180 / 313
第三章 時を埋める季節
3-27 早朝のラブコール
しおりを挟む
「いやあ、人間の慣れって恐ろしいもんだなあ。夕べも俺の眷属と魔物が派手にやりあっていたらしいが、もうぐっすりだったぜ」
「そりゃあまあ、あれだけ疲弊していればな。むしろ酒を入れたのもよかったのだろう」
それもあって、夕べはパウルも酒を飲む許可を出したのだ。まあ本人も飲まずにはいられないような気分だったろうしな。
朝起きたら、静かな、まるで今にも小鳥が囀りそうなほどの平穏な静寂が世界を満たしていた。
そのまるで神話の中に登場する戦記のワンシーンを切り取ったかのような、無数の彫像のように立ち尽くす俺配下の異形の眷属達。
彼らは特に用がなければ絶対に喋らないほど寡黙な奴らだし。でも、有用な情報があった場合なんかは自主的に喋るのは有りだと思うのだ。
本当に、今コーヒーがあったら最高だと思うのだが、生憎な事にまだ見つかっていない。
勇者の女の子グループが『たんぽぽ珈琲』なる物に挑戦していたが、今は時期でないので研究は中断しているらしい。
あれも結構集めないと量が取れないので、大変だとこぼしていた。俺も量が欲しかったら何回も万倍化しないといけない。
今度春先にたんぽぽを見つけたら根を大量に万倍化して渡しておくかな。
あれはカフェインが入っていないらしいので、俺的には物足りないのだが、多分不味いインスタントコーヒーよりは絶対にマシではないだろうか。
百均で買ったエジプト産のインスタントコーヒーは実にまずかったなあ。確かに安いだけの事はあった。
勿体ないから頑張って全部俺が一人で飲んだけど。向こうの人からしたら、日本で売っているインスタントコーヒーの味は、どうなんだろうね。
「おっ、大事な事を忘れていた。ここで通信宝珠が使えるのか調べておかないとなあ」
そう言って取り出した俺が念じて指定した相手は、当然の事ながら泉だ。
「おはよう~。よかった、ちゃんとここからでも通信が通じたな。今ダンジョンの中だぜー」
「おはよ、へえどんな感じ?」
「最悪。退屈しまくっているらしい大精霊に毎日遊ばれまくっているよ。
昨日もまったく進めていねえし。いつになったら攻略できるか皆目見当もつかんよ。
元々、現在どうなっているのかもよくわからん、ほぼ未発見のダンジョンに等しい場所を一回で深層まで行こうって言うのが無理な話なんだが、王国のお宝が凄い物でさ、あと俺もノームには絶対に会いたいんだ」
「そうか、頑張ってね。こりゃ御土産は期待できそうもないな~」
「おう。チビどもが待っているから早く帰りたいんだけどなあ」
「相変わらず子煩悩な勇者さんね、じゃあね」
「おう、愛してるぜ」
俺は満足そうに通信を切ったが、パウルから声がかかった。
「それを貸してくれ、ギルマスに連絡するのを忘れていた。何しろ酷い有様だったからな。今まではそんないい物は無かったから、連絡義務というもの特にはないのだ」
「ああ、そうだよなあ。はい、使い方は知っていたっけ」
「ああ、使い方くらいは元から知っている。Sランクともなると、依頼主から仕事の期間中に子機を渡される事もあるからな」
手慣れた様子で宝珠を扱い、ギルマスを呼び出しているパウルを見て、ナナも慌てて自分の宝珠を取り出している。
ああ、こいつも連絡しろって言われていたのに忘れていたんだな。ナナの場合は、忘れたじゃすまないだろうから怒られるんだろうな。
あ、凄くペコペコしているから相手は王様かなあ、激しく怒られているみたいで半分泣きそうな顔をしているし。パウルの方は始終笑顔で話しているのと実に対照的だった。
「ギルマスはゆっくりと行ってこいとよ」
「冗談じゃありませんわ、今王国から連絡があって、魔王軍との間で戦端が開かれたそうですわ。しかも王国側がかなり押されているそうで、勇者も大苦戦と。大至急鉱石を入手するようにと」
あれ? 泉はそんな事は何にも言っていなくて、のんびりした感じだったがなあ。
「なあ、その戦端ってどこで開かれているんだい?
