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第一章 王太子様御乱心
1-42 蜥蜴ちゃんと一緒
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一応、事の顛末などはハトリを呼んで陛下当てに報告書を送らせていただきました。押収品などは、先に王国騎士団が持ち帰ってくれてありますので。
「ねえ、ハトリ。あの馬鹿はどうしていますか」
「相変わらずですよー。多分、ご想像の通りではないかと思います」
「そう」
私の短い返事に彼女も思うところがあったのか、もう一つ報告してくれました。
「フロートさんは大変頑張っておられますよ。まるで、もう一人あなたがいるみたいです。殿下はこそこそして、いつも彼女を避けて逃げ回っていますね。
他のあなたの派閥の子達も頑張っていますし、宮中でアリエッタ派が主流になっている事はないです。むしろ劣勢といってもいいかな。
やむを得ずアリエッタにすり寄っている連中も、内心ではあなたが帰ってきた時の事を非常に恐れていますので」
「あははは、あの子は幼馴染の一人ですから、王太子が相手でも遠慮なんかしないですよ。かなり強気な子ですから、さぞかし奴も苦手でしょうね」
もう現地の様子が目に浮かぶようですね。フロート、グッジョブ。さすがは私の親友の事だけはありますね。ちょっとだけ気が晴れましたわ。
という訳で出発です。今回は虹色蜥蜴も一緒ですので変わったトラブルがありました。
七色に輝く希少な蜥蜴なので、時折それを狙って攻撃してくる冒険者がいまして。シナモンが怒って、そいつらをあっさりと仕留め、その持ち物からまた路銀の足しにいたしました。
使い道は、主に蜥蜴の餌代とかですね。蜥蜴を狩って金にするはずが、逆に蜥蜴のために金を取られているので、お笑い以外の何物でもありません。
仕留めると言っても殺してしまうわけではなく、パンツ一丁で放り出すだけなのですが。あと暴れる奴などは逆さ吊りなどの刑にね。
真っ当な冒険者なんかが従魔証を下げた魔物に手を出す事などありえませんので、遠慮なくやらせておきました。
しかし、欲の皮が突っ張っていますね。『Sランク冒険者二人』の従魔に手を出すなんて。まあ見かけが女子供ですので軽んじたがる気持ちもわからんではないのですが、無謀ですわね。
そうこうしているうちに、例の手下にした男コブン・ヘツラウがやってきて言いました。
「お嬢、もう一つ向こうの街でエロマンガ家の連中が大集会をやるようですが、いかがいたしやしょう」
さっそく敵さんのスクープ情報がすっぱ抜かれました。お勤め、大変ご苦労。彼を抜擢した私の目に狂いはなかったようです。
「うーん、せっかくの情報源ですから、潰さないでしっかりとその内容を拝聴させていただくとしましょう」
そして彼の案内で密やかに、その街へ移動して会議の始まるのを待ったのです。チーム丸ごと隠蔽した状態で街に潜り込み、そのまま連中のところへとお邪魔いたしました。
大至急で用意させた秘密兵器も用意してありますので。そこへ、なんとあの女本人が現れました。
「アリエッタ! おのれ。えーい、手が出せないのが口惜しいわあ」
奴も王宮での日頃の態度とはうって変わって、アバズレのビッチ毒婦丸出しです。
「野郎ども、ようく聞け。もう、ここからはグイっと押していくシーンだと思う。わたしが王太子スフレと結婚して一気に権力を握り、あれこれと商売の手を広げるのだ。
そのあたりは少々強引でもいいからな! そして、その実利を元に国中の貴族を掌握するのだ。そうすれば国王と雖も私を排除することはできなくなるだろうよ。そして、このエロマンガ家を筆頭に、我がマンジール王国がこの国を裏から支配していくのだ」
「マンジール王国万歳」
「エロマンガ男爵家万歳」
盛り上がる奴らを暗い目付きで睨みつけ、歯ぎしりが聞こえそうなほど歯を噛みしめる私の脇腹をシナモンが突きます。
他の人間には聞こえない、探知されないレベルの微弱な伝声魔法の風魔法に乗せた、口の中で発音する小声でのやりとりを交わします。
(もう、わかっているわよ!)
