110 / 313
第二章 はずれスキルの冒険者
2-37 冒険者の流儀
しおりを挟む
「ただいまー」
俺と泉は元気よく、冒険者ギルドのドアを開けた。
だが、そこには受付の人達が仕事をしているだけで、あれだけいた冒険者達の姿は見られない。
ギルドを訪問している人も、商会の仕事着や普通の格好をした方ばかりで、まるで日本のお役所の風景のようだ。
あれほどモダンではなく、またそこにいる人の姿も基本的に西洋人風の人ばかりなのだが。
「あれ? みんな、どこへ行っちゃったのかな」
だが受付の女性がこちらを向いて声をかけてくれた。
「みんな、上にあるパーティ・スペースにいるわよ。あなた方の連れ達も一緒にね。王都での買い物は首尾よくいったのかしら」
もう宴会が始まっているんだねー。さすがは冒険者、いかにもオフィスっていう感じのところにいても一般の常識は通用しないのか。
「もちろん、それはもうバッチリと」
「そう、よかった。みんなも喜ぶわ」
「あいつは、『不屈』さんはどうしているの?」
「ああ、パウルなら『主賓』として今頃は弄られまくっているでしょうね。まあ、こんな物は入会祝いにやる年中行事の歓迎イベントのようなものよ。誰も本気でギルマス枠に本気でケチつけたりしないから。
うちのギルマスだって、ああ見えて凄く有能なのだから、何の能もない奴にスカウトかけたりなんて絶対にしないのは皆もよく知っているからね」
「そいつはまたアレだな。まあ任務は無事にクリアできたわけですので。次回は俺も一緒になって入会者を弄ろう」
俺達は軽口に笑ってくれた受付嬢さんに会釈して、意気揚々とペン先で示された方にある大きめの階段をほいほいと登っていったのだが、そこには。
「な、なにをやっているんだい?」
「うっわあ、これはまたドン引きねー」
なんと机の上で、素っ裸で踊らされているパウルがいたのだ。まるでギリシャ神話に登場する逞しい男神のような有様だった。
体中に、あれこれと何かで落書きというかペイントされまくって少し華やか? になった『不屈』がいた。
たとえ字が読めなくても一発でわかる卑猥な絵の書き込みが多いな、おい。その周りを下卑た顔で酒を飲みながら取り囲んでいる同僚の冒険者達がいた。
これだけの街だと、この手の塗料なんかも村よりは豊富でなかなか色彩豊かに彩られているな。これは是非とも仕入れたいので、あとで売っている店を聞いておこうっと。
例の筋肉男が、贅沢に上等そうな木をくり抜いて作られた、気の利いた見事な意匠の模様が描かれた杯を片手に実に楽しそうに答えてくれた。
「ん? そんな物は罰ゲームに決まっているじゃないか。こいつは王都まで飛んでいけなかったんだからな」
その言い草はさすがにアレだなと思っていたのだが、泉は頭を振って後ろを向くと呟いていた。
「男なんて世界が変わってもやる事は同じだ、うちの会社の連中もね……忘年会とかじゃ、それはもう」
そして絶賛ダンス中の『踊り子さん』からそいつに苦情が入った。
「煩いぞ、フランコ。もういいだろう、そいつらも帰ってきたんだから。くっそー、女だと思って舐めていたが、やっぱり勇者のスキルは侮れないな」
「あっはっは。よし、俺も一緒に踊ろう。付き合えよ、フランコ!」
「よしきた!」
「よしきたじゃなーい、あんたらはもう」
だが俺達は構わずに服を脱ぎだし、机の上に踊って騒ぎだした。
昔、バブル期の名古屋のディスコでは女の子がTバックでお立ち台に乗って踊りまくっていたらしいが、ここではもっと過激だったのでパンツなど履いている事は許されない。
元敏腕営業の『男芸者の底力』を舐めるなよ!
