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第一章 孤独の果てに
1-51 変身
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「僕はー、ねえ僕はー」
もう待ち切れないというように踊って、彼女の周りを回りながら飛び跳ねている巨大狼。
まだまだ子犬気分がまったく抜けていないね。
「はいはい、あなたはやっぱりこんな感じじゃない」
そう言って彼女は、ワンコの大きな耳に顔を寄せて内緒話を始めた。
「僕、それでやってみる!」
そして、奴は俺がつけてやった武骨な革の首輪に、今ついている俺の手作りであるアクセサリーの、デフォルメされた可愛らしい狼の飾りと交換でそれを取りつけてもらった。
「よおし、可愛い物になれー」
そして、次の瞬間になんとも可愛らしい子供の抱っこサイズの仔狼となった。
「きゃあ、シルちゃんが凄く可愛くなったあ」
メリーベルが大喜びで奴を手に持って顔の前へ抱き上げたので、そのまま顔を舐められまくりだ。
「シルバー、その姿の時は人前で喋るなよ。
また騒ぎになるといかん。
これからまた人間の街なんかにも行く事になるだろう。
喋ると魔獣だとバレる」
「はあい」
こいつも返事はいいが、まだ子供から脱却していないような若狼だからな。
魔獣は知性があって意思を持って喋るのが特徴だ。
故に人と関わる事も多い。
例の帝国の航空戦力になっている飛行魔獣なんかも、おそらく子供あるいは卵の時から育てられているのだろう。
「この子達も通常の物理干渉は変化した姿に準じるけれど元の力は使えるし、いつでも姿はチェンジできるわ。
私達転生者自身は、生前の姿が魂に焼き付いてしまっているものか、こうしたアイテムで姿の変更が出来ないから心しておいてね。
何か方法はあるのかもしれないけど、今のところうちの手持ちにはないわ。
何かそうする方法はないか検討中ではあるけれど」
なるほど、帝国に人間の時の面が割れると面倒な事になるわけか。
「あと、この二人はどうするかな。
このままじゃ連れて歩くのにも骨だ」
「わかっているわよー。
はい、女の子は好きな物を選んでねー」
そう言って各種サイズの指輪がたくさん詰まった、茶色に金糸で施された何かの複雑なマークを現わした文様のステッチ装飾が目を引く、立派な革製の薄いケースを開けた。
そして、こんな時にも迷ってしまっている女の子二人。
だがショウは慌てず騒がず、じっくりと選ばせると、二人はそれぞれが選んだお気に入りの指輪を嵌めた。
アリエスは美しい小鳥の装飾の刻まれた金色の指輪で、メリーベルは狼の紋章が飾られた銀色の指輪だった。
「さあ、念じてちょうだい。
あなた方がなりたい姿を。
ここは出来れば男の子でいってみようか。
その方がバレないと思うから。
服はそのままでも想像したような感じに自動で変換してくれるから大丈夫よ」
それを二人は顔を見合わせていたのだが、やがて頷いて変化させた。
そして見事なまでにモブな街の男の子に変身した。
ちゃんと身なりも普通の物となっている。
「へえ、二人とも見事なもんじゃないか」
「えへへ、これ絵本に出てくる男の子のイメージなの」
「兄弟なんだよ。
私達が小さな子供の頃から大好きな本なの」
「なるほど、それなら自然な感じに変身できていいな。
じゃあもう脱出するか。
そろそろここもケリがついてしまうぞ」
俺は先程から例の物理的な知覚で探っており、敵味方の兵士の残存数などの趨勢から間もなく戦闘が終結する気配を感じ取っていた。
そこに出現している帝国の軍艦はもう既に百隻は越えていた。
これは港を襲撃する時の上陸用というか、揚陸強襲艦みたいな艦艇なのか。
簡素なスタイルで、転移魔法で運び込んで港を封鎖する専用なのかもしれない。
中にはびっしりと人間が詰まっていて、そこへ強力な魔法なんか食らったら、そのまま共用の棺桶になってしまうのだな。
もちろん戦闘は帝国軍の圧勝に終わったようだ。
俺の物理的な走査によると、死人の数は帝国軍が港の守備隊の五倍にも及んでいた。
サンマルコスの守備隊も獅子奮戦に頑張ったようだが、いかんせん戦いは数だった。
帝国の奴らは、強引なまでの人海戦術でこの港を落としたのだ。
たった二人の人間を捕縛するためだけに。
まったく無茶をしやがって、今度から奴らの事は屍無頼とでも呼んでやろうか。
今までも、全部これで通してきたのに違いない。
どうして俺がこんな連中の相手をしないといけないものだか。
こんな悲壮な経験をしたような連中ばかりが集まって日本人会を作ったのだろうなあ。
そして俺も若干遠い目をしていたが、頭を振って他のメンツを急かした。
「さあ行こう。
連中も俺達はこの中から出られないと思い込んでいるだろうから、今なら余裕で逃げられるはずだ」
「ふふ、あの連中もこの完璧な包囲網の中からあなたに逃げられたと知ったなら、どのような顔をするのかしらね。
そいつが見られなくて残念よ」
そして、俺達は元の姿に戻したシルバーに全員乗って結界に向けて駆けた。
もちろん、俺が隠蔽しているので敵には見つからない。
「ショウ、あんたの仲間はここにはいないのか?」
「ええ、私は飛行能力があるから、あちこち様子見に行くのよ。
さすがにドラゴン形態では飛んでいたら攻撃を受けるので、人間形態で隠密してね。
どうしてもドラゴンは存在が大きいというか、完璧に隠密しきれないのよね。
あなたは隠密が上手ね」
「まあ、それ専用の魔法じゃなくて、魔法で物理的に波長とかそういう物を捻じ曲げている科学的な理屈の隠密迷彩だからな」
「器用ねー、ちょっと羨ましいわ。
私も多少隠密は使うけど、よく見破られるわね。
ドラゴンはそういうのはあまり得意じゃないの。
飛行にはちょっと気を使うわ」
「俺も飛行能力が羨ましいなあ。
風魔法の応用で空中機動は得意な方だが飛行とまではいかない」
「あなた、それだけ強い魔物なんだから陸上魔物のくせに空まで飛んじゃ反則でしょう。実際の力を見せてもらわなくても、それくらいはわかるわよ」
「そういや、何をしに見て回っていたんだ」
「あなたみたいな人がいたら保護する目的と、あとはここのところの帝国の動きが怪しいからねえ。
あちこちの港はよく回っているわ。
ことに今焦点になっているのは、このサンマルコス王国の港ですもの。
ここは毎日数回くらい巡回に来ているわ。
そして偶然にあなたを見つけたの。
また戦争になれば、あたし達だって面倒な事になりかねないからね」
「ああ、まったく世界大戦前夜もいいところだな」
「その通りよ。
帝国によるアーデルセン王国奇襲がその幕開けといってもいいでしょうね。
さあ行きましょうか。
はい、ワンちゃんも一回小さくなってねー」
そして、俺達は隠蔽をかけたまま、悠々と結界を通り抜けた。
「すごーい、抜けたー、また通れたー」
シルバーは、大はしゃぎで結界の境界部分を出たり入ったりしている。
まあ地球のあの三十八度線でも「犬は仕方がない、犬は」と南北兵士に言われて自由に出入りできるくらいなのだからいいのだけれども。
まあそんなところをうろついていたら、犬だっていつ地雷にふっとばされてもおかしくないのだが、幸いな事にここには地雷は埋めてないようだった。
あそこは核地雷さえ埋まっているとも言われたほど物騒な場所なので、さすがのフェンリルとてそいつを踏んだら無事にはいられまい。
さらに言えば、この世界に地雷相当の超強力な魔道兵器やトラップ魔法が無いなんて言い切れないのだから気をつけないといけないのだが。
「おい、もう遊んでないで行くぞ。
はい、シルバー大きくなあれえ」
そして再び犬上の人になった俺は最後尾に座り、気分良く疾走する狼の背で俺の前方にいるショウに訊いた。
「これからどうする。
もうあの港は使えないぞ」
「ここから東方面の、国の中央にあるパルセンの港へ行ってちょうだい」
「そんなところへ行ってどうするんだ、こうなってはあの港はもう袋の鼠もいいところだぞ」
「いいから、いいから。
ここは任せてちょうだいなっと。
ああ、この子ってば本当にもふもふだなあ。
ねえ、どこで拾ってきたの」
「アルブーマの山中でかなり南の方だ。
拾った時はまだ小さくて目が開いてなくてな。
どうしようかと思ったよ」
「うわあ、それは見たかったなあ。
今度探しにいこうっと。
うちの近所で見かけないのよね」
「いいけど、そうそう仔フェンリルなんて落ちていないぞ」
「そうよねー、珍しい魔獣だものね。
残念だわあ」
この女、完全に犬派とみえて、もうさっきからシルバーをモフりっぱなしだな。
さて、新しいお仲間とやらがどう助けてくれるものだか。