(本当かなあ。こういう時って、言う事があまり当てにならないからなあ)
(そうそう、まったくマリー姫様ときたらねえ)
(い、いたの、ハトリ! いつの間に~)
(ところで姫様、今日は暴れないんですか?)
(暴れません!)
(ですよねえ、やるのなら公然と連中の悪事を暴いてからでないと楽しくないですから)
まったくもってビスコッティ王国間諜の癖になんという言い草か。しかし、数少ない私の本性の理解者でもあるので、こいつの事はそうそう無下にはできません。
そして、私はある物をこのハトリに託しました。
〔超獣マリーの絶対供述書付きの錬金映像。子供の頃から世話になっているドヴェルグの親父に、前から頼んでおいた映像記録の水晶を、弟子を扱き使って突貫で仕上げてもらったものを用いたもの〕
そして、私も王都への期間を決意しました。
あのエロマンガ家の連中がなりふり構わずにやってくるというのなら、もう遠慮している場合ではありませんので。ハトリは、先に戻っていきました。本当に風のような女です。
「証拠の映像は押さえました。こうなったら、王宮に戻ってアリエッタとの直接対決しかありませんね」
「もう、あちこちで王国の間諜が尻尾を掴んで回っている頃合いだものね」
悪漢退治の滅多にないイベントに、シナモンも張り切っているようです。ふふ小坊主さん、頼りにしていますよ。でもね。
「先に言っておくけれど、この蜥蜴は王都の中には入れられないからね」
「えー、マルークが可哀想~。彼だって立派なチーム・マリーの仲間なのに酷いよー」
「ま、まあ公爵家の番トカゲという事で無理やり中に入れるという手もあるのですがねえ」
「やったあ」
どうも、私はこの子には甘くなっていけませんね。日本にいた弟と同じ歳なのでねえ。悪戯者なところも、もうそっくり。それもあって拾ってきましたので。もう心の中では弟認定していますよ。
「ねえ、ハトリ。あの馬鹿はどうしていますか」
「相変わらずですよー。多分、ご想像の通りではないかと思います」
「そう」
私の短い返事に彼女も思うところがあったのか、もう一つ報告してくれました。
「フロートさんは大変頑張っておられますよ。まるで、もう一人あなたがいるみたいです。殿下はこそこそして、いつも彼女を避けて逃げ回っていますね。
他のあなたの派閥の子達も頑張っていますし、宮中でアリエッタ派が主流になっている事はないです。むしろ劣勢といってもいいかな。
やむを得ずアリエッタにすり寄っている連中も、内心ではあなたが帰ってきた時の事を非常に恐れていますので」
「あははは、あの子は幼馴染の一人ですから、王太子が相手でも遠慮なんかしないですよ。かなり強気な子ですから、さぞかし奴も苦手でしょうね」
もう現地の様子が目に浮かぶようですね。フロート、グッジョブ。さすがは私の親友の事だけはありますね。ちょっとだけ気が晴れましたわ。
という訳で出発です。今回は虹色蜥蜴も一緒ですので変わったトラブルがありました。
七色に輝く希少な蜥蜴なので、時折それを狙って攻撃してくる冒険者がいまして。シナモンが怒って、そいつらをあっさりと仕留め、その持ち物からまた路銀の足しにいたしました。
使い道は、主に蜥蜴の餌代とかですね。蜥蜴を狩って金にするはずが、逆に蜥蜴のために金を取られているので、お笑い以外の何物でもありません。
仕留めると言っても殺してしまうわけではなく、パンツ一丁で放り出すだけなのですが。あと暴れる奴などは逆さ吊りなどの刑にね。
真っ当な冒険者なんかが従魔証を下げた魔物に手を出す事などありえませんので、遠慮なくやらせておきました。
しかし、欲の皮が突っ張っていますね。『Sランク冒険者二人』の従魔に手を出すなんて。まあ見かけが女子供ですので軽んじたがる気持ちもわからんではないのですが、無謀ですわね。