「まあまあ、泉様。食材がございましたらお持ちくださいませ。よろしければ一緒にお料理でも作りやしょう。ここにいても姐さんの目が腐るだけでやんすよ」
「そ、それもそうねー。本当に男どもって馬鹿なんだから~」
「あー、僕もそっちに混ぜてください。さすがの僕も、ちょっとこのノリにはついていけませんから」
フォミオの奴もショウの奴も、さっさと宴会場を見限って厨房に引きこもるようだった。
「む、付き合いの悪い連中だなあ」
「まあまあ、いいじゃねえか、美味いツマミも届きそうな按排だしよ」
「よっし、それじゃあ。召喚、ザムザ1・ゲンダス1」
そして現れた魔人二人組も混ざって踊った。
ここは魔物を討伐するための冒険者ギルドなのだから、こんなものは本来なら絶対にありえねえ風景なのだが、皆が酔っぱらっているので誰も気にしない。
ギリシャのレストラン、タベルナではこのようにテーブルに乗って踊ったりする人もいると聞いた事があるが、さすがにあれも服は脱がないはずだ。
ゲンダス1は頭が閊えるので、床で躍らせてやった。本人も底が抜けないように、ステップを踏む時は気を付けているらしい。
魔王軍は、一見すると粗野で粗暴なように見えるが、実のところは、どいつもこいつも周りに気遣いができるらしく、意外と繊細な気配りができるようだった。
ザムザなんかは全身をのけぞらせて、また前にも激しく屈伸させ、すげえビートを利かせて踊っていやがる。
一人だけ特別なディスコ・スターだ。まるで黒人のようにバネが利いていて、魔人である事を差し引いても、まったく違う世界の住人だった。
冒険者達も口笛やかけ声で、うちのスーパー眷属を褒めそやす。みんな怪物には慣れ切っているので、今更蟷螂頭だからといって差別などされない。
日本人が浴衣を着て盆踊りをしている中で、一人だけランニングシャツとダボズボンに身を纏い、とびっきり本場のブレイクダンスとかヒップポップとかをやっているような凄まじい感じだ。
その精悍な踊りを見せるための素晴らしい動きこそは、生前には幾多の人間を葬ってきたものなのだろうから、そう思うとちょっと感慨深いな。
俺が踊りをやめて床に降りてフルチンで腕組みをして仁王立ちしながら、そんな風にザムザのダンスを眺めていたら、横からすっと酒をなみなみと注いだ杯が差し出された。
「おい、お前も飲め。そのうちに料理も届くだろう」
「おう。うちの従者と彼女は料理が上手いから楽しみにしていろよ。お前の故郷の食い物もちゃんと買って来たからな」
「そうか」
そう言って俺は『不屈』の二つ名を持つ冒険者と杯を重ねた。もちろん、奴自身も見事にフルチンのままなのだがな。
俺と泉は元気よく、冒険者ギルドのドアを開けた。
だが、そこには受付の人達が仕事をしているだけで、あれだけいた冒険者達の姿は見られない。
ギルドを訪問している人も、商会の仕事着や普通の格好をした方ばかりで、まるで日本のお役所の風景のようだ。
あれほどモダンではなく、またそこにいる人の姿も基本的に西洋人風の人ばかりなのだが。
「あれ? みんな、どこへ行っちゃったのかな」
だが受付の女性がこちらを向いて声をかけてくれた。
「みんな、上にあるパーティ・スペースにいるわよ。あなた方の連れ達も一緒にね。王都での買い物は首尾よくいったのかしら」
もう宴会が始まっているんだねー。さすがは冒険者、いかにもオフィスっていう感じのところにいても一般の常識は通用しないのか。
「もちろん、それはもうバッチリと」
「そう、よかった。みんなも喜ぶわ」
「あいつは、『不屈』さんはどうしているの?」
「ああ、パウルなら『主賓』として今頃は弄られまくっているでしょうね。まあ、こんな物は入会祝いにやる年中行事の歓迎イベントのようなものよ。誰も本気でギルマス枠に本気でケチつけたりしないから。
うちのギルマスだって、ああ見えて凄く有能なのだから、何の能もない奴にスカウトかけたりなんて絶対にしないのは皆もよく知っているからね」
「そいつはまたアレだな。まあ任務は無事にクリアできたわけですので。次回は俺も一緒になって入会者を弄ろう」
