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第218話 旅立ち
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温泉に来て、セラフィーナの気持ちが少し和らいだ気がしたので、本当に良かったと思う。
そして、セラフィーナはメンバーと仲良くなれたと思う。
「みなさん、ありがとうございます」
「セラフィーナさんも本当に大変でしたね」
「本当に酷い目に遭いましたけど、自分が世間知らずということがわかりました。そんな自分が嫌になるくらい後悔しています。」
セラフィーナは小声で「あの、ちょっとお聞きしたいんですが、公爵様は、お若いんですよね」
「うん、私と同じ16歳」とアリシア
「16歳の公爵の方って、もしかしてお父様が早くお亡くなりになったんですか?」
「えっ、違うよ」
「でも、普通だったら、お父様がお亡くなりになるか、引退して譲ると思うんですけど」
「クリスはね、もとは私と同じ平民なんだ」
「えっ、では…‥」
「それはね、今まで色々なことが起きて、それをクリスが解決して公爵の地位を喪もらったんだよ」
「普通は、すごい手柄を立てないと、慣れないはずですが、しかも貴族になれても、騎士爵からもらうはずですが」
「普通ならね」
「では、普通ではないと‥‥‥」
「うん、そう」
「 私たちの国、オーリス王国で王族の暗殺計画があったんだ。王様も、王子様、姫様も暗殺されようとしたんだよ」
「へーそんなことが‥‥‥」
「それをクリスが一人で阻止したんだよ」
「へーそんなすごいことが」
「そう、だから、本当は、クリスは爵位なんて興味がなかったんだけど、国はたぶん、クリスの能力を知って、引き止めるために、爵位を授与すると強引に言ったようなの」
「本当にクリスは厄介なものを押し付けられたって言っていたから」
「貴族になるには、それ相応のことが必要で、簡単になれるものではないのに、クリス公爵って、なんだか、よくわかりませんね」
「うん、でも、ずっと前から知っているクリスらしいと思うんだ」
「クリスって、普段は、私たちの後ろをついてくるような人だけど、いざとなったら、まず、真っ先に動いてくれるの」
「それは、もう、格好いいわよ。私たち、全員が、クリスに付き従うわけ、そのうち、わかってくると思うわよ」
「‥‥‥」
温泉に入って裸の付き合いができたからか、仲が少しいいのか?
セラフィーナは本当に大変な思いをしたと思う。
だけど前を向いて生きていくしかない、いつまでも閉じこもっていても後ろを向いてしまうだけだ。
前を向いて歩いていくためには、人と話をすることが一番だ。
人は興味本位で聞いてくるかもしれないけど、一度だけだと思いたい。
誰だって自分以外の人に起きた事には、興味がある。
それは、どうしてか?
自分じゃないからだ。
他人の人ごとほど興味があるわけだけど、いざ自分の身は自分の家族に起きたらと考えもしない!
盗賊が自分が、どれだけの人を殺したのかも、わからないくらい人を殺しておいて、いざ自分がやられそうになると、許してくれだとか、殺さないでくれ、と言う。
俺は今でもアリシアが、さらわれたことを、しっかりと覚えていて、いまだに怖さを感じる。
アリシアが、どこかで殺されていることや、犯されていることなんて、想像もしたくない。
でも、今の世の中は、実際に起きていることだ。
夢物語ではない。現実なんだ。理性が働かない奴や、変態的な考えを持つ奴はいる。
セラフィーナに起きたことが、アリシアに起きていたらと思うと、夜も寝ていられない。
セラフィーナは精神的なものが大きいし、肉体的にもダメージを被っただろう。
それを乗り越えていかなければ、人の顔を見て笑うことができなくなる。
ほんとに誘拐をした奴らと、主犯格の奴らには、ハラワタが煮えくり返るほど憎んでいる。
自分の趣味だけに走って、人のことをないがしろにしている、人の感情なんか無視して快楽に走るだけ。
そんな奴らが、良い生活ができるわけないし、良い人生が遅れる事は無い。
もし、そういう奴らがいたら、俺が、そうはさせない。
しかし俺だって、限界はある。
全てを俺が解決できるわけはない。
しかし悪い奴は後を絶たない。
また次のやつが必ず出てくるだろう。
セラフィーナを送って行く朝が来た。
「あ~今日から、また、旅か~」
セラフィーナには、俺の能力は、バレているので嬉しい事に隠す必要は無い。
馬車を使うことなく、飛行魔法で飛んでいくことができる。
馬車で行くことも味があっていいけど、長旅は疲れる。
人が歩いて行くのが1番遅くて、次が馬車が遅い、1番早いのが馬、だけど飛行魔法は馬より、断然早い。
馬が1ヵ月かかるところ、飛行魔法だと直線距離で数時間で行ける。
そして1度、その場所に行ってしまえば、転移にすることができる。
時間の短縮ができるのが1番の特徴だ。
「さぁ、今日からセラフィーナの国まで行くよ」
「はい、お願いします」セラフィーナ全員に頭を下げる
「じゃ、まずは、この部屋から、いつも練習している野原まで瞬間転移するよ」
俺の屋敷から、メンバー全員で、以前メンバーと稽古していた場所に転移した。
セラフィーナは、転移は2回目だ。
初めてではないにしても2回目でも、多少のふらつきが出てしまうので、少し野原で休憩した。
そして、ここから、透明化の魔法を使い、空を飛んでいく。
初めて空を飛んだ時にセラフィーナは驚いて怖がっていたけど、左右をアリシアとソフィアが手を繋いで飛んでいたので時間とともに徐々に慣れてきた。
空を飛ぶことに慣れてきたので、徐々にスピードを上げていく。しかし最高速は出せない。
最高速では、慣れていないとパニックを起こす可能性があるので、注意しながら飛んでいった。
あまり長時間を飛ぶと、疲れがセラフィーナには出やすいので、今日は、かなり早い時間に、野宿することにした。
以前だったら野宿するときには、馬車の中で寝泊まりするんだが、今は空間魔法で空間を作り出すことができるのでが、空間を作ってセラフィーナの部屋もベッドや毛布を整えて用意している。
セラフィーナは初めて空間に入るので、メンバー全員が入ったあと、最後に入ってもらった。
「すご~い」とセラフィーナ、いろいろなところを見ている。
「この部屋がセラフィーナの部屋だよ」と言いながら、ドアの開け方を説明しておく。
「この空間にある部屋は、自分でドアのノブを持って出ようとする考えると開くようになっている、練習してみて」と俺が言うと
セラフィーナは簡単にやってみせた。
「じゃぁ後は食事になったら呼びに来るから、それまでは部屋でゆっくりしていてね」
と言って俺は食事の準備にかかる。
食事といっても屋敷で作ってくれたものを、いつも使っている収納空間に入れているだけだ。空気がないし、時間が止まったままだし。
時間が溜まったままの空間は温かいまま出すことができるから、最高に便利だ。
そしてみんなから預かっているドレスも時間停止収納に入れているから、シワが入らない。
テーブルの上にメンバーに手伝ってもらいながら、料理が乗ったお皿を並べていく。
そしてセラフィーナを部屋に呼びに行ってもらう。
セラフィーナが来たので食事にすることにしたが、旅行中なのに雨に振られることもないし、盗賊に襲われることもないしと、驚いてばかりいた。
あとはトイレの場所も教えている。
そして食事を終えたので、俺たちはお風呂に入ることにした。
空間の中に作っておいた、扉を開けると、男湯と書いてある方は男湯の脱衣場に通じて、女湯と書いてある方には女性の脱衣場に通じる。
空間は、俺が、いなくても温泉に入ることができる。
「この空間にいる時はね、クリスにお願いしなくても、ここの扉を開けるだけで温泉に入れるんだよ」とアリシア
「へ~そうなんですね、すごいですね、なんだか驚きすぎて言葉が出ないです」とセラフィーナ
「そうなるよね~、ご主人様だったら本当に人間離れしてるから」とアレク
「本当、人間とは思えないのじゃ」とロゼッタ
「時々、人間なのか?と思うことがあるわ」とパトリシア
神獣たちが勝手なことを言っている。
「ご主人様はねー、魔法は、すごい超一流なんだよ、そして決断力と行動力も凄いんだよ」とアレク
「本当にクリスは、いつもは私たちの後ろを歩いてきているような感じなんだけど、いざと言う時は……」とアリシアは、それ以上言わなかった。
セラフィーナが「私も、そう思います、本当に牢屋に裸でとらわれていた時に、見られたのは恥ずかしかったですけど、神様が来てくれたような気がして、助けに来てくれたのは公爵様だけですから」と声を震わせながら、涙を流していた。
そして、セラフィーナはメンバーと仲良くなれたと思う。
「みなさん、ありがとうございます」
「セラフィーナさんも本当に大変でしたね」
「本当に酷い目に遭いましたけど、自分が世間知らずということがわかりました。そんな自分が嫌になるくらい後悔しています。」
セラフィーナは小声で「あの、ちょっとお聞きしたいんですが、公爵様は、お若いんですよね」
「うん、私と同じ16歳」とアリシア
「16歳の公爵の方って、もしかしてお父様が早くお亡くなりになったんですか?」
「えっ、違うよ」
「でも、普通だったら、お父様がお亡くなりになるか、引退して譲ると思うんですけど」
「クリスはね、もとは私と同じ平民なんだ」
「えっ、では…‥」
「それはね、今まで色々なことが起きて、それをクリスが解決して公爵の地位を喪もらったんだよ」
「普通は、すごい手柄を立てないと、慣れないはずですが、しかも貴族になれても、騎士爵からもらうはずですが」
「普通ならね」
「では、普通ではないと‥‥‥」
「うん、そう」
「 私たちの国、オーリス王国で王族の暗殺計画があったんだ。王様も、王子様、姫様も暗殺されようとしたんだよ」
「へーそんなことが‥‥‥」
「それをクリスが一人で阻止したんだよ」
「へーそんなすごいことが」
「そう、だから、本当は、クリスは爵位なんて興味がなかったんだけど、国はたぶん、クリスの能力を知って、引き止めるために、爵位を授与すると強引に言ったようなの」
「本当にクリスは厄介なものを押し付けられたって言っていたから」
「貴族になるには、それ相応のことが必要で、簡単になれるものではないのに、クリス公爵って、なんだか、よくわかりませんね」
「うん、でも、ずっと前から知っているクリスらしいと思うんだ」
「クリスって、普段は、私たちの後ろをついてくるような人だけど、いざとなったら、まず、真っ先に動いてくれるの」
「それは、もう、格好いいわよ。私たち、全員が、クリスに付き従うわけ、そのうち、わかってくると思うわよ」
「‥‥‥」
温泉に入って裸の付き合いができたからか、仲が少しいいのか?
セラフィーナは本当に大変な思いをしたと思う。
だけど前を向いて生きていくしかない、いつまでも閉じこもっていても後ろを向いてしまうだけだ。
前を向いて歩いていくためには、人と話をすることが一番だ。
人は興味本位で聞いてくるかもしれないけど、一度だけだと思いたい。
誰だって自分以外の人に起きた事には、興味がある。
それは、どうしてか?
自分じゃないからだ。
他人の人ごとほど興味があるわけだけど、いざ自分の身は自分の家族に起きたらと考えもしない!
盗賊が自分が、どれだけの人を殺したのかも、わからないくらい人を殺しておいて、いざ自分がやられそうになると、許してくれだとか、殺さないでくれ、と言う。
俺は今でもアリシアが、さらわれたことを、しっかりと覚えていて、いまだに怖さを感じる。
アリシアが、どこかで殺されていることや、犯されていることなんて、想像もしたくない。
でも、今の世の中は、実際に起きていることだ。
夢物語ではない。現実なんだ。理性が働かない奴や、変態的な考えを持つ奴はいる。
セラフィーナに起きたことが、アリシアに起きていたらと思うと、夜も寝ていられない。
セラフィーナは精神的なものが大きいし、肉体的にもダメージを被っただろう。
それを乗り越えていかなければ、人の顔を見て笑うことができなくなる。
ほんとに誘拐をした奴らと、主犯格の奴らには、ハラワタが煮えくり返るほど憎んでいる。
自分の趣味だけに走って、人のことをないがしろにしている、人の感情なんか無視して快楽に走るだけ。
そんな奴らが、良い生活ができるわけないし、良い人生が遅れる事は無い。
もし、そういう奴らがいたら、俺が、そうはさせない。
しかし俺だって、限界はある。
全てを俺が解決できるわけはない。
しかし悪い奴は後を絶たない。
また次のやつが必ず出てくるだろう。
セラフィーナを送って行く朝が来た。
「あ~今日から、また、旅か~」
セラフィーナには、俺の能力は、バレているので嬉しい事に隠す必要は無い。
馬車を使うことなく、飛行魔法で飛んでいくことができる。
