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第406話 ボールドウィン王国の亡霊2

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第406話 ボールドウィン王国の亡霊2

俺たちは食事を終えて、また、仕事に戻る。

井戸を掘ること、掘り終えた井戸を兵士が数人で警護すること、と言うのは犯人がわかっていないから。

誰が麻薬を井戸の中に入れたのか、それも全部の井戸に。

もしかして魔物が出現したのは、街の井戸の周辺なのか?

「王様、魔物が出た位置を確認したいんですが、もしかして井戸の近くですか?」

「確認をしてみよう」と行って、王は地図を広げて、宰相に位置を示させる。

城の場合は、魔物が出て、兵や騎士が出払った時に、狙われたのか?

だから、まだ麻薬汚染に気が付かなかったのか?

麻薬を井戸に入れても、大量では怪しまれるから、そんなに大量ではないと言うこともある。

麻薬は高額だから、流通ルートかも探せるか?

「王様、麻薬の流通ルートがわかりませんか?」

「わかった、それも調べてみよう」

「クリス殿、ここが魔物が出た位置になる、そしてここが井戸があるところだ」

「ほぼ、同じですね」

「と言うことは、もう全部の井戸に入れ終わったと言うことで魔物が出なくなったのか?」

「‥‥‥そう言うことも言えますね」

「大変なことじゃないか?」

「‥‥‥」

「クリス殿、何か策はないか?」

「まずは水ですね、川から水を運ぶことをしなければなりません、まずは城で使う分を確保して、それから、徐々に王都の水を使用できないようにしていき、同時進行で、井戸を掘っていきます。
水脈自体は影響がないと思いますから、俺たちが水脈の位置を確認して、新しい井戸を掘る位置をマークしていきますから、それを王都全体に広げるしかないと思いますが、他に案はありますか?」

誰も答えを持っていない‥‥‥

「以前、経験した麻薬の町では、ここほど大規模な町ではありませんでしたから、王都と違い、一人の伯爵の領地でした。
その街では、人の目は虚になり、壁に寄りかかってぼーっと過ごすような人ばかりで、俺たちも気がついたのは料理の味が徐々に変になってくるから、わかったんです。
帰ってから、料理の味が変だと気がついて麻薬だと気がつきました。
だから大急ぎで、この国に帰ってきたんですよ」

「そ、そうだったのか、今まで気が付かなかった」

「多分、まだ麻薬成分が浸透していないせいだと思います。
でも、一度、井戸に入れられた麻薬は、しばらくはあると思いますので、多分。数年は使えないかと」

「でも、以前の経験があったからこその対処法があると言うことだな。
我々には、そこまで対処することができなかったと思う、本当に感謝している、クリス殿」

「多分、俺たちが来なければ麻薬汚染で国が崩壊していた可‥能性があり‥‥ますね‥‥‥」

俺は喋りながら、考えていた。

今、俺たちは、ボールドウィン王国に釘付けで動くことができない‥と

く、くそっ、これも揺動か?

やはり、おかしい、どこかが変だ。

何も起きていなければ良いが、起きているのであれば早く見つけなければ、まずい。

でも、今は、ここを動けない‥‥‥

これが狙いか!

俺たちを、ここに釘付けして留めておくことか?