俺達は軽口に笑ってくれた受付嬢さんに会釈して、意気揚々とペン先で示された方にある大きめの階段をほいほいと登っていったのだが、そこには。
「な、なにをやっているんだい?」
「うっわあ、これはまたドン引きねー」
なんと机の上で、素っ裸で踊らされているパウルがいたのだ。まるでギリシャ神話に登場する逞しい男神のような有様だった。
体中に、あれこれと何かで落書きというかペイントされまくって少し華やか? になった『不屈』がいた。
たとえ字が読めなくても一発でわかる卑猥な絵の書き込みが多いな、おい。その周りを下卑た顔で酒を飲みながら取り囲んでいる同僚の冒険者達がいた。
これだけの街だと、この手の塗料なんかも村よりは豊富でなかなか色彩豊かに彩られているな。これは是非とも仕入れたいので、あとで売っている店を聞いておこうっと。
例の筋肉男が、贅沢に上等そうな木をくり抜いて作られた、気の利いた見事な意匠の模様が描かれた杯を片手に実に楽しそうに答えてくれた。
「ん? そんな物は罰ゲームに決まっているじゃないか。こいつは王都まで飛んでいけなかったんだからな」
その言い草はさすがにアレだなと思っていたのだが、泉は頭を振って後ろを向くと呟いていた。
「男なんて世界が変わってもやる事は同じだ、うちの会社の連中もね……忘年会とかじゃ、それはもう」
そして絶賛ダンス中の『踊り子さん』からそいつに苦情が入った。
「煩いぞ、フランコ。もういいだろう、そいつらも帰ってきたんだから。くっそー、女だと思って舐めていたが、やっぱり勇者のスキルは侮れないな」
「あっはっは。よし、俺も一緒に踊ろう。付き合えよ、フランコ!」
「よしきた!」
「よしきたじゃなーい、あんたらはもう」
だが俺達は構わずに服を脱ぎだし、机の上に踊って騒ぎだした。
昔、バブル期の名古屋のディスコでは女の子がTバックでお立ち台に乗って踊りまくっていたらしいが、ここではもっと過激だったのでパンツなど履いている事は許されない。
元敏腕営業の『男芸者の底力』を舐めるなよ!
「まあまあ、泉様。食材がございましたらお持ちくださいませ。よろしければ一緒にお料理でも作りやしょう。ここにいても姐さんの目が腐るだけでやんすよ」
「そ、それもそうねー。本当に男どもって馬鹿なんだから~」
「あー、僕もそっちに混ぜてください。さすがの僕も、ちょっとこのノリにはついていけませんから」
フォミオの奴もショウの奴も、さっさと宴会場を見限って厨房に引きこもるようだった。
「む、付き合いの悪い連中だなあ」
「まあまあ、いいじゃねえか、美味いツマミも届きそうな按排だしよ」
「よっし、それじゃあ。召喚、ザムザ1・ゲンダス1」
そして現れた魔人二人組も混ざって踊った。
ここは魔物を討伐するための冒険者ギルドなのだから、こんなものは本来なら絶対にありえねえ風景なのだが、皆が酔っぱらっているので誰も気にしない。
ギリシャのレストラン、タベルナではこのようにテーブルに乗って踊ったりする人もいると聞いた事があるが、さすがにあれも服は脱がないはずだ。
ゲンダス1は頭が閊えるので、床で躍らせてやった。本人も底が抜けないように、ステップを踏む時は気を付けているらしい。
魔王軍は、一見すると粗野で粗暴なように見えるが、実のところは、どいつもこいつも周りに気遣いができるらしく、意外と繊細な気配りができるようだった。
ザムザなんかは全身をのけぞらせて、また前にも激しく屈伸させ、すげえビートを利かせて踊っていやがる。
一人だけ特別なディスコ・スターだ。まるで黒人のようにバネが利いていて、魔人である事を差し引いても、まったく違う世界の住人だった。
冒険者達も口笛やかけ声で、うちのスーパー眷属を褒めそやす。みんな怪物には慣れ切っているので、今更蟷螂頭だからといって差別などされない。
日本人が浴衣を着て盆踊りをしている中で、一人だけランニングシャツとダボズボンに身を纏い、とびっきり本場のブレイクダンスとかヒップポップとかをやっているような凄まじい感じだ。
その精悍な踊りを見せるための素晴らしい動きこそは、生前には幾多の人間を葬ってきたものなのだろうから、そう思うとちょっと感慨深いな。
