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第356話 オズワルド王国3

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第356話 オズワルド王国3

誰かに意図されたと思われる夢の中から、俺は目を覚ました。

俺が目を覚ましたけど、頭は、今見たことで占められている。

「ごめん、俺、寝ていたみたい」

時計を見ると俺が寝ていた時間は、ほんの数秒

「えっ、そう、気が付かなかった」アリシア

「ご主人さま、誰かの操作の形跡があります」

全員が立ち上がって、周りを見渡すけど、なにもない。

剣を取るものまでいるけど、見つからない。

なにもいないし、見つからない‥‥‥、これが、どういうことか、なんとなくだけどわかる。

「うん、俺も、そう思う」

俺は、それ以上、なにも言わずに考え込んでいる

その時は、全員が黙って静かにしている。

誰が、それに仕掛けてきたのか?

それは今はわからない。

でも、あの感覚、何処かで記憶がある。

俺に何かをさせる、村を出るときに感じていた焦りみたいな記憶のこと。

俺が冒険者になって、急ぐ必要があった何かのこと。

その記憶に似ている。

俺を15歳の時に冒険者として親から引き離した奴のこと。

そして俺が今まで何かを急くように作り上げた国同士のつながり、全てのものがそこにある。

前世の記憶をもつアルベルトと、クリスの統合ができて、今の俺がある。

それが8歳の時だ。

今の俺はアルベルトでもないし、クリスでもないけど、全く違うものとして存在している感じが、いつもしている、俺は、それが勇者だったり、神だったりしているからだと勝手に思い込んでいた。

でも、たぶん、それも違う、全てを統合された存在が、今の俺だ。

だから、アルベルトでもありクリスでもあり、勇者でもあり、神でもある自分、それが一つに統合され始めた。

最近は、そう感じる。

今までは、チグハグだった自分が、変わってきている。

半端者から、一つの人格になってきている。

なんだ、この感覚?

しかし、数秒でも夢の中で感じた、懐かしいような感覚は、どうしてなのか、わからない。

今でも時々は、夢の中に感じることはあったけど、あれほど鮮明に感じることは、今までなかった。

一晩寝たけど、あの夢は出なかった。

今日は、デューク伯爵に会いに行く日だ。

もちろんデューク伯爵に会いに行く時は、ロードリック王子が同席するので、今は、一緒に馬車の中にいる、そして他の馬車には、なぜか、メンバー全員が数台の馬車に乗っている。

俺一人でも良いようなものだけど、どうしてか、わからないがデューク伯爵の要望らしい。

俺とロードリック王子だけが、同じ馬車に乗っているので、なんだか、気まずい。

ロードリック王子が「クリス様は、今まで、多くの国家的な事件に関わっておいでですよね」

「うん、たまたまね」俺は、あまり気乗りしない返事

「初めは、確か、オーリス王国の戦争になる話からでしたか?」

「いや、その前に、国王暗殺事件があったから」

俺は隠すことではないし、どうも俺の知らないところで、俺の勇者物語りが出ているらしい。

それも、かなりの本が売れて、在庫がないと言う話だ。

つまり大ヒットになっている。

俺の国だけじゃなく、隣国や、ここにも数は少ないと思うけど流通していると思うし、多分、ロードリック王子は本から知っているんだと思う。

一度、その本を読んでみないといけないと思うけど、実は、その本を書いているのは、なにを隠そう、コリンだった。

著者コリンで、タイトルは勇者物語りという話らしいけど、コリンから、書いて良いかと言われた時に、適当に良いよって言ったら、大ヒットになったそうだ。

まぁ、メンバーが書いているので、大嘘は書かないと思いたいけど。

今やコリンは有名作家になっているから、文章を書くのが上手い。

あの、いつも押し黙っているコリンが、有名作家かぁ

なんだか、信じられないけど、それで、かなりの収入をえているので、実家に送る分を増やしたけど、多くすると親が働かないということで、、今は減らしているそうだ。

兄弟の甘やかすと良くないと言うことで、お金も、小遣いもやっていないと言っていた。

ソフィアのうちも、俺が毎月、お金を払っているけど、自分も貴族になったから、多くは要らないからと、言って俺が預かっている。

うつのメンバーは、全員が俺が給金としてお金を出しているし、仕事では、俺がお金を払うことになっているから、あまり使うことはない。

暮らしも屋敷にある部屋があるから。

「クリス様は、大魔法使いなんですよね」

「そうでもないよ、できないこともあるし」

「えっ、そうなんですか?」

「そりゃそうだよ、俺だって人間だから、全知全能じゃないんだから」

「でも噂では、勇者と13人の悪魔、という二つ名がついているそうじゃないですか」

「それは普通に見える女性たちが強いから、俺が女性使いのように思われているからだよ。そして、そのことをメンバーの前で言わないでよ」

「もちろんですよ、言いませんよ」

「でも女性たちが強いのは、確かだよ、うちのメンバーの女性たちは、剣士よりも魔法使いだからね、でも魔法使いだからといって、侮ると大変な目に遭うよ、その理由はね、魔法で剣を跳ね返すくらい魔法力が強いからね」

「へー、そうなんですね」王子の顔色が青ざめている。

「うちの女性たちは、いつも俺の指導を受けているから、女性らしさを失うことなく、鍛えているから、そうは見えなくても、戦闘技術は、すごいよ」

「そ、そうなんですか」

「うん、そして女性メンバーの半数は空を飛べるし、瞬間転移もできるからね」

神獣たちのことだから嘘ではない。

たぶん、この国で、一番、筋肉に自慢の人や、魔法使いでも、うちのメンバーには足元にも及ばないよ」

「そ、それは怖いですね」

「怖いんじゃなくて、頼もしいんだよ、俺たちが、今、言えないけど、一つの事件を追っているけど、それには個人の強さが必要なんだよ」

「それほど大きな事件を抱えているということですか?」

「うん、そうだね」

「 私の知らないところでも、そんな大きな事件が起きているんですね」

「うん、まぁ、そんなところ」

「 だから多くの国を行き来して、いろいろなことを解決しているわけですね」

「‥‥‥」

「クリス様は、盟主だと聞いています」

「ああ、そんなことも言われているね」あんまり話したくないんだけど

「うちも加盟することはできますか?」

「えっ、加盟するの?」加盟すると、また厄介ことが増えるから‥‥‥

「ええ、ぜひ」

「あっ、そう、じゃ、話すことをしないと、他の加盟国がいい返事してくれると良いかな」

「はい、よろしくおねがいします」

もう、俺がイヤイヤ答えているのに‥‥‥

空気読まない奴、まぁ、仕方ないか、もし、今回の事件が、ウルフともう一人の策略だったら、という思いある。

結局は2人が絡んでいるかどうかもわからなかったけど。

しかし今回の事件は、不発に終わったんだと思う。

あ~あ、もう、このまま帰りたい。

大体、デューク伯爵が出向くのが筋じゃないかな。

俺たちが乗った馬車が、デューク伯爵の元についた。

俺たちは門番に、来たことを伝えてもらいながら、屋敷の門をくぐった。

そして玄関に到着して、階段を登っていくと、階段の両横には、多くの兵士や騎士と思われる人やメイドや料理の洋服を着た人や、侍女まで並んでいる。

なんだ? この騒ぎは?

両横の人が、なんだか、アイドルを見るような目で俺たちをみている。

キャ~ソフィア様とか、アリシア様、かわいいです、とか、ジャネット様、かっこいいです、とか、イザベラ様、キレイとか、セラフィーナ様、こっち向いてくださいとか、シャーロット様、可愛すぎますとか、エイミー様~とか、アイリス様~とか、アデル様とか、アレク様とか、名前を知っている人が多い、なんだか、すごい熱気だ。

使用人と思われる人でも、すごい熱気だ。

その騒ぎで、門のところに多くに人が並んでいる。

内側には入れないけど、塀の上に登ったりして、すごい騒ぎになっている。

一番、多い声は俺とコリンだ。

コリン様、ステキ、とか言われている。

やはり、これも本の影響か?
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