上 下
285 / 691

第274話 休養

しおりを挟む
第274話 休養

それぞれの国が友好を結ぶと連絡があったのは、その日だった。

俺たちは、神獣たちにも手伝ってもらい、瞬間転移を多用して国の要人を、それぞれの国に連れていくことをした。

今回は、神獣たちには、よく働いてもらった、

というのは大変、だったんだけど、オーリス王国(俺の国)、ダイラス連邦(丘に温泉がある)、サイラス国(誘拐された女の子の国)、ライオネル公国(セラフィーナの国、海辺の別荘がある)、ブラッドフォード大公国(誘拐事件の主犯の国・山荘があって温泉がある)、リッチェスト国(戦争を仕掛けてきて王が変わった国)、

一応、本当の調印は、オーリス王国で行ったんだけど、それぞれの国で形だけの調印式をしなければならないらしい。

調印式をオーリス王国を除く、5カ国でする必要があるので、大変なことになってしまった。

式典の当日、まずはオーリス王国での、本当の調印式をするため、他の国から、要人を連れてくることから始める。

連絡は、全て俺を経由すれば、取れるので、瞬間転移をしなくて済むのはよかった。

陶器のリンゴが通信装置なので、用事がある人がリンゴに触れると、俺への通信が始められる。

だから通信ができるリンゴは、いつも誰かがいる部屋に置かれることになった。

いつでも通信ができるように。

いつでも通信ができるのは、文官の部屋に置いている場合がある。

そして一応、メンバーを、それぞれの国に配置することにした。

アリシアとアレクには、オーリス王国

ソフィアとジャネットは、ダイラス連邦

イザベラとロゼッタには、ブラッドフォード大公国

コリンとアデルには、ライオネル公国

リッチェスト国には、パトリシアとエイミーとアイリスにした。

セラフィーナは時期、王様だからできないし、シャーロット王女も当事国だから、急がしそうだ。

そして俺は、オーリス王国が中央にあるのでオーリス王国の王城で。

俺が借りている部屋で、俺とアリシアとアレクがいるわけだ。

俺に連絡しなくても神獣たちは道具を使わなくても魔法通信を使えるし、瞬間転移もできるから。

その手助けとして、メンバーもいる。

俺に報告しなくても、動いてもらえるのは、すごく助かる。

数日、置いて、あとは全部の国で、形だけの調印式を行う。


俺たちは、国家的な行事を行ってきたので特別に、全ての国から感謝され、貴族位の子爵をもらうことになった。

ここ1ヵ月間は、かなり俺たちも忙しい日を過ごしていた。

そして今回の件で、俺に盟主になってほしいと懇願され、俺は了承したけど、なんだか俺が盟主と言うのも信じられないけど、しょうがない。

あまり表の舞台には立ちたくなかったんだが。

やっと国が少しずつでも、連携が取れるようになってきた。

そして調印式にも俺が、王族と並んで座っているので、人の噂になるくらい人気が出てきたそうだけど‥‥‥

「あの人は、だれ?」って、声をよく聞くことが多い。

ただのコマ使いですよって言いたくなるけど‥‥‥なんだって俺、もうすぐ17歳だけど、背が小さい。

もう伸びないのかな?


最近は忙しく、温泉に入りに行くこともできなかったので、久しぶりに休養とって、ブラッドフォード大公国の山荘に来ている。

この山荘は、山の上のほうの斜面に立っているので、景色は、すごくよく、空気も澄んでいて気にいっている。

以前、来たときに魔法の実験をしてしまい、屋敷周辺の木が、切り倒されて余計に見晴らしが良くなってきている。

温泉も硫黄の匂いが強く、温泉に来たと言う感じだ。

今回は初めて、新しく参加した神獣たちも一緒に連れてきた。

今回は14人で来ている。

あっ、そういえば、ここは家族風呂1つだった。

忘れていた!

温泉に入りたいと言うばかりに集中してしまって、脱衣場もなく、温泉も露天が1つだった。

決して、わざとじゃないよ

どうしようかと思ったけど、全員に説明してみることにした。

「うっかりしていたけど、ここには洋服を脱ぐ脱衣場も1つだし、温泉のほうも露天が一個だけなんだけど、どうしようか?」俺が聞くと、

顔を見合わせていた神獣たちが、

今まで一緒に入ったことがあるメンバーは関係ないと言ってくれたけど、それに続いてエイミーとアイリスも大丈夫だと言った。

問題はジャネットとアデルだけ。

「今まで、どうしていたの?」とジャネット

「タオルを巻いて入っていたんだけど」と俺

「じゃぁ私たちも、タオルを巻いて入ろうか?」とジャネットはアデルを向いて言っている。

アデルは、恥ずかしそうにしていたけど、了承した。

「本当は、私ここに入ったことがあるの」とアデルが言ってきた。

「えー、そうなの?」

「うん、実は姿かたちを見えないようにして、一緒に来てたんだよね」

「でも、その時にはタオルを巻くと見えるから、タオルをしないで入ってたの」とアデル

「でも、誰にも気づかれなかったから」

「その時に、見えての」

「えっ」

「クリスのアソコが」

俺は、顔が赤くなった。

アデルが何に恥ずかしそうにしていたのか理由が、やっとわかった。

思い出していたのか!!

なんだか全員が気まずい感じになってきた。

この空気を吹き飛ばすためにも、「じゃぁ入ろうか」と俺は、俺は言った。

なんだか空気が、変な感じになったけど、俺は思い切って言った。

壁際を向いて洋服を脱ぎだした。

こういう時は、さっさと洋服を脱いで露天に入ってしまおう。

脱衣場で俺は、さっさと洋服を脱いで、タオルを巻いて露天風呂に入った。

しばらくすると女性たち全員が、一斉に露天風呂にタオルを巻いて入ってきた。

タオルを巻いていても、わかるくらいブレンダの胸がすごい。

タオルからはみ出しそうだ。

あまり見ているのも良くないので、俺は景色を見ることにした。

今は夕暮れだ。

星が少しだけ見えている。


「みんな、これからは貴族としてのいいところもあれば、悪いところもあるけど、俺たちは基本的に今まで通りだから」

「貴族としてのしがらみも関係なく、今まで通りにやろうね」と俺は全員に対して言う

アリシアが「まさか、クリスに言われたことを一生懸命やってきたら、クリスが盟主になって、私たちが子爵になるなんて」

「クリスの、やってることって、国家的な行事だね」とソフィア

「一生懸命、周りで起こっていることを変えようと思ったら結果的に、なっちゃってるんだよ、自分でも不思議だと思うよ」と俺

「俺も初めて、伯爵になった時だって、オーリス王国に攻め込んできたガルシア帝国を、戦争が起きないように止めたのが原因だからね」

「本当は誰にも知らせることもなく勝手に自分だけでやっていたら、いつの間にか、それが国が知ることになってしまって、貴族になったんだよね」

ジャネットが「それが、アレクとパトリシアとロゼッタの3人が、あなたに、従った理由だと思う」

「本来なら、召喚されて、すぐに主従契約を結ぶ事はしないから」とジャネット

「私たちだって、簡単に主従関係を結ぶ事はないし、主従っていうのは、その人に従うわけだから」とジャネット

「クリスの、特性を見抜いたんだと思う、一番、初めにアレクが従った理由でもあるし」

「えっ、どういうこと」

「だって、虎っていうのは性格上、一番、疑い深いんだから」

俺はアレクの方を見たが、アレクは頭をかきながら、エヘヘと言っていた。

「そして聞いたら、アデルだって隠れたままで、ずっといたんでしょ」とジャネット

そうだった、以前アデルは隠密状態で初めから付き添っていたと言っていた。

「アレクもロゼッタもパトリシアも、そしてアデルも、見ていればわかるもの、あなたがいい人だって」

「だから、私もあなたに従うことにしたんだから」とジャネット

「あなたは、これからもっと大変なことになると思う、でもそれを乗り越えていけるだけの力がある人だから」とジャネット

「それは買いかぶりすぎだよ、俺なんて本当に小心者で、失敗ばかりだけど…」

「それは、あなたが、まだ完全に覚醒していないからだよ」とロゼッタ

「俺が、まだ覚醒していない?」

「そう」

ジャネットが「私には、予知する力があるの、それもかなり遠い未来まで」

「どうして、私たち7人があなたに出会ったのか、理由があるの」とジャネット

今日は、なんだか怖くなったが

「それは、どんな未来なの?」

「それは、あなたが、その時になったらわかること」

ジャネットは、「未来は、変えられるわ」

俺はちょっと精神的にショックを受けていた。

こんなに努力をしても将来を変えることはできないのか!

また、同じようなことが起きてしまうのか?

自分が死ぬ未来‥‥‥

せっかく、ここまで頑張ってきたのに!

時代の流れは、いつまでたっても変えることができないのか!

俺は悲壮な顔をしていた。

前世の300年前と同じように、俺は戦争に巻き込まれて死んでしまうのか?




俺の考えを察知したかのように、

「いいえ、これからのあなたしだいよ…」とジャネット
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。

飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。 ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。 そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。 しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。 自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。 アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

転生したら倉庫キャラ♀でした。

ともQ
ファンタジー
最高に楽しいオフ会をしよう。 ゲーム内いつものギルドメンバーとの会話中、そんな僕の一言からオフ会の開催が決定された。 どうしても気になってしまうのは中の人、出会う相手は男性?女性? ドキドキしながら迎えたオフ会の当日、そのささやかな夢は未曾有の大天災、隕石の落下により地球が消滅したため無念にも中止となる。 死んで目を覚ますと、僕はMMORPG "オンリー・テイル" の世界に転生していた。   「なんでメインキャラじゃなくて倉庫キャラなの?!」 鍛え上げたキャラクターとは《性別すらも正反対》完全な初期状態からのスタート。 加えて、オンリー・テイルでは不人気と名高い《ユニーク職》、パーティーには完全不向き最凶最悪ジョブ《触術師》であった。 ギルドメンバーも転生していることを祈り、倉庫に貯めまくったレアアイテムとお金、最強ゲーム知識をフルバーストしこの世界を旅することを決意する。 道中、同じプレイヤーの猫耳魔法少女を仲間に入れて冒険ライフ、その旅路はのちに《英雄の軌跡》と称される。 今、オフ会のリベンジを果たすため "オンリー・テイル" の攻略が始まった。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

孕ませねばならん ~イケメン執事の監禁セックス~

あさとよる
恋愛
傷モノになれば、この婚約は無くなるはずだ。 最愛のお嬢様が嫁ぐのを阻止? 過保護イケメン執事の執着H♡

処理中です...