それ本当の話か。俺がさっき話していた相手って、空から偵察する任務を持っている勇者なんだが、爽やかな寝起きの雰囲気だったぞ。
戦闘が起きているんだったら、いつも真っ先に偵察任務を仰せつかるあの子がのんびり電話なんかしている暇なんかないはずだが」
思わず、簡易な折り畳みキャンプ椅子に座って輪になっている面々に、沈黙の二文字が舞い降りた。
「え、でも、ランドル将軍との電話だったのですけれど」
こいつ、あの比較的無能そうな将軍の下というか、あいつと同じ派閥なのか。
ナナって何かこう立場が弱そうな雰囲気だよな。立場が強かったら、今頃こんな危険なところに差し出されていないわけなんだし。
今このパーティに俺がいなかったら、最初の通路か次辺りで引き返していたんじゃないだろうか。というか、そもそもビトーの冒険者ギルドがそんな仕事を受けていなかっただろうな。
「じゃあ、もう一回泉に電話してみるけど」
やはり、さっと通信に出てくれる泉。戦争の香りはどこからもしないな。
「あれ、どうしたの、カズホ。ははあ、さてはあたしが恋しいのね~」
「ああ、今お前とお喋りしていてもいいなら、ずっとしていたいけど、それと別でちょっと確認させて」
「へえ、何かな」
「今さあ、ナナ、ああいやビジョー王女が王都のランドル将軍、ああその将軍ってこの前王様と一緒にいたあいつだよな。
そいつと話をしていたら、魔王軍との戦争が始まったって言っているんだけど本当?」
「もう、また王女様に変なニックネームつけて。
どうせ王女様を思いっきり弄っているんでしょ。後で祟るから、そういう遊びはほどほどにしておきなさいよ。
ああそう、その人ね。戦争ねえ。
というか、ただの小競り合いだから、あたしもまだのんびりしたものよ。この先はよくわからないけどさ。
多分、この前のような魔獣が出てくるのを恐れて神経質になっているだけなんじゃないのかな。この前は勇者軍団も含めて王国軍が完全にボコボコにされてたしね。
とにかく勇者の力を強化したいんでしょうね。あたしらにとっても助かるから、任務を全うして帰ってきてくれたら嬉しいわ。それが一番の御土産かな。じゃあ愛してるよー」
「おう、任せとけ! じゃあな、俺も愛してるぜ」
俺は宝珠を握り締めて、しばらく終えたばかりのスイートなトークにニヤニヤしていたのだが、待たされていたナナから返事を督促された。
「ねえ、どうだったの?」
「ああ、たいした戦争じゃなくて王国軍と魔王軍の小競り合いさ。だが王国側はナーバスになっているんだろうな。
多分魔王軍もミールのような強力な魔獣をあっさりと失ったので、勇者を有するヨーケイナ王国の王都には一定の損害を与えた事だし、ゲリラ的な戦術に出たんじゃないのか。
勇者云々はお前に発破をかけるための嘘っぱちだ。だがまあ戦線が拡大すれば、また話は変わってくるがなあ。
勇者様方は今ゆったり朝御飯と、その後は優雅なお茶の時間じゃあないのかな」
「あうう……」
自分が後ろ盾である将軍から、あまり信用されていなそうなのを感じたものか、ナナはまた項垂れてしまった。
「まあ勇者は休日でも、俺達冒険者はお仕事の時間なのさ。さあ、みんな行こうぜ」
「そうそう、元気出そうよ。目指せ、バーゲン!」
シャーリーはナナをなだめながら、笑ってゲンダス1に押し上げた。彼女も早くバーゲンまでに帰らなくてはならないのだから。
泉もバーゲンは狙っているんだろうな、大枚稼いで帰った彼氏も財布を持ってご一緒するとしますか。
「そりゃあまあ、あれだけ疲弊していればな。むしろ酒を入れたのもよかったのだろう」
それもあって、夕べはパウルも酒を飲む許可を出したのだ。まあ本人も飲まずにはいられないような気分だったろうしな。
朝起きたら、静かな、まるで今にも小鳥が囀りそうなほどの平穏な静寂が世界を満たしていた。
そのまるで神話の中に登場する戦記のワンシーンを切り取ったかのような、無数の彫像のように立ち尽くす俺配下の異形の眷属達。
彼らは特に用がなければ絶対に喋らないほど寡黙な奴らだし。でも、有用な情報があった場合なんかは自主的に喋るのは有りだと思うのだ。
本当に、今コーヒーがあったら最高だと思うのだが、生憎な事にまだ見つかっていない。
勇者の女の子グループが『たんぽぽ珈琲』なる物に挑戦していたが、今は時期でないので研究は中断しているらしい。
あれも結構集めないと量が取れないので、大変だとこぼしていた。俺も量が欲しかったら何回も万倍化しないといけない。
今度春先にたんぽぽを見つけたら根を大量に万倍化して渡しておくかな。
あれはカフェインが入っていないらしいので、俺的には物足りないのだが、多分不味いインスタントコーヒーよりは絶対にマシではないだろうか。
百均で買ったエジプト産のインスタントコーヒーは実にまずかったなあ。確かに安いだけの事はあった。
勿体ないから頑張って全部俺が一人で飲んだけど。向こうの人からしたら、日本で売っているインスタントコーヒーの味は、どうなんだろうね。
「おっ、大事な事を忘れていた。ここで通信宝珠が使えるのか調べておかないとなあ」
そう言って取り出した俺が念じて指定した相手は、当然の事ながら泉だ。
「おはよう~。よかった、ちゃんとここからでも通信が通じたな。今ダンジョンの中だぜー」
「おはよ、へえどんな感じ?」
「最悪。退屈しまくっているらしい大精霊に毎日遊ばれまくっているよ。
昨日もまったく進めていねえし。いつになったら攻略できるか皆目見当もつかんよ。
元々、現在どうなっているのかもよくわからん、ほぼ未発見のダンジョンに等しい場所を一回で深層まで行こうって言うのが無理な話なんだが、王国のお宝が凄い物でさ、あと俺もノームには絶対に会いたいんだ」
「そうか、頑張ってね。こりゃ御土産は期待できそうもないな~」
「おう。チビどもが待っているから早く帰りたいんだけどなあ」
「相変わらず子煩悩な勇者さんね、じゃあね」
「おう、愛してるぜ」
俺は満足そうに通信を切ったが、パウルから声がかかった。
「それを貸してくれ、ギルマスに連絡するのを忘れていた。何しろ酷い有様だったからな。今まではそんないい物は無かったから、連絡義務というもの特にはないのだ」
「ああ、そうだよなあ。はい、使い方は知っていたっけ」
「ああ、使い方くらいは元から知っている。Sランクともなると、依頼主から仕事の期間中に子機を渡される事もあるからな」
手慣れた様子で宝珠を扱い、ギルマスを呼び出しているパウルを見て、ナナも慌てて自分の宝珠を取り出している。
ああ、こいつも連絡しろって言われていたのに忘れていたんだな。ナナの場合は、忘れたじゃすまないだろうから怒られるんだろうな。
あ、凄くペコペコしているから相手は王様かなあ、激しく怒られているみたいで半分泣きそうな顔をしているし。パウルの方は始終笑顔で話しているのと実に対照的だった。
「ギルマスはゆっくりと行ってこいとよ」
「冗談じゃありませんわ、今王国から連絡があって、魔王軍との間で戦端が開かれたそうですわ。しかも王国側がかなり押されているそうで、勇者も大苦戦と。大至急鉱石を入手するようにと」
あれ? 泉はそんな事は何にも言っていなくて、のんびりした感じだったがなあ。
「なあ、その戦端ってどこで開かれているんだい?
それ本当の話か。俺がさっき話していた相手って、空から偵察する任務を持っている勇者なんだが、爽やかな寝起きの雰囲気だったぞ。
戦闘が起きているんだったら、いつも真っ先に偵察任務を仰せつかるあの子がのんびり電話なんかしている暇なんかないはずだが」
思わず、簡易な折り畳みキャンプ椅子に座って輪になっている面々に、沈黙の二文字が舞い降りた。
「え、でも、ランドル将軍との電話だったのですけれど」
こいつ、あの比較的無能そうな将軍の下というか、あいつと同じ派閥なのか。
ナナって何かこう立場が弱そうな雰囲気だよな。立場が強かったら、今頃こんな危険なところに差し出されていないわけなんだし。
今このパーティに俺がいなかったら、最初の通路か次辺りで引き返していたんじゃないだろうか。というか、そもそもビトーの冒険者ギルドがそんな仕事を受けていなかっただろうな。
「じゃあ、もう一回泉に電話してみるけど」
やはり、さっと通信に出てくれる泉。戦争の香りはどこからもしないな。
「あれ、どうしたの、カズホ。ははあ、さてはあたしが恋しいのね~」
「ああ、今お前とお喋りしていてもいいなら、ずっとしていたいけど、それと別でちょっと確認させて」
「へえ、何かな」
「今さあ、ナナ、ああいやビジョー王女が王都のランドル将軍、ああその将軍ってこの前王様と一緒にいたあいつだよな。
そいつと話をしていたら、魔王軍との戦争が始まったって言っているんだけど本当?」
「もう、また王女様に変なニックネームつけて。
どうせ王女様を思いっきり弄っているんでしょ。後で祟るから、そういう遊びはほどほどにしておきなさいよ。
ああそう、その人ね。戦争ねえ。
というか、ただの小競り合いだから、あたしもまだのんびりしたものよ。この先はよくわからないけどさ。
多分、この前のような魔獣が出てくるのを恐れて神経質になっているだけなんじゃないのかな。この前は勇者軍団も含めて王国軍が完全にボコボコにされてたしね。
とにかく勇者の力を強化したいんでしょうね。あたしらにとっても助かるから、任務を全うして帰ってきてくれたら嬉しいわ。それが一番の御土産かな。じゃあ愛してるよー」
「おう、任せとけ! じゃあな、俺も愛してるぜ」
俺は宝珠を握り締めて、しばらく終えたばかりのスイートなトークにニヤニヤしていたのだが、待たされていたナナから返事を督促された。
「ねえ、どうだったの?」
「ああ、たいした戦争じゃなくて王国軍と魔王軍の小競り合いさ。だが王国側はナーバスになっているんだろうな。
多分魔王軍もミールのような強力な魔獣をあっさりと失ったので、勇者を有するヨーケイナ王国の王都には一定の損害を与えた事だし、ゲリラ的な戦術に出たんじゃないのか。
勇者云々はお前に発破をかけるための嘘っぱちだ。だがまあ戦線が拡大すれば、また話は変わってくるがなあ。
勇者様方は今ゆったり朝御飯と、その後は優雅なお茶の時間じゃあないのかな」
「あうう……」
自分が後ろ盾である将軍から、あまり信用されていなそうなのを感じたものか、ナナはまた項垂れてしまった。
「まあ勇者は休日でも、俺達冒険者はお仕事の時間なのさ。さあ、みんな行こうぜ」
「そうそう、元気出そうよ。目指せ、バーゲン!」
シャーリーはナナをなだめながら、笑ってゲンダス1に押し上げた。彼女も早くバーゲンまでに帰らなくてはならないのだから。
泉もバーゲンは狙っているんだろうな、大枚稼いで帰った彼氏も財布を持ってご一緒するとしますか。
18
お気に入りに追加
279
あなたにおすすめの小説
俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~
WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
1~8巻好評発売中です!
※2022年7月12日に本編は完結しました。
◇ ◇ ◇
ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。
ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。
晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。
しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。
胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。
そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──
ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?
前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!
外れスキル【削除&復元】が実は最強でした~色んなものを消して相手に押し付けたり自分のものにしたりする能力を得た少年の成り上がり~
名無し
ファンタジー
突如パーティーから追放されてしまった主人公のカイン。彼のスキルは【削除&復元】といって、荷物係しかできない無能だと思われていたのだ。独りぼっちとなったカインは、ギルドで仲間を募るも意地悪な男にバカにされてしまうが、それがきっかけで頭痛や相手のスキルさえも削除できる力があると知る。カインは一流冒険者として名を馳せるという夢をかなえるべく、色んなものを削除、復元して自分ものにしていき、またたく間に最強の冒険者へと駆け上がっていくのだった……。
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
究極妹属性のぼっち少女が神さまから授かった胸キュンアニマルズが最強だった
盛平
ファンタジー
パティは教会に捨てられた少女。パティは村では珍しい黒い髪と黒い瞳だったため、村人からは忌子といわれ、孤独な生活をおくっていた。この世界では十歳になると、神さまから一つだけ魔法を授かる事ができる。パティは神さまに願った。ずっと側にいてくれる友達をくださいと。
神さまが与えてくれた友達は、犬、猫、インコ、カメだった。友達は魔法でパティのお願いを何でも叶えてくれた。
パティは友達と一緒に冒険の旅に出た。パティの生活環境は激変した。パティは究極の妹属性だったのだ。冒険者協会の美人受付嬢と美女の女剣士が、どっちがパティの姉にふさわしいかケンカするし、永遠の美少女にも気に入られてしまう。
ぼっち少女の愛されまくりな旅が始まる。
外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています
外れスキル【転送】が最強だった件
名無し
ファンタジー
三十路になってようやくダンジョン入場試験に合格したケイス。
意気揚々と冒険者登録所に向かうが、そこで貰ったのは【転送】という外れスキル。
失意の中で故郷へ帰ろうとしていた彼のもとに、超有名ギルドのマスターが訪れる。
そこからケイスの人生は目覚ましく変わっていくのだった……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる