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第489話 1000年前の世界7(護衛)

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第489話 1000年前の世界7(護衛)

俺たちはヒルダのいる場所に戻ってきた。

「何があったんですか。凄い音がしてましたけど」

「えっ、そう?」ととぼけた。

詳しい話なんてしたくは無い。

「もう、この周辺にはゴブリンはいないから安心していいよ」

「えっ、全部のゴブリンを倒したんですか?」

「うん、そうだよ。こんなところに立ってしょうがないからヒルダの村に帰ろうか」

「あっ、そうですね、そうしましょう」

ヒルダと俺たちは、ゴブリンの捉えられていた女性たちと一緒にヒルダの村に戻ってきた。

「みんな、ゴブリンは、この人たちが倒してくれたよー」とヒルダ。

村長らしい人が近寄ってきて「本当ですか?」

「ええ、嘘は言いませんよ、新しく住み着けば問題になるでしょうけど」

アリシアが「‥‥‥もう、この周辺にはゴブリンはいませんから安心してください」

ジャネットまで「そうです、ゴブリンはご主人さまが倒しました」

「そうです、今日から安心して畑仕事ができます」とアリシア

なんだか、俺の言い方がまずかったみたい。

でも、本当のことだよね。

村長とヒルダを読んで、女性たちのことを頼んだ。

精神的なショックを受けているだろうし。

村に戻るか、違うところに行くかしないといけなくなるかも。

世間の風は冷たい。

「じゃ、俺たちは急いでいるから、いくよ」と俺が言うと。

村長が「ぜひ、今夜は宴会をしますので泊まっていってください」と言われた。

「どうする?」と3人にいくと、「たまにはいいじゃない」とアリシアに言われたので、俺たちは村に泊まることになった。

一つの空き家を貸してくれた。

用意してくれた家には、部屋が二つあって、台所がある。

ベットは4つあったけど、俺は一つの部屋で1人で寝る。

その前にヒルダが来て「宴会の準備ができたから行こうか?」と言われたのでついていく。

ヒルダを含めて5人で宴会場まできた。

村長が「みんな、揃ったな、悲しいことが起きたけど、もう近くにはゴブリンはいない、みんな、この方達のおかげじゃ」

拍手が起きた。

「ありがとう」「よかった~」
「これで安心して畑仕事ができる」と村人

「今日はお祝いじゃ、皆のもの食べてくれ」と村長

「やった~」

コリンは異世界の食べ物を美味しそうに食べながらスケッチしている。

俺たちも食べ始めるが、村人たちが、お礼を言いにくるので食べている暇がない。

美味しそうなものを見つけて食べようとしたら、口に入っている時に、村人がお礼を言いにくる。

でも、しばらくすると村人は酒によって寝てしまう。

俺は目の前にある焚き火を見ながら、ゴブリンに殺された女の子のことを思う。

こんな悲しいことが起きている。でも、これがときどき実際に起きていることなんだ。

普通に魔物が出れば、誰かが怪我を負うか殺される。

それが現実だ。

ウルフと魔族の奴を早く見てけなければ、大規模災害になってしまう。

この時代のウルフは、現れては、すぐに消えることを繰り返している。

俺は、この時代よりも、もう少し次元のトンネルのことを知らなければならない。たぶんウルフが消えるのは、次元のトンネルにいると思われるからだ。

俺が次元のトンネルといっているだけで、本当の名前は知らない。

時間トンネルというのかも。

まぁ、名前なんて、どうでもいい、俺がわかりやすいように次元のトンネルと言うことにした。

俺が持っている剣も時間超越剣ではなく、次元超越剣だから。

あのトンネルは、時間だけなのだろうか。もしかして異世界の入り口が、どこかにあるのか?

焚き火を見ながら考えている。

「もう、クリスったら、険しい顔しないの」とアリシアがいってきた。

「えっ、アリシア、お酒飲んだの?」

「う、ん、ちょっとね。ちょっとらけね」と呂律ろれつが回っていない。

ジャネットが「私がアリシアを連れて行きますね」

「うん、そうだね、寝かせて」

「はい、わかりました」といってアリシアとジャネットとコリンの3人は連れ立って歩いていった。

もうほとんどの村人は寝ているか、いなくなった。

ヒルダが「アリシア、楽しそうだね」といって近づいてきた。

俺はアリシアとジャネットが去った方角を見ながら「そうだね」と言った。

ヒルダが、俺の横に座った。

「ねぇ、クリスは、あなたは本当に強いよね」とヒルダ

「そんなことはないよ」

「ううん、あなたは強い魔法使いだわ」とヒルダ

ヒルダは何が言いたいんだ?

「だって普通なら、空を飛ぶことなんてできる人、聞いたことがないもの」

「そうなの?」

「そしてあなた瞬間転移もできるじゃない」

「うん、見た通りだよ」

「どうやって魔法が使えるようになったの?」

「えっ、それは‥‥‥」

一度死んでからだとはいえないし、前世があるからなんて、言っても‥‥‥

「なんだか、あなたって秘密が多いのね」

「そうだね、男の子は秘密を持っているんだ」と気取って答えた。

「あっ、はっはっ、笑わせるわ」

「ねぇ、ヒルダ、ヒルダって、ここの村出身じゃぁないよね」と俺は気になったことを聞いてみた。

「‥‥‥」ヒルダは顔をこわばらせる。

「君みたいな女の子が、ここにいるには不自然だ。村人たちと比べても、君だけ雰囲気が違う」

「‥‥‥」

何も言わないことが、当たっていると言うことを指している。

「君は、ここの村人じゃなく、、どこかの貴族かい?」と聞いてみた。

「どうして、そこまで見抜いたの?」と俺に見えない位置で腰に隠した剣を握る。

「‥‥‥」

「言いなさいよ」とヒルダ

話していいか迷ったけどヒルダなら良いと思った。

「俺たち3人は、この世界の人間じゃない」

「えっ」思わぬ言葉に躊躇するヒルダ。

「俺たちは、未来から来た」

「えっ、未来から‥‥‥」

「そうだ未来から、ある奴を追ってきた」

「そんなの信じられないよ、そのある奴っていうのが悪いやつなの?」

「そうだ、犯罪者だ」

「クリスは憲兵隊なの?、それとも兵士?」

「いや、どちらでもない、俺たちは冒険者だ」

「冒険者?」

「そうだ、俺もアリシアもジャネットも冒険者だよ」

「えっ、嘘だ、冒険者が、どうして悪いやつを追いかけて、ここまでくるの?」

「それは、追いかけている奴が凶悪すぎるからだよ、奴は何をするか、わかったものじゃないから」

「そんなに凶悪なの?」

「そうだ、奴は大勢の人を殺している」

「‥‥‥クリスが殺さなければいけないの?」

「そうだよ、俺しかいない」

「クリス以外にはいないの?」

「そうだよ、俺しかいない」

そこに誰かが近づいて立ち止まる。

誰だ?

襲ってくる気配はない。

俺たちを監視しているような気がする。

いるには3人だ。

村に来たときに気がついていたけど、ここまで近くに来るとは、なんだ?

ヒルダじゃなく俺の方を睨んで剣は抜いている。

俺が狙いか?

でも、動こうとしない‥‥‥

服装は黒い服装をしている。

ただ殺気が強すぎるから、狙いは俺なのか、ヒルダを守ることにしたけど、2人して結界魔法の中に入った。

そして俺だけ、素早く短剣を抜きながら転移した。もちろん転移先は、黒服の頭の後ろに。

「あれっ、クリス‥‥‥」とヒルダが呼んでいる。

俺は短剣で黒服の頭らしき奴に「誰だ、貴様、どうして、俺を狙う」と低音で聞いた。

「他の奴ら、動くな」と俺は残りの2人に言う。

頭は「くっ、どうしてわかった」と聞いてきたので「簡単なことさ」とだけ答えた。

ヒルダが慌てて立ち上がり俺たちの方へ近づこうとしたけど結界魔法で勢い余って頭をぶつけて湿疹した。

頭は、「姫様」と叫んだ。

姫?

ヒルダは姫なのか?

「お前ら、ヒルダの護衛か?」

「そうだ、我々はヒルダ姫の護衛をしている」

俺は突きつけていた短剣を首元から下ろした。まだ安心はできないけど。

黒服は顔に布を巻いて隠しているけど、声は村長の声だ。
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