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第627話 神の国(神聖ジェラルディン国)

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第627話 神の国(神聖ジェラルディン国)

俺は、呼ばれた神聖ジェラルディン国にやってきたが、今は神官たちと、メンバーと上空にいる。

女性たちに抱きつかれると大変なことになるので、神官たちは俺に抱きついたり、袖を持ったりしている。

女性にすがりついて、ビンタなんてことが起きたら、それこそ問題になってしまうので、俺はしょうがなくトラブルは避けることにした。

神官だから、女性と近づくのは、問題になるかもしれないし。

神官は五人で、一番、トップらしい人の怖がり方がひどい。

俺は神官たちには言う必要がないと思って、他には見えないようにしていた。

そしてあらかじめ聞いていた城の近くの路地を見つけて、誰もいないことを確認して降りてきた。

神官たちが俺を訪ねてやってきたのは、俺に文句を言うことではなく、その何かも話すことができないと言う。

何かの事情があるものと考えているが、俺は最高に忙しい。

なんにしろ、世界滅亡が迫っているのに‥‥‥あと、どれくらい時間があるのかもわからないのに。

路地に降り立った俺たち一行は、大通りに出てきて、さらに王城目指して歩き出す。

話によると城にいる誰かと合わせるために、俺を連れてきたみたいなんだが。

王城に住んでいると言うことは、王族?

でも神聖ジェラルディン国って神の国だから、なんていうんだろう?

王様じゃないな?

なんて言うんだろう?

まぁ、そんなこと、どうだっていいか?

信者じゃないし。

路地から出てきた俺たちを、先に歩いて案内する神官の五人。

俺たちは、神官の後ろから歩いていくけど、城の近くまでやってきたが、そこから右にいく。

あれっ、城じゃないのか?

大きな塀がある道路を歩いて神官たちが歩いていくが、どこまでいくんだろうと、全員が訝しんでいる。

と思っていたら神官たちが止まった。

塀しかないと思ってたら、神官たちが呪文みたいなものを唱えたら塀の一部に隙間ができて、扉になった。

へ~呪文なんて、初めて見たし聞いた。

呪文で扉が開くなんて、俺たちに見せてもいいのだろうか?

まぁ、なんっていったのか、よくわからなかったけど‥‥‥

扉を開けて中に入っていくと、薄暗い感じの通路が続いている。

壁には、ところどころにしか、蝋燭が立ててないから暗い。

しかも、じめってしているから、嫌な匂いまでしている。

こんなところから入らなければならないなんて、おかしい。

招待しておきながら裏口から入れるのか?

念話で「みんな警戒して」と告げた。

暗い通路を歩きながら、神官たちは先を歩き、進んでいく。

何もないのかもしれないが、どうも俺たちを招いているのに、こんな暗くてカビ臭いところを通すなんて、信じられない。

それとも何か理由があるのか?

俺はカビ臭い匂いから口をマントで塞いだら、リアムが文句を言ってきた。

なので手で口を抑えていたら、アリシアからハンカチを貸してくれた。

アリシアから借りたハンカチで口を押さえながら、暗い通路の先に進んでいく。

神官たちが立ち止まった。

立ち止まった先には扉がある。

「こちらです」と言う神官。

こちらですって言われても、鉄に錆がきている扉が一つあるだけだし、こんなところに入れっていうのか?

「あの、この中は、何があるんです」と言う前に検索魔法で確認してみると、人が1人、ベットに寝ている。

どうも寝ているみたいだが、女性みたいだ。

「この中にいる女性が、俺たちに用があるんですか?」

「おお、この中にいる方が、女性だとわかるんですか?」

「まぁ、それくらいなら‥‥‥」

「そうですか、でも、入っては、ダメなんです」

「病気ですね」

「おお、そこまでわかるとは‥‥‥」

それで、俺に彼女を治せと?

「そうです、あらゆる手を尽くして、もう手がないんです、ぜひにお願いしたい‥‥‥」と言って神官たちは俺に頭を下げる。

「こんな、まどろっこしいことをしないでも、普通に依頼すればいいのに」と心の中で思った、何か複雑なことがあるんだろう。

「それで彼女は誰なんです?」

「そ、それは‥‥‥」

「言えないんですね、それが私を招いた理由ですね」

「も、申し訳ありません。」

まぁ、誰であろうと関係ないんだが。そこまで隠したい理由があると言うことだろう、それなりの人だから。

メンバーの皆には下がってもらった。

感染の危険性があるかもしてないから。

しかし、俺も考えたたら、こんなところにいる必要はないんだった。

「あの、外で治療していいですか?ここは空気が悪いから」

「それで治療ができるのであれば構いません」

「では、外へ」と言って来た道を歩き始めた。

急いで外へ出てきたら、今まで暗闇にいたので外の空気が新鮮だった。

「ハァ~」と深呼吸してしまった。

それを神官たちはジロッと見ている。

はい、はい、やりますよと心の中で‥‥‥

「それで、今までは、どんな治療を?」

「この国にいる最高の治療師に招聘して高額な料金を払ってやってもらいましたが、ダメでした」

うん、そうだろうな、治療師じゃなく、どちらかと言うと祈祷師かな?

「それで、どうですか? できるんですか?」と俺に詰め寄る。

「はい、可能ですけど‥‥‥」

「けど?」

「はい、けど、う~ん、なんて言ったらいいのか?」

「はい?」

「え~とですね、彼女だけじゃなく、王都全体が、同じような状態になっていますよ」

「えっ」

「彼女が一番、影響を受けているみたいですが、王都全体が悪魔の影響を受けています」

「えっ、悪魔?」

「はい、悪魔」

「魔族じゃなくて?」

「はい、悪魔で・す」

「‥‥‥」

「悪魔が憑依しているんですよ、彼女に」

「悪魔なんて、この世の中にいるんですか?」

「あのね、あなたたちは神官でしょう?」

「あっ、はい」

「神官だったら、悪魔の存在は理解できるんじゃないですか?」

「いえ、悪魔はあくまでも想像の産物です」

なんて、ことを言うんだ、じゃ神もか?

「じゃ神もですか?」

「はい、もちろんです、神も信仰のものですから、実際にはいません」

「‥‥‥」

後で俺と神官のやりとりを聞いていたメンバーたちがクスクス笑い出している。

それをチラッと見た神官は、不思議な顔をした。

「あの、もしかして神が本当にいると思っているんですか? 神とは信仰のものであり、神は皆の心の中にいるんですよ」と言われた。

「ハァ~~~~」とため息をつきながら力が抜けていく。

「そんなことを言うと神が怒りますよ」

「えっ」

「神はいますよ」

「えっ」

「だ・か・ら・神はいます」

「‥‥‥」

「神は、この世界にもいますし、俺は神にあったことがあるんです」

「ま、まさか‥‥‥」

このやろう!

「あなたたちは、どの神を信仰しているのか知りませんが、神はいます」

全く、神の国のくせして神がいないとほざくとは、なんて国だ。まったく‥‥‥

もう、こんな信仰心がない奴は滅ぼしてしまえ‥‥‥

おっと、いけない、いけない、

「私たちが信仰しているのは、唯一神であるレイチェル神です」

な、なんとレイチェルか、よろこべ‥‥‥レイチェル

「その神レイチェルとは、何回もあっていますよ」

「えっ」と神官が言うと、他の神官と目を合わせて、すぐに俺に向かって跪いた。

「神よ、あなたも神だったのですね、情報が間違っておりました、レイチェル神以外にも神が、この世界にも降臨なされていたとは‥‥‥」

訂正しようかと思ったが、なんだか気分まで落ち込んでしまったので、そのままにしておいた。

神官たちが跪いた瞬間に後から笑いが起きたので。

笑いをこらえるのに必死の顔をしているのが数人いる。

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