「すいません、王様、ちょっと外の空気を吸ってきて良いですか」

「ああ、もちろんだとも、忙しかったから、外で気分転換してくれ」

俺はベランダに出てきた

そこにアリシアが入ってきて「あれっ、クリス様は。どこにおられるのでしょう」と言っている。

「今は、外で新鮮な空気を吸うと言ってベランダにおるから、言ってみるといいぞ」

アリシアは、俺の方を見て「いいえ、王様、あんな時のクリス様は、何か考えことをしているから、邪魔はしないほうがいいと思います」

「そ、そうなのか?」

「はい、間違いありません」

「確か、アリシア殿も、クリス殿と長い付き合いだと勇者物語に書いてあったが」

「はい、私とクリスは、幼馴染ですから、小さい時から知っています」

「だから、わかるのか?」

「いいえ、昔のクリスは、普通の男の子でしたから、よく私がいじめていました」

「そんな幼少の男の子が、良くあのような立派な勇者になることができたものだな」

「はい、クリスは、冒険者になってから、大変な努力をしてきました」

アリシアが窓越しに俺を見ている。

アリシア「本当は、私だけのクリスでいて欲しかったんですが、今では世界がクリスを必要としています」

王「わかるような気がする」

「クリスは、勇者物語にも書いてあることをして、田舎の村の男の子が、今では世界が必要とする人ですからね」

「アリシアよ、お前は、本当に勇者殿が好きなのだな」

「はい、メンバー全員がクリスに恋をしています、王様
クリスは自分からは一切、手を出してきません、こんなところは昔のクリスのままなんです」

みんながクリスのことを好きだと言って、自分を誤魔化した。

好きなのは私が一番だと思っている、誰にも負けない‥‥‥

村で良く遊んだ記憶が思い出される。

クリス、早くしなさいよって言っていた記憶‥‥‥

もう、あのクリスはいない‥‥‥ 少し寂しいな‥‥‥

私が、ベランダの窓越しにクリスを見ていたら、急にクリスが振り向いた。

その姿には、本当にドキッとさせられる。

扉を開けながら、「なんだアリシア、来ていたの?」

「う、うん」 少し顔が熱い

そんな、俺たちを王は見ていた。



俺は、街に広がる麻薬の量が多くはないことを検索魔法でベランダで確認していたんだけど、俺の魔法で、どうにかなるような気がしていたから。

「アリシア、全員を、ここに集めて」クリスの顔つきが違う、いつもの自信がなさそうなクリスジャなく、今は勇者の顔をしているクリスだ。

私は、横の部屋に待機しているメンバーを全員、王がいる部屋に集めた。

「王様と宰相も聞いていてください、新しい作戦です」

「おお、そうか、で、どう言う作戦をするのだ」

「今から、メンバーを二つに分けます、街に出て井戸を掘るメンバーと、俺に協力してもらうメンバーに」

街に出て井戸を掘るメンバーには、警備をつけてください、井戸を掘っている時に、狙われることもありますので」

「わかった」

「そして井戸を掘るメンバーが立ち去った後の井戸も警備をお願いします」

「ああ、それも了解した」

「井戸を掘るのは、大量になるから、それぞれで水脈を確認して確実に井戸から水が出れように無駄がなく実行してほしい」

井戸を掘るのは、アリシア、ソフィア、イザベラ、コリン、セラフィーナ、シャーロットとアレク、アデル、エイミー、アイリスに頼むよ」

アレクとアデルとエイミーとアリシアを中心にメンバーを組んで、そして街中も瞬間転移で移動してくれるとありがたいからね」

「はい、わかりました」

「そして残りの、ジャネット、ロゼッタ、パトリシアの3人は、俺と協力ね」

「じゃ、作戦開始」と俺が号令をかけると、街に行くメンバーは走っていく。

その時に、嬉しそうに、アイリスとエイミーとアレクとアデルの4人が、俺の前で立ち止まって敬礼をして出て行こうとしたけど、俺がとめた。

せっかくニコニコして敬礼をしたけど、留められたので、怒られるのか、緊張する4人。

「ちょっと待って、実験してみるから、気がついたことがあってね」

俺は、テーブルに広げられたままにしている大きな地図を見ている。

「じゃ、全員が、俺に協力をしてもらおうかな」と伝える。

「クリス、何もするの?」

「俺に魔力を流すこと」

「えっ、そんなことできるの?」

「うん、たぶん、やってみないとわからないけど」

「ちょっと、みんな集まって」と言うと全員が俺の周りに集まる。

俺が手のひらを上にして前に出す。

「全員で、この上に手を置いて」

1番に手を置いたのは、イザベラ

イザベラの次にアリシアが置いて、順々に置いていく。

一番、上にジャネットが手を置いたので、俺の反対の手をジャネットの掌の上に置いた。
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