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第631話 神の国(神聖ジェラルディン国)5

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第631話 神の国(神聖ジェラルディン国)5

街を通ってきたからこそ、すぐにわかったことだが、麻薬と、奴のブラックオーラで充満している。

多分、手遅れの人もいると思うが、どうやったらいいのか、変化しようとする人を戻すことができるのか?

もう数人は、何かに変化する寸前だ。

俺は勇者だけど、なんでもわかると言うわけにはいかない。

誰かに教えてもらうことがあれば、いいんだが、生憎と指導できるような人はいない。

だから全て、独学というか、やってみて確認する必要があるが、多分、できるのは俺1人だと思うから、学ぶ術がない。

しかし、今までは麻薬なら、聖属性魔法で問題なくクリアしていくことができるが、人を1人も無くすこともなく変化させないなんてことができることなんだろうか?

ドタドタと足音が近づいてくる。

大急ぎで、誰かが走ってきて教皇の部屋の扉をノックもなしに開ける。

「申し訳けありません、緊急事態です」兵士は座り込んで、ハァハァ息をしている。

「なんだ、何が起きた?」

「ま、街に騒動が起きて、手がつけられません」

あっやっぱりかぁ、変化する前に、多分、脳をやられるので、精神的にイライラすることが起きているのかと推測される。

ということは、一刻の猶予もないな。

どうするか?

