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第480話 イーノック王国をかけた戦い2

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第480話 イーノック王国をかけた戦い2

俺とバリー公爵の国をかけた決闘になった。

バリー公爵は、私兵頭のボブを使って戦ってくるみたいだ。

ボブは筋肉質で体が大きくて190センチはある大男だ。腕の筋肉もすごくて力が強そうだ。

以前は冒険者をしていたであろう風貌がある、そして冒険者のランクも高かったんじゃないのかな、昨日見た感じでは、そう思える。

俺たちは、全員で部屋から出てきて通路を歩いていくけど、今からいくのは闘技場だ。

闘技場について周りを見渡すと、結構、大きい。かなりの人数が座れる観客席もあり、観客席から見下ろす感じで、戦う場が広くとってあるみたいだ。

俺たちは全員で、戦う場にいるけどイアンとキャサリンも横にいる。

反対側にバリー公爵が見えた。

「よく逃げなかったな」とバリー公爵。

「逃げる必要ないだろ」と俺。

「減らず口ばかりだな、吠え面書くなよ」とバリー公爵。

俺は知らないふりをして「俺はお前と国をかけて戦うのか?」と聞いてみた。

「俺じゃない、うちで最も強い奴が相手する」

「なんだ、おまえじゃないのか?、お前、弱そうだもんな」

「うるさい」

「お前の相手は、おい、ボブ出てこい」と言って出てきた奴は‥‥‥

うっかりしていた‥‥‥つい戦うのが昨日見たボブだと決めつけていた。

念話『全員、警戒体制』と警告した。

『えっ、ご主人さま、どうしました?』とアデルが聞いてきた。

『あれは、人間の皮を被ったウルフだ』と念話で告げた。

『みんなイアンとキャサリンを守って』と告げる。

みんなは警戒体制を引いてイアンとキャサリンの周りを囲った。

そして俺は、2人に強力な結界魔法を張った。

今回は、メンベーには結界魔法を張ることはしなかった。

俺たちが何も言わずに動いたことでイアンとキャサリンは、何事が起きたのか理解できない感じだったが、不安そうな顔をしている。

「何が起きているんです?」とキャサリン

「しっ」とジャネットと言って黙ってもらう。

キャサリンとイアンも何かが起きていると感じている。

2人は、みんなが見ている方を見る。その先には、バリー公爵と入口から現れた人を見ている。

でも見ても、2人には意味がわからないみたいだ。

でも先ほどみたいに言葉を話さないだけ、まだ良い。

全員でバリー公爵の方を凝視する。

バリー公爵は、わかっていないみたいだ。

ボブと思われる奴が、ゆっくりと歩いてバリー公爵の横に立つ。

「おい、ボブ、奴が相手だ、勝てば、お前はイーノック王国の宰相だぞ」

「‥‥‥」

「金も女も好き放題だぞ」

「‥‥‥」

ボブに憑依したウルフは何も言葉にしない、そこが、また不気味だ。

以前のような軽さがない‥‥‥。

「おい、ボブ、どうした?」とバリー公爵はボブの肩に手をかけた。

「うるせえよ」と言って左腕を動かしたかと思ったが拳がバリー公爵の顔に当たり「グシャ」と変な音がして、バリー公爵は血を噴き出しながら倒れた。

索敵魔法で確認したが生きてはいない。

ボブだった奴は一気に皮を飛び散らし中から姿を現した。

「よお、勇者、よく俺だってわかったな」とウルフ

「お前、何回、同じ手を使うんだ?」と俺

「結構、うまく変装していたのに、残念だ」

「お前、元の奴は、どうしたんだ?」

「元の奴? ボブだったか? 生きているわけないだろ」とウルフ

「そうか」

「さぁ、イーノック王国をかけて戦おうか?」とウルフ

「お前とは約束していないぞ」

「じゃ、こんなチンケな国、いらねえや」

やはり国が目的じゃない‥‥‥

ウルフの奴は何が目的なんだ、俺を殺すことか?

「お前の目的はなんだ?」

「俺の目的?」

「そうだ、どうして、ここに現れた?」

「そんなん、決まっているだろうが、勇者を滅ぼすためさ」

「俺を滅ぼす?」

「それ以外に何があるんだよ」

殺すのではなく、滅ぼす? 言い間違いか?

