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第一章 巻き込まれたその日は『一粒万倍日』
1-24 鮫と熊
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「ふう、酷い目にあったぜ。こんな奴らがまだ他にもいやがるのか。なあ、カイザ。今日はもう帰らねえか」
さすがに狼よりも大型の魔物なので手強かったな。あとなんとなくわかるのだが、俺のスキルは物を増やす以外にも魔法やスキル、物理的な威力なんかも増幅してくれるスキルなのだと。
これが王様の言っていた「わかる」という感覚なのか。まあ、こいつはとっておきさ。何しろ一日一回しか使えない虎の子なのだ。本日はまだ未使用なのが心強い。
「いや、すでに一体倒した事だし、もう少し探索しよう。次回に来る時はもっと魔物が増えていて出現ポイントまで辿り着けないかもしれない」
「へーい」
さすが使命感に燃える男は違うな。俺なんかもう腰が引けてしょうがないのだが。
できれば、こういうお仕事は猟友会の皆さんにお任せしたい気持ちでいっぱいなのだ。だって相手は狼に熊なんだぜ。
勇者の集団にも入れなかったサラリーマン崩れの俺が、なんでまたこのようなところで魔物を狩猟していないといけないものなのか。
せめて相棒に犬が欲しいよな。魔物の気配を察知してくれそうだし、今の俺に一番必要なものさ。
獰猛なドーベルマンあたりなんてどうだろう。あれって警備や軍用犬のイメージがあるから凄く凶悪なイメージがあるけど、一般家庭で可愛がられて育つと凄く可愛い性格になるのだ。
お散歩なんかで他の小型犬を見ると鼻を鳴らしてすり寄っていくし、電柱の匂いをくんくん嗅いでいるところなんかは実に可愛いらしいもんだ。
よく笑う飼い主に飼われている奴なんか、物凄い懐っこい笑顔を浮かべてくれるし。
相変わらず慎重さの塊のような歩みで進む俺とカイザだったのだが、俺はさっきの一幕があったので後ろが気になってしまってしょうがない。
ここまで背後が気になるのは、会社の皆で行ったオーストラリアの島以来だ。島に渡る時に橋の上から全長二メートルくらいの鮫を見てしまって、ちょっと青くなった。
それでも、せっかく来たんだからと泳いだのだ。サンゴの間を泳ぐのは楽しかったが、後ろが気になって仕方がなかった。
そいつが後ろから泳いでついてきている妄想が頭から離れないのだ。頭の尖った大人しい種類の鮫だったので襲われる事なんてまずないのだが、気になる物は仕方がないのだ。
鮫は自分より体の大きな奴は襲わないというが、相手は俺の体より少し大きな鮫なんだぜ。
そして、今日の熊公ときた日には人間とみれば必ず襲ってくる猛烈に狂暴な魔物ちゃんときたもんだ。なんでこんな事になったかなあ。
前方の人の背ほどもある藪というか茂みのような場所で何かの音がしたような気がした。何と言うわけでもないのだが、俺とカイザは同時に反応し間髪入れずに左右に分かれた。
その直後に二人の間のど真ん中を、一瞬にして凶悪な加速をした熊が猛スピードで走り抜けた。
俺はもう遠慮する事無く、俺達が来た方向へ目掛けて突き進んでいく奴の前方からカウンター気味に五百本の大槍を食らわせた。
やつの凄まじい突進の前にほとんどははずれたが、それでも奴はハリネズミだ。戦いは数さ。
刺さっていた槍はほんの五十本くらいのものだが、今回は一発で魔核に命中してケリがついたらしい。
魔物熊は凄い地響きを立てて倒れ伏した。こいつは大物だな。先ほどの奴に比べたら二回りはでかい。
なんか伸び切ったその姿を前足の先から後ろ足の先まで入れると、五メートルはありそうだ。
やべえよ、よくこんな化け物を一発で倒せたものだな。北海道なら自衛隊を呼ぶレベルなんじゃないの?
