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第142話 魔法の次の段階
しおりを挟む俺は比較的、帰ってきてから、ゆっくりしているんだが、王城は、誰かのせいで、すごく慌ただしい。
王城にダイラス連邦からの親書を渡して、返事を待っている状態だ。
国と国が国交を持つと言う事は、一大事らしい。
そんなことも知らないで、俺は屋敷でのんびりしている。
屋敷で、のんびりしながらも修練は怠りは無い。
そしてメンバー全員も同じように魔法の練習を続けている。
以前、俺が井戸を掘るために、やってみせたことが非常にショックだったみたいだ。
人は簡単に変わることができないから何かが起きないと、良いことを聞いたと言う程度で終わってしまう。
俺は、王国の返事を待つ間、ときにはポーション作りを自分でもしながら、地下2階の部屋に、こもりながら研究したりしている。
多分、何回かはダイラス連邦と王国を往復しなければいけないから。
王城からの返事が来ない限りは動けないので、しばらく待つことにしたから時間ができた。
時間ができたので、次の段階に研究を進めることにした。
俺の部屋に戻ってきた。
今は、この屋敷の主である俺の部屋にメンバー全員を集めている。
全員が丸テーブルの周りに集まって座っている。
俺の右側にはアリシアが座っている。
「冒険者としての、次の段階に進もうと思う」と俺は全員に対して顔を見ながら言った。
「全員が以前、俺が井戸の周りで実践したことを、ちゃんとここでもやってもらっていると思う」
その基本的なことができたからこそ進める段階なんだと説明した。
「今までは、魔力を集めて濃密にすることを中心にやってきたと思う」
「でも、次の段階は、まとったものを発散するというか、外部に対して圧力をかける方法」
と説明をしていたが、全員が、なんだかわからないと言う疑問符を浮かべている。
じゃあ実際にやってみるから、前のように俺の前に集まってと言って、少し場所が広いところに立った。
俺を中心に、なぜだかアリシアが正面に来て、斜め右側にソフィア、斜め左側にはイザベラ、ソフィアの横にコリンが来た。
じゃあ前回と同じように、手を出して俺に触れるか触れないかと言うのやってみて。
全員が俺のほうに手を出して目を閉じる。
「じゃぁ、行くよ」
と言って、まずは魔力を纏わせる段階、これは前やったのと同じだよ!
「ちょっと待って」とソフィアとイザベラとコリンとアリシアが声を上げた。
4人が同時に声を上げたので、魔法の行使を停止して「なに?」と聞いてみた。
アリシアが「クリス、前と全然違うんだけど」
ソフィアが「クリス以前の時と違うけど」
イザベラが「全然前と違うよー」
コリンまでが「本当だよ~」
と言ってきた、けど、俺は以前と同じようにやってる感じなんだが。
「どう違うの?」と聞いてみると
「前より、すごくなっている」と4人に揃って言われた。
あれ?
「自分は、前と同じようにやってるつもりなんだけど」
「前の事は、結構ショックだったから、すごく覚えているのよね」とアリシア
「本当にショックだったから、覚えている」とソフィア
2人に同調してうなずいているのは、イザベラとコリン
じゃぁ、多分、自分にもショックだったことが起きたので、魔法が拡大したのかな?と説明した。
そう言われれば自分も感じていたんだが、以前よりも修練する時もやりやすくなったような気がしたから。
「まぁいいんじゃない成長途中だし」と言っておいた。
全員が突っ込んでこなかった。
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