そうこうしているうちに、例の手下にした男コブン・ヘツラウがやってきて言いました。
「お嬢、もう一つ向こうの街でエロマンガ家の連中が大集会をやるようですが、いかがいたしやしょう」
さっそく敵さんのスクープ情報がすっぱ抜かれました。お勤め、大変ご苦労。彼を抜擢した私の目に狂いはなかったようです。
「うーん、せっかくの情報源ですから、潰さないでしっかりとその内容を拝聴させていただくとしましょう」
そして彼の案内で密やかに、その街へ移動して会議の始まるのを待ったのです。チーム丸ごと隠蔽した状態で街に潜り込み、そのまま連中のところへとお邪魔いたしました。
大至急で用意させた秘密兵器も用意してありますので。そこへ、なんとあの女本人が現れました。
「アリエッタ! おのれ。えーい、手が出せないのが口惜しいわあ」
奴も王宮での日頃の態度とはうって変わって、アバズレのビッチ毒婦丸出しです。
「野郎ども、ようく聞け。もう、ここからはグイっと押していくシーンだと思う。わたしが王太子スフレと結婚して一気に権力を握り、あれこれと商売の手を広げるのだ。
そのあたりは少々強引でもいいからな! そして、その実利を元に国中の貴族を掌握するのだ。そうすれば国王と雖も私を排除することはできなくなるだろうよ。そして、このエロマンガ家を筆頭に、我がマンジール王国がこの国を裏から支配していくのだ」
「マンジール王国万歳」
「エロマンガ男爵家万歳」
盛り上がる奴らを暗い目付きで睨みつけ、歯ぎしりが聞こえそうなほど歯を噛みしめる私の脇腹をシナモンが突きます。
他の人間には聞こえない、探知されないレベルの微弱な伝声魔法の風魔法に乗せた、口の中で発音する小声でのやりとりを交わします。
(もう、わかっているわよ!)
(本当かなあ。こういう時って、言う事があまり当てにならないからなあ)
(そうそう、まったくマリー姫様ときたらねえ)
(い、いたの、ハトリ! いつの間に~)
(ところで姫様、今日は暴れないんですか?)
(暴れません!)
(ですよねえ、やるのなら公然と連中の悪事を暴いてからでないと楽しくないですから)
まったくもってビスコッティ王国間諜の癖になんという言い草か。しかし、数少ない私の本性の理解者でもあるので、こいつの事はそうそう無下にはできません。
そして、私はある物をこのハトリに託しました。
〔超獣マリーの絶対供述書付きの錬金映像。子供の頃から世話になっているドヴェルグの親父に、前から頼んでおいた映像記録の水晶を、弟子を扱き使って突貫で仕上げてもらったものを用いたもの〕
そして、私も王都への期間を決意しました。
あのエロマンガ家の連中がなりふり構わずにやってくるというのなら、もう遠慮している場合ではありませんので。ハトリは、先に戻っていきました。本当に風のような女です。
「証拠の映像は押さえました。こうなったら、王宮に戻ってアリエッタとの直接対決しかありませんね」
「もう、あちこちで王国の間諜が尻尾を掴んで回っている頃合いだものね」
悪漢退治の滅多にないイベントに、シナモンも張り切っているようです。ふふ小坊主さん、頼りにしていますよ。でもね。
「先に言っておくけれど、この蜥蜴は王都の中には入れられないからね」
「えー、マルークが可哀想~。彼だって立派なチーム・マリーの仲間なのに酷いよー」
「ま、まあ公爵家の番トカゲという事で無理やり中に入れるという手もあるのですがねえ」
「やったあ」
どうも、私はこの子には甘くなっていけませんね。日本にいた弟と同じ歳なのでねえ。悪戯者なところも、もうそっくり。それもあって拾ってきましたので。もう心の中では弟認定していますよ。
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