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第217話 出発の前

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次の日、全員で病院にセラフィーナを馬車で迎えに行き、馬車で帰ってきた。

俺が馬車で御者をしながら、後ろには少し狭くなったけど8人が載っている。

今日は大型の馬車を調達してきている。

王様から借りたんだけどね。

馬車で、しばらく走っていると、俺の屋敷に着いた。

そして屋敷の中に入っていくと、執事のセバスチャンが迎えに来てくれた。

「お久しぶりでございます、セラフィーナ様」とセバスチャン。

セラフィーナは、俺の屋敷に転移しているので知っている。

「こんにちは」

セバスチャンに挨拶をして、屋敷の客間の部屋に案内する。

「今日1日だけだけど、ここの部屋を自由に使ってね」と俺

「洋服は少ないけど、クローゼットに用意してあるし、下着も用意したけどサイズが合えばいいんだけど?、そして旅行する洋服も下着もいるでしょう」とソフィアが説明してくれた。

そしてソフィアが話を続けた、「旅に行くときにはこのバックに入れてね。この部屋にある必要なものは持っていっていいから、洋服も下着も公爵様からの気遣いね。」

それを聞いていたセラフィーナは、「えっ、公爵様だったんですか? 申し訳ありません、いろいろ、お気遣いをいただいて」

「公爵様に助けていただいたんですよね、本当になんとお礼を言っていいか」とセラフィーナ、

「そうだけど、あまり気にしないで」と俺、

後は部屋でゆっくりしてねって言ってソフィアと俺は、部屋を後にした。

そして全員で食事をとったあと、恒例の温泉に行くことにした。

いちおう仲間はずれになるから、セラフィーナも誘ってみた。

そうしたら行くと言う事だったので、連れて行くことにした。

セラフィーナも転移の事は知っているので、温泉棟の前まで転移してきた。

女性陣と別れて、うち風呂で、かけ湯をして露天風呂に入っている。

そうすると、女性たちが入ってきた。

全員がタオルを巻いているが、後ろにセラフィーナが恥ずかしそうにいる。

恥ずかしければ、うち湯に入っていれば良いと説明していたんだが、全員が露天に行くと言うことを説明すると、私も行くと言ったそうだ。

全員で湯船につかっていると、1人を除いてタオルを取り出した。

「やっぱりタオルがないほうがいいのじゃ」とロゼッタ

「やっぱり開放的だよね」とアレク

そうすると、セラフィーナも、思い切ってタオルをとった。

「もう、全部、見られているし」と小さい声で言っているのが聞こえた。

本当に、いつも温泉に来ているけど、寒さが一段と強くなった気がするが温泉の暖かさと星空と月を見ながら入るのが、お気に入りだ。

そして女性たちも今日は、セラフィーナがいるせいか、そんなに近くに寄ってこないし。

適度に全員が離れながら、空を見上げている。

今日は青空が見えてたみたいで雲、1つない本当にいい星空が見える。

「えーっとセラフィーナさん」と俺が言うと、セラフィーナで良いですよと言われたので、

「セラフィーナは、本当に国の跡継ぎなんですか?」と俺

「はい、私の国では、男でも女でも王様になることができるんです。本当に、自分が1番上に生まれたからといって、国の王様になるなんて、そんなのなりたくないって思っていたんですけど。」

「でも今回のことで、本当につらい思いをしたので思い直しました、自分にしかできないことがあると‥…」

そしてセラフィーナは涙を流したので、女性たち全員がセラフィーナの近くによって声をかけている。

「今回あった誘拐事件は、公爵様が本当に活躍されたと、病院でもお聞きしました。退院するまで公爵様って、どんな方なのかなと思っていましたが、本当に親身になって私のことを助けて下さって‥…」

と、また泣き出してしまった。

「ご主人様に任せておけば大丈夫なのじゃ」とロゼッタ

「そうだね、ご主人様は、メンバーの中でも背は小さいけど、すごく活躍するんだよ」とアレク

「背が小さいのは余計だよ」と俺

「本当にクリスは、すごいんだよ」とアリシア

「どうしてアリシアは公爵様のことをクリスっていうの」とセラフィーナ

「それはね、私たちは昔から幼なじみなんだ。だから私はクリスが小さい頃から知っているの」とアリシアが答えていた。

「へーそうなんですか」とセラフィーナ

「でもクリスが村から冒険者になろうって出て行って、村に帰ってきたときには、女の子が3人もいるんだよ」とアリシア

「でもねクリスたらねー、女の子3人だけじゃなかったんだよ。もう3人も増えたんだよ。」とアリシアは怒り気味

そこに近づいてきたアレクが、「私はねー、本当はね、トラなんだよ」と、いつものガォと言うポーズをして言った。

お姉さん肌なのにロゼッタが、「私も、ドラゴンなんだ」とアレクのポーズを真似てガォとしていた。

そこにまたパトリシアが近づいてきて、「私は、クマなんだよ」とやはりガォと言うポーズをとっていた。

本人たちは本当のことを言っているんだが、冗談にしか聞こえないんだよね。

そこで、みんなが笑い出したので、セラフィーナも、それにつられて笑い出した。
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