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第435話 勇者クリスの休養

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ウルフの存在がいなくなり、俺も殺されてから体を休めていないし、なによりも心労がひどい。

しかしウルフは人でもないし、神が作った神獣なので、非常に厄介な存在だ。

つまり、殺しても、殺しても、不死の可能性もあるから、俺は魂を滅却することをしたけど、神ならば、復活させることは容易なのかもしれない。

以前から神レイチェルが、俺のことを様付けで呼ぶのか、気になっていることもあるけど、レイチェルは、あの時、自分よりも下だと言っていたが、下のやつに様付けはおかしい

多分、ステイタスを開くことができれば、神の寵愛とでも書いてあるのか、または俺が生まれる時に、神が関与したのかもしれない。

俺が生まれるように‥‥‥

全て、なんとかくだけど、わかってきた。

俺が、どうして、これほどの能力を持ち得たのか!

色々なことがわかってきて、繋がってきたけど、本当に、疲れたよっ。

今はウルフもいないから、ゆっくりしたい。

俺は、ボールドウィン王国の温泉街から少し外れた丘の上に立っている屋敷に戻ってきた。

遠くでは、俺たちが大変なことをしていることも知る由もない人たちが騒いでいる声や音楽が小さく騒めきとして聞こえてくる。

俺は、今は温泉に入らないで、部屋のベットの上に横になっている。

窓が空いているから、少しの音楽が風に流れて聞こえてくる。

爽やかな風が入ってくる‥‥‥

「ふぅっ」と上を向いた時にため息が出てしまう。

俺が15歳の時に村を出てから、1年後にアリシアが怪我をして呼ばれて、帰ったきりで、帰っていない。

以前だけど、親から手紙が送られてきて、噂が村まで広まっていると嬉しそうな文面だったけど、一緒に住むことも考えたけど、俺たちは必然的に夜中でも行動することも多く、心配させてしまうこともあると俺は考えた。

心配しながら待っている身になれば、辛いことだ、だから知られなければ心配しようがないから、強引に屋敷に住むようには、いえなかった。

両親も、子供の世話にはなりたくないと言う手紙で、 あなたたちは自分たちでしっかりとがんばって生活しなさいと書いてあった。

両親が懐かしい、でも、今は帰ることはできない、どうしてかって言うと、悪い奴らに狙われることもあるから。

連絡したり帰ることは、それだけ騒ぎにもあるし、悪い奴らに狙われることもあり得る。

どこにでも妬む奴もいれば、盗賊もいる、誘拐目的の犯行も多い。

こんなときくらい、昔を思い出しても、バチには当たらないと思う。

俺は村を出たのが15歳に誕生日、今は、18歳になったところだ。

村を出てから、1年間は、ソフィア、イザベラ、コリンと冒険者をしていた。

その後から生活が変化してきた。

だから、ここ2年間は目まぐるしいことをしている‥‥‥

それにしても魔族かぁ。

なんだか、わからないけど、その言葉には、思いがある。

あったこともないけど‥‥‥、調べてみると魔族とは、人や神に敵対する存在だと記してあった。

その魔族と神が結託しているとしたら、どうなんだろう?」

なぜ、あの場にレイチェルと生命の神クリスティアナが現れたのか? 偶然か?

あの時、神クリスティアナは、俺に言っていた、「更なる試練がある‥‥‥」と

運命の子かぁ

こんなことなら村でゆっくり畑を耕していればよかった。

アリシアとも、もしかしたら結婚できたかもしれないし。

ベットに寝そべりながら、天井を見ている。

別に天井に何かがあるわけではないけど。

「‥‥‥」

ウルフの奴は、多分、もう一人の奴が復活させるかもしれない‥‥‥

それだけの能力がある奴だ。

ウルフが復活する前提で考える必要もあるけど、今日、奴がいなくなったから、そうすぐではないと思う。

考えても頭が疲れるだけだから温泉に入りに行こう。

俺は立ち上がって部屋から出ることなく、タオルを持って、温泉棟にいく。

この温泉には、露天風呂が一つだけ、でも誰がか入っていると、入りにくにくいな。

検索魔法で脱衣場を確認すると誰もいない、そして露天にも誰もいない。

「よし」と言って脱衣場に瞬間転移してさ、さっさと脱いで露天に入る。

「ハァ~~~」と吐息が漏れる。

遠くで音楽や人の声が小さく聞こえるけど、今は夕方なので、まだ、星は少ししか見えない。

やっぱり温泉に入るのは、夜か夕方が最高だな。

と思っていると、やっぱり、声が脱衣場から聞こえてきた。

脱衣場から顔をだしたのは「あ~、やっぱりクリスが入ってる~」とアリシアだった。

顔を引っ込めて、タオルを巻いて温泉に入ってきた。

それも、全員いた。

一気に温泉が狭く感じる(太っていると言うわけじゃないぞ)

静かだった露天が騒がしくなってくる。

流石に、もう温泉の湯船で泳ぐ人はいないけど。

「クリス、ちょっと聞いていい?」とアリシア

「えっ、なに?」

「クリスって神だったよね」とアリシア

「うん、そうだね」

「どうして神の力を封印していたの?」とアリシア

「それは使い方がわからないし、強すぎる力は碌ろくなことにはならないからだよ」

「じゃ、今までは、なんの力を使って戦っていたのよ」とイザベラ

「えっ、それはほとんどは自分の力だよ」

「!、てっきり勇者の力だと思っていたけど‥‥‥」アリシア

「勇者の力だって、何かわからないようなものだよ。時には、使っていたかもしれないけど、ほとんどは自分の力の方が多いと思うよ」

「へ~」アリシア

「あっ、でも、ウルフと戦った時は、、神の力なのかな?」

「なのかな?‥‥‥」とソフィア

「うん、だって、どの能力を使うかは、いちいち考えていられないよ」

「そ、そうだよね」イザベラ

「人間のクリスの能力、勇者としての能力、神としての能力なんて、どこで決めるのさ」

「だよね~」とアリシア

「だから強い力を使えば、神の力かもしれないと言う程度だよ」

「でも、ウルフと戦っている時は、クリスの体が光輝いていたよね」とアリシア

「そうそう、以前ほど眩しくなかったけど」とイザベラ

「あっ、あれは、神の力に近いと思うよ。でも神の力かな? 聖属性の力と言った方がいいと思うけど」

「じゃ、あの小さい火の玉は?」とソフィア

「あれは、う~ん、どれだろう?、俺でもわかんないや」

「そ、そうなんだ」とアリシア

「俺って必要に応じて使うようにしているから、でも、ウルフと戦った聖属性魔法は、最高レベルの魔法だから、強いていえば神の能力かな?」

「ふ~ん」

「でも、使えば、使うほど、どう説明したらいいかな、能力が拡大していくから、今までは勇者の能力だと思っていたものが、次回、使うときは、更なる能力が向上してできるようになっているから、もう勇者の能力とはいえないと思うんだ」

「つまり発展途中ということ?」とアリシア

「簡単にいえば、そうなるけど、一言では説明できないよ」

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