まさにゲームでいうところのクリティカルヒットの判定が出たのに違いない。そしてカイザの野郎が起き上がって服についた土埃を払いながら、こんな事を言いやがった。
「やっぱり、お前って本当は勇者なのではないのか?」
「生憎な事に、そうじゃないがな。どちらかというと『熊殺しのナントカ』のような格闘家のリングネームみたいな感じだぜ。この熊で魚拓でも取るか」
いや、これだと熊拓になるのか? とりあえず、魔物は収納しておいて先に進んだ。二匹倒したので、これで姿を確認された奴はもういなくなった勘定だが。
そういや魔物の肉って食えるのかね、収納に入れっぱなしの魔物とかどうしようか。
そしてカイザが突然左手で俺を制止し、振り向きながら唇に手を当てた。そして、そっとその少し先の広場になったかのような場所を覗き込んだ。
いや、これは広場じゃない? 確かに森の中という割には周囲とは異なり妙に開けた場所なのだが、この広場のような空間ができたせいで木などは排除されたみたいだ。
端っこの方には根っこを露わに横倒しになった木々が並んでいたので、ついでに収納でいただいておいた。
まるでそれは地中から巨大な怪物が顔を出したかのような有様だった。これは以前に見た事があるな。
地球でもご幼少の砌から、それはもう御馴染みの大好物でしたわ。ちょっとスケールが違い過ぎるがね。
「これはまた」
隣で一緒に覗いていたカイザも蒼白になっていた。こいつは相当マズイ物らしい。
そう、それはでかい蟻の巣の入り口のようなものだった。直径は周りの部分を入れて二十メートルくらいかな。
正確には蟻の巣のような感じに盛り上がった穴だ。穴が盛り上がるというのも変な表現なのだが、あれだ。
蟻の巣の入り口の周りが中から運び出した細かい砂や土でこんもりと盛り上がっているのと同様に。
まるで巨大な蟻の魔物が、蟻の巣のような巣でも作っているかのような風景だが、きっと違う。
これがカイザの言った魔物出現ポイントだと思う。狼も熊も、すべてここから湧いてきたのだろう。
「こ、これは、内部から魔物が湧きだす、地下……ダンジョンみたいなものなのか?」
「いや違うだろう。おそらく魔物が湧きだすポイントである魔物穴という奴だ。やはりか、昔の文献にあったこいつを捜していたのだ。
狼が大量に湧いていたと聞いて、そうではないかと思っていた。しかし、これはいかん。あまりにも巨大すぎる。この穴からは一体何が湧いてくるかわかったものじゃないぞ。
普通は森などで瘴気溜まりになっているような、あまりよくない場所から魔物が湧くものだが、通常は狼などの群れ為すものでも単独で沸くものなのだ。そういった小さなポイントから一匹ずつ湧くのが通例だ。
これはやはり儀式の副作用とでもいうべきものか。しかし、あまりにも巨大すぎる。記録的というか、まさに伝説的な代物だな。こいつはまたどうしたものかな」
ひでえな、それは。いわゆる巨大な魔物ポップアップ・ポイントという奴か。ダンジョンの中で魔物が湧くようなものだろうが、それを固定式に地上に向けて設置したようなものだな。
ダンジョン内への魔物供給とは違い、人の世界に随時魔物を供給してくれる剣呑な代物であるわけだ。こんな物を俺達だけでなんとかするなんて、果たしてできるものなのか?
そういや、あの王様が言っていたよな、今回の召喚は凄くエネルギーを食ったって。あの勇者陽彩が自分だけでなく軍勢全体に行き渡るほどの凄い力を持っていたせいだ。つまり、そのエネルギーの余波もまた……。
さすがに狼よりも大型の魔物なので手強かったな。あとなんとなくわかるのだが、俺のスキルは物を増やす以外にも魔法やスキル、物理的な威力なんかも増幅してくれるスキルなのだと。
これが王様の言っていた「わかる」という感覚なのか。まあ、こいつはとっておきさ。何しろ一日一回しか使えない虎の子なのだ。本日はまだ未使用なのが心強い。
「いや、すでに一体倒した事だし、もう少し探索しよう。次回に来る時はもっと魔物が増えていて出現ポイントまで辿り着けないかもしれない」
「へーい」
さすが使命感に燃える男は違うな。俺なんかもう腰が引けてしょうがないのだが。
できれば、こういうお仕事は猟友会の皆さんにお任せしたい気持ちでいっぱいなのだ。だって相手は狼に熊なんだぜ。
勇者の集団にも入れなかったサラリーマン崩れの俺が、なんでまたこのようなところで魔物を狩猟していないといけないものなのか。
せめて相棒に犬が欲しいよな。魔物の気配を察知してくれそうだし、今の俺に一番必要なものさ。
獰猛なドーベルマンあたりなんてどうだろう。あれって警備や軍用犬のイメージがあるから凄く凶悪なイメージがあるけど、一般家庭で可愛がられて育つと凄く可愛い性格になるのだ。
お散歩なんかで他の小型犬を見ると鼻を鳴らしてすり寄っていくし、電柱の匂いをくんくん嗅いでいるところなんかは実に可愛いらしいもんだ。
よく笑う飼い主に飼われている奴なんか、物凄い懐っこい笑顔を浮かべてくれるし。
相変わらず慎重さの塊のような歩みで進む俺とカイザだったのだが、俺はさっきの一幕があったので後ろが気になってしまってしょうがない。
ここまで背後が気になるのは、会社の皆で行ったオーストラリアの島以来だ。島に渡る時に橋の上から全長二メートルくらいの鮫を見てしまって、ちょっと青くなった。
それでも、せっかく来たんだからと泳いだのだ。サンゴの間を泳ぐのは楽しかったが、後ろが気になって仕方がなかった。
そいつが後ろから泳いでついてきている妄想が頭から離れないのだ。頭の尖った大人しい種類の鮫だったので襲われる事なんてまずないのだが、気になる物は仕方がないのだ。
鮫は自分より体の大きな奴は襲わないというが、相手は俺の体より少し大きな鮫なんだぜ。
そして、今日の熊公ときた日には人間とみれば必ず襲ってくる猛烈に狂暴な魔物ちゃんときたもんだ。なんでこんな事になったかなあ。
前方の人の背ほどもある藪というか茂みのような場所で何かの音がしたような気がした。何と言うわけでもないのだが、俺とカイザは同時に反応し間髪入れずに左右に分かれた。
その直後に二人の間のど真ん中を、一瞬にして凶悪な加速をした熊が猛スピードで走り抜けた。
俺はもう遠慮する事無く、俺達が来た方向へ目掛けて突き進んでいく奴の前方からカウンター気味に五百本の大槍を食らわせた。
やつの凄まじい突進の前にほとんどははずれたが、それでも奴はハリネズミだ。戦いは数さ。
刺さっていた槍はほんの五十本くらいのものだが、今回は一発で魔核に命中してケリがついたらしい。
魔物熊は凄い地響きを立てて倒れ伏した。こいつは大物だな。先ほどの奴に比べたら二回りはでかい。
なんか伸び切ったその姿を前足の先から後ろ足の先まで入れると、五メートルはありそうだ。
やべえよ、よくこんな化け物を一発で倒せたものだな。北海道なら自衛隊を呼ぶレベルなんじゃないの?
