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第390話 フレーゲル伯爵2

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第390話 フレーゲル伯爵2

オズワルド王国からもらった屋敷に賊が潜入している。

総勢6人だけど、見張りの一人は、ジャネットとロゼッタに捕縛してもらっている最中だ。

犯人は意識を失っているので、頭のところを見たらコブがある。

まぁ、これくらいは当然だよね、血が出ていないだけ、良しとしよう。

本当なら、これくらいじゃ済まさないところだけど。

あとは屋敷の中に侵入した男5人だ。

この中にフレーゲル伯爵と話をしていたリーダーが2階に上がってきている。

俺は、待つことにした。

ヒッヒッヒ、どんな目に合わせてやろうか?

拷問か? それとも裸にして鞭か?

裸にして街中を馬に乗せて歩くのもいいな、でも、それじゃ、馬がかわいそうだ。

なんてことを考えていたら、エイミーが俺の顔を見ていた。

「ご主人さま‥‥‥」 

「冗談だよ」と言ってみたけど、エイミーは信用していない。

「本当だよ、あっ、もうボスが2階に上がったよ」

「もう、本気でしたよね」とボソッと言うのが聞こえた。

俺は屋敷に侵入した5人の男をみている。

男たちは、本当にプロみたいな動きをして音も立てずに部屋を確認している。

つまり、この男たちは、こういうことをする専門家で、それで雇われているんだろうな。

以前の様な誘拐犯とは格が違う。

暗殺のプロだろう。

まぁ、ほとんどが冒険者、上がりかもしれないけど。

ボスが俺たちが寝る寝室にたどり着いた。

大きな部屋にベットが多数あるけど、どのベットも誰かが寝ている、というか、俺の分身体が寝ている。

扉がゆっくり開けられて、ボスが先頭になって中を確認している、そして他の男たちに合図を送り、指で中にいると言う感じで合図する。

男たちが静かに部屋の中に入り、ナイフを掲げる、寝ているのが男性か、女性か、わからないから、確認することだと思うけど、いきなり切り付けることはしないと思うけど、

「みんな、用意は良い?」

複数単位で手を繋ぎ、転移の瞬間を待つ。

あ~、なんだか、ドキドキする。

みんなの目を見てみると、やはり、そんな感じ。

神獣たちが見ている光景を手を繋ぐことで、全員が見ている、それを知らないのは、賊だけ。

もう、すぐ、ベットに賊の男が近づいてくる。

脅すためのナイフを構える賊。

他の男が、毛布を捲る準備をしている。

ナイフを持つ男が、頷いて、別の男が被っている毛布を一気に剥ぐ。

そこには、俺の分身体が寝ているわけだから、男は殺す対象と判断して、俺が動き出す前に、持っていたナイフを刺す。

俺は、刺されるのは分身体でも嫌なので、刺される前に分身体をタイミング良く消した。

「さぁ、みんな、行こうか!」と俺が号令をかけると、

全員が
「はいっ」
「了解」
「わかったわ」
「任せて」などと言いながら瞬間転移していった。

俺は、行きたがったけど、残ることにした。

他の分身体も起きたみたいだから。

分身体の自立行動に任せることにした。

なぜなら、アリシアが俺を呼びにきたからだ。

「女性が目が覚めた」と言うことで。

俺は呼びにきたアリシアと共に、客間で寝ている40代から50代と思われる女性の部屋に行く。

アリシアが扉を開けて、、次に俺が入ると、女性が着替えているところだった。

アリシアは、すぐに俺の目を手で塞いでしまったけど、しっかりと見えました。

ここでは、表現は避けておくけど、立派なものを見ることができました。

そしてアリシアが、俺に手で目隠しする時に、近くにいるし、胸が当たっているから、黙って堪能させてもらいました。

アリシアが手を外してくれた時には、女性は着替えが終わっていた。残念。

「こちらが、助けてくれたクリス公爵です」とアリシアが紹介してくれる。

「私は、この王国の王の側室です。
あっ、でも、今は側室じゃないから、そうね、第三王子の母親です」と女性は言ってきた。

「第三王子というとランドルフのお母さんですか?」

「はい、そうです」

「今、ランドルフは王になっていますから、ランドルフ国王ですね」

「まぁ、そうなんですか?」

「はい」

「そんなに日にちが経っているなんて、驚きです」

「じゃ、いつから捕らえられていたんですか?」

「えっと、確か、ランドルフが、戴冠式を予定していた時からです」

「どこで拉致されたんですか?」

「呼び出されたんですよ、フレーゲル伯爵に」

「どうしていったんです」

「それはフレーゲル伯爵は、この国でも実力がありますから、そんな方が息子の援護をしてくれると言うことでしたので、それも他の人には黙って来るように言われていたんです」

「そうですか」

「はい、他の誰にも言わないできたのが、アダになりました」

そこに念話が入った。

「すいません、ちょっと急用が出来まして、席を外します」と言って俺は部屋の外に出てきた。

念話で『はい、こちらクリス』

『あっ、ご主人さま、申し訳ありません』

『いいや、いいよ、どうしたの?』

『それが全員、捕まえまして、それから、どうしようかと』

『あっ、そうか、それを決めてなかったね、全員、怪我はない?』

『はい、大丈夫です』

『う~ん、どうしようか?』

『このまま、見張りをつけて置いておきますか?』

『そうだね、あっ、ちょっと待ってくれる、そのままにしておいて』

『ちょっと、念話を切るね』

『はい、了解しました』

俺は部屋に戻って、女性に話す。

そうしたら俺が話す前に「あの、こちらの女性に聞いたんですが、あのあなた様は、あの勇者物語の勇者クリス様ですって?」

「はい、まぁ、そうです」

女性はベットから立ちあがろうとしたけど、アイリスが止めた。

「申し訳ありません、本当に勇者様だったなんて、このようなベットに座ったままで、失礼します」

「いいえ、今は緊急事態ですから、大丈夫です」

「あっ、ちょっと城に行ってきます」

そう言って俺は、ランドルフの執務室の端っこに転移した。

まだランドルフは仕事をしている、夜中なのに大変だね。

まぁ、俺たちも同じだけど。

「ランドルフ、ちょっと良い?」

「あっ、クリス様、こんな夜更けに、どうしたんです?」

「ちょっと休憩しようか?」

「えっ、休憩ですか?」

「うん、そう休憩」と言ってランドルフの腕を取り立たせて、近くにいた文官、数名に10分くらい借りるね、と言って転移した。

ランドルフと瞬間的に転移してきたけど、ランドルフの目の前には、違った景色が現れる。

戻ってきた俺は、ランドルフと伴って、現れることになったが、アリシアが女性に説明してくれたみたいで、助かった。

ランドルフの目の前には、少しやつれた女性がうつる。

ランドルフは女性をみると「お、おっ、これは奇跡か?」と言って涙を流し出した。

そしてランドルフはお母さんに抱きつく。

「もう、ダメだと思っていました、国政のため、母上を見殺しにするか、迷っていました」

「私も、国のため、命を捨てる覚悟でした、でもあちらの方が助けてくれました」

ランドルフが俺の方を見て「クリス様、また、あなたに助けていただきました。私は、何をあなた様にお返しすれば良いのか?」

「そんなものいらないってランドルフ」

「これは、俺たちが勝手にしたことだから、国も君になら任せられるけど、色々な人がいるからね、大変だろうけど、君しかいないから」

「はい、ありがとうございます、クリス様‥‥‥」

「感激しているところ、悪いんだけど‥‥‥ちょっと急ぐことがあるんだよね」

ランドルフは立ち直って「はい、なんでしょ、クリス様の言うことならなんでも‥‥‥」

「いや、そうじゃなくて、お母さんが捕らえられていたのは、フレーゲル伯爵の屋敷の庭にある小屋なんだよね」

「やはりフレーゲル伯爵が母上を拉致していたんですね、私も、何処かから私を脅迫する文書が送られてきて、脅されていたんです」

「そうなんだ、そして、俺の屋敷にフレーゲル伯爵が送った暗殺者が6人いるんだよ」

「えっ」

「今日、もらった屋敷に賊が侵入してね、その賊はフレーゲル伯爵の指示で動いていたと自白したんだ」

「そうなんでね」

「うん、そいつらの処分も任せるから、連れていって欲しいんだよ
そして、フレーゲル伯爵も、捕らえることも‥‥‥」
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