何か、引っかかる‥‥‥

言い間違いであれば問題はないが‥‥‥なんだろう、この感じ‥‥

「さぁ勇者よ、戦いだぜ」と言って前に進んできた。

念話『みんなは警戒体制を維持して』

『うん、わかった』とアリシア

『ご主人さま、お気をつけて』とジャネット。

「おいウルフ、ここじゃ、街が壊れるから、移動しようぜ」と持ちかけてみた。

「別に街が壊れても俺には関係ねえぜ」

「なんだよ、俺に負けるのが、怖いのか?」

「そこまで言うんだったら、付き合うぜ」と乗ってきた。

「よし、ついてこい」と俺は飛行魔法で飛び立つ。

遅れてウルフの奴も飛び立つことを確認して街の外に飛んでいく。

飛んでいきながら、俺が目を離した隙にウルフは街にファイヤーボールを放った。

もっと上空からの攻撃だったら、間にあったかもしれないが、飛んで、まだ上がっていない攻撃だったから、街は炎に包まれる。

「お前、何をする?」

「いや、攻撃しないと約束なんかしてないぞ」

念話『ジャネット、街を救って‥‥‥』とだけ頼んだ。

『はい、了解です』とジャネットから念話

すぐに水魔法で消し止められたけど、死人や怪我人は出たと思う。

俺はウルフに注意を向けながら飛んでいく。もうこれ以上の攻撃を街にさせないために。

やっと街の外に出てきて、かなり飛んできたので、ここらで良いだろうと思う。

「ここで、やろうぜ」と俺。

「ああ、いいぜ」とウルフ

俺とウルフは、まだ飛行魔法で飛んでいる。

「お前を殺したあと、女たちも殺して一緒に地獄に送ってやるよ」

「そんなことさせるかよ、第一に地獄にいくのは、お前だけだ」と言っていたら人の気配がしている。それも俺の後方から。

この気配は人間じゃない、魔族だ。

後方から魔族が俺を狙っているみたいだ、どうする?

魔族は5人いる。かなりうまい隠蔽魔法を使って姿を隠しているけど、気配でわかる、俺も以前とは違うからわかる。

ウルフよりもタチが悪いのは魔族だ。

ウルフを適当にあしらって、魔族から討伐することにした。

ウルフが、突然、突進してくる‥‥‥。いつの間にか出した剣を持っている。

俺も急いで剣を異空間から出して構えるけど、もう目の前だ。

異空間から出した勇者の剣でウルフの剣を弾き返した。

ウルフは当然、剣で俺を殺せるなんて思っていないから、ドス黒い魔力を放出した、剣から伝わってくるドス黒い魔力が一瞬、俺の剣にまとわりつく。

しかし俺は聖属性魔法を発動してドス黒い魔力を霧散させた。

ウルフの奴が聖属性魔法を嫌って俺から離れる。

俺は、以前、獲得したもう一つの剣を異空間から取り出す。

「お前、二刀流かよ」

「ああ、そうだ、しかし今日からな」

「お前の青く光る剣はわかるが、赤く光る剣は、なんだ?」

「お前に答える必要はない」

ウルフの奴は、どうも赤く光る剣を嫌がっているような感じがする。

どうしてだ?

ウルフが嫌がるのは聖剣の青く光る剣と、そして聖属性魔法だと思うんだが。

俺の左手に握られているのは次元超越剣と言う名前だった。

ん?次元?

超越ということは超えると言う意味だな。

次元を超えることができるのか? この剣で‥‥‥

赤く光る剣は、一度も使ったことがない、意味がわからなかったからだ。

でも、ここにきて意味があるように感じる。

そうか、俺は、この剣を、どうにか使って次元を超えることができるのか?」

どうやるんだ?

でも、今はウルフの奴と魔族に集中しなくては‥‥‥

俺は先ほど考えた方法で魔族から討伐することにした。

今はウルフの奴は、俺の赤く光る剣を気にかけているから、集中しきれていない。

一気に後方にいる魔族を倒すことにした。

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