まさにゲームでいうところのクリティカルヒットの判定が出たのに違いない。そしてカイザの野郎が起き上がって服についた土埃を払いながら、こんな事を言いやがった。
「やっぱり、お前って本当は勇者なのではないのか?」
「生憎な事に、そうじゃないがな。どちらかというと『熊殺しのナントカ』のような格闘家のリングネームみたいな感じだぜ。この熊で魚拓でも取るか」
いや、これだと熊拓になるのか? とりあえず、魔物は収納しておいて先に進んだ。二匹倒したので、これで姿を確認された奴はもういなくなった勘定だが。
そういや魔物の肉って食えるのかね、収納に入れっぱなしの魔物とかどうしようか。
そしてカイザが突然左手で俺を制止し、振り向きながら唇に手を当てた。そして、そっとその少し先の広場になったかのような場所を覗き込んだ。
いや、これは広場じゃない? 確かに森の中という割には周囲とは異なり妙に開けた場所なのだが、この広場のような空間ができたせいで木などは排除されたみたいだ。
端っこの方には根っこを露わに横倒しになった木々が並んでいたので、ついでに収納でいただいておいた。
まるでそれは地中から巨大な怪物が顔を出したかのような有様だった。これは以前に見た事があるな。
地球でもご幼少の砌から、それはもう御馴染みの大好物でしたわ。ちょっとスケールが違い過ぎるがね。
「これはまた」
隣で一緒に覗いていたカイザも蒼白になっていた。こいつは相当マズイ物らしい。
そう、それはでかい蟻の巣の入り口のようなものだった。直径は周りの部分を入れて二十メートルくらいかな。
正確には蟻の巣のような感じに盛り上がった穴だ。穴が盛り上がるというのも変な表現なのだが、あれだ。
蟻の巣の入り口の周りが中から運び出した細かい砂や土でこんもりと盛り上がっているのと同様に。
まるで巨大な蟻の魔物が、蟻の巣のような巣でも作っているかのような風景だが、きっと違う。
これがカイザの言った魔物出現ポイントだと思う。狼も熊も、すべてここから湧いてきたのだろう。
「こ、これは、内部から魔物が湧きだす、地下……ダンジョンみたいなものなのか?」
「いや違うだろう。おそらく魔物が湧きだすポイントである魔物穴という奴だ。やはりか、昔の文献にあったこいつを捜していたのだ。
狼が大量に湧いていたと聞いて、そうではないかと思っていた。しかし、これはいかん。あまりにも巨大すぎる。この穴からは一体何が湧いてくるかわかったものじゃないぞ。
普通は森などで瘴気溜まりになっているような、あまりよくない場所から魔物が湧くものだが、通常は狼などの群れ為すものでも単独で沸くものなのだ。そういった小さなポイントから一匹ずつ湧くのが通例だ。
これはやはり儀式の副作用とでもいうべきものか。しかし、あまりにも巨大すぎる。記録的というか、まさに伝説的な代物だな。こいつはまたどうしたものかな」
ひでえな、それは。いわゆる巨大な魔物ポップアップ・ポイントという奴か。ダンジョンの中で魔物が湧くようなものだろうが、それを固定式に地上に向けて設置したようなものだな。
ダンジョン内への魔物供給とは違い、人の世界に随時魔物を供給してくれる剣呑な代物であるわけだ。こんな物を俺達だけでなんとかするなんて、果たしてできるものなのか?
そういや、あの王様が言っていたよな、今回の召喚は凄くエネルギーを食ったって。あの勇者陽彩が自分だけでなく軍勢全体に行き渡るほどの凄い力を持っていたせいだ。つまり、そのエネルギーの余波もまた……。
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