俺が踊りをやめて床に降りてフルチンで腕組みをして仁王立ちしながら、そんな風にザムザのダンスを眺めていたら、横からすっと酒をなみなみと注いだ杯が差し出された。
「おい、お前も飲め。そのうちに料理も届くだろう」
「おう。うちの従者と彼女は料理が上手いから楽しみにしていろよ。お前の故郷の食い物もちゃんと買って来たからな」
「そうか」
そう言って俺は『不屈』の二つ名を持つ冒険者と杯を重ねた。もちろん、奴自身も見事にフルチンのままなのだがな。
13
お気に入りに追加
279
あなたにおすすめの小説
俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~
WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
1~8巻好評発売中です!
※2022年7月12日に本編は完結しました。
◇ ◇ ◇
ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。
ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。
晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。
しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。
胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。
そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──
ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?
前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!
外れスキル【削除&復元】が実は最強でした~色んなものを消して相手に押し付けたり自分のものにしたりする能力を得た少年の成り上がり~
名無し
ファンタジー
突如パーティーから追放されてしまった主人公のカイン。彼のスキルは【削除&復元】といって、荷物係しかできない無能だと思われていたのだ。独りぼっちとなったカインは、ギルドで仲間を募るも意地悪な男にバカにされてしまうが、それがきっかけで頭痛や相手のスキルさえも削除できる力があると知る。カインは一流冒険者として名を馳せるという夢をかなえるべく、色んなものを削除、復元して自分ものにしていき、またたく間に最強の冒険者へと駆け上がっていくのだった……。
外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
究極妹属性のぼっち少女が神さまから授かった胸キュンアニマルズが最強だった
盛平
ファンタジー
パティは教会に捨てられた少女。パティは村では珍しい黒い髪と黒い瞳だったため、村人からは忌子といわれ、孤独な生活をおくっていた。この世界では十歳になると、神さまから一つだけ魔法を授かる事ができる。パティは神さまに願った。ずっと側にいてくれる友達をくださいと。
神さまが与えてくれた友達は、犬、猫、インコ、カメだった。友達は魔法でパティのお願いを何でも叶えてくれた。
パティは友達と一緒に冒険の旅に出た。パティの生活環境は激変した。パティは究極の妹属性だったのだ。冒険者協会の美人受付嬢と美女の女剣士が、どっちがパティの姉にふさわしいかケンカするし、永遠の美少女にも気に入られてしまう。
ぼっち少女の愛されまくりな旅が始まる。
外れスキル【転送】が最強だった件
名無し
ファンタジー
三十路になってようやくダンジョン入場試験に合格したケイス。
意気揚々と冒険者登録所に向かうが、そこで貰ったのは【転送】という外れスキル。
失意の中で故郷へ帰ろうとしていた彼のもとに、超有名ギルドのマスターが訪れる。
そこからケイスの人生は目覚ましく変わっていくのだった……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる