっていうのは、アドベンチャー映画なんかで見ている分には楽しいんだが、やる方はちっとも楽しくねえんだよっ!」
俺はノームに届けといわんばかりに声を振り絞ったが、それは虚しい行為だ。
奴らは自分に都合のいい事なら、きっとヒソヒソ声の内緒話でも聞こえていやがるのに違いない。
ここは魔物なども出ないゾーンらしく、たまに先頭を行くザムザ1が落とし穴に落ちたりするのが御愛嬌といったところか。
やはり特に奴自身に飛行制限はないため、飛び上がって平気で戻ってくる。
「ねえ、そいつに掴まって全員で飛んでいくのはどう? あれから洞窟は狭くなっちゃったから、もうあの空飛ぶ馬車は使えないけどさ」
俺は呆れたように彼女を見返すと嘆息しつつ説明してやった。
「ナナ、お前は本当にわかってねえなあ。そんな事ができるくらいならとうにやっている。
そんな事をしたら、またダンジョンの外におっぽり出されるのがオチだぜ。
多分、次にやり直しが効いたとしても、ペナルティは人が一人通れるくらいの細くて天井も低い通路を行かされるのがオチなんじゃないのか。
いい加減、ここでのルールを学べよ」
「むう」
王女様が拗ねたって、ここではどうにもならないのだから。
ここで偉いのはノーム様ただお一人で、奴がルールブックなのである。
ナナは甘やかされて育ったようだし、まだまだ子供なのだろう。
同じ歳でも、親が冒険者だったシャーリーなどは、飄々としてここでの体験を楽しむ余裕すらある。
彼女の唯一の気がかりはバーゲン開始に間に合うかどうかだけなのだろうから。
やがて、道は徐々に下降して行っているようだった。
下に降りられる下り坂や階段などがあり、順調に道は下っている事を示していた。
「ザムザ1、今は何か胡麻化されているような感じはないか」
「主よ、大丈夫のようだ。無事に下降して、おそらくはこの先、地上と同じ高さくらいまで下がれるはずである」
「そいつはよかった。こうも順調だとなあ、妙に心配になる」
「はっはっは。確かに今までのパターンを考えるとな。まだ、この山から出てもいないのだから」
「あと、そこからまた登りにならなければいいがな」
そして、妙な違和感のある道へ出た。先が霞んで見えないほどに長い一本道の下り坂なのだ、特に何がというわけではない。
道自体もゲンダスがちゃんと抜けられる大きさはある。
だが俺は油断していない。心に何かが警鐘を鳴らすというか、サイレンを伴って回転するパトライトが赤く点るというか、要は妙な胸騒ぎがするという奴だ。
「なあ、パウロ」
「なんだ?」
「何かヤバイとか感じはしないかい」
「そうか? 今のところは何も感じないが」
「奇遇だな、俺は感じているよ」
「あ、あたしもなんとなく」
魔道士二人は、こういう時に非常に敏感なようだった。俺はもう我慢ができなくって訊いてしまった。
「パウロ、フランコ。全力疾走用の足にゲンダスは要るか?」
「何故、そのような事を訊く」
「お前らの足は速いのかと訊いているんだ。タフなのは見せてもらったが、そっちはどうかと思って」
「俺は普通だな」
「俺は少し遅いかもしれん」
やはりフランコの場合は、筋肉量というか筋肉の質が速く走るための物とは質が異なるようだった。
俺は迷わずゲンダスを二体追加で出して、二人を抱き上げさせた。
「うお、どうしたカズホ」
「何かがおかしい」
そして足早に移動を開始させたが、間に合わなかったようだ。後ろから凄い音が聞こえてくる。
『まるで重い何かが転がってくるような』激しい衝突音や重苦しい擦過音が俺の耳朶を打った。
「全員、全力疾走で!」
怒涛のように走るうちの一党、そして俺達の後方で転がっている大岩らしき物の気配。
「ねえ、あの岩かなり速いわよ。油断すると追いつかれそう!」
ちょっと焦り気味のシャーリーの声が飛んできた。
皆も振り向くが、そいつはすぐ後ろ二十メートルほどを前後左右に軽く飛び跳ね、壁や天井などとぶつかりあいながら飛んでくる巨岩があった。
このおそらくは簡単には破壊できないだろう、ゲームでいうところの『破壊不能オブジェクトである背景』であるはずのダンジョンの壁すら砕いていたし。
まったく映画なんかでもよくあるが、なんでこんなに都合のいい丸い岩が出てくるんだよ。
まあここはノームがわざわざ作ってくれたんだろうが。しかも、転がる音が一つじゃねえ。
「くそう、ザムザ・ゲンダスの各空きナンバー二十体出て食い止めろ! 岩も壊せないか試せ」
そして向かっていった眷属の奴らは、なんと必殺の攻撃も弾かれ岩の下敷きになって、あの頑丈な奴らが綺麗にぺちゃんこに潰されていく。イカサマだ!
これ絶対に普通の岩じゃないだろう。こんな小さな岩くらいで魔人を潰せるくらいなら王国達だって苦労はしていないわ。
眷属どもの体がつっかえ棒にならないかと思ったのだが、生憎な事に何故か一瞬ダンジョンの固い岩肌の壁がゴムかスポンジのように広がって見事に乗り超えてきやがった。
一回そこで止まりかかったので、瞬間的にスピードをロスしたようだが。
俺は斃された彼らに帰還を命じ、新しい奴らを出したが、今度は小馬鹿にするかのように、岩は軽々とその頭を楽々飛び越えた。
まるで大玉サーカスじゃないか、いっそ火の輪潜りでもやらせてみようか。
「あー、ズルイー、今絶対に大精霊がズルした~」
シャーリーが叫んだが、当然相手は何を恥じる事もない、むしろ!
「あれっ、今凄い音がしなかった!?」
「ああ、ヤバイぜ、こいつは」
そして俺は見てしまったのだ。おそらくは後ろの岩をぶつけて、前の岩を加速するための加速用のブースターに使用したのだろう。ビリヤードかよ。
物凄い音響を放って後ろの岩が前の岩に激突して、岩は明らかに以前のスピードを取り戻した。
「このお!」
俺は次々と眷属達を出して、さっきの再現をしようとしたが、今回はノームもこれ見よがしに、まるでコンニャクのように通路をひん曲げてボールは跳ねてゲンダス達を飛び越した。
「ふざけやがって、どうあっても殺す気かよ!」
「いや、逆かもしれないよ」
俺のヤケっぱちな独り言にエレが落ち着いた声で応えてくれた。
「なんだと?」
「だって、あれだけ露骨にズルができるんだからさ。ノームに殺る気があるんだったら、もうとっくに殺られているって」
「うー、確かにその可能性はあるけれど、今回俺達が殺られてしまわないという保証はどこにもないっ!」
そして、更なる加速の一撃が俺達の直後にいた岩に目掛けてぶつかった時、ようやく出口にきた。
それは真右に向けて開いており何と矢印で存在が示されていたのだが、しかし狭いっ。
「ゲンダス、ザムザ、全員下がれっ」
そしてギリギリのタイミングで、なんとか横穴に潜り込んで事なきを得た。魔人眷属を消したのがファインプレーで、俺達だけは全員無事に潜り抜けた。
「大玉転がしっていうのは、アドベンチャー映画なんかで見ている分には楽しいんだが、やる方はちっとも楽しくねえんだよっ!」
俺はノームに届けといわんばかりに声を振り絞ったが、それは虚しい行為だ。
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