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第一章 荒神転生
1-40 大空の旅
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「うわあ、たかーい。それに、いい景色だー」
ご機嫌な幼女様と愉快な仲間達を全員乗せてというか、載せてというか、ベノムは悠々と大空の覇者となっていいた。
かなりのスピードで飛んでくれているはずなのだが、俺達は風や加速などを特に感じない。たぶん、魔法か何かだろう。
鳥類、飛行竜などは比較的縄張り意識が高いのだが、さすがにこいつに喧嘩を売ってくる奴はいないようだった。たまに遠目に小さく見かけるくらいだ。
こいつはとにかくでかい。体長五十メートルはあり、馬車は収納したので四頭いた大きめの馬まで乗っている。
連中は冒険者ギルドの馬なので肝が据わっており、この優雅な空の旅を堪能していた。滅多に使えない龍の背中というベッドの上で寝そべってみたり、背中をこすってみたり。やるなあ、馬も。
「ところで、坊はまだ神殿には帰ってこんのかい?」
「ああ、この騒動が終わるまではな。ああ、そうだ。結局、バリスタの装備を作れず仕舞いで王都に行く事になってしまったな。即興でいいから、向こうで何か鎧を作れないか」
「それなら、収納に既製品がいくらかある。今回はそれの手直しくらいでいいじゃろ」
「うん、それでいいや。いくらなんでも、そのバーバリアンみたいな恰好ではちょっとなあ」
「おい! いくらなんでもバーバリアンはねえだろう。これでもお気に入りのファッションで素材には気を使ったものなんだぞ」
「馬鹿野郎。どう見たって騎士団長には見えないだろうが。王宮は素材だのなんだのの中身よりも、見てくれが大事なんだよ」
そう言い返すと、奴も首を竦めて唐揚げを食い出した。
「うむ、やはり大空で食う唐揚げは美味い」
「まったくですな、騎士団長殿」
「この唐揚げ騎士団めが!」
「ほほう、そいつは本望ですな。いっそ、そう名乗りますか、バリスタ団長」
「そうだな、それもよし」
「よしじゃねえ、まったく」
「ルナも唐揚げ食べたいー」
そう言って幼女様がサリーのお膝に上ったので、俺は唐揚げを追加で召喚した。
『旦那、あっし達にも』
『あいよ』
かくも、大空の旅のお伴には唐揚げが大人気なのであった。
大空から眺める景色は次々と移り変わっていき、やがて段々と都会度を増していった。
特に赤などを基調とした比較的派手な色調が増えていき、色彩豊かになっていくのを見るにつけ、塗料や色合いの豊かな素材は、まだまだ高価という事だろうか。
だが、ふと気になったのだが、下の方で大勢の人達がこちらを指差して騒いでいる。そりゃあ、騒ぐだろうな、こんなにでかいドラゴンがいたんじゃあ。ヤベエかもしれない。
「なあ、ベノム」
「なんじゃい、坊」
「他から見えないように魔法で姿を隠したりできる?」
「別にできん事もないが、何故わしがそんな事をせねばならんのだ?」
「まず、そこからだったか」
「それに手遅れのようだの。ほれ」
見ると、どうやら竜騎兵を乗せた飛竜のようなものが、何騎かこちらへ向かってくるのが見えた。
何かの飛行魔物のような物の上に、キラリと光る物が見えた。騎士の鎧または何かの武具だろう。空を飛んでいるのだから重量のあるフルプレートではないはずだが。
「あー、領空侵犯というか、王都へ近づいたんだからな」
「あ、飛竜隊ですね。ほら、ルナ姫様の大好きな飛竜隊ですよ~」
「わー、飛竜ちゃんだー」
無邪気に手を振るルナ姫と一緒に手を振るサリー。あいつらも敵じゃないと限ったものではないのだが。
「おい、お前らもみんな手を振っておけ。楽しそうにな」
「え、なんで俺達が、そんな子供のような真似をしないといけないんだ」
さすがにバリスタが文句を言ってきた。確かに、このバーバリアンに無邪気な笑顔で手を振られたら先方も困るだろうがな。
「いいから、やれよ。あいつら敵に回すと面倒くさいから。『俺達への』攻撃命令が出ているのかどうか見たい」
「ああ、ドラゴンにじゃあなくって、ルナ姫に対しての暗殺指令が出ていないかどうかって話だな」
アレンは、あっさりと話を飲み込んだ。
「ああ、そうだ。あとちょいでゴールなのだからな。ここで戦闘は避けたい。向こうに口実を与える事になりかねん。それに飛竜を落としたりすれば、後が面倒になりそうだ」
そして兄弟達に手を振るように促した。