馬車で行くことも味があっていいけど、長旅は疲れる。
人が歩いて行くのが1番遅くて、次が馬車が遅い、1番早いのが馬、だけど飛行魔法は馬より、断然早い。
馬が1ヵ月かかるところ、飛行魔法だと直線距離で数時間で行ける。
そして1度、その場所に行ってしまえば、転移にすることができる。
時間の短縮ができるのが1番の特徴だ。
「さぁ、今日からセラフィーナの国まで行くよ」
「はい、お願いします」セラフィーナ全員に頭を下げる
「じゃ、まずは、この部屋から、いつも練習している野原まで瞬間転移するよ」
俺の屋敷から、メンバー全員で、以前メンバーと稽古していた場所に転移した。
セラフィーナは、転移は2回目だ。
初めてではないにしても2回目でも、多少のふらつきが出てしまうので、少し野原で休憩した。
そして、ここから、透明化の魔法を使い、空を飛んでいく。
初めて空を飛んだ時にセラフィーナは驚いて怖がっていたけど、左右をアリシアとソフィアが手を繋いで飛んでいたので時間とともに徐々に慣れてきた。
空を飛ぶことに慣れてきたので、徐々にスピードを上げていく。しかし最高速は出せない。
最高速では、慣れていないとパニックを起こす可能性があるので、注意しながら飛んでいった。
あまり長時間を飛ぶと、疲れがセラフィーナには出やすいので、今日は、かなり早い時間に、野宿することにした。
以前だったら野宿するときには、馬車の中で寝泊まりするんだが、今は空間魔法で空間を作り出すことができるのでが、空間を作ってセラフィーナの部屋もベッドや毛布を整えて用意している。
セラフィーナは初めて空間に入るので、メンバー全員が入ったあと、最後に入ってもらった。
「すご~い」とセラフィーナ、いろいろなところを見ている。
「この部屋がセラフィーナの部屋だよ」と言いながら、ドアの開け方を説明しておく。
「この空間にある部屋は、自分でドアのノブを持って出ようとする考えると開くようになっている、練習してみて」と俺が言うと
セラフィーナは簡単にやってみせた。
「じゃぁ後は食事になったら呼びに来るから、それまでは部屋でゆっくりしていてね」
と言って俺は食事の準備にかかる。
食事といっても屋敷で作ってくれたものを、いつも使っている収納空間に入れているだけだ。空気がないし、時間が止まったままだし。
時間が溜まったままの空間は温かいまま出すことができるから、最高に便利だ。
そしてみんなから預かっているドレスも時間停止収納に入れているから、シワが入らない。
テーブルの上にメンバーに手伝ってもらいながら、料理が乗ったお皿を並べていく。
そしてセラフィーナを部屋に呼びに行ってもらう。
セラフィーナが来たので食事にすることにしたが、旅行中なのに雨に振られることもないし、盗賊に襲われることもないしと、驚いてばかりいた。
あとはトイレの場所も教えている。
そして食事を終えたので、俺たちはお風呂に入ることにした。
空間の中に作っておいた、扉を開けると、男湯と書いてある方は男湯の脱衣場に通じて、女湯と書いてある方には女性の脱衣場に通じる。
空間は、俺が、いなくても温泉に入ることができる。
「この空間にいる時はね、クリスにお願いしなくても、ここの扉を開けるだけで温泉に入れるんだよ」とアリシア
「へ~そうなんですね、すごいですね、なんだか驚きすぎて言葉が出ないです」とセラフィーナ
「そうなるよね~、ご主人様だったら本当に人間離れしてるから」とアレク
「本当、人間とは思えないのじゃ」とロゼッタ
「時々、人間なのか?と思うことがあるわ」とパトリシア
神獣たちが勝手なことを言っている。
「ご主人様はねー、魔法は、すごい超一流なんだよ、そして決断力と行動力も凄いんだよ」とアレク
「本当にクリスは、いつもは私たちの後ろを歩いてきているような感じなんだけど、いざと言う時は……」とアリシアは、それ以上言わなかった。
セラフィーナが「私も、そう思います、本当に牢屋に裸でとらわれていた時に、見られたのは恥ずかしかったですけど、神様が来てくれたような気がして、助けに来てくれたのは公爵様だけですから」と声を震わせながら、涙を流していた。
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