「みんな、どうすれば、街の人たちを救えると思う?」

「‥‥‥何言ってんのよクリス、あなたが聖属性魔法発動させればいいことでしょ」とイザベラ

「まぁそれはそうなんだけど、やってみないとわからないから、騒ぎを起こした人が一緒に消える可能性もあるんだよ」

「そこは気づかなかったわ」とイザベラ

ソフィアが「それは、それでしょうがないんじゃない?」

「そこまで割り切れば苦労しないけど‥‥‥」

アリシア「まぁそうだよね、じゃぁクリスじゃなくて私たちがやってみよっか?」

「えっ?」

「クリスには今まで黙っていたけど実は私たちも聖属性魔法が使えるようになったんだよね」とソフィア

「そうなの?」

「うん」

「誰と誰が使えるの?」

「もちろんメンバー全員だよ」とソフィア

「へ~、すごいね」

アリシアが「これもクリスの指導の賜物だよ」

「いや、そんなことないよ、みんなが一生懸命、練習したからだよ」

「うん、それも言える。偉いでしょう?」とふんぞり変えるイザベラ

「おい、お前たち、私の前だとわかっているのか?」

「あ~はい、はい、わかっていますよ」とイザベラ

「‥‥‥そうか、ならば良いが‥‥」

「じゃ、作戦会議、教皇様、王都の地図をください」

パンパンと教皇が手を叩くと、扉が開いて女官の1人が顔を出す。

「はい、教皇様」

「王都の地図を至急用意をしてくれ」

「はい、かしこまりました、教皇様」と言って走って行った。

数分で戻ってきた女官の人は、息を切らせながら戻ってきて、テーブルの上に地図を広げてくれた。

俺たちが地図を覗き込む。

「うわっ、結構広いね」とアリシア

「作戦は、一人ひとりに聖属性魔法をかけていたら間に合わないから、上空から全てに対して聖属性魔法をかけるんだよ」

「えっ」イザベラ

「そうよね、そうなんだ」とアリシア

「?」

「あっ、もしかして、1人一人だと思っていた?」

「うん、まぁ、そう‥‥‥」と少し落ち込んでいるイザベラ、アリシア、ソフィア、シャーロット、セラフィーナ。

「神獣たちは大丈夫だよね」

ジャネット「はい問題なく行きます」

「じゃアリシアたちは、どれくらい聖属性魔法を使えるの?」

「そうね、1回くらいかな?」

「えーーーーそれで使えるって言ったの?」

「だ、だって一回だって使えることに変わりはないわ」とイザベラ

「私は2回は行けるかな?」とソフィア

「私は3回くらい」とアリシア

シャーロットが「私は2回くらい」

セラフィーナが「私も2回」と小さい声‥‥‥

「‥‥‥でも、みんなの協力があってこそ、街の人たちを助けることができるから」

でも神獣ならいざ知らず、人族のメンバーが聖属性魔法を使えるなんて、考えもしなかった。

みんなが努力をしている結果だと思う。

聖属性魔法は高等難易度の魔法になる。

冒険者の傷を治すヒールとは意味が違う。

ヒールでも、その上のハイヒールでも、エリアヒールなどがあるが、その中の上級ヒールでも、俺が使う聖属性魔法とはレベルが違うからだ。

聖属性魔法は、最高レベルの魔法になる。

攻撃魔法なんかよりも、上級魔法で魔力の消費が結構、大きい。

攻撃魔法が上手だということでも、聖属性魔法は使えない。

ヒールくらいしか使うことができない。

まぁハイヒールの上が聖属性魔法だと考えればいいと思う。

ということは、一回でも聖属性魔法が使えれば全員がヒールやハイヒールを使うことができると言うことだ。

頼もしい限りだ。

俺たちはテーブルの上に広げられた王都の地図をみんなで見ている。

幸いなことに教皇は、ベットの上。

近寄ってこないだけ、まし。

エリア別に分けようと思ったが、全員が上空で滞空しながら横一列に並んで聖属性魔法を行使することを提案する。

人族のメンバーは回数が限られるから、先に行けばいくほど人が減ってくるけど、しょうがない。

負担にならないように俺が透明にして対空を支援する。

つまり俺が魔法を使って透明にすることと空を飛ばす魔法を発動しながら、実行して、全員のメンバーは聖属性魔法を使うことに集中してもらう。

今回は、数も多い。

しかも、麻薬だけならいいが、タールのようなドス黒い魔力も一緒に除去する必要がある。

「じゃ、みんな、やろうか?」

「ちょっと、待った~」と派手に大声をあげる教皇。

そんな大声を出すんだったら、ベッドに寝ている必要ないじゃん。

「なんですか?」と不機嫌そうに言う。

「今回のことで金は払わんぞ」と馬鹿が言い出した。

「あっ、そうですか?じゃ、帰ろうか?」

そこに衛士が数人、入ってきた。

部屋に入って跪きながら教皇に「緊急事態です」

「なんじゃ、何が起きた?」

「街の者が数人、悪魔になって暴れ回っています」

「なに?」

もう、こんな人の元では働く気も失せたので、俺が操作して俺たち全員を転移させた。

もちろん転移した先は、ブラッドフォード大公国の山荘の屋敷。

そこで俺は検索魔法で聞き耳を立てることにした。

俺が検索魔法をしていることは、もう皆んなには知れ渡っているので、黙ってくれている。

俺は検索魔法で聞き耳スキルを使う。

「おい、奴らが消えたぞ」と教皇。

「えっ?、あの者たちは勇者では? 我が国を助けてくれるのでは?」衛士

「そうだが、勇者が我が国を見捨てた」教皇

ひどい言われようだ‥‥‥こんな教皇じゃ、誰だって見捨てたくなる。

俺たちが山荘から聞いているとも知らずに、勝手な事ばかり言っている。

こんな教皇だと知っていれば、助けてやるんじゃなかった。

まだ数人しかあっていないが、俺たちを連れてきた数人しか話が会う人はいない。

みんなに神の教えを解かなきゃいけないのに、実際に会ってみたら人物的に疑いたくなるようなことばかりしている。

まぁ街の人は関係ないから、助けに行くけど‥‥‥でも気が乗らない。

だって行けば、会うかもしれないから。

俺は勇者であって、聖女じゃない。

「えっと、みんなに聞きたいけど、この世界に聖女っているの?」

?????????????

「あっ、わかった、いないんだね」

みんなの頭に浮かんだマークで、理解してしまった。

でも、なんとなく検索してみたら俺たち以外に聖属性魔法が使える人が一人だけいる。

でも聖属性魔法は使えるには使えるんだが、役に立たないレベルしか持っていない。

聖属性魔法を使えると言って1回か2回といったイザベラの方が圧倒的に強い聖属性魔法を使うことができるレベルだ。

冒険者でも、聖属性魔法を使える人はいるけど、その人に比べたら、半分もない。

ということは、やはり、俺たちしかいないと言うことだな。

「ハァ~~~嫌だな」

会わないように城は無視して、王都の人だけ助けようかと思ったが、城の中にもやられている人がいる。

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