でも信じられないような奇跡の出会いだった。
やはりいいものだな、同郷人というものは。
もう待ち切れないというように踊って、彼女の周りを回りながら飛び跳ねている巨大狼。
まだまだ子犬気分がまったく抜けていないね。
「はいはい、あなたはやっぱりこんな感じじゃない」
そう言って彼女は、ワンコの大きな耳に顔を寄せて内緒話を始めた。
「僕、それでやってみる!」
そして、奴は俺がつけてやった武骨な革の首輪に、今ついている俺の手作りであるアクセサリーの、デフォルメされた可愛らしい狼の飾りと交換でそれを取りつけてもらった。
「よおし、可愛い物になれー」
そして、次の瞬間になんとも可愛らしい子供の抱っこサイズの仔狼となった。
「きゃあ、シルちゃんが凄く可愛くなったあ」
メリーベルが大喜びで奴を手に持って顔の前へ抱き上げたので、そのまま顔を舐められまくりだ。
「シルバー、その姿の時は人前で喋るなよ。
また騒ぎになるといかん。
これからまた人間の街なんかにも行く事になるだろう。
喋ると魔獣だとバレる」
「はあい」
こいつも返事はいいが、まだ子供から脱却していないような若狼だからな。
魔獣は知性があって意思を持って喋るのが特徴だ。
故に人と関わる事も多い。
例の帝国の航空戦力になっている飛行魔獣なんかも、おそらく子供あるいは卵の時から育てられているのだろう。
「この子達も通常の物理干渉は変化した姿に準じるけれど元の力は使えるし、いつでも姿はチェンジできるわ。
私達転生者自身は、生前の姿が魂に焼き付いてしまっているものか、こうしたアイテムで姿の変更が出来ないから心しておいてね。
何か方法はあるのかもしれないけど、今のところうちの手持ちにはないわ。
何かそうする方法はないか検討中ではあるけれど」
なるほど、帝国に人間の時の面が割れると面倒な事になるわけか。
「あと、この二人はどうするかな。
このままじゃ連れて歩くのにも骨だ」
「わかっているわよー。
はい、女の子は好きな物を選んでねー」
そう言って各種サイズの指輪がたくさん詰まった、茶色に金糸で施された何かの複雑なマークを現わした文様のステッチ装飾が目を引く、立派な革製の薄いケースを開けた。
そして、こんな時にも迷ってしまっている女の子二人。
だがショウは慌てず騒がず、じっくりと選ばせると、二人はそれぞれが選んだお気に入りの指輪を嵌めた。
アリエスは美しい小鳥の装飾の刻まれた金色の指輪で、メリーベルは狼の紋章が飾られた銀色の指輪だった。
「さあ、念じてちょうだい。
あなた方がなりたい姿を。
ここは出来れば男の子でいってみようか。
その方がバレないと思うから。
服はそのままでも想像したような感じに自動で変換してくれるから大丈夫よ」
それを二人は顔を見合わせていたのだが、やがて頷いて変化させた。
そして見事なまでにモブな街の男の子に変身した。
ちゃんと身なりも普通の物となっている。
「へえ、二人とも見事なもんじゃないか」
「えへへ、これ絵本に出てくる男の子のイメージなの」
「兄弟なんだよ。
私達が小さな子供の頃から大好きな本なの」
「なるほど、それなら自然な感じに変身できていいな。
じゃあもう脱出するか。
そろそろここもケリがついてしまうぞ」
俺は先程から例の物理的な知覚で探っており、敵味方の兵士の残存数などの趨勢から間もなく戦闘が終結する気配を感じ取っていた。
そこに出現している帝国の軍艦はもう既に百隻は越えていた。
これは港を襲撃する時の上陸用というか、揚陸強襲艦みたいな艦艇なのか。
簡素なスタイルで、転移魔法で運び込んで港を封鎖する専用なのかもしれない。
中にはびっしりと人間が詰まっていて、そこへ強力な魔法なんか食らったら、そのまま共用の棺桶になってしまうのだな。
もちろん戦闘は帝国軍の圧勝に終わったようだ。
俺の物理的な走査によると、死人の数は帝国軍が港の守備隊の五倍にも及んでいた。
サンマルコスの守備隊も獅子奮戦に頑張ったようだが、いかんせん戦いは数だった。
帝国の奴らは、強引なまでの人海戦術でこの港を落としたのだ。
たった二人の人間を捕縛するためだけに。
まったく無茶をしやがって、今度から奴らの事は屍無頼とでも呼んでやろうか。
今までも、全部これで通してきたのに違いない。
どうして俺がこんな連中の相手をしないといけないものだか。
こんな悲壮な経験をしたような連中ばかりが集まって日本人会を作ったのだろうなあ。
そして俺も若干遠い目をしていたが、頭を振って他のメンツを急かした。
「さあ行こう。
連中も俺達はこの中から出られないと思い込んでいるだろうから、今なら余裕で逃げられるはずだ」
「ふふ、あの連中もこの完璧な包囲網の中からあなたに逃げられたと知ったなら、どのような顔をするのかしらね。
そいつが見られなくて残念よ」
そして、俺達は元の姿に戻したシルバーに全員乗って結界に向けて駆けた。
もちろん、俺が隠蔽しているので敵には見つからない。
「ショウ、あんたの仲間はここにはいないのか?」
「ええ、私は飛行能力があるから、あちこち様子見に行くのよ。
さすがにドラゴン形態では飛んでいたら攻撃を受けるので、人間形態で隠密してね。
どうしてもドラゴンは存在が大きいというか、完璧に隠密しきれないのよね。
あなたは隠密が上手ね」
「まあ、それ専用の魔法じゃなくて、魔法で物理的に波長とかそういう物を捻じ曲げている科学的な理屈の隠密迷彩だからな」
「器用ねー、ちょっと羨ましいわ。
私も多少隠密は使うけど、よく見破られるわね。
ドラゴンはそういうのはあまり得意じゃないの。
飛行にはちょっと気を使うわ」
「俺も飛行能力が羨ましいなあ。
風魔法の応用で空中機動は得意な方だが飛行とまではいかない」
「あなた、それだけ強い魔物なんだから陸上魔物のくせに空まで飛んじゃ反則でしょう。実際の力を見せてもらわなくても、それくらいはわかるわよ」
「そういや、何をしに見て回っていたんだ」
「あなたみたいな人がいたら保護する目的と、あとはここのところの帝国の動きが怪しいからねえ。
あちこちの港はよく回っているわ。
ことに今焦点になっているのは、このサンマルコス王国の港ですもの。
ここは毎日数回くらい巡回に来ているわ。
そして偶然にあなたを見つけたの。
また戦争になれば、あたし達だって面倒な事になりかねないからね」
「ああ、まったく世界大戦前夜もいいところだな」
「その通りよ。
帝国によるアーデルセン王国奇襲がその幕開けといってもいいでしょうね。
さあ行きましょうか。
はい、ワンちゃんも一回小さくなってねー」
そして、俺達は隠蔽をかけたまま、悠々と結界を通り抜けた。
「すごーい、抜けたー、また通れたー」
シルバーは、大はしゃぎで結界の境界部分を出たり入ったりしている。
まあ地球のあの三十八度線でも「犬は仕方がない、犬は」と南北兵士に言われて自由に出入りできるくらいなのだからいいのだけれども。
まあそんなところをうろついていたら、犬だっていつ地雷にふっとばされてもおかしくないのだが、幸いな事にここには地雷は埋めてないようだった。
あそこは核地雷さえ埋まっているとも言われたほど物騒な場所なので、さすがのフェンリルとてそいつを踏んだら無事にはいられまい。
さらに言えば、この世界に地雷相当の超強力な魔道兵器やトラップ魔法が無いなんて言い切れないのだから気をつけないといけないのだが。
「おい、もう遊んでないで行くぞ。
はい、シルバー大きくなあれえ」
そして再び犬上の人になった俺は最後尾に座り、気分良く疾走する狼の背で俺の前方にいるショウに訊いた。
「これからどうする。
もうあの港は使えないぞ」
「ここから東方面の、国の中央にあるパルセンの港へ行ってちょうだい」
「そんなところへ行ってどうするんだ、こうなってはあの港はもう袋の鼠もいいところだぞ」
「いいから、いいから。
ここは任せてちょうだいなっと。
ああ、この子ってば本当にもふもふだなあ。
ねえ、どこで拾ってきたの」
「アルブーマの山中でかなり南の方だ。
拾った時はまだ小さくて目が開いてなくてな。
どうしようかと思ったよ」
「うわあ、それは見たかったなあ。
今度探しにいこうっと。
うちの近所で見かけないのよね」
「いいけど、そうそう仔フェンリルなんて落ちていないぞ」
「そうよねー、珍しい魔獣だものね。
残念だわあ」
この女、完全に犬派とみえて、もうさっきからシルバーをモフりっぱなしだな。
さて、新しいお仲間とやらがどう助けてくれるものだか。
でも信じられないような奇跡の出会いだった。
やはりいいものだな、同郷人というものは。
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