「えー、やるのかよ」
「勘弁だなあ」
マルーク兄弟の弟二人は、凄く引きつらせた笑顔を彼らに向けていた。うわあ、なんて微妙な笑顔だ。
俺だったら付き返すぜ。俺はルナ姫の隣に陣取って、得意の奴『へっへっへっへ&尻尾ふりふり』を、いつもにもましてご披露した。
バックではグリーどもが羽根をばたばたさせて、くるくると楽し気なダンスを踊っている。
接近してきた飛竜に対して、ベノムが軽く翼を振って敵意が無い事を示した。これは、いわば人間界の飛竜の流儀だ。
これを飛竜にやらせられない未熟者は飛竜に乗せてもらえない。他国との抗争の火種になりかねないからだ。
過去には、どこかの国で亡命してきた王族の飛竜を誤って撃墜したケースもあるという。何らかの理由で領空を侵犯してくる場合もあるので、むやみな戦闘は行わないのが暗黙のルールだ。
それ以来各国間で制定された、この翼を振る合図を行った竜を安易に攻撃する事は許されない。とはベノムの説明だ。
「間もなく王都じゃの」
それから体長格と思われる、やや大きめの飛竜が一騎近づいてきて、ベノムの右の翅上方にやってきて飛行し『乗客』の姿を確認した。
「第五王女ルナ様ご騎乗のドラゴンとみましたが」
大声でそう誰何してきたので、サリーも両手を口元に添えて大声で叫び返す。
「いかにも、ルナ姫一行だ。乗っているものは騎士サリー他、全員彼女の警護を担当する者及び従魔である」
「王都への侵入及び着陸を許可いたします。大きなドラゴンですので、着陸できる場所を選びますから後についてきてください」
そして、報告のために先を急ぐ一騎を見送り、隊長機を先頭に護衛機が両側についた。どうだい、このVIPぶりは。アメリカ大統領並みの待遇だな。『エアフォース・ベノム』とでも称するかね。
ルナ姫が可愛らしく笑顔で手を振ると、若い竜騎士も同じく手を振り返してくれた。彼らはルナ王女の事をどう思っているのだろうか。
制空権を握る精鋭と思われる彼らが、第一王妃の息がかかっていたりすると後で面倒かもしれない。あるいは、まだ幼いのに国を追われようとしているルナ王女とアルス王子に憐憫の情を抱くものか。
いずれにせよ、彼らは王国騎士であり、第一王妃の私兵ではない。王命に従う義務があるのだ。だがまあ彼らとの戦闘を避けられてよかった事だ。王宮へ入ってしまえば、後はなんとでもなるはずだ。
ご機嫌な幼女様と愉快な仲間達を全員乗せてというか、載せてというか、ベノムは悠々と大空の覇者となっていいた。
かなりのスピードで飛んでくれているはずなのだが、俺達は風や加速などを特に感じない。たぶん、魔法か何かだろう。
鳥類、飛行竜などは比較的縄張り意識が高いのだが、さすがにこいつに喧嘩を売ってくる奴はいないようだった。たまに遠目に小さく見かけるくらいだ。
こいつはとにかくでかい。体長五十メートルはあり、馬車は収納したので四頭いた大きめの馬まで乗っている。
連中は冒険者ギルドの馬なので肝が据わっており、この優雅な空の旅を堪能していた。滅多に使えない龍の背中というベッドの上で寝そべってみたり、背中をこすってみたり。やるなあ、馬も。
「ところで、坊はまだ神殿には帰ってこんのかい?」
「ああ、この騒動が終わるまではな。ああ、そうだ。結局、バリスタの装備を作れず仕舞いで王都に行く事になってしまったな。即興でいいから、向こうで何か鎧を作れないか」
「それなら、収納に既製品がいくらかある。今回はそれの手直しくらいでいいじゃろ」
「うん、それでいいや。いくらなんでも、そのバーバリアンみたいな恰好ではちょっとなあ」
「おい! いくらなんでもバーバリアンはねえだろう。これでもお気に入りのファッションで素材には気を使ったものなんだぞ」
「馬鹿野郎。どう見たって騎士団長には見えないだろうが。王宮は素材だのなんだのの中身よりも、見てくれが大事なんだよ」
そう言い返すと、奴も首を竦めて唐揚げを食い出した。
「うむ、やはり大空で食う唐揚げは美味い」
「まったくですな、騎士団長殿」
「この唐揚げ騎士団めが!」
「ほほう、そいつは本望ですな。いっそ、そう名乗りますか、バリスタ団長」
「そうだな、それもよし」
「よしじゃねえ、まったく」
「ルナも唐揚げ食べたいー」
そう言って幼女様がサリーのお膝に上ったので、俺は唐揚げを追加で召喚した。
『旦那、あっし達にも』
『あいよ』
かくも、大空の旅のお伴には唐揚げが大人気なのであった。
大空から眺める景色は次々と移り変わっていき、やがて段々と都会度を増していった。
特に赤などを基調とした比較的派手な色調が増えていき、色彩豊かになっていくのを見るにつけ、塗料や色合いの豊かな素材は、まだまだ高価という事だろうか。
だが、ふと気になったのだが、下の方で大勢の人達がこちらを指差して騒いでいる。そりゃあ、騒ぐだろうな、こんなにでかいドラゴンがいたんじゃあ。ヤベエかもしれない。
「なあ、ベノム」
「なんじゃい、坊」
「他から見えないように魔法で姿を隠したりできる?」
「別にできん事もないが、何故わしがそんな事をせねばならんのだ?」
「まず、そこからだったか」
「それに手遅れのようだの。ほれ」
見ると、どうやら竜騎兵を乗せた飛竜のようなものが、何騎かこちらへ向かってくるのが見えた。
何かの飛行魔物のような物の上に、キラリと光る物が見えた。騎士の鎧または何かの武具だろう。空を飛んでいるのだから重量のあるフルプレートではないはずだが。
「あー、領空侵犯というか、王都へ近づいたんだからな」
「あ、飛竜隊ですね。ほら、ルナ姫様の大好きな飛竜隊ですよ~」
「わー、飛竜ちゃんだー」
無邪気に手を振るルナ姫と一緒に手を振るサリー。あいつらも敵じゃないと限ったものではないのだが。
「おい、お前らもみんな手を振っておけ。楽しそうにな」
「え、なんで俺達が、そんな子供のような真似をしないといけないんだ」
さすがにバリスタが文句を言ってきた。確かに、このバーバリアンに無邪気な笑顔で手を振られたら先方も困るだろうがな。
「いいから、やれよ。あいつら敵に回すと面倒くさいから。『俺達への』攻撃命令が出ているのかどうか見たい」
「ああ、ドラゴンにじゃあなくって、ルナ姫に対しての暗殺指令が出ていないかどうかって話だな」
アレンは、あっさりと話を飲み込んだ。
「ああ、そうだ。あとちょいでゴールなのだからな。ここで戦闘は避けたい。向こうに口実を与える事になりかねん。それに飛竜を落としたりすれば、後が面倒になりそうだ」
そして兄弟達に手を振るように促した。
「えー、やるのかよ」
「勘弁だなあ」
マルーク兄弟の弟二人は、凄く引きつらせた笑顔を彼らに向けていた。うわあ、なんて微妙な笑顔だ。
俺だったら付き返すぜ。俺はルナ姫の隣に陣取って、得意の奴『へっへっへっへ&尻尾ふりふり』を、いつもにもましてご披露した。
バックではグリーどもが羽根をばたばたさせて、くるくると楽し気なダンスを踊っている。
接近してきた飛竜に対して、ベノムが軽く翼を振って敵意が無い事を示した。これは、いわば人間界の飛竜の流儀だ。
これを飛竜にやらせられない未熟者は飛竜に乗せてもらえない。他国との抗争の火種になりかねないからだ。
過去には、どこかの国で亡命してきた王族の飛竜を誤って撃墜したケースもあるという。何らかの理由で領空を侵犯してくる場合もあるので、むやみな戦闘は行わないのが暗黙のルールだ。
それ以来各国間で制定された、この翼を振る合図を行った竜を安易に攻撃する事は許されない。とはベノムの説明だ。
「間もなく王都じゃの」
それから体長格と思われる、やや大きめの飛竜が一騎近づいてきて、ベノムの右の翅上方にやってきて飛行し『乗客』の姿を確認した。
「第五王女ルナ様ご騎乗のドラゴンとみましたが」
大声でそう誰何してきたので、サリーも両手を口元に添えて大声で叫び返す。
「いかにも、ルナ姫一行だ。乗っているものは騎士サリー他、全員彼女の警護を担当する者及び従魔である」
「王都への侵入及び着陸を許可いたします。大きなドラゴンですので、着陸できる場所を選びますから後についてきてください」
そして、報告のために先を急ぐ一騎を見送り、隊長機を先頭に護衛機が両側についた。どうだい、このVIPぶりは。アメリカ大統領並みの待遇だな。『エアフォース・ベノム』とでも称するかね。
ルナ姫が可愛らしく笑顔で手を振ると、若い竜騎士も同じく手を振り返してくれた。彼らはルナ王女の事をどう思っているのだろうか。
制空権を握る精鋭と思われる彼らが、第一王妃の息がかかっていたりすると後で面倒かもしれない。あるいは、まだ幼いのに国を追われようとしているルナ王女とアルス王子に憐憫の情を抱くものか。
いずれにせよ、彼らは王国騎士であり、第一王妃の私兵ではない。王命に従う義務があるのだ。だがまあ彼らとの戦闘を避けられてよかった事だ。王宮へ入ってしまえば、後はなんとでもなるはずだ。
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